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2018年09月25日

新人戦前のごたごた

「先生、○○が剣道部を辞めるって言うんですよ。」
○○とは、私の担任している生徒で、剣道部の部長である。
今週末に迫っている新人戦まで、あと数日だ。よく部活を休んでいたことは知っていたが、まさか退部を考えていたとは知らなかった。明朝は新人戦の壮行会だ。

「大会も、団体戦は出るけど、個人戦は出ないって言うんだよ。」
剣道の団体戦は5人で出場する。聞けば彼は中堅だそうで…。
しかし、それよりさらに問題なのが、もう一人の生徒であった。

「△△は、試合すら出ないって、昨日も説得したけど、練習に来なかったんだ。」
△△も、私の担任している生徒である。同じように部活を休んでいたのは知っていたが、大会直前の行動としては情けない。△△は団体戦の大将だ。

さっそく、一人ひとりを個別に呼び出し、話を聞いてみる。
どちらも、辞めるという意思は固いようだ。人間関係云々という訳ではないようだが…。
総体を終えて、すでに中3は引退している。

○○には、
「最後くらい、部長としての責任を果たさなきゃいけないよ。」
と、優しく諭した。明日の壮行会でも部長として話をする、と言う。
△△には、
「辞めるにしても、きちんと顧問の先生に礼を尽くしてからでないといけない。五人しかいない剣道部なんだから…。」
と、諭した。

二人とも、中学に入ってから剣道を始めた生徒で、一級を取っている。

「つらいことから逃げるような感じで、剣道部を辞めてしまうのは、なんか嫌だな…。」
「つらいわけではないんですけど…。」
○○はそう、つぶやいた。

その後、
「先生、△△が試合には出る、って言ってくれたんですよ。大丈夫だよなって、握手しちゃいました。」
剣道部の顧問が嬉しそうに、私に報告してくれた。

試合当日、ドタキャンしないといいな、と思う。

いずれにせよこの二人には、この先も何かしら運動には関わらせようと思っている。

「君たち、12月のマラソン大会は出るんだよ。」
彼らはニコッと笑って、頷いた。
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