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2019年10月26日

運命の日

2019/10/23

休み明けで出社した。
いつ電話がかかってくるか分からないので、上司にはその旨を伝えた。
休み中の出来事を把握しているところで、すぐ私宛に電話が入った。

妻だった。

朝の回診で本日赤ちゃんを取り出すことを決定したようだ。

すぐに支度をして上司に伝えたあと、病院へ向かった。

色んなことを考えていたと思うが、あまり覚えていない。

朝8:30頃の駅前は混んでいる。

焦りを抑えられないまま病院に着いた。

妻の部屋へ駆けつけると、まだベッドに妻が居た。

あと30分で手術が始まるらしい。


間に合って良かったが、妻の目尻には涙の乾いた跡が付いている。

私自身、手術決行は有難い判断だったと思っている。

時間になり、妻がベッドに乗せられたまま違う階へと向かうエレベーター前でエールを送った。

婦長さんからの
『元気な赤ちゃんを渡しに来ますからね』
という言葉が有難く、とても心強かった。

『宜しくお願い致します。』

と言ったあと、妻は手術室へ向かっていった。


手術は麻酔を打って効いてくるまで20〜30分。準備が整ったら手術開始で、赤ちゃんを取り出す時間は僅か5分程度だという。術後の縫合で1時間程と、手術の流れの冊子を読んでいたので、時刻と照らし合わせながら、祈り続けた。

赤ちゃんを取り出した後に天国に行ったら、妻の身に何かあったら、色んなことを考えすぎて頭がおかしくなりそうだった。

行き交う人を見ながら、まだかまだかと待つ。

ふと、何回も扉が開くエレベーターのうち、あるタイミングに私自身が反応した。

自分の子かもと立ち上がったら、助産師さんから名前を呼ばれた。

保育器の中に入っている、小さい小さい体の赤ちゃんが見えた。

『おめでとうございます!』

あぁ、安堵感と感謝の気持ちとまだ残っている不安で、ぐちゃぐちゃになりながら、妻の様子を伺った。

妻も無事のようだ。


先生の説明では、まだ赤ちゃんは自分の力で呼吸が出来ないため、人工呼吸器を繋いでるとのこと。

4時間後にまた会えますと、NICUに入っていた。

助産師さんから赤ちゃんが生まれた時刻と性別と体重が書かれた紙を渡された。
性別は女の子。
体重はまだこれから測るとのことで空白になっている。
この特別な便りを受け取った瞬間とても幸せな気持ちなった。

それから1時間後くらいにエレベーターが開いた。
妻が乗っているベッドだった。

『声を掛けてあげてください』
と婦長さんが言ってくれて

『ありがとう、怖かったね。ありがとう』

妻は頷き、話そうとしてくれたが薬で声が出にくくなっていた。

しばらく待ったあと、妻がいる部屋に入った。

弱りきっている妻を見て辛かった。1番不安で怖かったのは妻だ。

一般室に映る準備をしている間に、妻の両親が駆けつけてくれた。県外で車で3時間かかる。

妻と赤ちゃんの容態を説明して安心してくれたようだ。
とはいっても赤ちゃんはリスクがある状態であることも伝えた。


一般室に移動してしばらくすると、助産師さんから呼び出された。

先生から赤ちゃんの今の状態とこれからのことについて説明を受けた。

情報が多かったので飲み込むのが大変だったが、ハイリスクな状態だということは理解出来た。

まだ自分で呼吸が出来ない、心臓と肺の間に不要な血管が残っている、血管と脳が未熟、消化機能が未熟

赤ちゃんの容態によって手術や輸血が必要になる場合があること、母乳を譲って貰って栄養を摂取することもできるなど私たちの同意が必要なものがあったが、妻とも相談しリスクを承知のうえで輸血ともらい母乳に同意した。


NICUの説明を助産師さんから受けたあと、赤ちゃんと対面できるとのことで手の洗い方などの説明を受けて、清潔にした状態で、赤ちゃんのいる部屋に入った。


我が子は1番奥側の部屋に居た。
エレベーター前で見えたのが一瞬だったので、まじまじと見たが、とても可愛い。
手も足も綺麗で、これが未熟児なのかなと、そもそも生まれたばかりの赤ちゃんを見たことない私は思ってしまった。

口から鼻から手から管が通されている姿が痛々しいが赤ちゃんを育ててくれる大切な管を見るのはすぐに慣れた。
なにより時より見せる、眉の動きや手足の動きに感動していた。

助産師さんから
『触ることもできます』
と言われた。
手や腕をしっかり洗ってアルコール消毒をばっちりしたが、赤ちゃんを見て触るのを我慢した。

妻に最初に触れて欲しいと思った。

『今日は我慢します。』と伝えて椅子に座らせてもらった。

途中、入院手続きの説明なども受けて、2000g以下は養育費が公費で支払われるとの説明を受けた。
最近の医療技術、医療制度は素晴らしい。

先生からの説明だと、元気に動いているので血の巡りが良くなりすぎて現段階では脳に良くない。
脳が育つまでできるだけ落ち着いている方が良いとのこと。

『すごい元気に手足をバタバタさせてるので薬を投与して眠ってもらいました』

笑ってしまった。
嬉しいような、この先大丈夫かな?と心配になる我が子は眉をひそめて渋い顔をしながら指をにぎにぎしている。

徹底した管理で安心していたが妻と妻の両親を待たせているので、病室に戻った。

しばらくして私の両親も駆けつけてくれた。

私の両親と妻の両親が会うのも初めてだった。
私の両親段取りが悪くなかなかお互い挨拶が出来ていない状態での再婚だったので、申し訳なく反省した。

我が子がお互いの家族を引き寄せてくれたんだなと思いながらこの日は病院を後にした。


今日の夜はラーメンを食べよう
妻は今日は食事はできない、明日は飲み物から慣らしていくそうだ。


とにかく今日は運命的で素晴らしい日だ。
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