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白き部屋の記録44

酒盛りE


「昨日のカツまだあったかな、持って来て下さい、チャシューもね、サツマもだ。」よほど肉好きの人らしい、キャベツには手もつけてない。

棹を吹き洗濯物を干していると声がかかる。

「洗濯すんだらあんたも一服しなさい。」

飲んでるから面倒なんでしょう、シビンに尿を一杯ためてたのを渡されました、それを始末していると「それから座薬を入れて、痛みを止めてと、そして注射をして薬を飲むと。」と云っている、大丈夫か知らと眺めている私に「これはね僕が考へた治療法なんですよ、医者なんかにゃ僕の病気分からんですよ。」

これでは病院で困るわけです、それでも又病院に行くつもりだと云う。

薬を呑んでしまうとまた一升瓶にてが行く、何と今日は三本並べてある。

昨日のは特級酒だったが今日のは一級酒。

一級酒はまずいまずいと云いながら寿し屋の湯呑みでグイグイと呑んでいる。

一体病気はそれ程重体ではないのか、それとも病気など吹きとばす程の酒豪なのか、心臓病だけで歩けなくなるものなのか、合併症なのか全く分かりません。

一服しなさい一服しなさいと云うので座ると私の前にコップが出てビールがついであるのです。

水のようなものだと云うから水のつもりで飲みました。すると又ついでくれるのです、また飲むと「いやあよかった、前にあんたの会から来てもらった時、掃除洗濯、飯炊き。何でも実によくやる人でしてね、だけど酒呑むな酒呑むなと止めるんですよ、あれには困っちゃったなあ、俺酒呑みに帰へって来るんだからね、あんた呑むなと云わんし、ビールまで呑んでくれるんだ、いい人だよあんたは。」成程娘さんを断ったのもこの事だなと思いました。病気のお父さんに毒になる酒を娘さんが黙って呑ませる筈がない。

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