2007年10月08日
「桜」

長く海外に住んでいると、日本を思い出す時最初に心に浮かぶ花はやはり「桜」です。
春は苦手な季節でしたが、それでも桜の蕾が膨らみ始めると心が明るくなってきました。満開の桜が花吹雪となって散りゆく様を「儚い」と言う人もいますが、私は花吹雪の桜が一番好きでした。家の近くに神社があり池の畔に桜が植えてありました。犬の散歩でその桜吹雪を浴びながら歩くのが大好きでした。
今暮らしているアルゼンチンの私達の農場はエルボルソンの町から約17km、標高差は200mあります。近いようですが気候は違います。エルボルソンで当たり前でも、ここでは寒くて育たない草花が多くあります。
町には買い出しやメールや手紙の受け取りで週一回は下ります。正直町はあまり好きではないのですが、今の季節は町に行くのがとても楽しみです。それは「桜」が町に咲いているからです。「桜」といっても日本の「桜」ではありません本当は何という名前なのかさえ知りません。でも今、町を桜色に彩っていてとても綺麗なのです。
この木は私達の農場にはありません。ですから蕾の膨らんで行くゆっくりとした過程を見ることはなく、一週間毎の移り変わりに驚くのです。先週は八分咲きでした。私は用もないのに公園に行き、この桜の花の下を歩きました。日本の様にお花見する習慣もないので、場所取りのロープはありません。でもアルゼンチンにいながら、ふっと日本の春に帰った様な懐かしい気持ちがしました。
ここ数日、パタゴニア名物の西風が吹き荒れています。きっとこの風が桜の花を舞い散らせているだろうな、と想像しています。アンデスの雪山を背景にゴオ〜という強風に豪快に舞い上がる花びら達。そんなパタゴニアらしい風景を今年は見ることが出来るでしょうか。

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