2018年09月27日

三角形の合同条件を覚える

中1の授業で、『三角形の合同条件』を覚えさせた。

私の学校では、数学は中1から中3まで週5時間。検定外教科書を使い、代数と幾何に分けて、平行して授業を進めている。その上、2クラスを3クラスに習熟度別クラスに分けているため、上位のクラスは、やや進度が速いので、すでに中2の単元に入った、という訳である。

「絶対に、この時間に覚えさせるぞ。」
という、私の強い決意のもと。三角形の合同条件を紹介する。

まず、検定外教科書の合同条件が、検定教科書の文面と少し違っているので、念のため、教科書を書き直しさせた。

『三辺の長さが等しい』を『3組の辺の長さが、それぞれ等しい』といった具合である。

古い用語を使えば、『三辺相等』というわけで、どちらでも構わないだろうとも思うが、模擬テストや高校入試で、いらぬ減点をされないための配慮だ。

まず、復唱させ、次に唱和。さらに、目をつぶらせて唱和させ、
「はい、それでは3分間で覚えて下さい。そのあと、一人ずつ言ってもらいます。」
と宣言した。

3分間は、あっという間だが、生徒たちは必死に、でも楽しそうに覚えている。

中学で暗記した内容は、けっこう大人になっても記憶に残っている。
社会人になって使うことがない「三角形の合同条件」だが、今日の授業時間内に覚えさせてしまおう、という作戦である。

その後、順番を決め、一人ひとりに合同条件を言ってもらった。
つっかえたらやり直し、失敗したら、もういちど最初の人から始めるという方法だ。

「自分が詰まったら、やり直しになってしまう」
という適度な緊張感が、集中力をアップする。昼食後の五時間目だが、うとうとしている暇などない。

書いて覚えるより、言って覚えた方が、さくっと覚えられるものだ。
一人ひとりと、クリアするたびに拍手が起こる。
そして、全員クリア。

「今日は、この先も、ずっとこの合同条件を言い続けるんだよ。」
そう念押しして授業を終わる。

「しまった、明日は大会で、私は授業ができないんだった…。」

この週末は、生徒と出会ったらその場で聞いてみよう。
「三角形の合同条件、三つ全部言って下さい」
と…。
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新しいタイプの生徒会長

夕刻には、当選者が決まった。
今回は訳あって、職員会議での承認の上での発表となったが、何とも後味の悪いものになった。

それは、無効票があまりに多い選挙結果になったからだ。
生徒会長は、候補者二人のうち、どちらかに○をつけて選ぶ、という投票方法だったが、多くの投票用紙で生徒会長候補の欄が空欄だった。

選挙管理委員会は、空欄なので無効票とカウントしたが、投票用紙および事前の注意で、二人の両方に○をつけた投票用紙は無効になるというアナウンスはあったが、
「どちらにも○をつけなかった場合は無効票となる。」
というアナウンスはなかった。これは情けないが、投票用紙および運営上の不備。

無効票が多かったということは、多くの投票者が、候補者を二人とも信任しなかったことになる。
結果、立候補者の得票は、投票者の過半数に満たなかった。

しかし、規約では、「有効投票数の過半数を得票した者」を当選することになっていた。
この有効投票数には、無効票は含まれないので、白票を投票した無言の抵抗は無視された形で当選が決まったのだ。規約通りなので、これで決まり。

有効投票数が極端に少なかった場合は、過半数に信任されない候補者が選ばれることになるわけで、この点は規約の不備だろうし、得票が投票の過半数に満たなかった場合の記述も、規約にはなかった。

「候補者が不満ならば、自分が立候補すればよいではないか。」
とも思うが、立候補できるのは、今回は高校一年生のみ。無効票が多かったのは、高校一年以外の学年だった。

私の学校は行事では大変盛り上がる。体育祭にしても文化祭にしても、はたまたその他行事であろうと、大いに盛り上がり、後夜祭まで行われる始末。もちろん、それぞれにリーダーがおり、彼らがリーダーシップを発揮し、周りを巻き込んで一大行事に仕上げていく。だから、例年の生徒会選挙も、多くの生徒が、「これぞ」という生徒会長を選び、生徒会長につきしたがっていく。

ところが、今年は違った。いつまでたっても立候補者が出ない。
出てきたと思えば、「うーん」という候補者だったりする。要するに、信頼感がないのである。
同じ学年内でも、「どうして?」という声がチラホラ。もちろんリーダーではない。

もちろん、リーダーは育てていくものだから、今現在リーダーでなくても良いわけだが、少なくとも今現在、多くがついてきてくれるタイプではない。「えっ、ちょっと」という感じなのである。そして、生徒の多くは、「この生徒が生徒会長になって、大丈夫だろうか。」、という思いがある。

残念ながら、ここでは詳しく書けないが、たとえて言えば、「他の人と普通に会話をすることが困難で、なおかつ、不登校の生徒が生徒会長に立候補して当選した」、という感じだろうか。

「生徒会長として、学校を変えていこうという生徒は、いないのだろうか。」
「どうせ生徒会長になっても、学校を変えられるはずはないという失望感なのか。」
「信任投票、再選挙はやらなくていいのだろうか。」

などなど、職員会議で教員たちは大いに困惑した。

「生徒会選挙を通して、民主主義を学ぶのです。」
と、立ち会い演説前に語った、生徒会担当の先生の言葉が虚しく響く。

国政選挙でも白票は無効票であるし、投票をしなければ、選挙権そのものの放棄となり、無言の抵抗は、基本的には無視される。

「新しい、生徒会会長の誕生だね…。」
職員会議後、不満の矛先をどこにもぶつけられないある教員がつぶやいた。
周りの先生は、冷笑するばかりであった。

2018年09月26日

『一太郎』教の信者

かつて学校現場は、ワープロソフトと言えばジャストシステム社の『一太郎』だった。
しかし、いつしかマイクロソフト社の『Word』に駆逐されつつある。

「いやいや、今でもうちの学校は『一太郎』だよ。」
と言う声が聞こえてきそうだが、私の学校で『一太郎』を使っているのは私だけになってしまった。
昨今は、時前のパソコンは学校現場に持ち込めないし、提供されているパソコンには、一切のソフトをインストールできない、というのが一般的である。

学校では、私自身が情報管理者の一人でもあるので、
「もし個人のパソコンを持ち込み、学校のネットワークにつなぐのであれば、そのパソコンは一切外部には持ち出さないでください。」
という条件で、持ち込みをOKしている。

学校備品のパソコンへの各自がソフトのインストールをすることもOKと、なかなか甘々の環境なのである。
とは言っても、身銭を切って有料ソフトを入れようなどと酔狂な先生は少ない。

と言うことで、年々『一太郎』利用者は減り、とうとう私が最後の『一太郎』ユーザーである。

たぶんVer3時代から使っているので、かれこれ20年以上になる。それでいて、毎年のようにバージョンアップを繰り返しているのだから、『一太郎』きちがいと言ってもよいだろう。

「日本語ワープロを使うのだから、日本人であるならば、純日本産を使い続けるのが、粋ってもんだろう」

そう言って強がっていた時代もあったが、ATOKの優位性もかつてほどではなくなっている今、私の存在はもはや『一太郎』教の信者である。

どんな文書も『一太郎』で作り、他の人に引き渡すときは、「Word形式で保存」と、何とも面倒なことをし、時に『花子』を使う。さすがに『三四郎』や『Agree』は使わなくなったが、『Shuriken』は、標準のメールソフトとして利用中である。

当然このブログの原稿も、『一太郎』で作られているし、かつて毎日欠かさず発行し続けた「学級通信」も『一太郎』で作ったのだ。

『一太郎』は、もはや、私のこだわり以外の何ものでもない。
posted by 丹澤三郎 at 23:11 | Comment(0) | つれづれ

ペア学習?

私が授業をしている中学三年生の教室が、昨日から二つずつつながって配置されていたので、どのようなねらいがあるのか、担任に聞いてみた。

「隣同士で、寝てる子を起こすんです。」

なるほど、隣り合っていれば、寝ていればすぐ分かる。さりげなく起こすことも可能かも知れない。
しかし、目的としてはちょっと情けない感じがする。
「寝ないためにだけに机をくっつけている。」というのでは、イマイチな企画だ。

私の授業では、寝ている生徒はいないことになっているので、今日は、この二人ペアを活用して授業をしてみた。

2クラス選抜の出席番号順だから、けっこう男女で並んでいる。
そこで、お互い意見を出し合いながら、問題を解かせてみたのである。

問題を一つ板書し、
「二人で意見を出し合って、一番良いと思われる解き方を見つけて下さい。」
と指示した。

その問題は、探せば教科書にも模範解答が載っている。よく読めば内容も理解できる。それをお互い、教え合うのも、理解を深める合うのもよし。ただし、
「一番良い解き方を探して欲しいのだ。」
ということは、何度も強調した。与えた時間は10分間。

10分後、何組かに「どんな方法で説きましたか?」と尋ねてみると、「教科書と同じです。」という。
「それじゃ、つまらないじゃないか。本当にこれが一番いい方法かなぁ。」

すると、あるペアが答えた。
「○○すると、早く性格に解けます。」

私は、心の中で、「やったね」と喜び、他にも同じやり方を考えたペアがないか尋ねてみた。
すると、もう一ペアが、同様の解き方を見つけた。

「この単元を習い始めの、模範解答的には、教科書は完璧だ。だけど、この単元を勉強し、単位円を理解した人は、こんな解き方はしない。こうやって説くはずだ。」
と、私の手の内を見せる。

ものの一分くらいで問題が解けた。
「少し、感動してもらえたかな。」と、私はほくそ笑む。

私の学校の授業は、およそ『学び合い学習』とは無縁だ。中学でも講義形式が多く、授業中にうとうとしてしまう生徒も多い。

今日は、やかましく、賑やかな10分間だったが、隣同士、一緒に数学を考えるという体験をさせることはできた。この学年が、男女中が悪くないというのも、良かった。

いつもは、廊下のドアも開け放って授業をする私が、この10分間は、扉を閉めた。騒がしさで隣のクラスに迷惑になると思ったからである。

この例題が、記憶に残り、次に活かせるかは分からないが、寝ないためではない利用法を、ちょっと試した見た訳だ。

「先生の授業だけは、机を戻させましょうか?」
担任が遠慮がちに私に尋ねる。

「いや、もうすこし実験してみますから大丈夫です。」
私は、丁重にご遠慮申し上げた。
posted by 丹澤三郎 at 19:25 | Comment(0) | 教育活動

新人戦の壮行会

今朝、今週末から始まる新人制の壮行会を行った。
私の学校で壮行会を始めたのは、二年前からで、それまでは、大会に出ない生徒たちは、
「学校にいないのは、大会だったんだ。」
と思うくらいの、つれない状況だったわけで、そう考えると、少しは進歩している。

新人戦と言えば、夏の総体で中学3年生が抜けてから最初の大きな大会。中学2年生が中核メンバーとなって、新しいチームを作り、試合に臨む。

今朝は、各部のキャプテンが、大会に向けての思いを語った。
野球、サッカー、バスケットボール男女、剣道、弓道、テニス男女、水泳。

テニスだけは、中高連携しているて硬式なので、中体連の新人戦とは関わらないが、ちょうど大会前でもあり、一緒に壮行会に加わっている。水泳部は、すでに地区大会、県大会とも終わっているので、大会の報告をしてもらった。

「練習が週三回しかなくても、勝ち上がっている学校はあるんです。だから週三回だから、勝てないと言うのは、言い訳です。」
校長が熱弁を振るう。私の学校は、特別な部活以外は活動日が週3日なのだ。

「勝ち上がっていくというのは、地域貢献でもあるのです。」
とかく、自分中心になってしまう部活だが、思いを外に向けるのはよい。活動している中で、視野が広がるからだ。自分たちのことしか考えない活動より、他の人のことまでを考えている活動の方が、レベルは高いし、モチベーションが維持される。

「日頃、練習してる成果を少しでも発揮し、お世話になっている人たちにお恩返しができるように、何があっても最後まであきらめない姿勢で試合に臨みます。応援よろしくお願いします。」

どのキャプテンも、なかなか立派なスピーチをした。

私は、昨晩のリハーサルも見ていたが、その時は、話の内容が決まっていなかったので、今朝は、少しドキドキした。

「前回(総体)の時よりは、数歩前進ですかね。」
壮行会企画責任者の生徒会担当の先生が私に語りかけた。

「まずまずでしょう…。ありがとうございます。」
中学二年の学年主任として、ほっと胸をなで下ろす。

『勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。』

壮行会中、この言葉がずっと頭から離れなかった。

2018年09月25日

中秋の名月

「昨晩は『中秋の名月』だったんだけど、月を見た人どのくらいいる?」
クラスで生徒たちに尋ねてみると、手を上げた人はちらほら。ほんの数人だった。
もしかしたら、彼らは『中秋の名月』の存在すら知らないのかも知れない。

現代、月見団子を作るなどの月見の飾りをする家庭はほとんどないだろう。
たいていは、テレビのニュースで、「今日は中秋の名月です。一年でもっともきれいな月が見られる日とされています。」というアナウンサーの言葉を聞いて、「そうか、今日がその日なのか。」と思うくらいだろう。

満月は年に12回から13回起こるわけで、別に満月が珍しい訳ではない。
かつては芋煮の習慣があったというが、その名残りは、この時期、各所で行われる芋煮会だろうか。
秋の収穫の時期でもあり、収穫への感謝を捧げる時と考えることもできる。

しかし実際、この時期の月は、やはりキレイなのだ。
夏は、月の南中高度が高い。彼岸の今でも、それは続いている。
空気の澄んだ秋空高く月が出ていると、より明るく感じることなる。
夏場の湿度の高い空気越しの月よりも、煌々と輝くこの時期の月は、とても美しく見えるものだ。

以前、満月があまりに明るいので、本が読めるか実験したことがあるが、確かに大きい字なら読める。
田舎の月は、それほどまでに明るく感じるのだ。

私も昨晩は、月を意識していたが、残念ながら時折雲間から顔を出す姿しか見られなかった。夜中に目が覚めたとき、西の空に、薄雲を通して、うすらぼんやりとした月も見えた。ちょっと納得のいかない月見だった。

この先、来月の『栗名月』、再来月の『三の月』が訪れるが、天気が安定しているこの時期の月に期待しよう。

「先生、すごく月がキレイでした。」
月を見ることができた女子生徒が興奮する。
「やばかったです…。」

日本人は、自然を愛でる心を持っている。それは、現代の世の中であっても同じだ。もし、このことが消えゆくようであるならば、この文化は、教育を通して何としても守っていかなければならないと思う。

どんなに科学技術が進んでも、自然の雄大さを忘れてはならない。人知を超えた存在がそこにはある。

「私、中秋の名月はテレビで見ました。」
同僚の若い先生が得意げに語った。
posted by 丹澤三郎 at 20:49 | Comment(0) | つれづれ

新人戦前のごたごた

「先生、○○が剣道部を辞めるって言うんですよ。」
○○とは、私の担任している生徒で、剣道部の部長である。
今週末に迫っている新人戦まで、あと数日だ。よく部活を休んでいたことは知っていたが、まさか退部を考えていたとは知らなかった。明朝は新人戦の壮行会だ。

「大会も、団体戦は出るけど、個人戦は出ないって言うんだよ。」
剣道の団体戦は5人で出場する。聞けば彼は中堅だそうで…。
しかし、それよりさらに問題なのが、もう一人の生徒であった。

「△△は、試合すら出ないって、昨日も説得したけど、練習に来なかったんだ。」
△△も、私の担任している生徒である。同じように部活を休んでいたのは知っていたが、大会直前の行動としては情けない。△△は団体戦の大将だ。

さっそく、一人ひとりを個別に呼び出し、話を聞いてみる。
どちらも、辞めるという意思は固いようだ。人間関係云々という訳ではないようだが…。
総体を終えて、すでに中3は引退している。

○○には、
「最後くらい、部長としての責任を果たさなきゃいけないよ。」
と、優しく諭した。明日の壮行会でも部長として話をする、と言う。
△△には、
「辞めるにしても、きちんと顧問の先生に礼を尽くしてからでないといけない。五人しかいない剣道部なんだから…。」
と、諭した。

二人とも、中学に入ってから剣道を始めた生徒で、一級を取っている。

「つらいことから逃げるような感じで、剣道部を辞めてしまうのは、なんか嫌だな…。」
「つらいわけではないんですけど…。」
○○はそう、つぶやいた。

その後、
「先生、△△が試合には出る、って言ってくれたんですよ。大丈夫だよなって、握手しちゃいました。」
剣道部の顧問が嬉しそうに、私に報告してくれた。

試合当日、ドタキャンしないといいな、と思う。

いずれにせよこの二人には、この先も何かしら運動には関わらせようと思っている。

「君たち、12月のマラソン大会は出るんだよ。」
彼らはニコッと笑って、頷いた。
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