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2014年01月13日
「永遠の0」 百田尚樹
 数年目から常に書店で平積みの目立つ場所に置かれているのを見ながら、つくづくなぜ今更特攻ネタが流行るのだろうとずっと思っていた。ブームの終盤頃となり、今更ながら読んでみるとどんどんページに没入するかのように読み入ってしまい、600ページ弱あるのに一晩で読めてしまった。

 放送作家であったためか飾った言い回しをしない素朴な文章である。その無駄を排した文章により紙面に展開される戦時中の人間ドラマに引き込まれる。

 将来をあまり具体的に描けていない健太郎はフリーライターである姉に頼まれて戦闘機乗りで戦死した祖父について調べることとなった。調査の過程で浮かび上がる祖父は始めは臆病者、ついで天才的技量をもつ努力家、戦争を冷めた目で見つめる家族思いの男、とどんどん変わっていく。終わりに、健太郎の血がつながらない祖父が最後の証言者として口を開き、頑なに死ぬことを拒んだ戦闘機乗りの全物語が明らかとなる。

 戦闘機乗り達の証言なんかは「大空のサムライ」「零戦撃墜王」といった実在のエースパイロットらのエピソードをこれでもかと盛り込んでいて、現実感溢れるものとなっている。また、テロリストと特攻を同じ扱いにするな、と老人が憤るシーンからは作者の熱い思いが伝わってくる。

 話の構成、読者への問いかけの重さ、如何に紙面に入り込む余地があるか、どれをとっても素晴らしく完成された小説である。個人的には最後の血がつながっていない祖父の独白を読んだ後にもやもやとしたものが残ったが(再婚した祖父母を非難したいわけではなく、戦争で捻じ曲げられた男女の関係の悲惨さを思ってのこと)、この作品を読んだ女友達にこの点を尋ねてもそんなにこだわっていなかったことに驚いた。やはり男女の脳・思考回路は違うのだなと実感した。

 この作品が大ブームを巻き起こしたのはこの作品じたいの完成度が高いことによるところが大きい。だが、「大衆小説はその時代の集合無意識の反映」とする五木寛之の考えを借りるとするならば、近隣諸国との軋轢を経て日本国内で自虐史観を脱しナショナリズムが高まりつつあると言えるだろう。「坂の上の雲」ブームにも似たにおいを感じたが…。

 また、政治から少し離れてみると、国家、民族、さらには一個人としての立脚点を明確に持たない現代日本にとっては、内実はたとえ軍部中堅幹部が暴走し国民も新聞も訳の分からぬ狂乱状態で植民地をめぐる対欧米中戦に突入したとはいえ、「愛する家族のために死ぬ(本作ではむしろ死なない)」という大義名分で死んでいった者に感動し、かくありたいと思わせる、カタルシス作用を持った本作に魅かれる現代日本人はどこかに依存もしくは保護対象(いずれにせよ心理的依り代)を求めているのではないか。そうだとすれば今は家族、愛する人などとそれ以外考えられないであろう理由であるが、それが強く出すぎている分不要な横槍をそれがくらえばすぐに別の流れとなってしまうのではないか。ここでファシズムや排外主義、差別主義などと言葉を限定してしまえば陳腐となるのでここで止める。

 なにはともあれ、素晴らしい小説であることには違いない。








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