2012年09月24日
白き部屋の記録35
鳩ポッポお婆ちゃん
ポッポッポ ハトポッポ
マメガホシイカソラヤルゾ
ミンナデナカヨクタベニコイ
ポッポッポ ハトポッポ
マメガホシイカ・・・・・・・
ナニカチョウダイヨー チョウダイヨー
チョウダーイと喚く声
続いて何を云っているのかわからないがまるで牛のような声、ほえるような低い声。
向かいの病室である。
おかめ美人の若い付添さんがドアを開け「オダンゴタベナイ」と誘う。
遠慮なしに入ってみると、何と小柄な可愛いお婆ちゃんである、ドラ声の主とは思えない。
元英語の先生であったと云う、牛のほえるように聞こえたのはその英語をしゃべっていたのだと云う、脳軟化になっても昔の記憶ははっきりしているものだと聞いているが、このお婆ちゃん、口で云うのがもどかしくなると、紙に英文で用事を書くのだと云う、新制中学出の付添さんは負けずに横文字でイエスと書く。
それを見たお婆ちゃん「字下手だね」と。
食べた事をすぐ忘れるお婆ちゃん、付添さんは何時もオセンべを細かく千切って用意しておく、チョーダイヨーが始まると口に入れてあげる、一寸留守にすると先のようにチョーダイヨーチョウダイと喚くのです。
「英語の先生であろうと無学であろうと、婆さんになれば元元(もともと)さ、只の婆さんよ。」と付添さん。
ポッポッポ ハトポッポ
マメガホシイカソラヤルゾ
ミンナデナカヨクタベニコイ
ポッポッポ ハトポッポ
マメガホシイカ・・・・・・・
ナニカチョウダイヨー チョウダイヨー
チョウダーイと喚く声
続いて何を云っているのかわからないがまるで牛のような声、ほえるような低い声。
向かいの病室である。
おかめ美人の若い付添さんがドアを開け「オダンゴタベナイ」と誘う。
遠慮なしに入ってみると、何と小柄な可愛いお婆ちゃんである、ドラ声の主とは思えない。
元英語の先生であったと云う、牛のほえるように聞こえたのはその英語をしゃべっていたのだと云う、脳軟化になっても昔の記憶ははっきりしているものだと聞いているが、このお婆ちゃん、口で云うのがもどかしくなると、紙に英文で用事を書くのだと云う、新制中学出の付添さんは負けずに横文字でイエスと書く。
それを見たお婆ちゃん「字下手だね」と。
食べた事をすぐ忘れるお婆ちゃん、付添さんは何時もオセンべを細かく千切って用意しておく、チョーダイヨーが始まると口に入れてあげる、一寸留守にすると先のようにチョーダイヨーチョウダイと喚くのです。
「英語の先生であろうと無学であろうと、婆さんになれば元元(もともと)さ、只の婆さんよ。」と付添さん。