2014年01月22日
実際に聴ける音楽マンガ
どんな内容の作品にも、その内容を表現するのに適した表現形式、というものがある。
例えば、
登場人物の内心を深く掘り下げていくような内容の作品を作りたいのであれば、もっとも適した表現形式はおそらく『小説』になるだろう。
小説は、ドラマや映画と違って、いわゆるト書き、つまり地の分というものがあるので、それを使って登場人物の内心をねちっこく、微に入り細を穿って書きこむことができるから、そういう作品に適しているのである。
逆にSFや異世界ファンタジーなどの、誰も見たことがないような情景を描写したい場合には、映画や漫画などの絵がある表現形式が良いだろう。だれも見たことがない情景を文章だけで描写するのは、ツラいものがあるからだ。
このように表現する内容によって、それぞれに適した表現形式というものがあるんである。
では、音楽をテーマにした作品には、どのような表現形式がよいだろうか?
普通に考えれば、映画とかテレビドラマとかそういう音が入るものが良いと思うだろう。
それなのに、何故かこの世には、音楽を主要なテーマにした漫画というものが数多く存在するのである。
漫画ってことは、紙に印刷された単なる本であるから、当然、音は出ないんである。
音が出ない媒体で、なぜ音楽をテーマにした作品を書こうとしたのかはよく分からないが、
ともかく、昔はグループサウンズ的なバンドを主人公とした漫画などがたくさんあったのである。
そして、今日紹介するのは 『のだめカンタービレ』 というクラシック音楽をテーマにした漫画である。
しかもこれが面白くって名作であるから困る。
内容としては、
天才的なピアノの才能を持つ女性と、
エリート俺様系天才指揮者兼ピアニスト兼バイオリニストの、
音楽にかける青春と、恋愛模様を描く作品である。
漫画では音が出ないから、これまでの幾多の音楽漫画の例にもれず、主人公たちが音楽を演奏しているシーンは、なんかかっこよさげな絵を連続させることで表現しているわけである。
けれども、この漫画は、今までにあったような架空の楽曲を演奏する架空のバンドを描いた漫画と違って、クラシック音楽が主要テーマなので、オリジナルの曲がしっかり存在しているわけである。
だから、その漫画に出てくる楽曲を集めたCDが、別売で売っているんである。
そのCDを漫画とセットで買って、CDを聞きながら漫画を読めば 『音の出る漫画』 になるわけである。
漫画なのに音が出る!
これは音楽漫画の革命であると個人的には思う。
のだめカンタービレ(1) (講談社コミックスキス (368巻)) 中古価格 |
のだめカンタービレSelection CD Book (KCピース) 中古価格 |
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/2156462
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック