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2017年08月16日

『風が強く吹いている』4 〜 箱根駅伝 運命の復路 〜


どーも!
あつしです!

今回も
風が強く吹いている
を紹介したいと思います。

三浦しをん先生の作品で
箱根駅伝に10人で出場する小説です。






箱根駅伝往路までを書きましたが
書ききれなかった人間模様がまだまだ書かれておりますので
ぜひ読んでみてください。

小説と漫画を読み比べてみるのも
面白いです!!


お名前.com




箱根駅伝復路―――


出場20チーム中18番目、トップとの差11分53秒で往路をゴールした
寛政大学箱根駅伝復路が始まります。


6区 箱根 〜小田原 ユキ

午前8時。
芦ノ湖から号砲とともに房総大がスタートし
往路のタイム差で次々と走り始めます。
寛政大学はタイム差が10分以上あったので
一斉スタートです。
(一斉スタートは走っている順位と総合タイムが違う。という事態が発生します)

路面には雪が積もり、轍は凍結しています。
ユキは「大手町で」と神童に告げ
5チームの選手たちと走り出します。

ユキは怯むことなくハイペースで走ります。
寛政大学の他のメンバーはハイペースを心配しますが
声が届くことはないので
「転ばないように祈るだけ」清瀬は言います。

ユキは快調に山を下ります。
下りでのスピードを走が見ている世界を体験している。と感じます。
清瀬から
「下り坂のあとだと、平坦な道でも上りみたいに感じられる。そころからが本当の勝負だ」
とアドバイスされていたことを思い出しますが
(大丈夫そうだよ、今日は自分の心身との勝負に負ける気がしない。)と心の中で答えます。

7区 小田原〜 平塚 ニコチャン

サポートに入っているジョータ
「このままだとユキ先輩、区間賞を取っちゃうんじゃない?」
「ユキ先輩に、タイムを教えてあげたいよ」

ニコチャンに話します。

午前9時。
先頭で房総大の選手が中継所に入ってきます。
しばらくして、真中大の選手が60分24秒で襷リレーします。
すぐそこまでユキも来ています。
ニコチャンは中継ラインに立ち
「よくやった」ユキに囁き
「あとは任せます」ニコチャンの背中を叩き送り出します。

寛政大学 6区ユキ 14番目で襷リレー
タイムは60分26秒 区間賞まであと2秒でした。


ニコチャンは走りながら清瀬
「1キロ3分ちょいのペースを維持するようにしてください。
 先輩に楽をさせられなくて、すみませんが」
「ハイジよう。楽っていうなら、走らなきゃ楽だったぜ。
 ダイエットも禁煙もしなくてすんだんだから。」
「俺がどんな順位になっても文句を言うなよ」
と会話したことを思い出します。

ニコチャンの骨格と、脂肪を蓄えやすい体質は、長距離には不向きでした。
しかし、走ることは好きなニコチャンでしたが
競技選手としてではなくても走りつづけていい、走ることが好きならば、
それを楽しんでいいのだと
、示してくれる指導者がいないことで
自分に失望し陸上から遠ざかっていました。
それを変えてくれたのが清瀬であり、です。
ニコチャン
清瀬のつながりとぶつかりあいを
走るという行為がもたらした、
とても貴い形をした人間のありかたを見ていたかったそうです。

8区 平塚 〜 戸塚 キング

平塚中継所ではキングムサが待っています。
そこに東体大がやってきて
「どうやら寛政大学陸上部は、箱根はこれきりになりそうですね」
と嫌味を言いにきます。

 東体大の榊は走と同じ高校で
 走が監督を殴ったことにより
 陸上部が活動停止になったことを根に持ち
 何かと寛政大学に突っかかってきます。

キングの丁寧で静かな口調だからこそ
聞き流すことができず、憤って立とうとしますが
ムサに止められます。
ムサ「東体大も、シード権を獲れるかどうか際どいところですね」
キング「いまなんて、うちの大学より後ろを走ってるしなあ」
嫌味で応戦します。

中継ラインに
キング前橋工科大東体大の榊が立ちます。
まず、キング「俺もやるぜ、ニコチャン先輩」と襷を受け取り
振り返らずに走り出します。
前橋工科大東体大が4秒後に同着で襷リレーします。

寛政大学 7区ニコチャン 12番目で襷リレー
実質順位 15位(繰り上げタイム加算) 区間12位で走りきりました。


キング清瀬から
「8区はきつい区間だ。追い抜かれることがあっても、気にするな。
 ポイントは16キロ過ぎの遊行寺の坂。ここまでスタミナを温存。」

とアドバイスを受けます。
中継所を出たキングはすぐに
前橋工科大東体大に追いつかれます。

東体大の榊キングを抜き去ります。
キングも負けじとスピードを上げます。
この時には清瀬のアドバイスもキングの実力差も忘れていました。
追っても追ってもとの距離は開きます。
パニック状態です。

5キロ地点で監督車の大家から
「キング、深呼吸しろ。なにをそんなにあせっている。」
キングは我に返り、本当に戦うべき相手を思い出します。

16キロ過ぎ、遊行寺の坂に突入します。
顎が上がり、アスファルトが泥に変わったのかと地面を確かめたほどです。
それでもキングは負けるもんか。となりふりかまわず手足を振って進みます。

9区 戸塚 〜 鶴見 走


箱根の王者 六道大の中の真の王者 藤岡から
「六道大学は、箱根で優勝することを定めづけられている」
と話しかけられます。
その後
「同時に自分自身と、蔵原(走)、おまえに勝つ」と言われ
「俺も、俺自身と藤岡さんとに勝ってみせます」
藤岡と真正面から向かい合って伝えます。

藤岡は中継ラインに歩みかけ振り返り
「蔵原。清瀬が選び取ったものがなんなのかを、俺に見せてくれ」と伝え
「必ず」と答えます。

六道大の藤岡は襷を2位で受け取り、房総大と58秒差で走り出します。

そこからしばらくして
は中継ラインに立とうとしたとき
8区を走り終えた東体大の榊とすれ違い
「無駄だよ。蔵原。寛政代はもう終わりだ」と囁きます。
「終わるわけがない」の目を見てはっきりと言います。

「すまねえ、走」キングから襷を受け取ります。

寛政大学 8区キング 14番目で襷リレー
実質順位 16位(繰り上げタイム加算) 区間10位で走りきりました。
シード権獲得県内にいる10位東体大とは、2分53秒差。。。


各チームともハイペースで進む中
は1キロを2分42秒という大変なスピードで走り始めます。

清瀬の完璧なフォームを見て
「うつくしいな」とつぶやきます。
そんな中
大家から着信があり
「ハイジハイジ、どうして連絡してこない?」
あせった声で連絡が入ります。
「もうすぐ5キロ地点だぞ。なんて指示を出したらいい?」
清瀬
「なにも。声をかけないでください」と伝えます。
「走はいま、極度に走りに集中しているんです。それを妨げてはいけません」

走は8キロを過ぎても1キロ3分を切るペースで走っています。

権太坂を難なく上りきり
下りの途中で、あけぼの大甲府学院大東体大を一気に追い越します。
走りながらは過去のこと、今のこと、走りについて考えます。

その頃
トップ争いでも
房総大六道大の藤岡が捉えトップに立ちます。
藤岡の走りを見た清瀬「区間新記録を狙っている」とわかり
「藤岡に対抗できる選手は、走しかいない。
 後半、走にスパートをかけさせるためにも、情報が必要だ。
 王子、藤岡のタイムに注意してくれ」
と伝え
ウォーミングアップに向かいます。

13キロ地点で走は西京大喜久井大の姿をとらえます。
少しずつ距離を詰めていき一気に抜き去ります。
15.2キロ地点で給水要員から
「藤岡が、区間新記録を出しそうだ!」と伝えられます。
それを聞いた
俺は藤岡さんのタイムを抜かなきゃいけない。
と最高の走りをし、箱根駅伝の歴史に刻みつけるために更に走ります。

10区 鶴見 〜大手町 清瀬


清瀬王子と携帯電話の画面に見入っていました。
9区を走り終えようとする藤岡が写り
「六道大の藤岡選手、1時間9分ちょうどで襷リレー!区間新記録です!」
そのタイムを
「王子。大家さんに電話して、藤岡のタイムを伝えるんだ。20キロ地点で、走に教えるように、と」
清瀬は小声で指示を出します。
それから藤岡に向き直り
「おめでとう」と伝え
藤岡「心にもないことを」
「蔵原が覆すと思っているだろう」と伝えます。
「どうかな」
清瀬の微笑もまた、内心を垣間見せぬ鎧でした。
ラジオから
「20キロ地点を過ぎて、寛政大の蔵原選手がまたスピードを上げはじめたようです!
 もしかしたら、9区の区間記録がまたもや更新されることになるかもしれません!」

中継の声が聞こえます。

走は残り10メートル地点!
清瀬に襷を託すため、体内にあるエネルギーを最後の数歩に使い切ります。

の手から黒い襷がすり抜け
清瀬は走り始めます。

王子に飛びついてきたのと同時に携帯電話から、
「寛政大の蔵原走、1時間8分59秒!藤岡選手の出したタイムを、1秒更新しました。区間新記録です!」
とアナウンサーがまくしたてる声が聞こえます。


「王子さん、荷物は?」
「じゃ、行きましょう大手町に」

と鶴見市場駅へ向けて走り去り
中継所に居合わせた人々は呆気にとられ
インタビューをしようとしたテレビクルーは困惑します。

寛政大学 9区走 8番目で襷リレー
実質順位 12位(繰り上げタイム加算) 区間新記録で走りきりました。
シード権獲得県内にいる10位東体大とは、1分2秒差。。。
西京大、東体大、あけぼの大、寛政大、甲府学院大までタイム差は1分18秒。。。
どこがシード権を獲得してもおかしくない状況です。



清瀬は3キロ地点の六郷橋を渡っています。
前方に1分半ほど先に襷リレーしたはずの動地堂大がいます。

5キロ地点で大家から情報が入り
タイム差を伝えられ
清瀬は頭の中で計算します。

ペースを上げる必要がある!と清瀬は判断します。
ちょうど前方に京急蒲田の踏切が見えます。
タイミングの悪いことに警報機が鳴り始め、
ここで踏切に阻まれ足止めされるわけにはいかない。
とスピードアップしギリギリで通過し
勢いに乗った清瀬は一気に動地堂大を抜き去ります。

10キロ地点で大家から東体大のペースが落ちた。と情報を聞きますが
清瀬の脚も痛みだします。
それでも1キロ3分4秒ペースを崩しません。
清瀬は高校時代のことを思い出しながら走ります。
父親が監督だったこと、故障したこと、それを言い出せなくて更に故障したこと
藤岡から六道大に誘われたこと・・・
俺はなぜ走るのか、と。

横浜大を抜き、6番目に立ちアナウンサーは
「寛政大の主将、清瀬灰二が快走をつづけています」と言いますが
「ちがう」とつぶやき、脚が痛み出したことに気付きます。
そして
東京大手町で寛政大学のメンバーと合流しゴール地点に移動します。

清瀬の15キロ通過タイムは、六道大に次いで2番目のペースで走っています。
しかし
脚の痛みは地面を蹴るたびに熱く鋭い痛みを感じるようになり
しかも
タイム差が縮んでいるのか、開いているのかもわからず
スピードをゆるめることはできません。

20キロ地点
大家から
「ユキの試算を伝える。このままだと、東体大のタイムに6秒及ばない」と伝えられます。
清瀬は、まだ3キロある。絶対に諦めない。届いてみせる。と心に誓います。

残り50メートルでゴール地点を確認します。
清瀬は更に加速します。
その瞬間、右脛の骨がぱきりと音を立てます。
清瀬には自分の骨がはがれる小さな音がはっきりと耳に届きます。
痛みは脂汗となって全身からどっと流れます。
ゴールでが泣きそうな顔をしているのが見えます。
(ばかだな、走。俺は大丈夫だ。)
と走りながら清瀬は思います。

「寛政大!5番目に大手町にやってきたのは、なんと寛政大です!」
アナウンサーも興奮のあまり声を嗄らします。

1月3日、午後1時44分32秒
清瀬が大手町のゴールラインを越えます。

そのあと
東体大の一団が「急げ!」と叫び
ゴールラインを越えます。

「タイムは!」
「総合タイムが出ました。東体大、寛政大に2秒及ばず!!」
「初出場の寛政大が、シード権を獲得しました!」

声にもならないぐらい喜び、無言でしっかりと抱擁しあいます。

寛政大学 10区清瀬 10位(繰り上げタイム加算) 区間2位
シード権獲得!!!



どうでしたか?
短くすると伝わりにくかったので
ぜひ小説と漫画を読んでください!
泣けますよ!

私も毎年、箱根駅伝は見ているのですが
こんなチームが実際出てきたらすごく応援します!

それでなくても
毎年のドラマに涙しているのに。。。

襷が繋がらない、体調不良でメンバーから外される、
脱水症状でふらふら、大乱調、
仲間たちの絆、選手たちの背景、
支えてくれた人たちの想い・・・

さまざまなものが感動へと誘います。
この作品を読んでから
次の箱根駅伝が楽しみで仕方ありません!




次回は
・・・なにを書きましょうww

では、またーーー





漫画化にもなってます。
ぜひ小説より漫画の方はこちらをどうぞーー

漫画版『風が強く吹いている

2017年08月13日

『風が強く吹いている』3 〜 箱根駅伝往路 〜


どーも!
あつしです!

今回も
風が強く吹いている
を紹介したいと思います。

三浦しをん先生の作品で
箱根駅伝に10人で出場する小説です。






箱根駅伝当日までを書きましたが
書ききれなかった人間模様がまだまだ書かれておりますので
ぜひ読んでみてください。

しかも
小説と漫画で受ける印象が違います!!

そんなところも楽しんでいただけると
面白いかもしれません


お名前.com



箱根駅伝―――

1区 大手町〜 鶴見 21.3キロ 王子

スタートの号砲が鳴り王子が走り出しました。

1区は牽制しあってペースが上がらない場合があり王子でもついていけるかもしれない。
との、清瀬の読みどおりゆっくりしたペースで進みます。
 (王子は漫画好きで寛政大学で一番遅いタイムです)

移動している清瀬に監督車に乗る大家から
「もう少ししたら10キロなんだが、俺は王子になんと声をかければいい?」
と電話が入ります。
清瀬「なにも言わなくていいでしょう」と伝えますが
大家「黙って車に乗っているばかりの監督としてどうだろう」と退屈しています。
清瀬「どっしり構えて、つらそうになったら励まして」と伝え
「伝言を頼みます。『きみに伝えたいことがある。だから、這ってでも鶴見まで来い』と」

王子がその伝言を聞いたのは、15キロ地点でした。
伝えたいこと?聞いてやろうじゃないか。と
気持ちを再び奮い立たせました。

1区は集団で進んで行き
六郷橋で決まる!と全員が暗黙の了解で考えています。
 (六郷橋は多摩川にかかる、全長446.3メートルの大きな橋で
  橋に差しかかるための上り坂とその後の下り坂があります)

集団は六郷橋を上り始め
選手はスパートをかけばらけました。

王子はついていく事ができずに見送りますが
想定の範囲内!六郷橋まで来たらタイム差はそんなに出ない。自分のペースで走りきる。
王子は諦めず辛抱強く走ります。


2区 鶴見 〜 戸塚 23キロ ムサ

鶴見中継所でムサ王子を待ちます。

箱根駅伝の2区は
【花の2区】とよばれ
各大学のエース級が出場します。

そんな中でもムサは特殊で
国費留学生として大学に留学していたので
陸上経験がありません。


次々と襷リレーをし
鶴見中継所を飛び出していきます。
トップの六道大学が襷リレーをしてから30秒・・・
「王子さんです!」
ムサは中継ラインに立ちます。

ムサ王子に向かい手を上げます。
中継ラインを越えた王子は、走りはじめたムサの手に
握りしめていた襷を渡しました。

寛政大学は最下位で通過しました。

王子は立ち止まり、倒れこみそうになったところを
清瀬に抱きとめられ
「ここまで一緒に来てくれて、ありがとう」と伝え
王子「合格」とつぶやきます。


ムサは速いペースで走っています。
周りの声援などで完全に雰囲気に呑まれています。
「ペースを抑えろ」という大家の指示も
2区最大の難所、権太坂が控えていることも忘れていました。
 (権太坂は、14キロ過ぎから1.5キロも上りが続く難所です)
ムサは速いペースのまま権太坂に気付き
上りはじめた時には重りをつけたように脚が進まなくなります。

そこからムサは冷静になり
清瀬からの指示も思い出します。

2区ラスト3キロの上り坂
ムサは意地だけで走っています。


3区 戸塚 〜 平塚 21.3キロ ジョータ

戸塚中継所では
ジョータキングムサの到着を携帯のテレビを見ながら待っています。
テレビにはムサが前を行く5人の選手に迫っている映像が流れました。

戸塚中継所まで500メートル

ムサは渾身のスパートをかけ
集団の先頭に立ちます。

中継ラインに立っているジョータに襷を渡します。
「エースの走りだったよ」ムサに声をかけ
ジョータは走り出しました。

寛政大学 戸塚中継所13位で通過
ムサは2区を12番目のタイムで走りきりました。


ジョータは双子のジョージとのことを考えながら3区をスタートします。
双子のジョータジョージはいつも一緒でしたが
走ることに関しては今は同じぐらいのタイムですが
ジョータジョージの方が走る才能があるので
そろそろ別な道に進むときが来た。と考えながら走っていると
監督車の大家から
「ハイジからの伝言だ。ラスト1キロが踏ん張りどころだ。何を見ても動揺するな。以上」
伝言を聞いたジョータは何校か抜き
ラスト1キロに差し掛かりました。
が、直線道路のため走っても走っても着かない気持ちになることがハイジからの伝言の意味でした。

残り200メートル地点で
歩道を葉菜子が自転車で疾走していることに気付きます。
「ジョータくん、あとちょっとだよ!」
はっきりと聞き取ったジョータ
・・・葉菜ちゃんって、もしかして俺のこと好きなのか?
と、気持ちを気付き
・・・俺たちのどっちを好きなわけ?
と、うれしさと疑問で混乱し気付かぬうちに2校を完全に抜き去っていました。


4区 平塚 〜小田原 20.9キロ ジョージ

平塚中継所にはジョージニコチャンが待っています。
次々とやってきたトップ集団が襷リレーをする後方に
ジョータが他の大学を抜く姿を見て
「兄ちゃんばっかりにいいカッコさせないよ。」
中継ラインに出ます。
鬼気迫る形相で走ってきたジョータジョージに襷を渡しながら
「葉菜ちゃん、もしかしたら俺たちのこと好きかも!」
「ええっ、うそー!」
叫びながらジョージは走り出します。

寛政大学 平塚中継所11位で通過
ジョータは3区を10番目のタイムで走りきりました。


ニコチャンはすぐにハイジ
「ちょっとまずいことになったぞ」と電話をかけます。
「双子が葉菜ちゅんの気持ちに気付いてしまい、ふにゃふにゃってわけだ」と伝えます。

予想通りジョージの頭の中は葉菜子のことでいっぱいです。
そのせいでジョージの走りは散漫になっています。
「こら、ジョージ!聞いてんのか、おい!」
大家の怒号で我に返ります。
15キロ地点までどこを走っているかもわからずにいました。
大家から
「走からの伝言だぞ。『好きなら走れ』以上」
それを聞いたジョージは疾走します。

ラスト1キロの上り坂。
リズムに乗りきれないジョージ
それでもがむしゃらに食いついて体を進めます。


5区 小田原〜 箱根 20.7キロ 神童

小田原中継所で待っている神童は風邪を引いてしまい
本当は走れる状態ではありません。
しかし、10人しかいない寛政大学では
替わりはいません。

ジョージ喜久井大の選手と並んで中継ラインを越えます。
「神童さん」と襷を渡します。
ジョージは自分の走りを後悔します。

寛政大学 小田原中継所10位で通過
ジョージは4区を11番目のタイムで走りますが
もっといいタイムで走れたはずです。


走り出した神童
体の底から寒気がし、汗だけは皮膚を流れる。
体の表面の火照りが取れない。
一歩を踏みだすたびに衝撃で頭痛がし、鼻がつまって呼吸もままならない。
風邪のせいで神童は本来の走りができません。

後続のチームにどんどん抜かれ
給水時に「いま17番目。トップとの差、そろそろ10分」という情報を得ます。
トップと10分以上のタイム差がついたチームは、
復路が繰り上げ一斉スタートになります。
それだけは避けたい。と神童は走り続けます。
東京箱根間往復大学駅伝競走往路のゴールテープを房総大がゴールします。
六道大が2位でゴール。

・・・朦朧とし、ふらふらしながら神童が現れます。
ゴールした神童清瀬が抱きとめます。
担架で運ばれる神童
必死に謝罪の言葉を伝えます。

出場20チーム中18番目でゴール。。。
トップとの差、11分53秒。。。
復路一斉スタートになりました。



次回は
いよいよ復路です!!





漫画化にもなってます。
ぜひ小説より漫画の方はこちらをどうぞーー

漫画版『風が強く吹いている

2017年08月09日

『風が強く吹いている』2 〜 部員10人で箱根駅伝出場 〜


どーも!
あつしです!

今回も
風が強く吹いている
を紹介したいと思います。

三浦しをん先生の作品で
箱根駅伝を目指す小説です。






前回
寛政大学
見事
予選会を突破
箱根駅伝出場を決めました。

その続きからです・・・


□□□□□□□□□□□□□□□□□
  『とにかく早い者勝ちっ!』  
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□□□□□□□□□□□□□□□□□


箱根駅伝出場を決め
盛り上がる一同でしたが
双子の城太郎(じょう たろう、通称:ジョータ)
城次郎(じょう じろう、通称:ジョージ)は
「頂点をみせる」と言った
清瀬灰二(きよせ はいじ、通称:ハイジ)に
「優勝できないのに出る意味がない」と反抗したり、
蔵原走(くらはら かける、通称:カケル)と喧嘩したりします。

そのは、勝田葉菜子(かつた はなこ)を家に送っていく最中
万引き3人組を追いかけ取り押さえ表彰されます。

 (勝田葉菜子は、駅伝チームのマネージャーでアイドル的存在!
  竹青荘近くの八百屋「八百勝」の娘で寛政大学1年生です。)

仲間同士の衝突や意見の相違・・・
さまざまな問題が起きます。

清瀬
ロードレースの感覚を味わうために
上尾シティハーフマラソンに出場することを決めます。
タイム関係なしで走ったので
遅かったのですが
ロードレースの感覚はつかんだようでした。

上尾シティハーフマラソンが終わったところに
記者がに昔のことを質問します。

高校時代
は監督とソリが合わなかったのですが
ある日
の後輩をいびっている監督を見かけ
殴ってしまいます。
暴力沙汰が外にばれてしまい
は退部、高校陸上部は部活禁止になっていました。

そのことを記者は聞きに来ました。
清瀬から記者を遠ざけようとしました。

箱根駅伝まで色んなことが起きますね。


その数日後・・・
清瀬箱根駅伝の走る順番を伝えます。

【箱根往路】
 1区 大手町〜 鶴見 王子
 2区 鶴見 〜 戸塚 ムサ
 3区 戸塚 〜 平塚 ジョータ
 4区 平塚 〜小田原 ジョージ
 5区 小田原〜 箱根 神童

【箱根復路】
 6区 箱根 〜小田原 ユキ
 7区 小田原〜 平塚 ニコチャン
 8区 平塚 〜 戸塚 キング
 9区 戸塚 〜 鶴見 走
10区 鶴見 〜大手町 清瀬


ムサ
「2区は無理です」
王子
「最初から勝負を捨ててどうするの?」
と、言いましたが
だけは清瀬の真意に気付き
「後半に勝負をかけている!
 ハイジさんの読みどおりならシード権より上を目指せる!」

清瀬の真剣さが伝わり拳を握りしめます。


いよいよ
箱根駅伝当日―――

1区は
寛政大学で一番タイムが遅い王子です。

スタート前
清瀬王子
「王子、今日まで無理につきあわせてわるかった」
とスタートラインに送り出しますが
王子
「ハイジさん。僕はそんな言葉を聞きたいんじゃないよ」と笑い
「鶴見で待ってて」
スタートラインに立ちます。

東京大手門 午前8時 快晴

号砲が鳴り響きスタートしました!!!



箱根駅伝まで書こうと思いましたが
思いのほか長くかかってしまいました・・・
次回
箱根駅伝を書きます。
本当に涙なくしては読めないです
すぐに書きますから
待っていてください



漫画化にもなってます。
ぜひ小説より漫画の方はこちらをどうぞーー

漫画版『風が強く吹いている






2017年08月05日

『風が強く吹いている』1 〜 箱根駅伝を目指す青春小説 〜


どーも!
あつしです!

今回は
風が強く吹いている
を紹介したいと思います。

三浦しをん先生の作品で
箱根駅伝を目指す小説です。





この作品は
2006年に新潮社から出版され
その後
漫画化、ラジオドラマ化され
舞台になり映画になりました。
 (私は先日、友人からの紹介で知りましたが・・・ww)



ある日―――
寛政大学 文学部4年 清瀬灰二(きよせ はいじ、通称:ハイジ) は
銭湯帰りに逃げている万引き犯と出くわします。
その美しい走りに清瀬は
一緒にいた左官屋の親父の自転車を借り
追っかけていきます。

清瀬は万引き犯に追いつきます。
万引き犯は蔵原走(くらはら かける、通称:カケル)と名乗り
大学に入る為、仙台から上京してきたのはいいが
生活費を麻雀につぎ込み
今は大学の敷地内で野宿している。と伝えます。

それを聞いたハイジは
自らも住んでいる竹青荘(ちくせいそう、通称:アオタケ)に
住むように提案します。
 (いや、提案じゃなく決定事項でしたね)

竹青荘には
ハイジとカケルの他に

理工学部3年(2浪)
平田彰宏(ひらた あきひろ、通称:ニコチャン
ニコチャンとは、ヘビースモーカーでニコチン大魔王だったため命名。
高校時代は陸上部でした。

法学部4年
岩倉雪彦(いわくら ゆきひこ、通称:ユキ
3年の時に司法試験を合格した秀才。

社会学部4年
坂口洋平(さかぐち ようへい、通称:キング
キングとは、クイズ番組が大好きでクイズ王から命名。
小心者のため、クイズ番組に出場経験は一度もないが博識です。

商学部3年
杉山高志(すぎやま たかし、通称:神童
神童とは、すごい田舎で暮らしており人口が少なく何をやっても1番だったことから命名。
学校には山を2つ越えて通っていたそうです。
 (ブラジルのサッカー選手みたいなエピソードですね)

理工学部2年
ムサ・カマラ(通称:ムサ
黒人留学生。といっても、普通の国費留学生で陸上経験はない。

文学部2年
柏崎茜(かしわざき あかね、通称:王子
王子とは、端正な顔立ちから命名。
しかし、運動とはこれまで無縁で部屋は漫画で埋め尽くされています。
 (うらやましい)

1年
城太郎
(じょう たろう、通称:ジョータ
城次郎(じょう じろう、通称:ジョージ
双子で高校時代はサッカー部に所属。
明るく無邪気な性格です。
同じ部屋で住んでおり、度々決起集会などは2人の部屋になります。

文学部4年 清瀬灰二
高校時代陸上強豪校に所属し監督は実の父親でした。
足に違和感がありながらも相談できずケガをします。
人心掌握術に長けており、みんなの体調管理からトレーニングメニューの仕切り
その他の雑用までこなすリーダーです。

社会学部1年 蔵原走
高校時代は陸上部に所属し、全国を制覇した選手でしたが
監督とソリが合わず殴ってしまい所属していた陸上部は活動停止、
カケルは退部します。
しかし、走ることを辞めることが出来ずハイジと出会い
人間的にも成長していきます。


の10人が竹青荘で一緒に暮らしています。

ハイジは竹青荘が埋まり
10人になるのを待っていました。

後日、カケルの歓迎会を双子の部屋でやることになります。
そこでハイジは驚くことを言います。

「陸上で頂点を目指そう!」
「みんなで箱根駅伝に出よう!」

これを聞いた住人達は驚きます。

そりゃーそうですよね!
ニコチン中毒、運動音痴の漫画オタク、陸上経験のない黒人留学生、
クイズ番組大好き・・・などなど
箱根駅伝を目指すことは普通ありえないことです。
部員も10人しかいません。

しかし
ハイジは見越しており
さまざまな手法で
1人ずつやる気を起こさせていきました。

竹青荘はもともと
寛政大学陸上競技部寮でした。
ハイジはそこまで見越していたんですね!

まずは
一人ひとりのタイムを上げること
そして
箱根駅伝予選会に出場するために
記録会でタイムを残すこと

陸上未経験者が多い中
ハイジは一人ひとりの特性を見抜いて練習メニューを組み立て
練習し徐々にタイムを上げていきます。

最初は
「無理だ!」と信じていなかったカケルですが
ハイジは竹青荘メンバーは潜在能力が高いと信じており
カケルも徐々にハイジの言葉を信じていきます。

いよいよ予選会・・・
10人しかいない寛政大学は
誰か一人でも完走できないと箱根駅伝に出場することができませんし
他の大学が12人中10人の合計タイムで競うのに対し
寛政大学は10人中10人がいいタイムで完走しなければなりません。

予選会がスタートします。

しばらく走った時には
黒人選手が先頭に立ち
寛政大学は
第一集団にカケルとハイジ
第二集団に他の8人が走っています。

10キロ過ぎ
集団に動きがあり
喜久井大の3年生と東体大のキャプテンがスパートかけ
カケルとハイジ以外の選手たちは引き離されます。
500メートル走ったところで
ハイジに「俺、行きます」とカケルは一気に抜き去ります。

他大学の黒人選手が1位と2位でゴールし
周りの観客が
「どうせ上位は黒人選手だよ」
と言っている中
堂々3位で現れゴールしたのは蔵原走でした。

清瀬灰二は
喜久井大と東体大がペースを上げたのについていき
右脛に違和感を感じながらも崩れこむようにゴールします。
喜久井大の選手と同着の6位でした。

ジョータとジョージがゴールし
つづいてユキ、ムサ、ニコチャン、神童が
80位から90位台に入ります。
キングも健闘し123位でゴール!

残るは王子です・・・
ふらふらになりながら必死にゴールを目指す王子の姿があります!
王子はこみ上げる吐き気と戦いながらもがくように前進しています。
ゴール手前で走りながら吐いてしまいましたが
176位でゴールし意識を失います。
(全員必死で気力も体力も尽き果てたことがよくわかります)

運命の予選会結果発表です。
予選会の結果は1位から6位までが純粋な10人の合計タイム
7位以降はインカレポイントも加味されてのタイムになるため
合計タイム順とは違う結果になります。
陸上を始めたばかりの寛政大学はインカレポイントがないため
どうしても6位までにタイムで入りたいところです。

1位 東京体育大学
2位・・・発表が始まりました。
5位までの間に寛政大学の名前は呼ばれません。

6位・・・全員が祈ります。
 西京大学 と発表されます。

ここからはインカレポイントも絡むため
本当に順位が読めません。

7位 城南文化大学

8位 寛政大学
呼ばれた瞬間、全員で喜び
本当に箱根駅伝に出場できるんだ!
と、カケルは腹の底から咆哮します。


ここまでで半分ぐらいです!

読んでいるうちに何回泣いたことか・・・
青春を思い出し、心が震え、懐かしく、羨ましく・・・
本当に心が洗われる作品でした。


次回は
箱根駅伝を書きたいと思います。



漫画化にもなってます。
ぜひ小説より漫画の方はこちらをどうぞーー

漫画版『風が強く吹いている

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