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2019年06月14日

ある夜の出来事〜今ブラビオンが騒がしい〜

都心のオフィス街

仕事を終えて帰路に着くビジネスマンやOLの足音がけたたましく鳴り響く

夜18時を回る頃突然の通り雨

急いでタクシーを拾う者もいれば

駅に駆け込む者、居酒屋や飲食店へ避難する者

人混みが面白いように散っていく光景をぼーっと立ち尽くし目の当たりにして

はて当の自分はどうしようと我に帰る

カバンに入れておいた折り畳み傘があったことでびしょ濡れになるという難は逃れた

近くの居酒屋で一杯呑んで帰るか

家まで二駅分運動のため歩いて帰るか

コンビニの入り口横で少しひと休みしながら雨の行方を見つめていると

「課長、まだいらっしゃったんですね」

「ああ、三島さん、お疲れ様です。まいったね急な雨で」

声をかけてきたのは同じ会社の部下である20代後半の女子社員だった

課長・高倉は某自動メーカーにて課長を務める52歳独身の30年のベテラン社員

52歳という年齢ながら女性経験が極めて少なく女性への接し方をあまり心得ておらず社内でも女子社員とは業務上の会話以外話さないなど距離を置いてしまう

「三島さん、じゃあ帰り気をつけて」

高倉が立ち去ろうとすると三島が追いかけてくる

「傘を忘れてしまって」

高倉の傘の中に入ってくる三島

「み、三島さん、びっくりするじゃないか。傘はあげるから早く帰りなさい」

「それだと課長が濡れて風邪ひいてしまう」

一歩一歩歩くたび三島の体が密着していく

「三島さん、こんな場面他の社員に見られたら誤解されるじゃないか。少し離れてくれないか。」

「課長、少し飲みませんか?」

「・・・んーどうせ家に帰ってもぼくひとりだし・・・初めてだけどたまにはこういう寄り道もありか」

三島の人懐っこい笑顔とスキンシップに押されたせいか高倉は次第に心開いていく

駅裏の小さなお洒落なバーに寄ることにした

外の雨とは裏腹に薄暗いブルーの照明の静寂の中美しいジャズのサックスが心地よく鳴り響く

他の客はほとんどが男女のカップルのようで

片寄せ密着していたり見つめあっていたり皆恋愛ムードに包まれている

「こんなお洒落な店三島さんよく来るの?」

「はい、たまに。でも同じ大学の同期の女子とばかりで男性とは初めてです」

「いやいや、ぼくなんて男性のうちに入らないだろう」
高倉が笑い飛ばしていると

「課長、素敵です・・・」

そっと高倉の手を握る三島

「ぼ、ぼくがしてしまったら逆にセクハラで問題になってしまうね」
初めてに近い女性からの接触にとまどい、慣れないシチュエーションや空気を変えるべく冗談を交えたり笑ったりするが三島はその手を離さない

それどころかお酒が入っているせいか三島の瞳がほんのり色っぽく見え

しぐさが可愛らしくさえみえてしまう

「男の人ってみんな目的は一緒。いやらしいなぁって。でも課長はそんないやらしさがなくてデキる男で大人だし一緒にいて落ち着くんです」

高倉の肩にもたれる三島

「君、だってぼくなんか52のおやじだよ?三島さんのお父さんと変わらないくらいじゃないか、君はお酒に酔っているだけだよ。さあそろそろ行こう」

三島に帰宅を促す高倉に不満そうな表情の三島

バーを後にすると雨足はさらに激しくなっており

三島を送るためのタクシーを拾おうと試みるもなかなかつかまらず

傘を差していても横なぐりの雨に打たれて二人ともびしょ濡れになる

「課長・・・高倉さん。今夜一緒にいてもらえませんか?」

あまりの大胆な発言に高倉は持っていた傘を手から離し愕然としてしまう

「君、なんてことを・・・ぼくはいい年したおじさんだし、君の上司なんだよ!」

「わたし、高倉さんが好きです・・・」

傘が雨で飛ばされ転がっていく

見つめ合う二人を大粒の雨がなおも激しく降り注ぎ路地裏へと誘う

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求め合う二人の影が薄暗くした照明に映し出し燃え盛る炎のように揺らめく

三島の身体はまるでピアノの鍵盤のように若く白く美しく柔らかで触れるたび美しい音色を奏でる

熱く重なり合う2つの身体は共鳴しあいひとつになる

奥へ奥へと見も知らぬ森の中へ

加速していく感度と快感に二人酔いしれる

やがて快感は頂点に達し二人果ててしまう

「高倉さんって強くて激しくて硬くて大きくてびっくり」

「三島さん、今夜のこと社内では内緒だよ」

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弾き語りだけで生計を立てる希少なシンガーソングライター・沖田演夢(おきたひろむ)です。自分で言うのもなんですがめちゃいい曲歌いまっせ〜あら、あんた知らないのーアホねホッホー〜名前だけでも覚えて帰ってね。座右の銘は「どうでもいい8割がた。良い意味で by沖田演夢」で〜す
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