2017年10月08日
中之島にある【国立国際美術館】
中之島にある【国立国際美術館】
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現在、ブリューゲル「バベルの塔」展(2017年7月18日〜10月15日)を開催している国立国際美術館に行って来ました。
平日ながらも、人気のある作品ゆえか?かなり込み合っていました。
この国立国際美術館の建物は、竹の生命力と現代美術の発展・成長をイメージした外観デザインです。
地面にも(バベルの塔)が描かれています。
館内は人と美術との交流が生み出すパブリックゾーンが設けてありました。
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●ボイマンス美術館所蔵・ブリューゲル「バベルの塔」展と16世紀ネーデルラントの至宝〜ボスを超えて〜
まず館内は、ブリューゲルに影響を与えた不思議な世界を展開する奇才・ヒエロニムス・ボスの展示。
私は何故か・・・水木茂氏の世界に通ずるものを感じました。
ルネサンス期当時(生没1450年〜1516年8月9日)としては、不思議過ぎるくらい不思議な世界をキャンパスに描いています。
後のマザーグースなどの不気味で不思議な挿絵なども、このボスに影響を受けているのではないかと思うほど・・・。
初期フランドル派だということですが、彼の描く絵はどこか別世界・・・あの世か?宇宙のどこか?にでも行って見てきた?のでは?と思うほど、不思議な独特の物語。
聖書題材の聖アントニウス、快楽の園、七つの大罪などの絵が並びます。
しかし不思議な不思議な絵でした。
創造力?
ルネサンス期当時にはSFの世界はありませんでした。
真面目に聖書を題材に書いてきた絵が不思議なもの以外の何物でもないような絵に。
幻想・・・怪奇・・・怪異・・・不思議・・・と言った言葉が並びます。
シュールなのです。
ダリのシュールレアリスムのような・・・。
しかし時代はルネサンス期、真面目なキリスト教徒の聖書題材の絵。
正直なところ、このかい離がまたまた不思議でした・・・。
そしてブリューゲルの作品の数々。
人でいっぱいでした。
ブリューゲルらしい風景画や人物画が並びます。
彼独特ののどかな農民などの婚礼や生活を描いた作品には見受けられない寓意的な作品もありました。
どうも前出のボスに影響された作品のようです。
圧巻はやはり皆のお目当てであり、この展覧会の目玉作品である(バベルの塔)
この(バベルの塔)の作品を目の前で見たい人達が長蛇の列を作り、並んでいました。
そして遠巻きに眺める人達。
(バベルの塔)の絵の周辺は人で溢れかえっていました。
私はもちろん、目の前で見たい人の列に並びました。
約30分ほどでやっと順番が回って来ました。(平日だったので、待ち時間は短めだったかもしれません。)
思ったよりも小さなその絵は、とても精巧に描かれていました。そして艶やかに。
後ろにも長蛇の列。
約3分とたたないうちに絵の前から移動しました。
長蛇の列、(バベルの塔)の絵。
東京芸術大学の人達も交えて作ったという大判の複製。
そして出口付近にビデオ上映で絵の解説がされていました。
CGも使い、実際のバベルの塔に描かれている建造中のレンガやレンガを引き上げる際に出来た赤い粉に着色された棟の一部、セメント?の白い粉を被った作業する人達、(バベルの塔)にある教会とおぼしき入り口、塔の外にあるそのレンガを焼いている場所まで。
なかなか興味深く、面白かったです。
自分の目でほんの数分見ただけでは分かりづらい箇所も良く分かると同時に、あのブリューゲルの(バベルの塔)が、こんなにも細部にまで魂を入れていたのかと初めて知ることが出来ました。
改めて、絵の方に戻ると、なるほど・・・とより深いところまで分かる気がしました。
*ちなみに(バベルの塔)とは旧約聖書(創世記)に出てくるお話です。
大洪水の後、ノアの子孫は民族の分散を免れるために(共通の言語を持った人類が)天にも届く塔を建てようと計画しました。
しかし、同一言語を有する民の結束と能力を危惧した神の逆鱗に触れました。
天罰として、まず言葉がお互い通じないよう混乱させました。(バーラル)
そしてその企てをはばみ、民は町と塔の建設を投げ出して各地に散り散りになりました。
この(バーラル)という発音から似た(バベル)と街は呼ばれたそうです。
この逸話は、民族と言語の多様性を表し、また神と等しくなろうとする人間の傲慢な罪を描いていると言われています。
画家ブリューゲルはこの旧約聖書の逸話を彼の住んでいた街や時代に置き替えて、描き、表現したと言われています。
因みに(バベルの塔)に描かれている窓の様式が、それぞれ異なるそうです。
これは時間を掛けて建てられたことを表現しているとの事。
ブリューゲルはこの(バベルの塔)に渾身の力を降り注いでいたことがよく分かりました。
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(バベルの塔)展のお土産。
(バベルの塔)のクリアファイルと(バベルの塔)型したキャラメルの箱。
幼い頃、自宅にあった百科事典・美術のところに載っていたブリューゲルの(バベルの塔)を直接、見ることが出来て良かったです。
漠然とした記憶の底にあったブリューゲルの(バベルの塔)
よくよく知れば、(細部に至るまで)深い深い作品でした。
また国立国際美術館の建物もひとつのオブジェのように素敵でした。
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【国立国際美術館】
所在地:〒530−0005 大阪府大阪市北区中之島4−2−55
TEL:06−6447−4680(代)
アクセス等の詳細は、www.nmao.go.jp(国立国際美術館公式サイト)参照のこと。
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(次号に続く)
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