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りらっクマ：今日もナイアガラ現象のチャートだね。

トロ先生：ｳﾝｳﾝ日足で見ると3日間続落の後、4日目で加速してるね。

りらっクマ：なんかもう見慣れた図のような。

トロ先生：ぉ。既視現象だね！そういうときだけトレードすれば勝率は上がっていくと思うよ。その前にたくさんチャートを見て目を慣らすことが大事だね。
チャートを見ると11月27日に2009年の最安値（1995年以来の最安値）を記録しています。目標になったのが前回の底値10月7日の88.01円と、1月21日に記録された87.11円（11月27日に更新されるまで、1995年以来の最安値）でした。

りらっクマ：確かに2段階で加速しているように見えるのが面白い。

トロ先生：10月以前からのチャートを見ると87.70円あたりでドル売りエントリーしたくなるよね。

りらっクマ：ｳﾝｳﾝでも売買反転のポイントは難しいな。

トロ先生：そうだね。まあどんなポジション取っていたとしても、86.70円あたりで結局ドル売りエントリーになりそうだね。

りらっクマ：ﾅﾙﾎﾄﾞ。ところでこれも結局急落幅は狭かったね。

トロ先生：今は主要国がみんな金融緩和策をとっているから各通貨の役割が似通ってしまっているのも原因だね。

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トロ先生：今度は2009年7月のドル円だよ。

りらっクマ：長いもみあいの後だね。信用収縮の大波がなくなったところで中波が目立ち始めた感じ。

トロ先生：ｳﾝｳﾝ97.00円辺りを中心にして3月からレンジが継続したね。底値になっていたのが3月19日の93.56円と5月22日の93.85でした。7月8日にまた底値ゾーンに入ってきた。

りらっクマ：わかったぞ。いままでのパターンだと93.50円あたりが加速ポイントだね。

トロ先生：そうだね。ただしこのときも加速度落下したけど、91円台に突入してすぐに反発しています。

りらっくま：反発の目標もやっぱり93.50辺りだったね。

トロ先生：信用が収縮しきっていたのと日米の政策金利に差がなくなっていたので急騰急落の幅も小さくなっているね。この傾向はまだ継続するでしょう。つまり利幅を取るのが難しくなっています。

りらっくま：計画的にやらないと損する可能性もあるね。

トロ先生：反発のポイント（ポジション反転のポイント）を読むのは非常に難しいので、事前に計画するとすれば急落局面での売りエントリーポイントと反発局面での利確ポイントだね。結果論だけど93.50をポイントにしていればマイナスはなかったことになります。

りらっクマ：急騰急落の恐怖感がだんだんなくなってきたね。

トロ先生：じゃあ次は2009年11月のナイアガラ現象（加速度落下）を見てみよう。

りらっクマ：ドバイショックｷﾀｰ

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トロ先生：今度は2008年10月のドル円だよ。ドル円レートは3月にタッチした96円から半年間100円台をキープした後10月に入って再び96.00円のラインに接近してきました。

りらっクマ：リーマンショックの翌月だね。3月のチャートと一緒に見ると、95.60円辺りが危機回避発動と仕掛け売り開始の目標になりそうだね。10月24日の金曜日にはとうとうそのラインに入ってきた。

トロ先生：全部先に言われちゃったね。今度は91円を切るところまで下がるナイアガラ現象です。この時は91−92円付近で大口のショートカバー（仕掛け売りの買戻し）が入っていると報道された通り反発して、結局2営業日後には98円まで戻したね。

りらっクマ：98円のラインと言うと。。。10月24日の高値がこの辺りなので反発の目標になったのかな。

トロ先生：さすがりらっクマ。ナイアガラ現象の時って、上げ要因のニュースと下げ要因のニュースがいくつも錯綜しているので、情報を取捨選択する間もなく元に戻っていることは多いね。こういうときはニュースを追わずにテクニカルに徹しています。

りらっクマ：ﾅﾙﾎﾄﾞ。前に急騰急落相場は純然たるテクニカルの世界と言っていたのはこのことだったのか。

トロ先生：テクニカルに徹するのにはもうひとつの意味があります。売買の根拠が統計や確率に依存するので、急騰急落相場にも「期待値55パーセントで十分」という心構えで臨めます。急騰急落のときに一番怖いのは思い込みとか信念だからね。

りらっクマ：ハッ！前に失敗したときにも同じこと言われたな。

トロ先生：今のりらっクマなら大丈夫！次は2009年7月のナイアガラ現象を見てみよう。

りらっクマ：ぉお覚えてる覚えてる！

恐怖？急騰急落相場に強くなろう【5】に続く

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恐怖？急騰急落相場に強くなろう【2】からの続き

りらっクマ：ドル円のチャートを持ってきたよ。

トロ先生：ぉお！やる気が出てきたね。最初のうちは急騰急落相場に恐怖を感じると思うけど、これは慣れで克服するしかないね。

りらっクマ：金利と相場の関係から急騰急落の原因まで復習したので理屈では分かるんだけど…

トロ先生：じゃあ2008年3月のチャートからみてみよう。習うより慣れろだね！

トロ先生：3月17日月曜日。この日を覚えている人は多いんじゃないかな。ドル円最安値を記録した1995年以来の1ドル100円割れが大きなニュースになった日だね。1995年以降、2000年、2005年と101円台で反発していたけどこの日はとうとう100円割れ。

りらっクマ：99.50あたりでこれまで習ったいろんなリスク回避が発動した感じだね。

トロ先生：ｳﾝｳﾝ一目瞭然だね。併せて100円割れが確定した後の99.60〜99.30辺りにタッチしたらドル売りの仕掛けという市場のコンセンサスも形成されていたようです。日足チャートを見ると前週から段階的に下落が始まって3月17日に加速度的に下げ幅が大きくなっているね。この落ち方は良く覚えておきましょう。加速度落下を「ナイアガラ現象」と呼ぶことにします。

りらっクマ：ﾎﾝﾄに滝のようだ！

トロ先生：ただしナイアガラ現象（加速度落下）はストップロスを含めたいろんな指値がある狭い価格帯に集中してしまった結果とも考えられるので、相場の節目になりやすいともいえます。この日の例で言うと3月27日の下げ幅よりも27・28両日の反発幅の方が大きくなっています。

りらっクマ：反発の幅の法則がある程度読めれば、慎重にエントリーしても利益が出そうだね。

トロ先生：まだまだこれだけで勝てるとはいえないね。なのでこういうチャートをたくさん見ていこう！次回もドル円の「ナイアガラ現象」2008年10月のサンプルチャートだよ。

りらっクマ：ﾜｸﾜｸ

恐怖？急騰急落相場に強くなろう【4】に続く。

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トロ先生：ここで問題です。りらっクマはプリンの缶詰をアメリカに輸出します。契約で1万セットを10万ドルで売ることになりました。

りらっクマ：それは儲かるね

トロ先生：でも製造して納品するのが3ヵ月後、支払はそのまた1ヵ月後です。

りらっクマ：ｴｰ　その間にドル円のレートが下がったら赤字になっちゃうかも。
　
トロ先生：個人事業者が取引しているとそんなこともあるだろうね。でも株主や従業員を抱える輸出企業はそうは行かないね。

りらっクマ：一時的な円高だけで倒産されたら怖くて輸出企業の株を買えなくなるからね。

トロ先生：企業は決算期末ごとに来期の事業計画を立てますが、輸出企業はこのとき目標となる為替レートを設定する必要があります。簡単に言うと「ドル円レートを90円で想定して営業利益を見積もっているので、それより下がると想定利益を下方修正するかもよ。」みたいな。

りらっクマ：為替リスクを予め開示しておくんだね。

トロ先生：ｳﾝｳﾝなのでドル円が90円付近のときは何もしないけど、そこから下がり始めると対策が発動します。プリンの缶詰で言うと、銀行に行って、契約した分のドル円交換の決済を実際の支払日の前にやっておきます。場合によっては契約が見込める分まで先に決済をするので大金になるね。FXでいうと「支払日にポジション解消予定の、契約金額と同額のUSD/JPYの売り」だね。

りらっクマ：FXを利用すると赤字を回避することが出来たんだね。このようなことが同時に起きるのか。

トロ先生：このような取引は指値で行われるので、指値が一定の金額に集中すると当然同時になります。リスク対策なので指値も各社横並びになっちうよね。

りらっクマ：怖いなー。でもこれって予測できたら利益を出せるかな？

トロ先生：ある程度のラインは予測できるけど、前後に仕掛けが入っていると難しいね。ただ急騰急落が怖いのは経験が少ないだけかも知れないので過去のチャートをたくさん見ることによって克服の可能性があるよ。

りらっクマ：チャート持ってこよう。

次回、恐怖？急騰急落相場に強くなろう【3】は年明けになっちゃうかも。

【おまけ】
加藤征四郎くん：純金積み立てコツコツ♪

トロ先生：かわいいねぇ

りらっクマ：子供に資産運用任せて大丈夫なのか…

トロ先生：そっちかよ。クマがFXやるのとおんなじだね。

りらっクマ：…
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りらっクマ：金利差の大きい通貨ペアを取引するときに最も注意しなければならないことがだんだんわかってきたぞ。スワップ金利派のトレーダーにとっては上昇トレンドより下降トレンドへの転換の方がインパクトが大きいということは常に頭に入れておかなくちゃいけないね。

トロ先生：相場感や値ごろ感でトレードしてはいけないという格言もここではピタリ当てはまるね。「人の噂も75日」というけど初心者のうちは3ヶ月に1回程度起こりえることを「ありえない」と錯覚しがちなので特に注意だね。

りらっクマ：そういえばこの前USDの急騰とEURの急落が同時に起こって「ユーロショック」と大騒ぎだったけど、ユーロドルのレートは3ヶ月前のに戻っただけだったね。

トロ先生：さすがりらっクマ。

りらっクマ：でもさー信用収縮以外にも相場の急変ってあるよね。

トロ先生：ｱﾙｱﾙ。主要通貨の金利差が殆どなくなってくると信用拡大・収縮の大波が小さくなってきて、その上にかぶさっていた中波が大きく見えてくる感じだね。そこにいろんな思惑買いや仕掛けが入ると相場も大混乱。関係ないけど金利差が大きかった時期のデータを元にバックテスト（過去に遡ってプログラムの収益性などを検証すること）しているFX自動売買システムは有効に機能しない可能性があるのでよく注意して選びましょう。

りらっクマ：これは中波かもしれないけど、最近のニュースで「日本の輸出企業が一斉にドル円を売ったのが一時的円高の一因」と言う記事がありました。日本企業が一斉に円高の仕掛けをするなんて・・・

トロ先生：そんなことしょっちゅう起こってるし相場も織り込んでるよ。

りらっクマ：がーん
【急騰急落相場に強くなろう（2）】はすぐに続く
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