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2020年11月11日

モンスター登場は人間創生の原点を説く性典である

さて、今回はCCB最大の珍曲、モンスター登場の考察いってみましょう。
(筒美京平氏全く関係ありませんがw)


CCBが人気絶頂のピークを迎え、世間でも大物として人気が定着してきた頃に出したアルバム「冒険のススメ」に収録された1曲です。
もう髪の色なんて黒だろうが白だろうが無かろうが、CCBの人気は当面衰える事はなかったであろうと見越した時期の、安定売り上げを見込む中での思い切ったリリースでした。

三宅島で撮影された奇抜な衣装に身を包んだ個性全開メンバーのジャケットに「冒険のススメ」なんていう、当時は耳に新しかった変なタイトル。
相当奇をてらったアルバムなんだろうなと当時の女子高生すら思ったあのアルバムの中でも、一際異彩を放っているのが「モンスター登場」でした。
(プライベートマッスルなんかも相当変ですが)


このモンスター登場という曲、作曲した笠浩二さん本人が全く気に入っていないという噂がありますが、あれは意外と本音の様です。
気に入っていないというか、むしろ「嫌い」なんだそうでw(←確かな筋からの情報です)

笠さんの曲とイメージに影響を多大な与える事を承知の上で依頼を受けた作詞者の関口誠人さんの感性で、あのような歌詞に表現されてしまったのかと思うと、笠さんの気持ちもわからなくもない。
名曲なんですけどね。迷曲というか珍曲ですが。


曲調自体はスタンダードなロック調。
シンプルな8ビートの中に、エンジン音などの効果音を多用したり、イントロ部にはピアノと生ブラスを取り入れたりと、技巧的な中に野生っぽさを垣間見せるなかなかの凝り具合。

でもドラムは簡単過ぎる程簡単なので、ライブでは思いっきり元気に叩くけどそれほど個性は出していない感じがしましたね。
とにかく歌詞のインパクトが凄すぎるので。


1986年の「冒険のススメ」ツアーでは、セットリストでは2曲目というなかなか重要な役どころでした。
オープニングのRomanticが止まらないの後、そのままの流れでモンスター登場の効果音につなげていく演出は見事でした。

渡辺英樹さんの「ウェルカム、モンスター!」の掛け声で、モンスター登場のイントロに入ります。
ワクワクさせられるあの演出はまるでジュラシックパークを彷彿させるテーマパーク的な華やかさで、これから始まるエンターティメントに期待に胸を膨らませながらステージを見入っていたことを覚えています。
(まだその頃ジュラシックパークは製作されていませんけどね)


さて、この歌詞ですが、当時の女子中高生達には相当に衝撃でした。


♪見た目は少年 心はモンスター

この歌詞では当然、歌っているリュウ君の事を想像するのが普通かと思います。

当時、笠さんは奥手な童貞キャラを前面的に出すという非常にあざとい演出をされていましたから、この「見た目は少年、心はモンスター」って? えっあのカワイイリュウくんが本当は???
・・・みたいな思春期女子の下世話な好奇心掻き立てるような表現で見事に皆釣られていました。
見た目は子供、頭脳は大人な江戸川コナン君のようなあざとカワイさです。


♪気を付けてね 嵐さ今夜は 僕が変わる 宇宙で君を食べちゃうぞ

このフレーズは見事です。
この短いフレーズにこの曲の核心を綺麗に収めてあります。

作詞家・関口誠人の言葉の選び方は天性のものを感じます。
松本隆氏ではおそらく、この遠慮のない表現は躊躇されるのでは?と思ってしまいますね。

常日頃から関口さんが笠さんをイジメ可愛がっている情景が目に浮かぶ様ですね。
そしてこの歌詞に反発心を持つ笠さん、でも結局音源化してしまうんですよね。

自分に何が求められているのか、仕事としてこのエキセントリックなキャラをどう演じるのか。
そこで見事、周囲の期待に応えてしまう。
これが笠浩二さんなのですよ。
笠さんのこの気質がなけれは、CCBは社会的に日の目を見る事もなかったでしょう。


♪電話ではいつものようにはしゃぐけど 君の写真でエッチになりそうさ

クリーンイメージな笠さんに敢えてダーティな二面性を植え付ける作詞家・関口誠人氏。
なんという卑怯さw

純真・純朴・純情・奥手なイメージで売ってるリュウ君に嫉妬心でも抱いていたのでしょうか。
不純・性欲・好色・色情なイメージで売ってるゴム君にとって、自分にはないリュウ君の輝きがまぶしかったのでしょう。
うん、きっとそうだ。そうに違いないw
(実は意外と関口さんも奥手で純情気質なんですけどね)


電話でいつものようにはしゃぐ笠さんは目に浮かぶ様ですが、その後、電話を切ってからの笠さんは一体何を思いどう豹変するのか?
写真? エッチ?

作詞家・関口誠人はどこまでも天才です。
簡単な単語だけ出して、あとは知らん顔です。
ここから先はお前ら自分で考えろってか、はい分かりました。勝手に想像させて頂きます。
・・・そうやって純心な女子中高生達はどんどん妄想を膨らませていくのですね。

勿論これは当然計算されつくした関口誠人氏の巧妙な仕掛けです。
ゴム君の手中で泳がされた女子中高生達は、段々とこのモンスター登場の罠に嵌って墜ちていくのです。
作詞作業さぞかし楽しかった事かと思います。

勝手に想像される対象が笠浩二さんであろうことも勿論計算済みです
リュウ君だとはどこにも書いてないのに、おそらく大半の人はリュウ君を想像するでしょう。
笠さんは相当イヤだったでしょうね。この曲嫌いなのも当然だと思います。


♪手遅れだよ レーザービームで おやすみして 宇宙で君を食べちゃうぞ

はい、手遅れです。
ここまで来たらもう手遅れです。大人しくゴム君の餌食になって下さい。
(もう気が付きましたね?惑わされてはいけません。リュウ君ではなく首謀者はゴム君なのです)

「レーザービーム」「宇宙」このあたりの言葉の選び方にも統一性があって、一貫した世界観を演出しています。
日常の一コマの物語なのに、もはやSFですからね。

でもSFの世界ぐらいに比喩しないと、相当イヤらしい描写になりかねません。
一つ一つのアイテムは具体的だけど、これでもかなりボカした表現なのですよ。
全米が泣くぐらいのスペースファンタジックエキサイティングアドベンチャーにでもしないと相当生々しいです。

そう、このモンスター登場だけではなく、アルバム「冒険のススメ」のコンセプト自体がこんな感じだったのではないかなぁと思います。
他のアルバムに比べて景気の良い派手で元気な曲が多く収録されていますからね。
このアルバムの作詞者の比率としては関口さんが多いので、このアルバム全体の影のプロデューサーだったのではないかとすら思えてなりません。


さてこの曲、2番が終わるとサビの繰り返し部分はゴム君の必死過ぎる言い訳のオンパレードです。
純粋なリュウ君のイメージをぶち壊そうと企んだゴム君の陰謀がバレて本性を表し、この後は必死の言い訳が続きます。


♪正義の味方 恋におちたら 事件が起きても ベッドの中だよ

まずは正義の味方を貶めます
どんなヒーローだって恋愛に走ったら事件なんかよりもアッチの方がイイですよねーそうだよねーそう思いませんか皆さん?

と、何の関係もない正義の味方を引き合いに出して、その奥に秘めた性的な人間性を暴露し始めます。
どんなに真面目ぶったって、所詮人間なんてみんなエロなんだぜ! って必死で声高々に主張を始めます。


♪9時のドラマ カッコイイ主人公 抱き合ってばかり 次に続くよ

そして次にイケメン俳優のイメージを貶めます。
昔の月9とかですかね? イケメン俳優なんてラブシーンばっかやってんじゃん、そればっかじゃんと主張が続きます。
これはあきらかに嫉妬です。断言します。(関口さんごめんなさいw)


♪神様もきっとこんな夜には 雲に隠れていいことしてるよ

言い訳は段々とエスカレートし、ついには神の領域にまで及びます。
何と罰当たりな事でしょう!

でも日本神話もギリシャ神話も、性的描写なしには語れない事もまた事実。
人間の原点や本質にまで遡って言い訳を始めます。
アダムとイブや、イザナギイザナミの様に、こんな行為がなかったら人類そのものが誕生しなかったんだなどと、裏には壮大なスケールのテーマが隠されていたりするのです。
「宇宙」で君を食べちゃうぞ、の宇宙とは壮大な真理であり創生であり哲学なのです。ホントかよ。


♪君のママだってパパと大昔 そんな事したら君が生まれた

最後は、誰もが見たくない聞きたくないタブーを出してきます。
絶対やってはいけない反則技です。

認めざるを得ない現実を容赦なく純心な女子中高生達に突きつけます。
わーそれだけは知りたくないヤメテーーー!!!
と阿鼻叫喚の中、この曲最後は突然プツッと終わります。

まるで言いたい事だけ言って突然逃げた様です。
何の意見も反論も一切言えません。
最後の最後までどこまでも卑怯な構成ですね。

アルバムの次の曲がI LOVE YOUってところも計算ですねきっと。
渡辺英樹さんの甘い声で♪I LOVE YOU〜と始まるのも相当卑怯だと思います。

有無を言わせない雰囲気に無理矢理もっていっちゃうこの構成。
つい先ほどまでの毎度おさわがせします的なエロ賑やかさからいきなり正統派ラブソングもってくるとか本当に卑怯です。

いや、参った。
関口誠人さん、あなたは凄いです。完敗です。乾杯 乾杯 完敗〜♪


この「冒険のススメ」というアルバム、曲順や構成にも相当拘っているかと思います。
全盛期のアルバムには、いろいろ隠れた仕掛けが施されているのですね。
いつかアルバム全体を通した感想なんかも書いてみたいと思います。

2020年11月10日

TOO YOUNGのダメ男に今日を生き抜く勇気があるか?

このところ、故・筒美京平さんを偲ぶ追悼番組がTVで放映される事が多いですね。
沢山ある筒美さんの曲の中から、Romanticが止まらないが取り上げられる事も多く、そのたびに懐かしい映像がTVに蘇る機会が増えて、嬉しい様な寂しいような、何とも複雑な気持ちになってしまいます。

しばらくの間は故・筒美京平さん特集で書いてみます。
今回はTOO YOUNGの考察いってみましょう。


TOO YOUNG
ミニアルバム「愛の力コブ」に収録されたライトでポップなロックな一曲です。
この曲いきなりイントロから盛り上がりますから、ライブではオープニング曲向きですね。
TOO YOUNGのイントロが流れると、客席はほぼ総立ちでポンポンとポップに跳ねる跳ねるw

イントロのキーボードと、間奏のロックテイストも絶妙に絡み合って、この曲を最高潮に盛り上げてくれます。
間奏部分のギターが何故か一番落ち着くような構成になっている珍しい曲です。
ポップな部分の方が激しく、ロックな部分の方が一息つけるような、何とも言えないこの不思議感。
この曲のジャンルは何だと聞かれても、さらっと答えられないような複雑さを持っています。

88年の中野サンプラザ3DAYS以降のThe Flyng Tripツアー後半ではライブのオープニング曲に起用されていました。
スタジオ音源とはちょっと違って、かなりロック色が濃かった事を覚えています。
私的には88年と言えば真っ先にこの年の中野サンプラザでのTOO YOUNGを思い出してしまいます。
未来に希望を描く光がキラキラ降ってくるような、夢と希望溢れる一曲です。

この曲はTBSラジオの「いたずらジャックポット」ではテーマソングというかジングル用に使ってました。
しょっぱなを盛り上げるお役目をあの派手なイントロが見事に果たしてくれます。
BGMとしてトークのバックにさりげなく流すのも良い演出でした。


さて、このTOO YOUNG最大の注目ポイントと言えば、やはり歌詞でしょう。
歌詞に関しては突っ込みどころいっぱいありますね。
もう、突っ込んでくれと言わんばかりの素晴らしさです。いや、良い意味で。

この曲はやはり松本隆氏お得意の一人称語り仕立てでありながらも、しっかり情景が想像できるような内容になってます。
C-C-B全曲の中でも最大のダメ男ソングと言えるでしょう。


♪(TOO YOUNG〜)反対をされて 悩んでる 君のうつむく影

いきなり「反対をされて」です。
この辺、何を反対されたかは語らずとも容易に想像できちゃうところが松本先生の上手いところです。

具体的に反対をされているのはミュージシャンへの夢なのか、交際そのものなのかは分かりませんが、おそらく両親や友人に「あんな男やめとけ!」と交際を反対されている彼女のお話なんだろうなと個人的には思います。

一応二通り以上の想像が出来る余地を残しながらも、短いセンテンスにどれだけの意味を込められるのか。
松本先生はやっぱり言葉の魔術師だと思いますね。


♪泣かないで 君を守り抜く 自信ならあるのに

そりゃ泣くって!
この自信がどこから来るのか、歌詞の全てを最後までしっかり熟読しても、どこにも書いてないんですよね。

このTOO YOUNGの主人公男、どこにも努力の痕跡が見られないんですよね。
周囲から突っ込まれたりダメ出しをされた時、言い訳の一つも言えないと思います。
まぁ、彼女の身内ならこんな男「今すぐ別れろ!」の一択ですね。

この男には言い訳の余地もない反面、逃げ道も残されていません。
この先を想像する必要すらない、相当過酷で残酷なシチュエーションだったりするのです。


♪不安な未来 夢は食べられないけど
♪いつかミュージシャン 有名になってみせるよ

・・・夢いっぱいのバブル全盛期の80年代後半にこんな事ほざく男ってどう思います?
あのリッチだったバブル時代にこれだけの貧乏臭漂わせる男・・・。

「自信ならあるのに」と「不安な未来」の対比が矛盾に感じて、どうにもスッキリしないんです。
こんなハッキリしない男、例え渡辺英樹さんソックリな顔と声だったとしても絶対にイヤです。
(あ、いやちょっと許せるw)

この不安定さ、この矛盾点でこの男のいい加減さを上手く引き出しています。
これもワザとだったとしたらスゴイです。

でも確かにこんな言う事コロコロ変わる男いますよね。
嘘つきというよりも、地に足がついていない愚か者と言った方が正しいでしょうか。
本当にこんな曖昧な志でミュージシャン目指して彼女騙して駆け落ちでもしてきたという事であればとんでもない男ですね。

そんな不安定な青年を題材にしたのがTOO YOUNGと言えばなる程、タイトルに答えがハッキリ書いてありました。
「未熟な若いダメ男」と、この曲のサブタイトルに付けてほしいものです。


松本隆先生がこの曲にイメージしている世界観が、もし私鉄沿線の駆け落ち四畳半フォークみたいな世界を描いているという事であれば、C-C-Bには全く似合いません。
どちらかと言えば福岡から上京し、数々のサクセスストーリーを生んだチェッカーズの方がまだしっくりきます。
(そう言えばシチュエーションはOH POPSTARに似ている様な・・・でも松本隆さんはチェッカーズに作品提供は行ってないですね)


C-C-Bと言えば(一応)全員東京出身のお気楽なシティ派バンドなわけです。(笠さんについては後日)
東京には(一応)全員実家ありますしね。
失敗すれば普通に家に帰れる訳ですし、駆け落ちする必要など全くありません。

地元の友達が友達を呼んで、近場のライブハウスで気軽に演奏出来る環境。それが80年代TOKYO CITY。
やがては都心のくせにビーチボーイズなんかかけちゃう雰囲気丘サーファーな青山のFM局でラズベリーアベニューなんてシャレオツな企画にお呼びがかかって、紆余曲折はあれどCMタイアップ付きであっという間にメジャーデビューなんかしちゃう訳で。

それがC-C-Bの前身、ココナッツボーイズ物語なのです。
TOO YOUNGのような上京物語などどこにもありません。


なぜこの歌詞を純粋江戸ッ子な渡辺英樹さんに歌わせようと思ったのでしょうか・・・。
松本先生や筒美先生の意図はどこにあるのでしょうか。

このお二方は特に、英樹さんより笠さんの方に大人っぽい世界観のイメージ作りしていると長年感じていました。
大人の恋愛を歌わせるのは、意外と笠さんボーカルの方が多い気がします。
このお二人が作る楽曲は、何故か英樹さんボーカルの方がちょっとヤンチャな少年っぽさを感じさせますね。

・・・まぁ、このバンドの中でこのTOO YOUNGの世界観をリアルで歌える人、他にいないですけどね。
関口誠人さんこそ四畳半フォークも熟知した叩き上げイメージありますけど、実は成城生まれのお坊ちゃんですからね。
(意外だと思う人はCCBファン初心者ですね)


2番いってみましょう!

♪愚かだと人に言われても 気にしたら負けだよ

気にしろよw
これはアレですね定職に就かずひたすら好きな音楽だけやりながら有名ミュージシャンになる事を夢見る夢男君。
気にしたら負けというより、働いたら負けって価値観なのでしょう。
愚かだと言われてもやむを得ないのですが、どこか世間を見ないふりをして現実逃避しようとしているお先真っ暗の青年に思えます。


♪幸せにするよいつの日か

こんな事ほざく男、もしもうちの娘が連れてきたら竹箒振り上げて追っ払いますw

「いつの日か」ではなく「今すぐ」と言ってほしい。それが女心っつーもんです。
例えそれがただのハッタリであったとしても。
自信がなくて先延ばしにする男なんて何の魅力があるのか。
1番の「君を守り抜く自信ならあるのに」は、自信があるのは守り抜くだけで、結局幸せは与えられないという事なんですね。
「いつの日か」なんて、曖昧にも程があります。
せめて「1年後」とか期間を具体的に示してくれるならまだしも。
どこまでも不安定で未熟でいい加減な「TOO YOUNG」なのです。


そしてトドメの一言。

♪今は不幸だけど

不幸…(゚∀゚)
・・・この「今」は大概「永遠」なんですよねぇ。
もうここでこのご縁は終了すべきだと思いますがいかがでしょう。

勿論言葉の響きやメロディに合ったイントネーションなど計算されつくしているし、楽曲としては完璧です。
ですがなぜ松本隆先生はこうも過酷なイメージをC-C-Bに押し付けようとするのでしょうか。
もしかしてファンはこのシチュエーションを喜んでいる・・・な訳ないですよねぇ。。。

歌っている渡辺英樹さんにとっては役者としてネタを演じている以外の何物でもありません。
だけど曲としては最高だし、この歌詞じゃないとしっくりこないから不思議なんですよね。
それもこのTOO YOUNGの魅力の一つ。


そして口から出まかせ詐欺師のダメ男は、ついにこんな痛々しい行動に出ます。

♪不安な未来 何もしてあげられない
♪夕べ作った ラブソング弾いてあげるよ

・・・C-C-Bとして世間に認知され、レコ大紅白出場を果たし日本武道館を満席にしたC-C-Bの渡辺英樹さんならもしかしたらこの行動は通用するかもしれません。
ですがこのダメ男設定のこの男がとる行動としては、もはや笑えないを通り越して喜劇となります。

英樹さんが目の前で自分の為にラブソング作ってくれたら、そりゃあ目の前バラ色ですよ。
だけどね、このTOO YOUNGに出てくる男は、歌っているのは英樹さんだけど英樹さんじゃないのです。

実際、この曲における英樹さんの歌い方にはそれほど歌詞への情感は籠っていません。(実際、共感されても困ります)
特にライブでは歌詞の世界に入り込む事なく、場の盛り上がりを第一に考えて様々な趣向を凝らしてくれています。


C-C-Bの歌詞に出てくる男は大概クズです。
TOO YOUNGに限らず、その場限りのナンパ野郎だったり、夢見がちな現実逃避男だったりします。
でも他の曲の歌詞に出てくる主人公には、まだ妙な自信やスマートさ、要領の良さがあったりするのですよ。

C-C-Bの楽曲におけるラブソングは特に主観的にストーリーが進んでいくのだけれど、このTOO YOUNGに関しては、主人公は状況的には何も持ってないくせに口から出まかせを次から次に吐くという、愚鈍なトンデモ詐欺師にしか見えなかったりします。

なのに何故か純粋さやひたむきさも感じるんですよね。
多分このTOO YOUNGダメ男、嘘は言ってないと思うんです。
「幸せにするよ」ってのも、多分本気なのでしょう。
それが若さって事なのかな。


そしてこの曲の愚かな男の心境は、ついにクライマックスに突入します。

♪過去も未来もいらない 今日を生き抜く勇気を 君にもらえれば最高だよ


この大サビのフレーズ、私は大好きです。
ここの部分が好きだという人も結構多いかと思います。
ここだけ抜き取って、前後の文脈全く考えなければ最高のフレーズです。

しかし、文脈を考えるとそんな感動的セリフな訳ではありませんでした。

「過去も未来もいらない」
お前が言うかぁぁぁああああ!!!卍

「君」がいるわけですから、当然この歌詞は特定の誰かに向けて言ってる訳です。
だけど「いらない」は言い切り表現です。
「君」の気持ちなんかまったく考えてない、一方的な気持ちの押し付けになるわけです。
「君」に対しての責任感など皆無です。

「いつか」有名になってみせるよとか幸せにするよ「いつの日か」とか言っておきながら、「過去も未来もいらない」とは、呆れもため息も出てきやきません。
「いつか」って未来ですよね?

しかも「君にもらえれば」と、与えるではなく、クレと言ってる訳ですこの男。
何でも欲しがるクレクレタコラなのです。
明らかに受け身体質のヒモ予備軍です。危険です。


もしこれが私の息子だったら、引っぱたいて実家に連れ戻し、受験勉強か強制労働の刑ですね。
今の時代、仕事や学業と音楽は両立出来ますから。

80年代だからこそ描けたシチュエーションです。
その日暮らしのダメ男は未来も捨ててるけど、せめて今日を生き抜く勇気は自分で持ってもらいたいものです。


TOO YOUNGは美しくて明るくて楽しくてちょっと切ない、楽曲としては最高の代表曲の一つです。
私はこの曲聴くだけでいつも元気づけられます。
本当に大好きな1曲です。


歌詞の意味を深く考えたり、頭の中でTOO YOUNGの映画シナリオを再生せずに、素直に音楽として聴く事をお奨めします。



星の意味解説付き☆人生を楽しくするお手伝いします 自分の事が分からない・自分の隠れた才能や傾向が知りたい方へ
posted by northern70jp at 15:28| CCB曲解説

2020年10月13日

2 Much I Love Uのドアの鍵を開けられる誰かは原色したいねのLadyと同一人物?

久々の更新です。
こんな地味なブログ誰も読んでないんだろうなーと放置してましたが、意外と読んでくださってる方もいらっしゃるのですね。
メール下さった方ありがとうございます。励みになりました。
またしばらく更新が続くかも・・・。

今回はリクエストにお応えして、2 Much I Love Uの考察いってみます♪


2 Much I Love Uは、関口誠人さんが派手にC-C-Bを脱退した直後にリリースされた、新生C-C-Bの起死回生シングル第一弾です。
この楽曲を耳にして、改めて関口誠人さんが抜けた穴がC-C-Bにとってどれだけ大きかったのかを実感させられた人も多いかと思います。

いや、良く出来ていますよ。佳作ですね。
松本隆氏と筒美京平氏が、この頃のC-C-Bの状況を熟知した上で、初心に戻り原点回帰させたスタンダードな一曲だと思います。

C-C-Bが世間からどのような認識をされていて、何を求められているのか。
おそらくこのシングルは実験というかアンケート的要素もあったのかと思います。

このシングルの反応次第で、関口誠人が抜けた穴をどうカバーし、更に発展させていくのか。
今のC-C-Bには何が足りなくて、今後何が必要なのか。
試行錯誤させられる、発展の為の前段階、お試しの一曲だったのではないかなと思います。
それまでのヒット曲の定番をそのまま取り入れて様子を伺うような、保守的な一曲ですね。

リードボーカルを笠浩二さんに携え、渡辺英樹さんはあくまでも控えめにサポートに徹しています。
サビの部分の二人の掛け合いや「fu fu」もお馴染みのC-C-B節。
型にハマったステロタイプのC-C-Bから関口誠人さんだけを引いた楽曲というテーマのお手本曲の様に思えます。
だからこの曲にはフルパワー感がないのですね。どこか力を抜いた安定感を覚えます。


間奏の米川英之さんのギターソロも定番のスタイルです。
ギターはカッティングを効かせるなどところどころの工夫は見られるものの、米川さんにしては少々大人しいアレンジです。(ライブはもの凄いプレイを見せますがあくまでシングル音源の話です)

TV用の間奏プレイを意識して、この頃からはビジュアルにも段々と拘りが出てきている様に思えます。
実際、関口さんが抜けた後は、TVカメラは米川さんに向けられることが多くなりましたものね。


キーボードは田口智治さんならではの金属音のような音色で、イントロからC-C-Bらしいアクセントで勝負かまします。

C-C-B「らしさ」を上手く表現できるアレンジャーとしての才能は田口さんの個性そのものですが、こちらもロマンティックが止まらないやLucky Chanceをもう一度等に比べて優しくゆったり目のテンポです。
2 Much I Love Uと空想Kiss、どことなく印象が似ているのは歌詞のせいだけではなく、同じト長調である事とテンポが似ている事、そしてイントロ部分の印象が田口さんお得意のフレーズである事が大きな要素でしょう。


ベースですが、シングル盤はかなりシンプルに作ってあります。
この辺りから英樹さんはメインのベースをYAMAHAのMBシリーズからドイツのワーウィック製サムベースに持ち替え、得意だったチョッパー(今で言うスラップ奏法)を封印してピック弾きに転向しています。
こちらも、ポールマッカトニーを崇拝している英樹さんにとって原点回帰の様な気がしますね。

これからベースを始めたいと思われている初心者の方には、まずこの2 Much I Love Uのコピーから始める事をお奨めしたいと思うくらいシンプルです。
それだけシングル盤の音源ではシンプルで忠実にプレイされていますね。(米川さん同様、英樹さんもライブでは複雑でマニアックなアレンジ全開ですが)

余談ですが、渡辺英樹さんの追悼ライブにも何度か行きましたが、「よねまりゅ」や「VoThM」ではまだ正式にベースを加入させてはいない様です。
サポートされている方(木村健治さん)も、特にこの2 much I Love Uに関しては演奏する際、基本通り楽譜通りの音をアレンジせず忠実に再現している様です。
英樹さんの面影を消さない様にとの配慮かもしれませんが、もう少し個性を出されてもいいのになぁと思いました。


そしてドラムはハイハットを多用しており、原点回帰とは言いながらもどこか生感のある野太い音を出して、カラフルヘアー時代とはまた違う印象を持たせます。
ですがあくまでもこの曲はボーカルがメインと言っても過言ではない。
映像で見せてこそ成り立つ楽曲です。

笠さんがドラムをたたきながら歌うこの定番の構図は必須ですが、この頃はもうあまりシモンズ等の電子ドラムは多用されていませんね。
今までの笠さんのイメージを払拭したいのか、そのまま残したいのか、どちらともつかない様な表現は単に笠さんが成長しただけの自然な変化なのでしょうか。


とにかく、全体において2 Much I Love Uは控えめな印象です。
笠さんの固定ファンの定着振りを再確認するかの様に、この曲は少なくとも90%以上は笠さんの魅力を引き出す為の構成になっていると思われます。
(あくまでも私の勝手な印象です)

この試みがその後どうなったのかは、ご周知の通りです。
その後についてはまた追々と詳しく考察した記事を書いてみたいと思います。


さて、歌詞の考察いきますか。

タイトルだけ見ると、QUEENの「Too Much Love Will Kill You」の影響を受けたものだと思われますが、その重く壮大なテーマと真逆に打って変わってCCBのなんという軽い世界観。

「You」ではなくて「U」にした意味は何でしたっけ。
昔ラジオかなんかで語ってたような気がしましたが忘れてしまいました。

歌詞を読むとこれは「空想Kiss」の続編なのかな?と思ってしまいます。
空想Kissの世界観から毒気を抜き、舞台が夜から真昼に移った印象です。

空想Kissにおける毒気とは?
そんなの、もちろん関口誠人さんに決まってるじゃないですかー!
今思うと良い意味で彼はCCBのポイズンでしたね。きっと言いたいことも言えないこんな環境に嫌気が差したのでしょう。

一言で言えば「毒気の抜けた昼間の空想Kiss
それは空想というか妄想の暴走です。妄想Kissです。妄想I Love Uです。


♪南風 つむじ風 振り向くよ君が
♪輪を描く 長い髪 まるでMerry Go Round♪

・・・ああ、何故当時、エッセンシャルシャンプーのCMソングに使われなかったのだろうか。
(当時ならエッセンシャル一択ですね。80年代シャンプーはグリーンで透明であってほしいですw)
この部分、このメリーゴーランドなる表現、正に松本隆節です。キラッキラです。キューティクル全開w
なんだこの爽やかな描写はwww

でもこの後爽やかさから一転、女々しい主人公男の妄想が次から次へと暴走するのです。

♪知りたいよ君の事 微笑みの裏まで

つまり、彼女の事何も知らない、お付き合いする前段階という事ですね。
もしかしたら知り合いですらないかもしれない、一方的な男の願望です。

そして

♪教えるよ僕の事 生き方の全部を


・・・いや、結構ですw
そもそもアンタ誰?って感じですねw


どうして笠さんにこのイメージを定着させようとするのか。
松本隆氏の持つCCBの世界観は、どうも奥手なチェリーボーイである「リュウくん」を主人公にしたい様です。
(実際にはそうではなく笠さんが気を利かせて「リュウくん」を演じていただけなのですが)
少なくともこの世界観に、またもや英樹さんの出番は全くありません。

この路線は確かに当時の高校一年生女子にもてはやされていました。
当時の音楽雑誌「PATI‐PATI」の編集をされていた森田恭子さんの著述によると、CCBはいつの時代も何故か高校1年生女子に圧倒的な支持を得ていたそうです。(実際私も同感です)
あれは一体なぜなのだろうと書かれていらっしゃいましたが、それは何となく原因が解る気がします。

「リュウくん」を前面に押し出すこのイメージ戦略は、正に15歳前後の少女(一部のマニアですが)が好む純情(妄想はかなりやば目ですが)な男のコの世界観なのですね。
ピンポイントな需要なだけに毎年ファンが年齢と共に移り変わっていくという認識で良いかと思います。

1985年に中学3年生だった少女はCCBを知り、1986年に高校1年生になり、笠君の魅力にどっぷりハマるわけです。
そして1987年、高校2年生になった少女は酸いも甘いも噛分ける大人の世界に魅了され、グッバイチェリーボーイして英樹さんの大人の魅力や米川さんの男性性に目覚めていくのです。(関口さんの著書「ホテル」の物語、「グッバイチェリーボーイ」好きです)

それ、私の遍歴なんですけどねw


こうやって段々と「カワイイだけじゃ物足りない!」とか抜かす生意気な女子高生が次々歳を取り、ないものねだりをアイウォンチューするわけです。

松本隆氏の戦略は、常に15歳前後女子をターゲットにしたコンセプトが念頭にあったのかなと思います。
もしかしたらそういう縛りがあったのかもしれませんね。

でもそれだけじゃさすがにもう人気は持ちません。
2 much I Love Uの後は様々な試みを行った「石はやっぱりカタイ」をリリースし、「原色したいね」でイメージを一掃する事になっていくのです。


ああ、また話が脱線してしまった。。。
歌詞に話を戻しましょう。

♪金色の指輪より大切なものは 嘘のない透明な君の瞳だけ

指輪好きですねー^^
浮気なジルとか、CCBの歌詞のところどころで見られる便利なアイテムです。
しかし何という歯の浮くセリフ。


♪この胸のドアの鍵 開けられる誰かは 世界中探しても一人しかいない

これは自分の胸のドアを彼女に開けて欲しいって事なんでしょうね。
どこまでも受け身男w

ですが、この歌詞の最大のポイントであるとも言えます。
閉ざされた心のドアという表現は、次作シングルである「原色したいね」にも続いています。

この2つがもしも連作であるとすると、原色したいねではやっと妄想から抜け出し、彼女と一つの部屋で過ごす位の仲にまで発展しています。
原色したいねに出てくるLadyはきっと、2 Much I Love Uにおけるキューティクル天使と同一人物なのでしょう。
原色したいねではついにLadyに直にお願いしてますもんね。
結局鍵を開けてもらえたのかどうかはわかりませんが。

この2 Much I Love Uの世界では何もできなかった妄想くんが、原色したいねまでの間に何らかの努力を実らせ、成長を成し遂げたのでしょう。
メインボーカルも笠さんから英樹さんにチェンジしていますので、原色したいねでやっと一つ先へ進んだという解釈です。
松本隆氏、やっぱり天才ですね。


その後のサビの2 much I Love Uの繰り返すところはもう情熱の押し売りです。なんと重すぎるその熱情。

♪もうこれ以上 愛せないほど 君が好きだよ
♪だから二人で生きよう FU!



だからって何だよwww
何が「だから」なのか。


2番目もスゴイぞ!


♪もし振られたら 死にそうな程 君が好きだよ
♪だから優しくキスして FU!



これはもう、脅迫ですねw


この後の歌詞はBメロとサビの繰り返しになりますので、どうやら優しくキスしてがこの妄想男の最終目的の様ですね。
こんな受け身の脅迫男イヤすぎるwww怖すぎるwww

だけどこの妄想が原色したいねに繋がったのならある意味スゴイと思います。
何事もダメ元で願ってみるものですね。
信じていればdream never stopです。

最初にこの2 Much I Love Uは、空想Kissの続編なのでは?と書きましたが、歌詞はまた別世界ですね。
むしろその後の展開としては原色したいねに繋がっているような気がします。
(更にその後の「抱きしめたい」に繋がっているとしたらちょっと飛躍し過ぎですが)



この松本隆氏の奇想天外で意味深な歌詞に優しいメロディーをつけて(逆かもしれませんが)下さった筒美京平氏には感謝の言葉しかありません。


偉大な作曲家・筒美京平氏のご冥福を、謹んでお祈り申し上げます。

星の意味解説付き☆人生を楽しくするお手伝いします 自分の事が分からない・自分の隠れた才能や傾向が知りたい方へ
タグ:CCB
posted by northern70jp at 12:42| CCB曲解説

2019年11月08日

トレーニング次第で愛の力コブは作れる?




今日のレビューは愛の力コブいってみます!

1986年12月に発売されたミニアルバム「愛の力コブ」に収録された一曲です。
タイトルがそのまま使用されている看板ソングですね。


この曲は作詞が関口誠人さん、作曲・編曲は田口智治さんです。

田口さんが作曲した曲が音源化されたのはこれが初めてです。
田口さん(または組長、田口先生、チューさん、トモ君、がっつん・・・といろいろ呼び名がありますw)ファンとしては待ちに待ったリリースでした。

愛の力コブリリース後には田口さん作曲の曲も次々に発表されるのですが、なぜ1986年12月まで一曲も発表されなかったのか不思議です。

愛の力コブという曲、かなりクオリティ高いですからね。
それまで田口さんが曲を作れなかったはずがない。

この曲はシンセの見せ場が大変多く、間奏が大変長い曲です。
シンセが要と言っても過言ではありません。

歌の部分はイ短調で変調はされず、同じ勢いでサビからAメロ→Bメロ→サビへと戻ります。
ですが2番目以降の間奏部分。
ト長調からハ長調、そしてイ短調へと変調します。

変調部分のシンセパート。
正にここが田口さんのDX-7の見せ場です。

米川英之さんのギターと相まって、お二人とも見事な指捌魅せてくれます。
ギターはディストーション系のエフェクターを使って目いっぱい歪ませ、更にリヴァーブなど効かせるのがお奨めと米川さん本人も語っています。

この二人が間奏部分で思いっきり表現する感じ。
まるでマッスルパワー全開にチャージされたような感じ(キン肉マンかw)です。
その勢いのままリピートのサビへと続きます。


とにかく元気いっぱいのナンバー「愛の力コブ」
1987年4月のよみうりランドEASTでの3DAYSライブでは勢いのあるオープニング曲に使用され、ライブ全体に勢いをつけていました。

愛の力コブという曲は前奏がなく、いきなりボーカルのハモリから入るのですが、このライブではライブ用オリジナルの前奏が加えられて、曲の始まる前からテンション全開で演奏に挑んでくれました。
キーボードの盛り上げ方が絶妙です。


歌詞はまぁ・・・いつもの関口さん全開の生々しさですが、意外と内容は純情で爽やかだったりします。

♪天使達のウェイトリフティング 街で素敵なハートトレーニング
♪心が今モリモリ そうさ愛の力コブ


この「ウェイトリフティング」「トレーニング」「モリモリ」そして「力コブ」

まるでゴールドジムを思わせるような暑苦しさw

プライベートマッスルや噂のカタカナボーイにも共通する傾向ですが、関口さんの描く世界には肉体美が登場します。
そのマッチョな美しさを歌詞で上手く表現しています。

噂のカタカナボーイ・プライベートマッスル・愛の力コブ
私はこの3曲を勝手に「関口3大マッチョソング」と呼んでいます。(←今名づけましたw)


実際、CCBには肉体美を持つメンバーはいません。
(米川さんなんかいいガタイしてますけどねw)

ジムでトレーニングするようなタイプはいないのですが、これが何故かゴム君の手にかかると妙にマッチするんですよね。
身体を張った関口さんの過去の体験、青春時代の恋愛や仕事遍歴など、彼の描く詞の世界にはどこか「身体」「肉体」というテーマがしっかり根付いているような気がします。

それが青春時代の淡い恋物語であっても、大人のちょっとエロティックな駆け引きであっても。
「肉体」というテーマをそれぞれ別の形で上手く表現しているんですね。

渡辺英樹さんの描く主観的な感情表現や、技巧を優先した比喩表現といったどちらかと言えば抽象的な世界観とは対照的です。

英樹さんの描写の方が実は官能的ですが、その世界は男目線で見た理想像の女性です。
暑苦しさとはちょっと無縁ですねw


愛の力コブの世界はマッチョな割りには、意外にもちょっと純真なチェリーボーイが主人公です。

♪長い髪の可愛い女の子が 僕の事見てるよ でも何て言うのこんな時は

♪勇気出して気持ちを打ち明ける ちゃんと聞いて僕は君を あのねそのねああ言えない・・・


↑ このBメロ部分、かなり重要なパートです。

この部分を英樹さんに歌わせるのかwww


これは、発想の転換ですね。
私は個人的に愛の力コブ最大の裏技だと思っています。

可愛いんです。英樹さん。この可愛さを上手く引き出せる絶妙なパートです。
そしてありえないw


愛の力コブのあえて拘った部分だと思っています。

このパート、笠浩二さんに歌わせようという話がなかったはずがない。
そこをあえて英樹さんにと指示したのは関口さんですかね? それとも作曲者の田口さん?
それとも英樹さんが「ここは俺が・・・。」と出しゃばったりしたのでしょうかw
単に音程に合わせてボーカルを決定したのでしょうか。

チェリーなボーイのイメージは、笠くんの専売特許でしょ?
(※実際にはイメージ操作でしたが当時は誰もがそう洗脳されていましたw)

そこを敢えて英樹さんが歌うという、技アリな演出。
なんだか今までになかった新しい発想と雰囲気。

こんな試みが出来るのもCCBという特殊なバンド形態ならではです。

愛の力コブという曲は、田口さんプロデュースに加えて、笠さんがボーカルに参加していない事も意味有り気です。
今でこそ愛の力コブはCCBの代表曲とも言えるべき重要なポジションにありますが、初めて聞いた時の不思議な感覚はこれが原因かな。

CCBらしい様でCCBらしくない様な、えも云われぬ心地良さと程よい暑苦しさ。
それに尽きます。


愛の力コブを作るため、肉体美を形成するための男臭さの世界に笠君は登場しない様です。
マッチョな笠さん・・・ダメだ想像できないw
posted by northern70jp at 15:26| CCB曲解説

2019年11月07日

BLUE GUITARの古い傷とは?







さて、今日はBlue Guitarについて書きますかね。

1988年10月に発売された、CCBのオリジナルではラストのアルバム「信じていれば」に収録されている1曲です。


ブルーギター。

ブルーギルじゃありません。

米川英之さん作曲・編曲の渾身の一曲です。


米川英之と言えば「ブルー」
青と言えば米川英之。

CCBがもしヒーロー戦隊だったとしたら、彼は間違いなくちょっとクールな二枚目ブルーキャラだった事でしょう。

英樹さんがレッドの熱血リーダー・笠くんはピンクの紅一点(w)・田口さんはおちゃらけムードメーカーのイエロー(勿論好物はカレー)・そして敵か味方かわからない謎のダークなパープルが関口さんってとこですかね。

青いブランケットも米川さんのイメージ

CCB解散後に米川さんがソロで出したアルバムのタイトル「azul」
これはスペイン語で青という意味です。


もうね、米川さんと言えばすっかりブルー男子です。

ライブやTV出演でも、特に1988年の頃は青い衣装が多かったです。
英樹さんが赤なのに対し、米川さんは青。

テカテカのスーツもあれば、スパンコールのジャケットもあります。
(この辺りのセンス、ファンからちょっと不評だったような・・・)

後期の4人編成CCBのフロントマンはこのお二人だったのですが、イメージカラーもそれぞれ対比する形でお互いを映えさせていたんですね。



さて、Blue Guitarの解説ですが、まずは歌詞の考察からいきますか。


米川さんは作詞をされませんので作詞は松本隆さんですが、米川さんのイメージや曲調に合わせて書きおろした歌詞かと思われます。

アルバム「信じていれば」の頃にはもう米川さんのイメージも確立されていましたね。
後期C-C-Bになくてはならない米川英之のイメージは、前期のそれとは全然違っていました。

この頃の米川さんは前期の役割にプラスして、C-C-Bのサウンドを支える役割と、完全に独立したソロ的な一面といった二つの側面を見せています。
目を瞑って熱唱しながらギターをかき鳴らす独特の個性も、すっかりCCBの看板として定着している頃です。

Blue Guitarの世界は、米川英之が演じる一人の男の主観からくる物語です。
他の3人は演出でドラマを盛り上げてくれていますが、完全に小道具扱いですw

それだけこの曲は米川英之のインパクトが強いのですね。


♪濡れた石畳

♪雨のマンハッタン 


舞台はニューヨークシティです。いきなり飛ばしますねーw
しかも

♪昔の仲間も待ってる 部屋もあの日のままだよ


・・・という事はかなり長くニューヨーク在住という事ですね。
グリーンカード持ってるんですかね?

松本隆氏の描く米川英之主演ドラマの脚本は、いつも世界観が非現実的でちょっと御伽噺です。
現実感や生活感はあるものの、やっぱりドラマのようなシチュエーション。
ファインダーを通して見るような、そんな雰囲気作りが上手いです。


♪君は僕を見つけると 鞄を投げ出し 両手広げ駆けてきた

♪離れて生きてた青い日々を消してくれる


随分長い間はなれて暮らしてたけど、なんらかの理由で彼女マンハッタンに戻ってきたんですね。
ドラマティックな再会。まるで80年代後半のトレンディドラマです。


♪揺れるくちびる 胸のふくらみのかたさも ぼくの指が憶えてた


この部分だけ描写が妙に生々しいです。
美しかった映像がいきなりR指定になります。
早速何やってんですかねこの人達ってツッコミ入れたくなります。

この部分のストレートさのおかげでBlue Guitarという比喩が活きてきません。
折角の古くて青いギターのような抽象的イメージが、この生々しい描写で想像力を消してしまいます。

もう少しボカしてほしかったなぁ。


このBlue Guitarの歌詞は、ギターを女性の身体に見立てた比喩だという解釈が一般的です。
ここまでストレートな回答が描かれてるのですから、疑う余地もありません。

でも私の見解は違うんですよね。
これはそのまま、本当に窓辺で楽器を奏でるという、そのまんまの解釈でいいんじゃないかなぁと思います。


例えば

♪錆びた弦を張り替えて

ってのは誇大解釈するとどこまでも妄想が止まらなくなってしまいます。
だけど、これが答えだ!って、どの妄想も自信もって言えません。

ストレートな描写が先に入ってしまっているので、この部分は淡々と作業をこなす穏やかなシーンに思えます。
米川さんがそのまま職人的にギターの弦を張り替える、そんな場面がしっくりきます。
熱情を静かに燃やした後の、安心出来るいつもの風景。もう揺らぐことのない間柄。

戻ってきた彼女と古びたアパートメントで照れ笑いしながらセッションする。
多少不自然であってもそれでいいじゃないですか。
官能小説じゃないんだから。


♪古い傷はあるけれど まだ綺麗な音で鳴る

ここでまた意味深な比喩がw
でも比喩にしてはあまりにも卑猥じゃないですかぁー かぁー。

これはもう本当に古いギターを久しぶりに出してメンテナンスしたら、良い音色を響かせた。
でいいじゃないですかぁー。かぁー。

私の願望としては、このBlue Guitarの世界観は、ハッピーエンドで終わって欲しいのです。


・・・どんどんハーレクインロマンス化してきそうなので、歌詞の解釈はこの位で。

では曲についての考察行きます。


米川英之さんの作る音楽は「コンテンポラリー」とよく評されます。
音楽においてのコンテンポラリー=現代的なポップミュージックと訳される事も多いけれど、米川さんの曲の場合は「現代的」な部分だけを指している気もしますね。

ポップミュージック的な歌謡曲であっても、どこか落ち着きのあるクラッシックのようなアダルトさ。
モダンかと言われればそうでもなく、この頃流行したニューミュージックともニュアンスが違う。

米川さんは実はこの時代に、相当に新しい音楽を生み出していたのではないでしょうか。
ミュージックメーカーとしての才能の片鱗も、すでにこの頃には見せていましたね。

コンテンポラリー=現代的と言われればそうなのかもしれません。
だけど彼の音楽に類似性を求めても、似ているものこそあるかもしれないけれど、同じジャンルのものすら見つかりません。

米川英之さんの作る曲は、初めて視聴するCCBのアルバムでも「あ、この曲は米川くんだな!」と一発で分かってしまいます。
(勿論、英樹さんや笠さんの作る曲もそうですけれど)

そして彼の作曲した曲はライブでも盛り上がる部分に使用される事が多いです。
オープニングやクライマックス、ラストアンコール等。


米川さんの普遍性は後期CCBを支える軸になっていました。
スタンダードな基盤作り。
彼の安定感あってのCCBだったと思います。

英樹さんや笠さんがより個性を究めて冒険心ある曲作りに新しい試みを始めていた頃、米川さんは軸の太いロック色を濃く取り入れて、飽きの来ない本質的な部分を追求していたような気がしています。


個人的な見解ですが、米川さんの曲作りの流れは2パターンあると思います。


まず、米川さん自身が主役を張るような世界感
ここにコンテンポラリーミュージックと言われる技と雰囲気を取り入れています。

涙はNo Thank You → ハートブレイクカラー → 青いブランケット → Blue Guiar

この流れで米川流コンテンポラリーミュージックを確立してきたと言えます。
Blue Guitarはその完成形とも言えますね。


米川さんが軸を支え、自らをフロントに出さずに裏から盛り上げる系の米川流ロックの流れとしては

アニメのようなABC → 冒険のススメ → HARD ROCK DREAM → 走れ☆バンドマン → Born in the 60's

と続いています。

この流れについてはまた追々語っていきたいと思います。
CCBの音楽性の中でもかなり重要な部分ですので。



ちなみに余談ですが、米川変態三部作と言われるのが

Velvet Touch → Only For You Only For Me → Blue Guiter

となる訳ですがw

(あ、Blue Guitar被ってるw これについてもいつか個別に語っていきたいですが腐女子需要あるかな? かな?)



・・・収集つかなくなってきたので、今日はこれでおしまーい!
posted by northern70jp at 16:18| CCB曲解説

2019年11月01日

ラ・ラ・ラ・サマー・ビーチには贅沢な仕掛けが見え隠れ






今日は「ラララ・サマービーチ」について語ってみたいと思います。

ラ・ラ・ラ・サマービーチはC-C-Bの前身であるCoConut Boys時代に出したアルバム「Boy's Life」(1984年発売)に収録されています。
後に発売された「楽しい夏休み」にも収録されていますね。

渡辺英樹さん作詞作曲のド甘いラブラブな夏ソングです。
夏のビーチをドライブがてらBGMに聴きたくなるようなゴキゲンなナンバーです。


英樹さん本人はCCB解散前に書いたライナーノーツでラララ・サマービーチについて。

「なんだこのヤロー気持ち悪いな、でもまっいいか。」

と一言だけ語っています。

お気楽過ぎる歌詞とポップな曲調に対する照れ隠しなのか何なのか。
この発言のおかげで、この曲はファンの間からもあまり評価されずにいるような気がします。


勿体無い!!!


私はこの曲は、英樹さんの最高傑作の一つだと思っています。

この曲、実はすごい仕掛けだらけなんですよね。
英樹さんが当時どれだけこの曲に力を入れたか、じっくり聞くと本当によくわかります。


この曲、本当に英樹さんが一人で作ったの?
と、首を傾げたくなる事もありました。

英樹さんの歌詞の世界はいつも良い意味で抽象的です。
第一人者の目線から、溢れ出る感情を中心にその思いを言葉にしてストレートに、あるいは技巧を凝らしてライティングしていきます。

英樹さんが描く歌詞の世界は強い感情が優先し、その情景はやはり抽象的です。
ラブソングの場合は、相手の事しか見えない、ストレートな想いをそのままぶつけています。

背景なんか必要ないくらい、そこは二人だけの世界です。


ですがこのラララ・サマービーチは、英樹さんが作詞してきたC-C-Bの曲の中で唯一、異彩を放っています。

この曲の世界観は、感情ではなく情景描写が全てだと言ってもいい。
どこか客観的に二人の世界を見ています。

「サマービーチ」 つまり夏の渚。
この風景がないとこの世界は成り立ちません。

歌詞の透明感、情景描写が本当に綺麗です。
目を閉じると真夏のビーチのランドスケープが浮かび上がってくるようです。
潮騒まで聞こえてくるような・・・(アルバム「楽しい夏休み」の影響かもしれませんがw)


♪波のパラダイス パラソルの影に 甘い罠が見え隠れ


英樹さんの歌詞には珍しく、「パラソル」や「波」といった、具体的なアイテムが登場します。
この辺は真夏の海を形容する、どストレートな表現です。

この浮かんでくる情景のビーチは、具体的にはワイキキなのかサンタモニカなのかゴールドコーストなのか、はたまた湘南なのか熱海なのかそれは分かりません。
そこは人それぞれの想像力でよいと思います。


♪君の背中にコパトーン塗らせて 男はみんなギラギラ・ハンター あの手 この手で

♪焼けた肌に 男はストップ・モーション

♪熱い視線 感じたなら 夜は二人を モノトーン 変えてく


「コパトーン」「焼けた肌」「ギラギラ」
この辺の言葉の使い方も本当に上手いです。
「夏」を表現するために、これでもかってぐらいの小道具を惜しげもなく使っています。

「ギラギラ・ハンター」という言葉からも想像できるように、浜辺で女の子を軽くナンパする内容の歌詞です。
ですが気だるい雰囲気が効いていて、ちゃらいナンパ男のギスギス感は不思議と感じません。
ぼんやりと聴いているだけでもうトランス状態です。


そして英樹さんの得意技でもある、韻の踏み方がまた絶妙。

「コパトーン」と「モノトーン」

「ギラギラ・ハンター」と「ヒソヒソ・ムード」

もう、あの手この手を駆使して技を入れていくテクニシャンです。
もうたまらんわー(○´∀`)σ)'Д`○)

この贅沢加減っぷり。言葉の使い方、韻の踏み方。
これぞ渡辺英樹流の美しさ、軽快さ。滲み出てくる独特のフェロモンです。


英樹さんはこの技をCCB後期まで使い倒します。
最後に出したアルバム「信じていれば」の中の英樹さん作詞の収録曲にも沢山入ってますからね。
「Ass Fool」や「ひとりの世界」なんかも韻の踏み方上手いです。


そしてこのラララ・サマービーチの何が凄いかって、この曲に使われてる技は韻だけではありません。

♪危ない yai yai ya-i


↑ これ、わかるでしょ?
有名なシングル「空想Kiss」のアレですよ。


♪そんなことないやーい 失恋じゃないやいやーい 諦めてないやーい


あれ?


そうなんです。

松本隆氏がぱくった影響を受けたこのフレーズ。
C-C-Bのyai yai の使い方は、実は英樹さん発祥なんですね。

これもC-C-Bのテンプレの一つ。


そしてC-C-Bと言えばシモンズドラム、ですよね。
実はこのラララ・サマービーチにもしっかり使われています。


♪浜辺でみんな ヒソヒソ・ムード 秘密の・・・

この後すぐに笠くんのシモンズによるフィルイン入ります。
ポコポンっと♪

このフィルインがたまらないんですよね。


シモンズドラムはココナッツ・ボーイズがC-C-Bに改名する前から使われていたんですね。
気づいてる人少ないんじゃないかなぁ。


このデキの良さ。小技の入れ方。贅沢な手法。

案外この曲もシングル候補の一つだったんじゃないの?とすら思ってしまいます。

さすがにBoy’s Life時代は作詞を秋元康に、作曲を芹澤廣明に依頼してたくらいですから、ラララ・サマービーチがシングルカットされる事は現実的にはありえなかったのでしょうけど。


ラララ・サマービーチは渡辺英樹さんの遺作の中でも、もっともっと注目されるべき作品だと思います。
出来ればヘッドフォンで聴き直して欲しい。


特に落ち込んだとき、現実逃避したい時にお奨めの一曲です。


星の意味解説付き☆人生を楽しくするお手伝いします 自分の事が分からない・自分の隠れた才能や傾向が知りたい方へ
posted by northern70jp at 14:05| CCB曲解説

2019年10月23日

御意見無用・花吹雪は御意見ゴム用

今日は御意見無用・花吹雪について

シングル「空想Kiss」のカップリング(B面)曲です。


この曲、C-C-Bの中ではかなり異質です。
C-C-Bをあまり知らない人にこの曲聴かせると「誰の曲?」って訊かれます。

C-C-Bだと答えるとビックリされます。

そりゃあそうですよ。
C-C-Bと言えば、高音ファルセットのイメージですからね。
下手すりゃ女の子ボーカルと間違えられたりなんかしてました。
ああ、だからTOM☆CATと混同されやすいのか。メガネボーカルってだけでなく。


この曲のメインボーカルは、C-C-Bの下半身w ゴム君こと関口誠人さんです。

あの魅惑的な低音ヴォイスは、笠くんのファルセットしか知らない一般人やライトなファンにとっては、C-C-Bだと言われても???になってしまいます。

空想Kissがリリースされた頃はまだ、1985年の晩秋でした。
所謂、C-C-B全盛期のピークに当たる頃です。

この頃はまだ、関口さんがメインボーカルをとるシングル曲はリリースされていないどころか、約半年後にリリースされる「元気なブロークンハート」で有名なフレーズ、「♪ハートブレイクじゃーしょうがないじゃーん」のような、ちょっとだけ歌う曲すらまだ発売されいませんでしたから。

関口さんの担当と言えば当時「Lucky Chanceをもう一度」の「♪あいつはNoNoNo~!」ぐらいしかなかったですからね。
あと「スクール・ガール」の「♪グッバイガール♪」の部分ぐらい?

シングルで関口ボーカルが拝聴出来るのは当時はまだその位でした。
(※ココナッツ時代のシングルは除きます)


コアなファンは当然ココナッツ時代からのアルバム持ってたりするのでしょうけれど、当時はファンの大半は全部はもっていなかったかと思います。
当時のファンの殆どが女子中高生ですからね。お小遣いそんなにもらってないでしょう。(←偏見)


関口ボーカルはメチャクチャ新鮮でした。

この曲は最初から最後までテンポも速く、飛ばしまくる曲です。
男のカラ元気をさりげなくかっこよく歌い上げるゴム君が素敵です。

作詞は松本隆氏。
ドラマ仕立ての脚本を歌詞にする天才です。

そういえば松本隆氏原作の映画「微熱少年」は良かったなぁ。
関口さんも出演してましたね。


車が彼女を呼んでるシチュエーションは霧のミステイクにも見られますが、当時の男はライバルの男も含め、ほぼ車というアイテムを持っているようです。
車がなくっちゃストーリーに即効性が出ませんからね。勝負にならないのです。
バブリーですね。

霧のミステイクの場合は、主人公の男が車でかっこよく彼女をさらっていくようにも取れますが、結局この恋は実らなかったという風に私は受け止めてます。
実らない恋という点では同じですが、状況が真逆ですね。

「大脱走」は、俺のポンコツ車でランナウェイ。
夢物語のような軽快さで彼女をかっさらっていきます。
この辺は「Girl Girl Girl」で使われる10km rideで使用される車と同型種ですね。(←勝手なイメージw)

「Rainy Farewell〜アメノチワカレ」は、渡辺英樹さんが車で高速を走るようなイメージで作ったと本人が言ってました。
作曲は米川英之さんなので、歌詞の事を言っているんでしょうね。

英樹さんの書く歌詞は物語ではなく、常に第一人者目線のリアル体験である気がします。
(※例外多数あり)

Rainy Farewellの車は多分、英樹さん自身の愛用していたフォルクスワーゲンの72年型カルマンギアでしょう。
歌詞からはこの恋の行方が曖昧にされているので、これも英樹さんのリアルな体験な気がしてます。
(※この頃はTypeVから乗り換えてるんですよね)

浮気なジルの白いスポーツカーの男。
浮気なシュガーベイブの赤いクーペの男。

みんな、カッコいいですね。
80年代、車持ち。これも時代ですね。


コーラス部分の

♪I wanna live alone(多分合ってるよね?)

この冒頭からのコーラス部分。
これがこの御意見無用・花吹雪のコンセプトだと思っています。


一人にしてくれよと強がる男の背中。
涙にぬれた顔を隠して去っていく、そのかっこよさ。

実際には顔面、涙で貼りついた桜の花びらだらけなのでしょうが、そんな姿を想像する事すらカッコいいです。
勿論歌詞では相手の女性の泣き顔なのでしょうが、どうしてもゴム君の顔に置き換えられてしまいます。

MVを作るとしたらイメージ沸きやすいですね。
主演は勿論、関口誠人。
もうC-C-Bである必要はない?

いえいえ、そんな事はないです。
この曲は、間奏のギターソロがまたたまらなく良いのです。
勿論、言うまでもなく米川英之さんのギターソロ。
ライブではこの曲最大の見せ場になりそうです。

間奏は短いのですが、凝縮された中に振られた悔しさややりきれなさ等、全部詰まっているような気さえ致します。
振られた男の心の内は、米川君のギターが全部代弁してくれているかのようです。

そして

♪四の五の言わずに消えなよ

と、振った側の女が何故か捨て台詞を吐かれます。
ここ、ズキっと突き刺さります。
言い訳も一切許されない厳しさ。辛いです。


最後は振られた男が花吹雪の中、かっこよく去っていくイメージです。

令和の今の時代には、このかっこよさはなかなか見られません。
需要あると思うんだけどなぁ。



posted by northern70jp at 18:00| CCB曲解説

2019年10月19日

浮気なジルが浮気をする理由

星の意味解説付き☆人生を楽しくするお手伝いします 自分の事が分からない・自分の隠れた才能や傾向が知りたい方へ

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本日は浮気なジルについて書いてみます。


ミニアルバム「すてきなビート」に収録されているこの曲。
すてきなビートは1985年、C-C-B名義で初めて出したミニアルバムです。(ココナッツボーイズ名義を除く)


中でも浮気なジルは特に、ボーカル3人の声が若々しい事からも推測出来る通り、C-C-Bの中でもかなり初期に作られた曲なんですね。
アップテンポなロック調で、オープニングで演奏すると大変盛り上がる、当時の定番曲でもあります。

浮気なジルは、1985年のファーストツアーの初日から演奏されています。
おそらく、Egg−Man等のライブハウス時代にも演奏されていた事でしょう。


特に笠くんの声はまだ少年っぽさが残っていて、後期の完成された超人的とも言えそうな技巧的なファルセットに比べると人間味があり、生身の男性の声としての魅力があります。

笠くんのボーカルは、前期の生身の少年っぽさ、後期の超越した技巧的でもあるハイトーンヴォイス。
大きく分けるとこの2つに分類されると思います。
この二極化したそれぞれの魅力に、前期派後期派それぞれのファンが魅了されているのでしょう。


浮気なジルは、松本隆作詞・筒美京平作曲です。
このコンビの1985年作品という事は、C-C-Bを大々的に売り出そうと試行錯誤した時期の作品である事と、相当気合を入れた曲であるという事がわかります。

キャッチーなイントロに冒頭のインパクトのあるサビ。
もしかしたらシングル候補の一つだったのかもしれませんね。


この「浮気なジル」と、40代以上の日本人なら誰もが知ってるであろう名曲「Romanticが止まらない」のカップリング(B面)である「I Say I Love You」については、シングル候補としてかなり迷った曲なのではないかなと個人的に思います。

浮気なジルは、3人のボーカルの歌いまわしです。
この曲編成はC-C-Bのスタンダードであり、強みであるとも言えます。


この曲はいきなりサビから入ります。

♪ジル あーかいードレスが素敵さー

出だしのサビで笠浩二さんの、ちょっとあどけなさの残ったボイスを惜しげもなく披露します。
笠くんと言えば高音ファルセットですが、この曲ではそれ程高い音は使いません。


イントロのインパクトも相当強烈です。
80年代の楽曲は、イントロが全てと言っても過言ではなかったような気がします。

アップテンポの曲調に、田口智治氏の叩き付けるようなYAMAHA DX-7の音色がアクセントになっています。
浮気なジルの音色は、この後のCCBが生み出す楽曲において頻繁に使用される重要な音色の一つになっていきます。


Aメロ、Bメロの抑えた心理描写の部分は、渡辺英樹さんと関口誠人さんが抑え気味に、サビまでのサポート役に徹しています。

この個性の強い二人のボーカルも、この曲では程よく力を抜いていて、その声質の魅力をさりげなく魅せています。
あくまでも控えめに。それでいて計算されつくした演出。
笠くんのサビを盛り上げるまでの序章は、この二人の抑え気味なハーモニーが美しく絶妙です。

なんという贅沢な編成!


初期のC-C-Bの特徴の一つでもある、シモンズドラムの規則的なビートも、スタジオ音源ではシモンズのデジタル感をそれ程強調してはおらず目立たせてはいませんが、ライブで体感するとかなりの躍動感で見るもの全てを圧倒させます。

シモンズの使用頻度が減った事に関係しているのか、後期のアルバムと比べると、1985年のスタジオ録音のドラムの音色は、些か不安定さや物足りなさを感じるところも否めません。(それもまた味があって好きなところですが)

これがライブになると払拭されるんですよね。
浮気なジルをライブで演奏する時には、余計な事を考える暇などない位、かなりのカロリーを消費する事でしょう。


浮気なジルを演奏するにあたり、黄色い六角形のシモンズを激しく叩きながら、インカムマイクで熱唱する笠くんの姿は、C-C-Bの「リュウくん」というキャラに一般人が求めるC-C-Bのスタンダードさが凝縮されているような気がします。

ビジュアル的にもこの曲には、笠くんのトレードマークであるメガネとピンクの髪で黄色いシモンズを激しく叩く姿が似合います。
「これがC-C-Bだよ」って人に説明しやすい絵図です。


初めてC-C-Bを聴く人にどの曲から勧めるかと言えば、私はシングルを除けばまずこの浮気なジルからですね。
浮気なジルという曲は、C-C-Bとはどんなバンドなのかを一番分かりやすく説明出来る、説明不要なマニュアルであるとも言えそうです。


さて、浮気なジルの歌詞も他の曲に多く見られるように、ドラマ仕立てになってますね。
情景描写はリアルで細かく、心理描写はクールを装う、だけど切ない。

典型的C-C-Bパターンに嵌っています。
これもC-C-Bのスタンダード的な歌詞の構成です。

そしてやはり、ボーカルそれぞれのキャラに合わせたパート振り分けが行われています。
彼らの個性に適したそれぞれの配役はバッチリ適材適所に使われています。

浮気なジルのボーカルパート部分に関しては、実はサビの笠くんパートが一番冷静で、大人の目線から客観的に、女主人公であるジルを上から目線で非難しています。
一番辛辣でキツイ部分です。


♪ジル 君は愛っていうのを ジル かなり勘違いしてる

ジルという女が愚かである事を、全くのブレがない状態で強く静かに語っています。


♪可哀想な女の子なのさ

とまで言い切っていますから、ジルに対する憐れみはあるものの、そこに同情心など全くなく、心が冷めていく様子が見て取れます。
完全に客観的に見下した、呆れともとれるような距離感です。


♪空回りした心が哀しい♪

この部分は英樹さんと関口さんが同時に歌ってますが、心の傷を冷静に受け止められなかった当時の心境ですね。
当時の状況をこの二人に淡々と歌わせる事で、ちょっと無理して平静を装ってるような、背伸びした切なさを表現しているんですね。

特に関口さん、役者をやっていた事もあって、未熟な青年役の雰囲気の出し方は上手いです。
切なさ、悔しさ、やるせなさの描写を声で上手く表現しています。

世の中に拗ねて、ちょっと斜めから物を見るような。
声一つでそんな表現が出来るのはやっぱり持って生まれた才能ですかね?


対して英樹さんの場合は、どうしても余裕が出てしまいます。
英樹さんがC-C-Bに入る前のサクセスストーリーは、意図的なのか分かりませんがあまり知られていません。
大きな挫折をすることなく淡々と要領よくこなしてきたような、ちょっと小賢しいようなイメージすらあります。

英樹さんの持って生まれた個性は魅力ですが、必死さが表現しにくく、内に秘めた情熱こそ熱いながらも、見た目はどこかクールで無機質です。
彼には根性や努力、カッコ悪い事が全く似合わないのですね。


英樹さんの独特の個性は、女々しい世界観を持つ浮気なジルに関してはちょっとなりを潜め気味です。
浮気なジルの世界では、英樹さんのような要領の良さは必要ありませんから。
サポート役に回る事で上手くバランスを取っていると思います。

自己主張し過ぎず、さらっとかっこよく。
英樹さんの控えめなさりげなさこそ、浮気なジルの隠れたアクセントになっています。

英樹さんが本気を出したら、たかがジルごときの女に翻弄されるはずがありませんからね。
このジルの物語に、渡辺英樹という男は登場しないのです。


愚かなジルを冷静に批判出来るくらいにまで心が成長した男のパートを、あえて笠くんに歌わせる事で、ジルの犯した罪の重さ、浅はかさ、愚かさが浮き彫りにされます。
純粋さと静かな怒りの対比によってより強調されている気がしますね。

誰かにお説教を受ける時、穏やかで優しい人に静かに諭される方が、普段から賑やかで激しい人に怒鳴られるよりもより効果があったりするのですよね。

この上から目線で淡々と冷酷な仕打ち。
関口さんや英樹さんではなく、笠くんにされてこそ一番心にチクっと突き刺さりそうです。


ジルという女は、夕べやっと親密になれたぐらいで銀色のリングを簡単にくれるような単純な男には魅力を感じません。
ジルと付き合っている頃の主人公の男には、ジルにとって何の魅力もなかった事でしょう。

主人公の男より、少なくとも白いスポーツカーの男の方がジルにとって魅力的だったという事ですね。


笠くんが演じるパート部分は、普通の女の子にはかなり辛辣な批判です。
主人公の男も最初からこの位、堂々と偉そうに振舞っていたのなら、もしかしたらジルの浮気心を止められていたのかもしれませんね。


・・・と思うのは私だけ?



。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


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posted by northern70jp at 23:08| CCB曲解説

Velvet Touchは歌い手によって世界観が変わる

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続いてランダムに曲紹介いきます♪

今日は米川節が炸裂するVelvet Touchについて。

この曲はアルバム「走れ☆バンドマン」に収録されています。
1988年5月にリリースされました。


初めてこの曲を聴いたのは高校生の時でしたが、この異質な世界観に衝撃を受けたのを覚えています。

「なんだこれはっ!」

という第一印象でしたね。


私は初めて聴く曲は歌詞カードを読みながら視聴するのですが、真っ先に歌詞のインパクトにやられました。
お伽噺にしては生々しいし、単なる夜這いの歌にしては描写が幻想的過ぎる。

眠ってる彼女の元にこっそり忍び込んで、彼女の寝姿の一部始終を眺めてあれこれ妄想するトンデモ歌詞です。


♪バルコニーに(笠)
♪バルコニーから(米川)
♪しのびこむのさ(笠)
♪君をさらうため(米川)

この部分の笠くんと米川氏の掛け合いがまた絶妙です。

女性の家の窓に飛び込むシーンなら「大脱走」(Mild Weekend収録)がありますが、Velvet Touchのシチュエーションはまた全然違っています。

大脱走は、退屈している恋人が白馬に乗った王子様が迎えに来てくれるのを待ってる、所謂ウエルカムカモンな状態です。
二人の意志での逃避行がこの後待っているわけです。


だけどVelvet Touchの場合はコレ、どう考えても相手の同意得てないでしょw


ですが、この曲は絶妙なバランスで成り立っています。
この世界観を犯罪にさせないために、強いキャラクター設定と最適な配役がなされているのです。


この曲のメインボーカルは米川英之さんです。
男らしさと優しさが混在したルックスと、情熱的にギターをかき鳴らす姿。

C-C-B唯一の良識派、と言っても過言ではありません。
(他の4人が型破り過ぎるだけかもしれませんが)

米川氏の真っ直ぐでストイックなイメージ。
目をしっかり瞑って真剣に熱唱する姿とその歌声からは、邪心は全く感じられません。


そして被せるように笠浩二さんの歌声で掛け合いが入ります。
笠くんの透明なハイトーンヴォイスは周知の通り、これまた純粋さを表現する効果を表しています。

米川氏と笠くん、彼らが妄想を心の底で叫ぶ姿には、全く下心があるように感じないから不思議です。

♪守りたい(笠)
♪守ってあげる(米川)
♪僕の剣で(笠)
♪好きだよ(米川)

この部分はむしろ中世ヨーロッパの騎士(またはRPGの世界観)を彷彿とさせるくらい大袈裟に表現しています。
一体これはネタなのか真剣なのか。

「剣」というアイテムを登場させた事で、夢物語感を更に増大させ、現実世界ではありえない舞台演出をさせています。
このあたりは松本隆氏も随分と思い切った試みだなと思いますよ。

一歩間違えると噴飯もののシーンなのですが、米川くんも笠くんも、ここは表情を崩さずに真剣に熱唱しますので、そのありえないシチュエーションの世界が、まるで舞台を観劇してるかの様に伝わってくるのです。


ここで想像してみましょう。

もしVelvet Touchのボーカルが渡辺英樹さんだったら?

・・・

・・・もうお伽噺ではなく、舞台は東京だかどこか。とにかく現代(80年代)の日本ですね。
少なくとも中世ヨーロッパのイメージとは程遠くなりました。

恋人がこっそり一目を盗んで逢いにきた。もしくは夜這いかけにきた。
あの英樹さんに下心がないわけがありません。(あ、失礼しました)

白馬の王子様がお姫様をさらいに来たというよりは、ルパン三世が不二子ちゃんを落としにきたという方がしっくりきます。

英樹さんに騎士は似合いません。どちらかと言えば勇者です。
勇者は騎士ほど紳士ではありませんし、普段はヤンチャです。


英樹さんに♪守ってあげる ♪好きだよ なんて言われた日にゃもうファンならメロメロにもなってしまうかもしれませんが、その言葉がその場限りのホスト的奉仕である事も、女性の方も何となく解ってます。

世界観はより現実的になり、VelVet Touchの舞台は夢物語からガラッと一変、現実世界において擬似的な夢物語を楽しむプレイになってしまいます。

♪一夜限りのロマンス ってやつですね。


では、更に想像してみましょう。

もしVelvet Touchのボーカルが関口誠人さんだったら?


・・・私がVelvet Togchの女主人公なら、目覚めたら即通報しますねw

♪驚かないで♪とか♪微笑みかけてくれ♪言われても、そんなん不可能ですw
悲鳴あげますね間違いなくw


関口さんの場合、このシチュエーションには邪心漂う危険な香りがします。
下手すりゃ

♪守ってあげる ♪僕の剣で♪

なんて言った日にゃ彼の場合セクハラにもなりかねません。

関口さんから滲み出てくる妖しい雰囲気は、英樹さんの妖艶な色気よりも更に毒が強く、甘いというよりはスパイシーな香り漂うシチュエーションに変化します。

関口さんの持つ独特の妖しい魅力は、当時の純粋な女子中高生ファンの心の奥底に思いっきり影響を与えました。
関口さんが役者であるなら、ヒール役が似合います。
この強い個性は才能であり、5人編成時代のC-C-Bの魅力の一つでもありました。


この様に、Velvet Touchという演目で舞台を演じるとしたら、演者の個性によってこれほどまでに世界観が変わってしまうのです。

こんな曲、そうそうないと思いますよ。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


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posted by northern70jp at 17:47| CCB曲解説

2019年10月18日

霧のミステイクのメインボーカルは誰?

星の意味解説付き☆人生を楽しくするお手伝いします 自分の事が分からない・自分の隠れた才能や傾向が知りたい方へ


またまた長いこと放置してしまいました。

先日ついに解散30周年を迎えたC-C-B。

この30年いろいろありました。
英樹さんの事や、その他の様々な出来事。

C-C-Bは少しずつ伝説になりつつあります。



このまま歴史を追っていくつもりでしたが、たまには気の向くまま曲のレビューでも書いてみようかな。
書いてみたくなってきたので気分転換に書いていきますね。

全部で100曲余りありますが、ちょっとずつ更新していきます。
曲目はランダムに。思いつくまま。気の向くまま。


初回ですが、今日はいきなり通ぶって霧のミステイクから。

ないものねだりのI Want Youのカップリング、というかB面曲です。
この曲、実はいろんな仕掛けがあちこちに施してあるんですよね。
知ってましたか?


さて、いきなりクイズです。

まず、出だしのサビ部分

♪サーイレンナーイー ホーリナーイ♪

のところのメインボーカルは誰でしょう?


そんなのリュウくんに決まってるじゃない!
・・・と思ったそこのアナタ!

もう一度よーく聴いてみましょう。

聴き直してからもう一度こちらに戻ってきてね。


。。。。。。。。。



正解わかりました?


正解は渡辺英樹さんです。
英樹さんのボーカルなんですよね。

あれ?笠くんじゃないの?
って、勘違いしてる人も多い事でしょう。

それもそのはず。

サビで出だしの

♪サーイレンナーイ

から、最初の

♪この胸に抱きしめてたー

までが英樹さんのボーカルです。

それ以降のサビの部分は全て笠くんなんですよね。
声似てるので気づかなかった人も多いのでは?

これちょっと難易度高いですね。

「Romanticが止まらない」のB面曲である「I Say I Love You」も、英樹さんと笠くんの掛け合いが美しい曲です。
初心者にはどっちがどっちかわからなくなってまうらしいけど、ある程度のファンになれば段々と聞き分けられてきます。


霧のミステイクの場合は更に何度が高く、英樹さんと笠くんの声を聞き分けられるぐらいが中級者ですね。


霧のミステイクという曲は、3人のボーカルがそれぞれのパートを上手く歌い分け、それぞれの情景を上手く表現しています。

♪僕じゃなくてもいいの?

のところは、笠くんのボーカルでこそ、彼女を失う不安感や、置いていかれる切なさを表現できている感じがします。

それに対して、

♪この胸に抱きしめてた

の部分のポイントは

「してた。」

つまり過去形である事。


少し大人になった主人公の男が過去を振り返って当時の情景を思い出す感じですね。

この部分はクールで、ちょっと余裕を感じさせる表現を必要としますので、笠くんではなく英樹さんをボーカルに起用しているのですね。

笠くんのピュアな柔らかい歌声よりちょっとスパイス効いて、痛みも知って成長した男の歌声です。


さりげなく英樹さんから笠くんにサビのボーカルパートを1番と2番でチェンジする事で、霧のミステイクがクリスマスイブ1日だけの物語ではなく、少し時を経て成長し、あの日を振り返るところまでが描かれている事が判ります。
(考えすぎ?)


♪君さえも 気づかない 心が見えたのさ

この部分も過去形。
あの時はこう思っていたという振り返りの部分を英樹さんが担当しているんですね。

登場する謎の女のフランス語(故・山口美江さんらしいです)
艶っぽさのある過去の情景の中で、気づいてしまった彼女の本音。

この切なさをクールに受け止めるには、やっぱり英樹さんの余裕が欲しいところ。
ここは笠くんだと余りに傷が深すぎる気がします。


笠くんはクリスマスイブ当時のまだ純粋だった頃の情景をリアルに再現。
英樹さんは、過去を振り返る余裕のある大人になった男主人公。

同じパートでもこっそりボーカルをすり替えて、さりげなく2部構成にしているんですね。
コアなファンの中でも、わかる人にだけしか気づかないだろうという、何ともニクい演出です。


そして関口誠人さんパートですが、霧のミステイクにおいての彼の担当は情景を客観的に描写する事です。

♪バックミラー飛び込む 宙に舞うアンブレラ

・・・関口さんの状況説明は、まるで外部からカメラを通して見てる様な、ちょっと一歩引いた説明。


だけど2番目になると、そこに感情が入ります。
突然第一人者に、主人公になります。

♪深い霧の海なら 溺れてもいい

笠くんの表面に出してしまう感情と、関口さんの内に秘めた心の奥底。
霧のミステイクの主人公は一人の男性ですが、建前と本音が一致せずに葛藤する様をよく表していると思います。


クリスマスイブの主人公は笠くん、主人公の当日の心の声は関口さん、そして時が過ぎて過去を振り返る余裕が出来た成長した主人公が英樹さんなんですね。

バンド全員がボーカルであり、それぞれが違った個性を持っているからこそ出来る芸当ですね。


曲についても書いておきます。

霧のミステイクは、英樹さん得意のスラップでのオクターブ奏法全開です。

霧のミステイクが「ないものねだりのI Want You」と同時にリリースされた直後に関口さんのC-C-B脱退発表がありましたので、おそらくライブでは一度も披露された事のない曲かと思います。

英樹さんがどんな風に弾くのか実際には分かりませんが、柔らかい身体をくねらせて、木目の美しいワーウィックのサムベースを軽快に奏でる姿が目に浮かぶ様です。


そしてこの曲、拍子木のようなカッカッやってる音、聞き取れますか?

これが裏のアクセントになってるんですね。
リズムは合っているものの、時々タイミングずらしたりして、あれっ?と思わせます。

霧のミステイクを聴いた時、いつの間にか深層心理にこのリズムが刻み込まれるんですね。
この不安定なリズムを知らず知らずに聞き込む事で、この曲の世界観にはまってしまいそうです。
主人公の男性の不安な気持ちが、まるで不整脈のように心をかき乱す。

って感じですかね。


5人編成のC−C−B最後の曲でもある霧のミステイク
久しぶりにじっくり聞きなおして、改めて様々な要素が散りばめられている事を知りました。


みなさまも是非ぜひ今一度聴き直して、英樹さんと笠くんのボーカルの違い、聞き分けてみて下さいね。


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


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posted by northern70jp at 23:36| CCB曲解説
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