ひろぎんホールディングス(HD)の本社ビルが広島市中区紙屋町に完成し、2日、竣工式(しゅんこうしき)があった。広島銀行などの傘下企業に加えてカフェも入り、屋外には原爆で焼け残った芸備銀行本店(当時)の石柱の一部を展示する。にぎわいの拠点としたい考えで、5月6日に開業する。
広島銀行本店の老朽化に伴う建て替えで、224億円の総工費を投じて2019年1月に着工。地上19階、地下1階建てのビルを完成させた。1階は「にぎわいフロア」として休日も利用でき、カフェや物産店が入るほか小規模なイベントが開けるスペースを確保した。4階には創業からの歩みを紹介する史料室を設ける。
同じ場所にあった1927年建設の芸備銀行本店は米軍が45年8月に投下した原爆に遭っており、敷地北東側の屋外には犠牲となった行員の慰霊碑を南区の仮店舗から移設。丸みを帯びた被爆時の柱頭も展示した。
2日は慰霊碑の除幕式もあり、ひろぎんHDの部谷俊雄社長は、芸備銀行が被爆2日後に他行を間借りして営業を始めたことを念頭に「傘下企業との相乗効果を発揮し、にぎわいの創出とともに地域貢献したい。被爆直後に営業再開した思いを広く知ってもらえれば」と話した。【中島昭浩】
毎日新聞 3/3