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2015年11月24日

中国と東京裁判(22):『梅汝璈日記』19

1946年5月10日金曜日
朝に裁判所の副秘書長ハニー大佐(Col. Hanney)から電話があり、十時に臨時裁判官会議を開くとのことであった。私は九時半に裁判所に到着し、門を入ると秘書長に出あった。彼は私とヒギンズ氏が申請した専用機での中国行きはすでに司令部の批准を得たので、すでに電報で中国方面に通知したとのことであった。これは私をとても悦ばせた。米国人の処理は本当に正確で迅速である。

十時に会議を開いて討論したのはすべてコールマンが司令部に提出した裁判組織憲章の改正案で、国際弁護班併設の問題である。我々の考えるところでは、これは不必要であるだけでなく、全くの誤謬である。なぜなら弁護は被告自身の事情であり、もし司令部が専門班を設置して主任弁護士(Chief Counsel of Defence)を派遣するなら、これはすべてが公平な裁判の原則及び常識に反するからである。

討論した時の人々の意見は一致して態度もたいへん強硬であった。結果はコールマンに今日の午後三時前に彼が司令部に提出した文書を取り消さなければ、我々はマッカーサー元帥に直接厳しく交渉すると決定した。

 会議終了後に私はホテルに戻った。しばらくして、宋徳和氏が来て、彼は中国料理を用意しているので昼食に彼の住居に来てほしいとの誘いであった。私たちは一緒に彼の住居に行ったが、同居しているのは四人の米国新聞記者であった。彼らの態度はとても親切で和気藹々としていた。宋氏は日本の情況をとてもよく知っており、米国記者も家族同様に良く知っており、それで彼は東京でいつもあちらこちらに行くことができる。我々は食後にさらに一時間あまり話をした。彼の観察では天皇は依然として将来起訴されるかあるいは証人として喚問される可能性はあると感じていた。彼の述べる通りならば、天皇はまず退位するだろう。私たちは多くの国際問題や国内問題を話した。二時半に私は別れを告げてホテルに戻った。三時に方秘書と共に裁判所に会議に行った。

裁判官会議が始まると、まず裁判長がコールマン氏がすでに書面で司令部に提出した文書を撤回したと報告があったが、今日の午後に裁判官会議に出席して彼が司令部に国際弁護班の設置を申請した理由を説明したいと希望しているとのことであった。我々はコールマン氏の出席を許可して、コールマン氏がやって来た。いろいろな説明があったが、やはり彼ははっきりした理由を述べなかった。彼が退席した後に、我々は討論して、みなが弁護班の設立は必要ないばかりか、主任弁護士を司令部や裁判所が指定するのは不合理だと感じた。それは被告自身のことであって、彼らに自由に選択させるべきことである。コールマン氏は被告弁護人と連絡するための事務官に過ぎないのに、名前を主任弁護士(Chief Counsel of Defence)とするのは全く妥当ではない。私は再三発言して、この名称は改めなければならないと主張したが、同僚たちもみな私の意見に賛成した。結果私たちは秘書長を任命してコールマン氏の官職の名称を変更させる事にしたが、それは間違いや混乱を起こさないようにするためである。こうして意外な展開を見せたコールマン事件は一段落告げることになった。

裁判官会議が散会した後、私はホテルで休息を取り、新聞を読んだ。羅秘書と王将軍が来て話をした。帰国の可能性があるので、私は羅秘書と銀座の各商店を見て歩き、なにかお土産を買おうと思った。しかし時間が遅かったので、商店はどこも閉店しており、何も買わずに戻った。

夕食後に、パトリック氏、レーリンク氏、マクドゥガル氏、パル氏の四人で長く話をした。彼らは私が今日の裁判官会議で厳しい態度を示した事に驚いて敬服してくれた。実際のところ小さい事ならば私はあまり発言したくないのだが、大きな事についてはおろそかにすることはできない。私は何も発言しないことはすでにあきらめたことで、私が発言したことは必ず最後まで主張し、成功するにせよ失敗するにせよ、いくらかの結果を残さなくては引き下がれない。

八時四十分にマクドゥガル氏が映画に誘ってくれたが、一時間もしないうちに退席した。私は詳細に方秘書が翻訳した「極東国際軍事裁判組織法(すなわちCharter憲章)」を校閲した。十一時に太極拳を練習して、日記をつけて、約一時に寝た。

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