おさしみ速報

ディズニー・ピクサー新作映画に海洋生物学者が警鐘を鳴らす


2016年7月16日（土）公開が決定したディズニー・ピクサーの最新映画「ファインディング・ドリー」。この映画は記憶にも新しい、当時一世を風靡した「ファインディング・ニモ」も関連作品だ。

あの世界がこの夏帰ってくると多くの人々は期待に胸を躍らせるいるかとおもうのだが、海外の生物学者からはこの映画は「新たな絶滅危惧種生み出す危険性がある」と警鐘を鳴らしている


そもそもファインディング・ニモとは、製作はディズニー＆ピクサーで、フル3DCGで描かれた。ピクサーの長編アニメーション作品。舞台はオーストラリア・グレートバリアリーフの海でキャラクターには多くの水棲生物が登場する。

ファインディング・ニモでは、カクレクマノミ（注：生物学的にはクマノミ亜科のペルクラ種（Amphiprion percula））のお父さんマーリンが、人間のダイバーに捕獲された息子のニモを助けるために大冒険をするという物語だ。


人間に連れ去られた観賞魚に関する映画なのだが、皮肉なことにペットショップではこの映画の主人公に似たカクレクマノミが大人気。しかし、幸いな事にカクレクマノミは人工繁殖が確立され安易な種であったため大きな問題にはならなかった。


今回、2016年7月16日（土）公開が決定したディズニー・ピクサーの最新映画「ファインディング・ドリー」では、主人公となるのが前作にも登場した『ナンヨウハギ』のドリー。この作品も前回同様に大ヒットとなり、主人公のナンヨウハギがペットショップ大人気になることが予想される。

しかし、それには大きな問題がある。それは「ナンヨウハギが人工繁殖の非常に難しい種である」ということ。そのため、もし人気となってしまった場合、その需要に応えるため多くの野生のナンヨウハギを乱獲される可能性があり、しまいには絶滅に追いやってしまう危険性もあると科学者らは警鐘を鳴らしている。

クイーンズランド大学の海洋生物学者Anita Nedosyko博士は言う。
「ナンヨウハギは、映画の公開によってその個体数は大きく減少することでしょう。観賞用のナンヨウハギはほとんどが野生下の個体を採集したもので、人工繁殖プログラムは確立されていないのですから。」

ナンヨウハギの捕獲方法については、
「東南アジアの多くの国では熱帯の観賞魚の捕獲が盛んに行われています。そして、ナンヨウハギを含めその多くはシアン化ナトリウムを用いて、魚を一度気絶させ捕獲しているのです。」


Nedosyko博士はこの映画に影響された映画ファンが、安易な考えでナンヨウハギを飼育しないようにと願っている。
現在、多くの水族館ではナンヨウハギの人工繁殖プログラムについての研究を行っており、実用化が近くなっていると期待されている。しかし、今年の夏までには間に合わない模様だ。

映画に関しては、海洋生物と人間の関係や、生物の命の大切さを伝えてくれる内容となっていることだろう。映画ファンの方々も映画から多くのことを学び、生物の生態について深く考えてもらえればと切に願う。

[via:aol,nypost]



▼ナンヨウハギとは、
ナンヨウハギ（南洋剥）、学名 Paracanthurus hepatus は、スズキ目・ニザダイ科に分類される魚の一種。インド太平洋のサンゴ礁域に生息する。青・黒・黄三色からなる独特の体色をもち、観賞魚として人気がある。

成魚は全長20cmほどで、30cmに達するものもいる。体の大部分は青いが、目-体側-尾鰭に「6」を細長くしたような黒い曲線が入る。

サンゴ礁域に生息し、群れを作って生活する。餌はおもに動物プランクトンを捕食する。一般的に食用とはしないが、鮮やかな体色から観賞魚として人気があり、水族館などでも多く飼育される。 体の色は体調により変化し、良い状態の時は鮮やかな青であるが、寝ている時や体調が悪い時は白っぽく変化する。 飼育下ではオキアミ類、藻類、葉菜類なども食べる。

映画「ファインディング・ニモ」のキャラクターにちなみ、種名を呼ばず「ドリー」と呼ぶ人もいる。 最近毒がある事が判明した。

大体、どのショップでも2000円〜10000円くらいで販売されている。小さい個体は手に入りやすいが、大きな個体はなかなか見かけない。 （出典：wikipedia-ナンヨウハギ）