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2017年10月17日
野村監督が教え子のなかから選ぶベストナイン!
さて、今日はワナビのための資料本ではなくて、たまにやる野球関連本のご紹介である。
野球観戦は当ブログの管理人の数少ない趣味なのであるからご勘弁いただきたい。
もっとも極度の運動音痴であるからやるほうはゲーム専門なのであるが。
それで今日ご紹介するのは、
『私の教え子ベストナイン 野村 克也 著』
である。
これは、ノムさんがかつて監督を務めた、南海、ヤクルト、阪神、楽天で指揮を執ったときにいたチームメイトのなかから、50人をノミネートし、そこからさらにベストナイン(投手は先発と救援の両方が選ばれる)を選ぼうという企画の本である。
自分の知ってる選手について野村監督が寸評を加えてくれるというから好きな人にとってはたまらん感じです。
さらに打者の類型とか配給論にも触れられてあり、そこで書いてあることをパワプロやプロスピで実践してみるなどするのもまた楽しからずやというところでもある。
あと、ここは本の主要な部分ではないが、野村さんが評論家や解説者になって、それから監督になるにあたって、伝えることが仕事になるから、本を読んで言葉を増やしたみたいなことが書かれてあった。
監督の仕事は自分の意思を選手に伝達することだみたいにも書かれていた。
結局のとこ、環境の変化に応じて必要な努力や勉強を行い、適応していける人だから成功するんだなとも思った。人間は努力しなけりゃいけませんという教訓的な本でもある。
あとこの本は野村監督の監督生活を通しての話になるから、出てくる選手も古い人が多い。
もちろん一番新しい世代だと田中のマー君もいるのではあるが、だから読者としてはどっちかというと、10代、20代の人よりは、30代以上のヤクルト黄金時代をよく知ってるくらいの年齢の方が読むとより楽しめるように思われる。
まあ中古で1円のもあるし、確保しといて損はないだろう。
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2014年03月17日
設定が変化球なわりに、痛切で美しい恋愛小説
今日紹介するのは 『きらきらひかる』 江國 香織(著) という恋愛小説である。
かなり有名な小説であるから、わざわざ私が紹介するまでもない気がするが、若い人っていうものは、あとからあとからあふれてくるものであって、だから、この小説を知らない人だっていっぱいいるのである。
私がいつのまにかアラサーになってしまうわけである。なんて恐ろしい!
まあ、それはいいとして、この小説は恋愛小説ではあるが、設定がちょっと変化球である。
同性愛者の男と、アルコール依存症気味で情緒不安定な女。
この二人は、それぞれにそのような問題を抱えているにもかかわらず、親の強い勧めで強引にお見合いをセッティングされる。
ふたりは、抱えている問題のせいで、お互いに結婚なんて無理だとおもっていて、結婚する気も無かったので、問題をそれぞれ見合いの相手に暴露する。
だが 『脛に瑕持つ身同士』 だからちょうどいいかもしれない、ということで、互いに秘密を承知の上で、しかし互いの両親にも黙って結婚することにする。
というような設定で、
ふたりはその夫婦関係に、問題はあっても、自分の居場所を見出していく。
けれども、やはり最初から無理がある関係なので、うまくいかない部分がでてきて……。
というような展開になるのである。
夫が同性愛者である夫婦の恋愛小説、ということになるから、普通の恋愛小説のように、性的な関係性は男女の間に薄いのである。
でもそれゆえに、単なる性的・恋愛的な関係をこえた、人が自分の居場所を守ろうとする、その痛切な感情がより浮き彫りになり、心を打つ。
著者ならではの、微視的な、透き通った描写・文章も非常に象徴的な効果を出していて良い。
江國 香織さんの本は、なんかやたら不倫の話とかが出てきて、辟易させるような作品が多いが、この本は貴重な例外のひとつであって、かの人の作品のなかでは最高傑作のひとつだと思う。
一度は読んでおいていい、非常にオススメできる作品である。
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