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父倒れる【2】

翌日

父が倒れて 最初の病院からの説明


狭い部屋に母と先生に向き合う


どうやら右脳の太い血管がつまり
カテーテル処置もあまり効果がなく

重症で かなりの後遺症が残るらしい


写真をみると素人目にも
右脳のかなり広い範囲に血液が流れてないのがわかる


血の気がさがる というか
妙に 体が重くなるのを感じた


母も 
「先生の話を聞いてると 気分悪くなってきた」


重い気持ちのまま 父の病室にもどる

病室はナースステーションの隣の四人部屋


ドアをひいて あける


重たい空気が ただよう

異様な臭い


入って右に きっと若いだろうと思われる男性
上をむいたまま「スーガー スーガー」
意識がないのがみてわかる・・・

入って左に 頬がこけた 年配の男性
病院着の間から おむつが丸見え
うつろな表情でこちらを見る

左奥はカーテンがしまっていて見えないが
「ゴロゴロ」のどが鳴るような音が常に聞こえている

そして

右奥に父だ


顔はむくみ 赤黒い

口は半開きのまま 

乾いた息をしている


呼びかけるとかすかに反応する・・・。


ここで弟登場


ウチの弟 渡辺謙を若くした感じ
特におでこの感じが・・・ひろい


ただ


このおでこの中央には「×」の古傷がある


この傷は彼がまだ2歳のころアタシと遊んでいてできた傷だ・・・


夜 リビングの机のまわりを走って遊んでたら 


弟 机の角におでこをぶつけて 大出血びっくり
バスタタオルがみるみる赤く染まっていく困った

父と母が弟とアタシを連れて 病院へ連れて行くが


断られる


理由は 縫うと顔に傷が残るから


しかたなく次をあたる 

次の病院でも同じ理由で断られる


ここは父
「傷が残ってもいいから 縫ってくれ」
とお願いする

その時の傷が


おでこの「×」だ


このバッテン弟

父にも母にも非常にやさしいのだ

意識がもうろうとしている父に

やさしく声をかけ

母にも気遣う声をかける


そして なぜか早々に部屋をでる


看護婦さんがバタバタ忙しそうにしている
廊下で状況を説明しながら歩く

不安を感じさせてはいけないと思ったのか
二人ともなぜか 半笑い・・・


その時 弟


「あの部屋 いけんねぇ


 死臭がする」



確かにと思ったが


イヤイヤ あのねぇ


そういうの言うときは


時と場所を考えてよね


母さん つきっきりで看病してんだぞびっくり


と 思ったが 何もいえない姉ちゃんでした




つづく・・・


プチママでしたブタ







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