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2018年12月27日
新型LS(LS500/LS500h)発売から1年…改良版は進化したのか?
大きな期待をもってデビューしましたが、各メディアではレクサス史上初といっていいほどの酷評で、それは未だに各メーカーのフラッグシップサルーンとの比較レビューで引き合いに出されるほどです・・・(無念)
私は数度の試乗以外乗ったことがないのですが、主に「後席の乗り心地」(居住性含む)や大きな入力があったときの「突き上げ感」、「ロードノイズ」(ランフラットタイヤと足回りのチューニング?)、アイドリングストップからの「再始動の振動」、"マルチステージハイブリッド"の「エンジン無駄吠えや高回転キープの抑制」、サイズ拡大・重量増による「パワー不足」(LS500h)など、1000万超のフラッグシップサルーンとしてかなり課題があると言われています。
・・・とはいえLSには一定の需要があるため「黙っていても売れる!」と思われましたが、流石に「全車ロングボディ化・価格1000万超・V8廃止」ということもあってか、初期オーダーがすべて納車となったと思われる発売から半年後(2018年5月以降)からは、一度もメーカー計画の月販目標台数(月/600台)に届かない事態となっており、非常に厳しい状況となっているようです。
[LS500/LS500h販売動向(発売後1年間)](*台数は概算)
予約受注がはけたあとは見事なまで販売が落ち込んでいます・・・(わずか半年で計画販売台数を割るということはこのクラスの車では、めったにありません)
2019年8月末には1年足らずでの「年次改良」が行われ、特にクレームが多かったと思われるAWDモデルではショックアブソーバーに「伸圧独立オリフィス」を採用することで、減衰力可変幅の拡大や摩擦低減など乗り心地を向上させ、制振剤の追加なども行われていることがアナウンスされています。これからも、当初発売モデルはチューニング・煮詰めが不十分であったと言えそうです。
https://lexus.jp/pressrelease/news/20180830.html
さて、「ベストカー」最新号(2019年1月26日号)では、年次改良を受けたLS500(ツインターボ)モデルとメルセデス・ベンツSクラス(S400)の乗り比べを、ミスターGT−Rこと、名エンジニアの水野和敏氏が行っているのですが、そこでの新型LS(2019年モデル)の評価はなかなかのもので、「わずか1年足らずでこの改良は見事」というものでした。(詳しくは記事を御覧ください)
水野氏は一般的なモータージャーナリストと違い、フィーリングやカタログスペックでレビューするのではなく、実際に「ここをこうすればもっと良くなる」という具体例を交えてインプレッションされているのが説得力あります。
ベストカー 2019年1月26日号[本/雑誌] (雑誌) / 講談社 価格:420円 |
試乗レポートはFRモデルのLS500ですので、ニュースリリースでは公表されていませんが、AWDモデルだけでなく、FRモデルにおいてもステアリングやブッシュ類のチューニングを始め、後席シートのクッションなどにも改良が行われているようで、発売直後のモデルに比べると商品力は大きく上がっているようです。
残念ながら、現在の新型LS(LS500/LS500h)は発売当初のイメージが未だに残っており、その評判も、販売台数からも「失敗」という存在になっているように思います。(カーオブザイヤーでもあっさりと予選落ち・・・。)
しかし、大切なのは、たゆまぬ進化・改良を続けることと思います。
世界と戦えるラグジュアリーセダンは日本車ではもはやレクサスLSしか存在しない状態ですので、年次改良で着実に進化したのであれば、モータージャーナリストはしっかりとその事実を伝えて欲しいですし、メーカーも販売店もその魅力が広く伝わるようにしていかないと・・・
また、チューニングで変更できるものについては、オンラインアップデートでの対応や、有償でのパーツ交換で既存オーナーへのアップグレードが行われるのが理想ですが・・・次期「コネクテッドカー」ではそのような点も力を入れてほしいと思います。
乗り心地や快適性は「ESがベスト」といつまでも言わせてはならないと思います。