2019年01月03日
カープOB安仁屋宗八氏と緒方監督が新春対談!
【緒方監督×安仁屋氏のカープ愛対談1】丸移籍も「これはもうカープの歴史」
1/3(木) 6:02配信
「日本一」と筆を走らせた書き初めを手に、笑顔で悲願達成を誓う緒方監督(手前)と安仁屋宗八氏(撮影・飯室逸平)
今季5年目の指揮を執る広島・緒方孝市監督(50)とカープOB会長でデイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏(74)が、恒例の新春対談を行った。昨季は球団史上初のリーグ3連覇を達成した。今年は35年ぶりの日本一が最大の目標だ。カープを愛する2人が熱く語り合った。以下は対談その1。
◇ ◇
安仁屋氏(以下、安仁屋)「あけましておめでとう。今年もよろしくお願いします」
緒方「よろしくお願いします」
安仁屋「まずは3連覇おめでとう!新井が『家族』と言ったようにチームワークが12球団でナンバーワンだったんじゃないかな。コミュニケーションが一番大事。この間、衣笠が出ていたテレビ番組を見ていたら、家族とは言わなかったけど『コミュニケーションがワシらの時代は良かった』と言っていた」
緒方「若い選手が多いだけにコーチからの言葉、指導を一方通行で聞くんじゃなくて、選手同士で意見、野球の話をたくさんして、自分はこうしないといけないと気づいていると思う。安仁屋さんが言われたようにチームの雰囲気、ムードもいいですね。ロッカー内でもそういう話ができていると思う。成長過程の中で、一段一段、力を付けていってくれているなと感じます」
−今季は不動の3番だった丸が抜ける。
緒方「そういうところを心配というか、不安に思われているファンの方もたくさんいると思うけど、これはもうカープの歴史だから。選手にとって、レギュラー選手が1人抜けることはチャンスだからね。そこを自分がつかみ取るという気持ちでやってもらいたい。穴を埋める選手は1人じゃなくていいんだから。2人3人で頑張ってもらえたらね。去年の丸の数字の近いところまでは埋まると思うし、これまでも、マエケン、黒田が抜けた時も埋まってきた。今年は新井とエルドレッドも抜ける。その席が空いたので我こそはという気持ちで。ベンチ入りとかじゃなくて、1軍のポジションをつかみ取るという意識でやってもらうだけなのでね」
安仁屋「去年は丸が離脱している間に野間が頑張ってくれた。今年はバティスタとかもチャンスと思ってくれたら最高だよね。それと松山。昨年彼が規定打席に足りて、3割以上打ったというのは、すごく大きいと思うんだよね。ワシは松山にチームを引っ張ってもらいたい。ハートが優しいだけに新井の代わりは難しいと思うんだけど性格的にはよく似とるんだよね。若い選手から突っ込まれても平気でそれに応えられる。会沢と2人でチームを引っ張ったら、去年以上に強くなるんじゃないかなという気がするんだがね」
緒方「去年の成績は大いに自信にしてもらっていい。短期決戦、日本シリーズでもいい活躍をしてくれたんでね。クリーンアップを打てる十分な力があるし、今年も期待している。ただ松山だけに頼るんじゃなくてね。新井の代わりをやってくれとかそういう思いは全然ないんです。みんなで試合に勝つためにスタメンであれベンチスタートであれ、しっかり自分の役割をね。ベンチからスタートすれば声を出してハッパをかけてくれたらいいし、プレーでは自分の置かれている打順、ポジションを意識してほしい。アウトになっても三振しても球数を投げさせたり、進塁打を打ったら十分に役割を果たしているわけだから。結果、数字を自分の中で意識するんじゃなくて、チームに貢献できたかを自信にしてやってもらったらいい」
(続けて)
「野間も去年はある程度チャンスをつかんだから、これを手放さないように、今年はレギュラーをつかんでほしい思いもある。西川、安部も去年の前半は悪くて納得のいかないシーズンだったろうし、彼らの巻き返し、若い選手で言えば堂林もそう。バティスタにしてもホームランを期待できるバッターなので、期待はすごく大きい。楽しみな選手はたくさんいるので、たくさんチャンスをあげようと思う。あとは選手がそこをしっかりつかめるかどうか、本人の頑張り次第です」(2に続く)
【緒方監督×安仁屋氏のカープ愛対談2】投手陣はゾーンの中での勝負を大事に
1/3(木) 6:02配信
今季5年目の指揮を執る広島・緒方孝市監督(50)とカープOB会長でデイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏(74)が、恒例の新春対談を行った。昨季は球団史上初のリーグ3連覇を達成した。今年は35年ぶりの日本一が最大の目標だ。カープを愛する2人が熱く語り合った。以下はその2。
◇ ◇
安仁屋「昨年は、三振したり、凡打した打者が次の打者と会話している場面が目についた。どういう球だった、どれくらいのスピードだったという会話をしとると思うんよね。そういうのが強くなった要因じゃないかな。みんなが一つになってやってたから」
緒方「本当に自然に選手同士でやれているので、自分が凡打しても次のバッターが何とかチームに貢献できるように、自分もそういうアドバイスしたり。ずっとチームが勝っている中で、選手一人一人が必要なことを分かってきていますね」
安仁屋「選手が成績を残しているというのは監督の采配も良かったからだと思う。2軍から上がってきた選手を即スタメンで使うと、みんな成績を残しとるんだよね。素晴らしかったなと思うんよね」
緒方「個々の成績は本人の頑張りです。こちらは力の部分を見極めて、勝つために使っているだけであって。投手陣全体の防御率は落ちてるのでね。そこの原因は絶対に見逃してはダメだと思うし、特に四球の数ももう少し減らしていかなくちゃいけない。そういうところが失点につながっていると思うし。野手のエラーとかでの失点もあると分かっているけど、それ以前にチームとしてもう少し気持ちの中で攻める投球というか、ゾーンの中で勝負するということを大事に。投手陣にはまずそこを言いたい」
(続けて)
「去年、おととしと同じメンバーで戦おうと思っていない。選手も2年、3年、4年と続けて安定した成績は難しいと思う。人間だから調子が悪い時もあるし、ケガや体が動かない時もある。計算して期待している投手が活躍できないことも想定しながらシーズンを見据えてキャンプから準備していかないといけない。昨年は2軍からアドゥワとシーズン途中からフランスアが出てきて投手陣全体を助けてくれた。この2人がキーになったと思う。反省というところでは、先発で規定投球イニングに達しているのが大瀬良とジョンソンしかいなかった。野村祐輔、岡田、九里。九里は頑張ってくれたけど、先発で回ってきた投手にはもう少し投げてほしいなと。次回も投げさせたいと判断できるレベルまで、100球を過ぎてもそういう力を見せてほしい。今年は先発を任せるにあたって肩のスタミナ、体力面は一番ラインを引きたいところなので。143イニングから150イニングは最低ライン。4人でも5人でも6人でもそろえたい。競争に割って入ってきてほしい」
(続けて)
「近年の野球では中継ぎの人のウエートが大きい。連戦の中で先発が中6日の間隔を空けても、発展途上のうちの若い選手は(短いイニングで)代えざるを得ない状況になる。中継ぎの人には毎試合準備して、3連投を含めた過酷な中でやってもらわないといけない。やはり総合的なのはスタミナ、まずオフの間からしっかりと走り込み、キャンプに入ってからの投げ込み。投手陣にはスタミナを課題としてやっていってもらいたい」(3に続く)
【緒方監督×安仁屋氏のカープ愛対談3】今年は勝ってシーズンを終われるように
1/3(木) 6:02配信
今季5年目の指揮を執る広島・緒方孝市監督(50)とカープOB会長でデイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏(74)が、恒例の新春対談を行った。昨季は球団史上初のリーグ3連覇を達成した。今年は35年ぶりの日本一が最大の目標だ。カープを愛する2人が熱く語り合った。以下は最終回となる、その3。
◇ ◇
−秋季キャンプを見て、今季に期待が持てそうな投手は。
緒方「名前は出さないけど、何人かいる。みんなにチャンスをあげようと思ってる。オレがオレがという気持ちでチャンスをつかんでほしい。今までの実績は関係なしに、また一からの競争という中でやってもらうんで」
安仁屋氏(以下、安仁屋)「ライバル意識を持ってやったらいいよね」
緒方「うちは若い子が多く、年も近いのでね。刺激し合って切磋琢磨(せっさたくま)しながらやれば、相乗効果で力を付けてくると思うし」
安仁屋「チーム内にいいライバル意識を持って戦う相手を見つけろ、といつも言いよったね。僕が活躍できたのも最初、西川(克弘)という選手がいたからだ。当時ドラフト制度はなかったけど、ドラフト1位みたいな感じで契約金1000万円で関大中退から入ってきて、その西川には絶対負けたくないと。契約金で負けとるから給料だけは勝ちたいと思って頑張った。追い越したら今度は外木場が出てきた。後輩だから絶対に負けたくないと。チームにライバルを置いて目標を立ててやっとった。それが良かったんじゃないかな。今もそう。大瀬良にしても九里にしても、みんな同じぐらいの年齢だし、たぶん口には出さないけど、気持ちの中ですごく戦っとると思う」
緒方「あいつには負けんというね」
安仁屋「野手で言えばセンターライン。去年までは同級生が3人おった。これが一番刺激になってたと思う。田中、菊池、丸、安部も。口には出さんけどものすごく意識して、『あいつがやったら、よっしゃ今度はワシがやっちゃる!』というのをね。良い方にいったら、ものすごく強くなると思うんよね。去年は高橋大が沖縄キャンプに行く前に日南でホームランを打ってアピールしたよね」
緒方「1打席でつかみましたもんね。不思議とああいうことがあるからね。やっぱり練習してるし、努力してるし、チャンスをつかむというのはものすごく大事なこと。ただ一回だけじゃないですからね。シーズンに入ってからも毎日がチャンスであり、勝負の場なんでね。それを逃さないだけの力をどんどん練習して身につけてほしい。投手、野手限らず頑張ってほしい。その思いだけです」
−このオフ、巨人はすごい補強をした。
緒方「相手を見てもね。毎年言ってることだけど、一年で変わるチームだし、その前もたくさん獲っているから。相手を意識するんじゃなくて、いかに自分たちの野球をやるか、その上でしっかり一試合一試合シーズンを戦っていくか、そこが3年続けて結果に結びついているところなんで、相手に目を向けてもしょうがない。選手の頑張り、努力、チャンスをつかむというところでカープの野球をやるという意識でやってくれたらいい」
安仁屋「去年3連覇したので、今年はまずは4連覇…」
緒方「去年3連覇したけど、日本シリーズで最後悔しい思いをしてるし、3年続けてマツダスタジアムで負けて一年が終わってるんでね。今年は勝ってシーズンを終われるようにしないと。そのためにまずリーグ優勝を念頭に置きながら、その先に日本一がある。2月から(春季キャンプで臨時コーチを務める)安仁屋さんには本当に頑張ってもらわなくちゃいけない!」
安仁屋「ハッハッハ」
緒方「選手だけじゃなくて、安仁屋さんにもしっかりこのオフ体調を整えてもらって」
安仁屋「分かりました。頑張ります」
緒方「日南、沖縄。キャンプは非常に長いですからね。朝から日が沈むまで、ずっと頑張ってもらわなくちゃいけない。よろしくお願いします」(終わり)
昨日紹介した鈴木誠也選手もそうでしたが、緒方監督も今年で5年目になりますが、就任当初の2015年の頃に比べると、監督らしくなってきましたね。最初の頃は攻撃や守備の面での采配に疑問を抱いたファンも多かったかと思います。2015年シーズンは優勝への雰囲気が一気に高まりましたが、結果はリーグ4位で終わり、クライマックスシリーズにも進出できませんでした。しかし、これをきっかけに緒方監督の自己改革が始まったそうです。コーチや選手とのコミュニケーションを図り、歯車が噛み合うように努めた結果、2016年からリーグ3連覇を成し遂げました。見事だと思います。
この対談を読んでも、緒方監督が選手一人一人のコンディションや心理を把握しておられますし、チームとして何が足らなくて何が必要かもしっかり理解しておられます。今年は厳しい戦いが待っていると思いますが、そうなればなるほど緒方監督の手腕が問われてきます。2月のキャンプインから、どのような采配を見せてくれるか今から楽しみです。
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なんか二人の対談を読むと今シーズンも楽しみになってきました。