2018年06月20日
會澤選手会長インタビュー
広島・会沢選手会長インタビュー【前編】誰かが抜けてもカバーする力がカープにはある
6/20(水) 9:00配信
球団史上初のリーグ3連覇へ死角はない。広島・会沢翼捕手(30)がデイリースポーツのインタビューに応じ、今季から務める選手会長としての在り方や、投打の懸け橋としての責任感などを語った。優勝と日本一へ向けては、チーム内の競争と助け合いの必要性を強調。22日に再開するリーグ戦でも、一丸で戦う決意を表明した。
◇ ◇
−交流戦は苦戦したが、それでもここまでセ・リーグ首位を走る。チームの雰囲気はどうか。
「昨年と変わらずいい雰囲気でやっています。みんな一生懸命、必死になってやってくれてますから」
−今季から選手会長を務める。心掛けていることは。
「昨年も副会長をさせてもらっていたので、いろんな話を聞いてあげることは大事にしている。野球以外のこともだし、困ったことがあったら聞いてあげるようにしている。食事会場とかでもしゃべるようにしているし、気に掛けている。そういうことも僕は苦ではないので」
−捕手としても投打の懸け橋。交流戦では投手陣が打たれる場面も目立った。
「そこは目立ってしまうところで、難しい部分はある。助け合いは絶対必要なので、そこをないがしろにしたら2年連続優勝はできてないと思う。僕も考えるところはあるし、チームスポーツなので話を聞きながらやっています」
−相次ぐ主力の故障離脱があった。リーグ3連覇への壁も感じているか。
「それはないんじゃないですかね。やっぱり2連覇しててもレギュラーは限られてたわけであって。そこにみんな入りたい、とレギュラーになりたい子たちは虎視眈々(たんたん)といますから。そこでワンチャンスをつかむんだというのがチーム力だと思う。誰かが抜けた時に誰かがカバーする。その力があるのがうちだと思うし、他にはあまりないのかなと思います」
−そんな中で野手では今季、野間の活躍が象徴的。
「そうですね。野間が頑張ることによって(一時離脱していた)丸もまた頑張る。相乗効果で、他の子がまた頑張る。レギュラーもうかうかしていられない。それがチーム力。団結力もそうだけど、いいところなのかなと思います」
−投手では今季、特に大瀬良が好成績を残している。昨年までと変化は。
「今は自信を持って投げてくれているのが一番だし、フォームがしっくりきているというところ。すごく勉強熱心だし、相手打者のことを本当に研究するようになったなと思います」
−若い投手も多い。捕手として受けていてどう感じている。
「これからの子たちが多いですから。マウンドに上がったら若手若手じゃなくて、自分があそこに立っているんだからいい意味で勘違いもしてほしい。野球というのは投手が主役なわけだから。投球もだけど、野球に対する姿勢とかも教えながら、話し合いながらやっています」
−投手によって声の掛け方なども変えているか。
「変えてますね。性格によってその日に反省する人もいれば次の日の方がいい、また次の日の方がという投手もいる。そのへんは見ながらやっています」
広島・会沢選手会長インタビュー【後編】続けることのしんどさ、大切さを大事に
6/20(水) 9:00配信
球団史上初のリーグ3連覇へ死角はない。広島・会沢翼捕手(30)がデイリースポーツのインタビューに応じ、今季から務める選手会長としての在り方や、投打の懸け橋としての責任感などを語った。優勝と日本一へ向けては、チーム内の競争と助け合いの必要性を強調。22日に再開するリーグ戦でも、一丸で戦う決意を表明した。
◇ ◇
−現在、リーグ首位にいる要因をどう考えているか。
「やっぱり2連覇したことが自信になってると思う。『カープの野球をする』と緒方監督も常々言っていますけど、それが今の結果にもつながっていると思うし、野球はカバーのし合い。そこじゃないかなと思います」
−昨年との違いは。
「それほどこれが変わったということはないけど、本当に一人一人が自覚と責任を持ってやってくれていると思います」
−過去に選手会長を務めた石原や新井に相談することはあるか。
「どうしたらいいですか、というのはお二人に相談させてもらっているし、昨年選手会長をしていた小窪さんにも相談します。そういった中で僕も助けてもらっている。(3人からは)あまり背負い込むなと」
−緒方監督からも言葉を掛けられているか。
「監督も『選手会長だからって気負わずやれ』と言ってくださった。本当に駄目だと思ったところは、みんなと話し合いながらやっていくだけだと思う」
−選手会長の理想像はあるか。
「僕は12年やっていていろんな選手会長を見てるので、いいところを取り入れようかなと思います。一番は昨年までやっていた小窪さんの姿はいいなと思うところがたくさんあった。いい意味でいろんな人から慕われる。先輩からもかわいがってもらっていて、後輩からも気さくにしゃべれるというのがあります」
−自身の打撃は、ここまで安定感が抜群な印象がある。
「6月ですか。まだまだこれからだけど、一日駄目でも次の日に駄目だったことを反省できる。いい意味の反省をしているのがいいのかなと思います」
−打撃面での昨年との変化は。
「変えたつもりはないけど、昨年からやっていることを続けることが大事と思っている。続けることのしんどさ、大切さを大事にしています」
−昨年よりも特に内角球を仕留める確率が高い。
「自分の弱点というか、何が打てて何が打てていないかを昨年のオフは調べて、そこは自分で課題を持ってやっていた。オフは技術を身につけるところで、今は技術技術というところではない。配球や試合の流れ、そういうところを見ながら打席に立っている。相手がどういう配球をしてくるというのも、もう分かってる。簡単に言えばそこをね。捕手なので考えながらやっていけばいいと思うしね」
−捕手としての積み重ねも打撃に生きているか。
「ありますよね。捕手というのは本当に経験がいるポジション。試合に出ないと分からないことがたくさんある。引き出しを増やしていくことが捕手の仕事だと思うのでね」
−3連覇へ向けて必要なことは。
「昨年も苦しかったけど、今年もまだまだ苦しい戦いは続くと思う。そういう時にチーム力を上げていかないと駄目。それがカープのいいところ。やっぱり助け合いのスポーツだし、そこが一番だと思います」
−自分自身の出場試合数にこだわりはあるか。
「試合数は1試合1試合の積み重ねだと思っているし。そこで信頼されて増えていけばいい。1試合1試合の積み重ね。あまり考えないようにはしてます」
−残り試合、どのように臨んでいきたい。
「1試合1試合、必死にやることが一番大事。そのために準備を怠らずやっていくことが大事だと思います」
−準備で大切にしていることは。
「何回戦もやっていくのでどういうふうに抑えたか、どういうふうに打たれたかは配球の面では大前提で(頭の中に)入れておかないといけない。その中で打者の調子、投手の調子を考えながら。ゲームは動きますから、生き物だと思うし。まず試合前に1〜9番は頭にたたき込み、想定は絶対するようにはしています」
−昨年はベストナインを受賞した。個人タイトルへの意識は。
「あまり考えてないですね。まずは目の前の1試合1試合を戦っていって。最終的な目標は優勝して、2年連続でなれなかった日本一になってくると思う。まずはリーグ優勝を目指して戦っていくことかなと思います」
−昨年、一昨年を経験してより日本一への思いが強まった。
「やっぱりありますよね。まずその権利を得るために必死になってやって、そこからまたもう1段階ギアを上げることになってくるのかなと思います」
會澤選手は今年選手会長としての責務を十分果たしていると思います。キャッチャーのポジションで選手会長は本当に大変だと思いますが、選手間の調整役として、日夜頑張っているのがわかります。交流戦期間中はチーム状態が今一つの中で、いろいろ感じる部分があったのではないかと思います。
3ヵ月後、4ヵ月後の栄冠の為に、會澤選手は日なたでも陰でもリーダーシップを発揮して、チームをグイグイ牽引してくれると信じています。頑張って欲しいですね。