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2018年11月05日

父親からの逃避行

「先生、僕んち防犯カメラが4台あるんですよ。」
DVで親が離婚した生徒の自宅の話である。

昨年何回か面談したときは、とても仲が悪そうではなかったのだが、周到な計画のもと、母親が子供たちを連れて出て行った。その後、父親からは行方をくらまし、現在離婚調停中であるという。

「父親が文化祭の時、学校に来るかも知れませんので、息子に合わせないで下さい。」
などと、文化祭前に相談された。それは、さすがにできないので、お断り申し上げたが、父親からの問い合わせで、住所を尋ねられても答えられないことにはなっている。

生徒の方は、中1のときは、多少暴力的であったが、今はすっかり落ち着いた。
幼少期から、父親から暴力を振るわれて育ったようで、心の奥には、深い傷を負っているだろう。
普段は気丈に振る舞っているので、なかなか周りからは分からないが、一定のキャパシティを越えると、爆発する。

「生活のめどがついたので、家を出ることにしました。」
そう、私あてに連絡があったときは、さすがに驚いた。

子供三人(小5、中2,高3)を、母親一人で育て上げるのは、並大抵ではない。
学校通わせる費用も、かなりの高額だ。私立学校にも通わせているので、金策にはかなり苦労しているに違いない。

以前、
「僕んち、お仕置き部屋があるんです。」
と、聞いたことがある。小さいときは、悪さをすると、お仕置き部屋に閉じ込められたという。

電気のつかない、真っ暗な部屋で、反省をさせられたそうだ。
「でも、途中から電気のつけ方、わかっちゃったんですけどね…。」
と、にこり。

そのときは、父親は、面白い教育方針だな、と思って聞いていたが、今から思うと、暴力の延長にあったのだろうと思う。

「お母さんは、監視カメラ、もう一台つけるって言うんです。まったく、どんだけつければ気が済むんだよ。」

本人は、あまり父親に対して恨み心のようなものを持ってはいないようだが、母親には、積もり積もった不満と我慢が、すべて吹き出している状態だ。

思いやりのある優しい生徒で、私にも時々お茶を点ててくれるし、祭りにも参加した。

だが、父親からの逃避行は、まだ続いているようだ。













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