2018年10月11日
セ・パ両リーグのCS展望
CS展望 短期決戦に強いチーム、弱いチームをチーム別勝敗から紐解くと…
10/11(木) 15:56配信
ハムはリーグ優勝時以外良績なし、ホークスもファイナル10回中6回敗退
広島・緒方孝市監督と西武・辻発彦監督【写真:荒川祐史】
10月13日からクライマックスシリーズ(CS)が始まる。セ・リーグも巨人がDeNAとの3位争いを制して滑り込み、両リーグの出場チームの顔ぶれが固まった。
CSの始まりは2004年からパ・リーグが実施していたプレーオフだ。今のCSと同様、3位以上のチームが日本シリーズへの出場権をかけて戦うシリーズだったが、1年目の2004年には2位の西武が1位のダイエーを破って日本シリーズに出場し、話題となった。ポストシーズンに新たな盛り上がりを作ることができるということで、セ・リーグも導入することとなり2007年からクライマックスシリーズという形でスタートした。
プレーオフ時代から数えて14年。現在までのCSのチーム別勝敗を見ると、いろいろなことが見えてくる。
◯パ・リーグ
CS1はファーストステージ、CS2はファイナルステージ アドバンテージの1勝は含まない。ソフトバンクはダイエー時代も含む。
日本ハム 25勝18敗0分 勝率.581
CS1 6勝7敗0分 CS2 19勝11敗0分
楽天 10勝8敗0分 勝率.556
CS1 4勝1敗0分 CS2 6勝7敗0分
ロッテ 20勝18敗0分 勝率.526
CS1 10勝5敗0分 CS2 10勝13敗0分
ソフトバンク 27勝29敗0分 勝率.482
CS1 7勝6敗0分 CS2 20勝23敗0分
西武 14勝20敗0分 勝率.412
CS1 8勝13敗0分 CS2 6勝7敗0分
オリックス 1勝4敗0分 勝率.200
CS1 1勝4敗0分 CS2 出場なし
パでは日本ハムがCSで勝率が高い。ただし、優勝してファイナルステージで下位チームを迎えた時にはめっぽう強いが、ファーストステージは6勝7敗とそれほどでもない。
ソフトバンクはファイナルステージで10度戦って6度敗退している。リーグ優勝の西武はCSが苦手なチームの1つだ。ファースト、ファイナルいずれも負け越している。
今年は下剋上で有名になったロッテや楽天など、意外性のあるチームが出場しない。出場3チームとも、それほど短期決戦が得意なチームとは言いがたいが、最近4年中3回、日本シリーズに駒を進めているソフトバンクが過去のデータ上はやや有利に見える。ポストシーズンに良績のないリーグ優勝の西武は、強力打線がCSでも力を発揮できるかどうか。
広島はCSで大きく負け越し、ヤクルト&巨人も数字上はパンチ不足
◯セ・リーグ
中日 22勝14敗1分 勝率.611
CS1 8勝3敗0分 CS2 14勝11敗1分
DeNA 9勝6敗0分 勝率.600
CS1 4勝2敗0分 CS2 5勝4敗0分
ヤクルト 9勝9敗0分 勝率.500
CS1 4勝5敗0分 CS2 5勝4敗0分
巨人 19勝23敗1分 勝率.452
CS1 6勝5敗0分 CS2 13勝18敗1分
広島 6勝9敗1分 勝率.400
CS1 2勝1敗1分 CS2 4勝8敗0分
阪神 8勝12敗1分 勝率.400
CS1 4勝12敗1分 CS2 4勝0敗0分
ヤクルトはファーストステージではレギュラーシーズン2位で出場して勝ち上がり、3位では敗退している。
巨人はファーストステージは4回出場して2回勝ち上がり。勝ち上がりは2位、3位でそれぞれ1回ずつ。ファイナルステージは負け越している。今季は最終戦でCS出場を決めたが、退任する高橋由伸監督のためにも頑張りたいところだ。
CSができた当初は中日が強かった。特にファーストステージは4回出場してすべて勝ち上がっていた。しかし今回は出場せず。DeNAは、CS出場こそ2回だが、ファーストステージは2回とも勝ち上がり、昨年はファイナルステージでも優勝の広島を下した。短期決戦に強いのだ。今季出場すれば面白い存在になったはずだ。
広島はファイナルステージで4勝8敗と大きく負け越し。今年も予断を許さない。
データを紐解くと、今年はリーグ優勝した西武、広島とも短期決戦はあまり得意としていないチームだ。ただ、両リーグとも、短期決戦に強い意外性のあるチームが出場を逃している。下剋上があるのか、それともすんなりレギュラーシーズン優勝の2チームが日本シリーズへ進出するか。
今年のクライマックスシリーズの日程は以下の通り。民放、BS、CS各局で放送予定。今シーズンからプロ野球11球団の公式戦主催試合(一部を除く)を配信しているスポーツ・チャンネル「DAZN(ダゾーン)」でも全試合配信される。
◯セ・リーグ
▽ファーストステージ ヤクルト-巨人(神宮球場)
第1戦 13日(土) 18時
第2戦 14日(日) 18時
第3戦 15日(月) 18時
16日(火) 18時(予備日)
▽ファイナルステージ 広島-1stステージ勝者(マツダスタジアム)
第1戦 17日(水)18時
第2戦 18日(木)18時
第3戦 19日(金)18時
第4戦 20日(土)13時30分
第5戦 21日(日)13時30分
第6戦 22日(月)18時
23日(火)18時(予備日)
24日(水)18時(予備日)
◯パ・リーグ
▽ファーストステージ ソフトバンク-日本ハム(ヤフオクドーム)
第1戦 13日(土)13時
第2戦 14日(日)13時
第3戦 15日(月)18時
16日(火)18時(予備日)
▽ファイナルステージ 西武-1stステージ勝者(メットライフドーム)
第1戦 17日(水)18時
第2戦 18日(木)18時
第3戦 19日(金)18時
第4戦 20日(土)14時
第5戦 21日(日)13時
第6戦 22日(月)18時
23日(火)18時(予備日)
24日(水)18時(予備日)
広尾晃 / Koh Hiroo
ドリヨシが思うのは、広島は短期決戦には決して弱くないです。2013年のCSファイナルステージで読売に4敗したのと、2014年のCSファーストステージで阪神に1敗1分けで敗退したのと、昨年のCSファイナルステージでDeNAに2勝4敗で敗退したこれら3つのCSですが、試合内容は悪くなかったと記憶しています。球際の僅かな差で負けたと認識しています。投手の不用意な1球や、エラー、バントミスやサインの見落としなどで、試合の流れが大きく変わってしまいます。今季もレギュラーシーズンで敗れた試合の中で、こういった球際の弱さを露呈した試合が幾つかありました。クライマックスシリーズの短期決戦では、こういったことのないように、確実性の精度を上げていかなくてはなりません。広島は元々緻密な野球が出来るチームです。それと、球界でも誇れる機動力があります。本来の広島らしい野球が出来れば、CS突破は間違いないでしょう。そして、ファイナルステージは全試合、ホームのマツダスタジアムで開催されます。圧倒的多数の広島ファンの後押しもありますから、ヤクルトが来ようが、読売が来ようが、圧勝で日本シリーズへの切符を手に入れることでしょう。ドリヨシはファイナルステージは4勝1敗で突破すると予想します。