2007年09月26日
春が来た

今まで「時子のパタゴニア便り」で、四季折々に感じた事を取り留めもなく書いてきました。夫は「読むと気持ちが暗くなる。」などと言いますが、まあ、もともと根暗な私は「いまさら明るく元気になんか、なれないよ〜。」と開き直って思うまま感じるままを素直に書いてきたつもりです。 さて、今回夫の努力で弊サイトが一新されました。そこで、「時子のパタゴニア便り」では主に、私達が行ったパタゴニアの町と自然を独断と偏見で紹介させて頂くコーナーにし、新しく「私流移住スローライフ」として私(時子)の、「のうじょう真人」での移住生活のあれこれを書いてみたいと思います。 楽しいことや感動したことは勿論、落ち込んだり怒ったりした事も、その時その時の正直な気持ちを「のうじょう真人」の四季を織り込みながら書いていきます。 また夫の「嫌だねえ〜暗い話。」と言う声が聞こえてきそうですが、気にせず気儘に続けさせて頂きます。皆様のご感想など、お聞かせいただければ幸いです。


私はずっと春が苦手でした。これは小学校の頃からの後遺症です。引っ込み思案の私は新学期、新しい先生にも級友にもなかなか馴染めず、友達も作れず、よく泣きながら一人で帰宅していました。 温かいふわりとした春風に吹かれると、この年になってもあの時の寂しさや不安が思い出されて胸が締め付けられるのです。 でも最近はそんな切ない気持ちよりも、「春が来たなあ」と嬉しい気持ちの方が勝るようになりました。 おみそ汁の具となるタンポポの葉を探す楽しみ。その葉が日に日に大きく沢山になっていく感動。 水仙が新芽を出し始め、ゆっくりと延びていき、やがて堅い蕾となる生命力。農場でどの子が一番に花開くか想像する楽しみ。 撒いた麦や空豆を「いつ芽が出るかな?」と心待ちにし、まだ何もない地面に麦や豆がたわわに実っているのを思い描く楽しみ。 オス猫の福ヒゲが「アオアオ」騒ぎ出すその声の面白さ。 アカゲラがやって来て、木の幹をつつく軽やかな音を聞く喜び。 日溜まりで犬達が空に向かって足を広げ日向ぼっこするかわいらしさ。 外に洗濯物を干せるようになり、取り込む時のお日様のほかほかした香。 アンデスの山の雪が少しずつとけていき、毎日山の表情が変わって行く雄大さ。 9月は温かい日が続いたと思ったら、朝氷点下にまで下がる日もあります。それでも、「春が来たよ」とささやく多くの声を聞こえる様になった自分がとても嬉しいのです。


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