いろいろな意見・議論

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　日本は象徴天皇制度が憲法により定められています。ところで、象徴って何なのでしょう。よく、平和の象徴は、ハト(鳩)であるといいます。日本の象徴、日本国民統合の象徴が、天皇(明仁)だとするならば、ハトにあたる明仁の意味合いはどうなるのでしょう。平和を望む気持ちがあるからと言ってハトに何かをしても意味がありません。ハトを可愛がっても尊敬しても平和には、関係ないのです。また、ハト自身は、人の世の平和に対する意識も認識もあるはずもなく、平和に影響を与えることもできません。ただの小動物です。
　しかし、一般参賀などでは、数万人の人が明仁ら皇族を称えているようです。どう見ても、彼らは象徴として天皇(明仁)を見ているのではなく、それ以上の存在(例えば、王族、君主、元首など)と考えているようです。また、自民党の憲法改正案では、天皇を元首と明記にするとの内容もあり、象徴という認識とは違うようです。
　本来、象徴という言葉の意味合いは、(国の)代表者にすらあたらないでしょう。象徴そのものは、自分で意思をもったり、考えたり、まして意見を言ったりしません。ハトがそうであるように…。実際の象徴天皇の仕事(国事行為)は、すべて、内閣の助言、責任の下に行われるため、明仁個人の意見や意思が国事行為に影響することは、全くありません。また、国事行為以外には、憲法で天皇には何の政治的権能はないと定められています。そう考えると象徴天皇とは、重要ではあるが極めて単純な作業である国事行為(御名、御璽)を行うだけの機械(ロボット)として考えるべきなのでしょうか。でも、天皇明仁は人間でありロボットでも機械でも神(現人神)でもありません。
　国民の中でこのあたり(象徴天皇の意味合い)のコンセンサス(合意)がないような気がします。天皇家を英国王室のように考える人もいます。(実際、さる改正案ではそのようです。)また、(天皇を)ただの飾り物と考える人もいます。天皇は、日本の歴史と伝統であり現在１２０代以上続いているという人がいます。一方で、現在の日本国憲法に基づく象徴天皇は、２代目(裕仁、明仁)であるとする説もあります。天皇を称える人もいれば、天皇制度そのものに反対する人もいます。
　いずれにせよ、天皇の憲法での規定が「象徴」という意味不明のあいまいな単語で規定されていました。もし、これを変更するならば、国会や国民で十分に議論する必要があるでしょう。そうなると、象徴天皇誕生の歴史や経過、また、日本の伝統文化の議論も出てくるでしょう。
　ところで、まもなく、天皇の退位と即位が行われます。ただの儀式(お祭り)で終わるだけでなく、これを機会に象徴天皇制度について議論する必要があるかもしれません。この制度は、日本の民主主義に必要なのでしょうか。自由や平等の思想とは、融合するのでしょうか。

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