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2014年11月17日

★国語のウィンターワークに魂がグラグラ! ページをめくると「おお! 富嶽百景だ!」

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★2学年・国語科担当の
今江田Tの机の上に
「ウィンターワーク」の見本が
数冊
のっている

こういう問題集に掲載された
いわゆる「名作」で
人生を変えられた経験を持つ僕は
これに鋭く反応!


 すぐそばに若い理科担当の福士Tがいた。
 僕「僕は受験用の問題集を読んでいるうちに文学にひかれだした人間だから、こういうワークブックを見ていると、魂がグラグラするよ……」。
 福士「わたしも試験の問題文がおもしろいので、試験のあとでその本を買ったことがあります……」
 理科教師らしくない、うれしいことを言うではないか!

★そのうちの一冊を手に取る。
 ページをペラペラ、めくると――

 十一月にはいると、もはや御坂の寒気、堪へがたくなった。
 茶店では、ストーブを備えた。
 「お客さん、二階はお寒いでしょう。お仕事のときは、ストーブのそばでなさったら。」と、おかみさんは言うのであるが、私は、人の見ているまえでは、仕事のできないたちなので、それは断った。
 おかみさんは心配して、峠の麓の吉田へ行き、炬燵をひとつ買って来た。
 私は二階の部屋でそれにもぐって、この茶店の人たちの親切には、しんからお礼を言いたく思って、けれども、もはやその全容の三分の二ほど、雪をかぶった富士の姿を眺め、また近くの山々の、蕭条たる冬木立に接しては、これ以上、この峠で、皮膚を刺す寒気に辛抱していることも無意味に思われ、山を下ることに決意した。……

 「おお! 富嶽百景だ!」
 隣にいる福士Tのことは忘れて、声に出してしまった。

 ここでやめておけばいいのに、設問をみる。
 こういうワークの設問はみてはいけない……と自分に言い聞かせているのに、やはり職業柄、みてしまう。
 対抗意識が燃え上がるのだろう(*^_^*)。

 山を下る、その前日、私は、どてらを二枚かさねて着て、茶店の椅子に腰かけて、熱い番茶をすすっていたら、冬の外套着た、タイピストでもあらうか、若い知的の娘さんがふたり、トンネルの方から、何かキャッキャッ笑いながら歩いて来て、ふと眼前に真白い富士を見つけ、打たれたように立ち止り、それから、ひそひそ相談の様子で、そのうちのひとり、眼鏡かけた、色の白い子が、にこにこ笑いながら、私のほうへやって来た。
「相すみません。シャッター切って下さいな。」
 私は、へどもどした。
 私は機械のことには、あまり明るくないのだし、写真の趣味は皆無であり、しかも、どてらを二枚もかさねて着ていて、茶店の人たちさへ、山賊みたいだ、といって笑っているような、そんなむさくるしい姿でもあり、多分は東京の、そんな華やかな娘さんから、はいからの用事を頼まれて、内心ひどく狼狽したのである。
 けれども、また思い直し、こんな姿はしていても、やはり、見る人が見れば、どこかしら、きゃしゃなおもかげもあり、写真のシャッターくらい器用に手さばき出来るほどの男に見えるのかも知れない、などと少し浮き浮きした気持も手伝い、私は平静を装い、娘さんの差し出すカメラを受け取り、何気なさそうな口調で、シャッターの切りかたをちょっとたずねてみてから、わななきわななき、レンズをのぞいた。
 まんなかに大きい富士、その下に小さい、けしの花ふたつ。
 ふたり揃ひの赤い外套を着ているのである。
 ふたりは、ひしと抱き合ふように寄り添い、きっとまじめな顔になつた。
 私は、おかしくてならない。
 カメラ持つ手がふるえて、どうにもならぬ。
 笑いをこらえて、レンズをのぞけば、けしの花、いよいよ澄まして、固くなっている。
 どうにもねらいがつけにくく、私は、ふたりの姿をレンズから追放して、ただ富士山だけを、レンズいっぱいにキャッチして、富士山、さようなら、お世話になりました。
 パチリ。
「はい、うつりました。」
「ありがとう。」
 ふたり声をそろえてお礼を言う。……

★メインの設問、傍線6「二人の姿をレンズから追放して、ただ富士山だけを、レンズいっぱいにキャッチして」とあるが、富士山だけを写した理由として最も適当なものを次から選び、記号で答えなさい。

 解答をみると、正解は「女性たちにねらいが定まらないうちに、『私』の関心が富士山に移っていったため」となっている。

 私はおかしくてならない。
 カメラ持つ手がふるえて、どうにもならぬ。
 笑いをこらえて、レンズをのぞけばけしの花、いよいよ澄まして、固くなっている。……

 この直後、「私」の心が、ガラリと変化する。
 問題作成者はこの変化がまったく読めていない。
 また、当然のこととして、その前段階の「私」の自己認識の変化、すなわち――「私」=「機械に明るくない」「山賊」「むさくるしい姿」→「きゃしゃなおもかげもあり、写真のシャッターくらい器用に手さばき出来るほどの男」も読めていない。

 「私」は、「二人の姿」をレンズから追放すると同時に、「きゃしゃな」自分をも追放するのだ。
 いや、正確には「きゃしゃな」自分を追放した瞬間、「二人の姿」をもレンズから追放するのだ。

 中学生には、中学生が「ひゃあぁぁぁ〜!」と声をあげるくらいの、もっと魂を揺さぶる設問をぶっつけないと、アカンよ。

★画像=DAKA古書店片隅。
 このホームページ、あるいはブログの拠点だ。
 この「拠点」に、もう少し、なんといったらいいか……ま、リアルな活気がほしいと思い、今度、ホームページの右サイドに【DAKA本通り商店街】を設置した。
 商店はぜんぶ、現在、実際に営業中。
 取引も可能だ。
 【商店街】とこのHPがともに元気になっていけばいいなぁ〜と思っている。
 【DAKA本通り商店街】をよろしく!






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