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2015年11月18日
爵禄は得易く、名節は保ち難し
伊藤肇の「喜怒哀楽の人間学」より出処進退についての項を紹介しています。

ところで「名誉」という言葉はよく聞く言葉ですが「節操」という言葉はあまり聞かないように思いますが今回はこの「名誉」と「節操」についてのお話しです。

以下、伊藤肇の「喜怒哀楽の人間学」より

人間はどうも終わりになるとあわてだす。
古来、「全節」<節を全うす>ということが重んぜられるのは、晩年ほど、万事に執着が強くなって、人間のあさましさが露呈しがちになるからである。

アランの痛烈な一言がある。
「青年は恋愛を欲しがり、壮年は地位を欲しがり、老人は貪欲(どんよく)になって、地位も金も名誉もすべて欲しがる」

事実、「これは」と思わせた大物が、とんだところで馬脚をあらわした例は無数にある。
もっとも金や女に対する執着はまだかわいいものだし、断ちきるのも、それほどのことではない。
しかし、一旦、権力を握った者がそれを捨てることは至難の業(わざ)だ。

しかし、ものは考えようである。
ニューマン枢機卿<英の神学者。『わが生涯の弁明』『承認の原理』などの著者>が「人間は終わりになるのを憂えてはならない。未だ、かつて始(はじめ)らしい始(はじめ)をもたなかったことを考えよ」
という深い言葉を吐いている。

これは「常に始である」という思想であり、「終りも始である」ということなのだ。

その意味で、しゃれた出処進退をやったのは高橋幹夫<日本自動車連盟会長>である。
警察庁長官のポストを去るにあたって、元(げん)の名臣、張養浩(ちょうようこう)の「三事忠告」を引用したのだ。

一つは『廟堂忠告』の第十に出てきている「退休」。
いわく「こころみに辱(はずかしめ)を免れざりし者を見るに、おおむね、みな進(すすむ)を知りて退(のく)を知らず、栄寵(えいちょう)を恋索(れんさく)して、これを致(まね)く」と。

も一つは『牧民忠告』の下巻第六の「風節」。
いわく「爵禄(しゃくろく)は得易(えやす)く、名節(めいせつ)は保ち難し。爵禄あるいは失うも、時あってか、再び来たる。名節ひとたび虧(か)くれば、終身、復(かえ)らず」と。

また、五知先生伝<宋初の賢人、季繹>の「難を知ること。時を知ること。命を知ること。退を知ること。足るを知ること。この五知を養い得て、はじめてよく難局に当るべし」の座右を「常々、肝(きも)に銘じていた」ともいった。

ついでのことに「これから浪人生活に入るわけだが、その心構えはいかん」ときいたら、即座にゲーテの畏友、M。フォン・クリンゲルの言葉がかえってきた。

「まことの人は、彼の義務が要請(ようせい)する時と場合においてのみ、世界の舞台に現われねばならぬが、その他では一個の隠者(いんじゃ)として、彼の家族のなかに僅かな友人とともに、また、彼の書籍の間に、精神の風土に生活しなければならない」


今回は以上です。

今回は何やら難しい言葉が出て来て、取っつき難い気がしないでもありませんが、「晩節を汚す」ということからすれば「爵禄は得易く、名節は保ち難し」という言葉から伝わるものを感じます。

爵禄は失ったとしても時が来れば再び得ることができますがが名節(名誉と節操)はひとたび失うことがあれば一生取り戻すことは出来ない、とはまさに至言ですね。

五知とは己を律することであるとともに生き方として、過去にこだわらず未来に心乱すことなく常に今を生きる、ということではないでしょうか。


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まゆみさん、コメントありがとうございます。

「しゃくろく」と入力しても最初は変換されませんが
何回か個々に変換して入力している内に今は
「爵禄」と変換してくれます。

仰る様に世の中あまりにも「軽薄短小」と言うか、
目の前の小利にとらわれているようにも感じます。

今の世の中、物分かりのよい人が多くなったと
言うことかも知れませんが物分かりの中身が
もう少し問われるべきではないでしょうか。
Posted by:ゼットキ at 2015年11月21日(Sat) 01:34


再びこんばんは。

幸いにも私は、恋愛も地位も名誉も金も欲していないところを見ると、
まだ老年ではないのでしょうね。

今回に限らず、いつも難しい言葉がよく出てきていますよ(笑

「しゃくろく」と入力しても、私のPCでは変換されませんが
ゼットキさんのPCはきちんと変換してくれますか?

名節(名誉と節操)とは私も失いたくないものですね。
世の中どうも、節操のない人間が多すぎると思います。
若者だけではなく年配のものでも然りです。
Posted by:まゆみさん at 2015年11月20日(Fri) 22:43