2018年10月04日

部活と補習

野球部のキャプテンでありながら、一ヶ月の無断欠席をしたのち、退部していったY君に聞く。
「君は、なぜ駅伝メンバーではないのだ?」

「しばらく運動していなくて、体力が続かなくて…。」
運動部でバリバリ活動していたにも関わらず、一週間を超えて、運動をしなくなると、ぐんと体力が落ちる。
本当は、落ちてしまうのは気力なのかも知れないが、少し負荷のかかった運動をしようという気持ちは沸いてこないものだ。

「それから?」
と追及すると、
「ちょうど練習や、試走の日に、補習が抜けられなくて…。」
成績不審の生徒は、補習優先になっている。これで、彼にとっては、格好の言い訳ができた。

私の尊敬する、元校長のE先生は、
「補習で部活を休ませちゃだめだ。」
という持論をお持ちだった。

「今日は補習です。」
と、合法的に部活を休むきっかけを与えてしまうし、部活内でも、何となく居心地が悪くなる。
そのまま、うまくいかないと、退部への道を歩み出す、というのだ。

中学校では、部活は全員加入の学校が多いだろうが、その理由は『生徒指導』である。
多くの学校は。部活動を通して、社会性を教え、いわゆるヤンチャな生徒たちを、最低限部活動で掌握できれば、学校全体として問題行動を起こすことが少なくなる、という訳だ。

また、身体を動かすべき時には、やらせないと、そのありあまるエネルギーを発散する場がなくなる。その発散が、学校生活や、地域でのいたずらに向けられては困る、という理由もあるだろう。

「そんなことはない。」
と、諸先生からお叱りを受けるかも知れないが、少なくとも私の地域の公立中学校では、そうやって学校が動いている。

教師側は、
「補習に出なきゃいけないくらいなら、宿題をきちんとやって、勉強頑張って、成績上げなきゃ。」
と、生徒が感じてくれることを期待しているのだが、
「やったぜ、これで部活に行かなくて済む。補習は面倒だけど、静かに座っていれば終わるのだし、ちょっとガマンすれば、その後は自由だ。」
となる。これでは、何のための補習か分からない。

「成績不振の生徒をフォローして、実力をアップして下さい。」
という校長らの号令むなしく、教師も生徒も、残念な時間を浪費している。

「補習を廃止しましょうよ。先生も生徒も不幸ですよ。罰ゲームじゃ、だめですよ。」
そんな声も聞こえてくる。

昨年度は、
「たくましい生徒を養成したいので、どんどん部活で鍛えてください。」
と号令が発せられたが、今年度は、
「成績が落ちたので、部活を縮小して、補習して、生徒に勉強させてください。」
となった。

バランスを取るのは難しいが、いずれにせよ、生徒も教員も機嫌良く過ごせる学校がいい。

義務感、やらされ感、強制感は、成果を生まないものだから。
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