2013年12月14日
ライトな日常系ミステリ
私はあまり、ミステリが好きではない。
なぜかと言えば、
まず、殺人事件というものは、日常生活を普通に暮らしている限り、なかなか出会わないものだ。
それなのに主人公の周囲に、殺人事件が頻発するようなミステリーは数多い。
それに、マンガ家の西原理恵子が、
ミステリとかサスペンスドラマとかでは、意外な人物が犯人だが、現実の事件では、大体は、普段から危ないとされていたやつがそのまま犯人であることがほとんどだ。
みたいなことを何かの本で書いていた。
私もそんな気がする。
悪い人間というのは、急に悪くなるものではないから、普段から悪い傾向を示しているものだし、悪い人間ではないのに犯罪を犯すのであれば、それなりの事情があるはずだ。
だからそういう悪い傾向やら事情やらといったものは、傍からみて明らかであることが多い。
(まあ、冤罪というものがあるくらいだから難しい事件もあるのだろうが)
だから、事件が起こって、探偵がでてきて、いかにも意外な人物が犯人であるようなミステリというのはどうもなんだかしっくりこないのだ。
それで、そういう殺人事件とかが起こるようなミステリは、非現実的に感じられて、ちょっと……という私みたいな人は、いわゆる『日常の謎』系のミステリを読むことになる。
というわけで私は 『日常の謎』系のミステリを書くらしい北村薫さんの作品を読んでみた。
が、あんまりしっくりこなかった。
私が読んだのは女子大生が主人公の作品だったのだが、主人公が年若い設定なのに妙に年寄りくさく、どうも感情移入がしにくかったのだ。
私には合わなかった。
で、なにか良いのないかなあと探していたところに見つけたのが今日紹介する
『春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)』である。
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表紙から見て分かるように、ラノベみたいに軽く読める作品で、よくできた『日常の謎』系ミステリでもある。
主人公その他のキャラクターの造形がよくできており、単なる探偵役というにとどまらない魅力を放っている。
複線も上手に張られているし、ミステリとしてでなくても、単なる青春ものとしても非常に楽しく読める作品に仕上がっている。
だから、ミステリはちょっと苦手という私のようなタイプの方にもとてもオススメできる。
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