12月8日は
太平洋戦争を有利に戦うために米国の艦隊を使用不能にする必要があり周到に準備された。真珠湾は水深12mほどで航空機からの雷撃は困難だったが山本五十六は魚雷攻撃にこだわっていた。
12月7日午前5時ハワイ北方400Kmに接近した日本海軍部隊は6隻の空母から第一次攻撃隊・第二次攻撃隊合計350機が発進した。7時50分第一次攻撃隊が真珠湾上空に到達し、攻撃隊総指揮官の淵田中佐が「全軍突撃」を指示した。上空に米戦闘機は無く淵田中佐は旗艦赤城に「トラ・トラ・トラ」を打電した。これは「ワレ奇襲ニ成功セリ」の意味だった。
午前8時50分第二次攻撃隊が「全軍突撃」を行った。漸く米軍の対空砲火や迎撃が始まった。午後1時頃、攻撃隊は順次空母に帰還し日本海軍部隊は戦闘終了し帰途についた。ホノルルの燃料タンクや工場施設などが残っていたが第三次攻撃は行われなかった。
この奇襲攻撃によりネバダ・アリゾナなど戦艦5隻沈没、戦艦3隻大破、巡洋艦など多数に打撃を与えた。また航空機は300機以上を破壊した。しかし工場施設などに被害がなかったので復旧が早く戦艦3隻や他の艦船の引き上げ修理が始まりやがて復帰する。
山本五十六の誤算は重要目標の正規空母2隻が真珠湾に居なかったことだった。たまたま外洋に訓練に出ていた。この空母2隻レキシントン・エンタープライズは後にミッドウエイで日本軍に大打撃を与える。
また真珠湾攻撃には特殊潜行艇5隻も参加している。
野村大使と来栖大使が最後通牒の作業に手間取り、ハル国務長官に手渡したのが攻撃開始から約1時間後になってしまった。このために「だまし討ち」と言われた。
映画「トラ・トラ・トラ」は史実にかなり近いし日米の状況をフェアに制作しているところが良い。この映画の優れた点は撮影に当時の実際の軍用機(米国製)を多数使っていることだ。日本軍の軍用機に似せて改造したが実物は迫力がある。古い機を操縦したパイロットの技量もなかなかだ。現在のコンピューター画像とは問題にならない。
空母赤城と戦艦長門の撮影は巨大なセットが福岡県の芦屋町に作られた。飛行機の発着艦のシーンは米空母レキシントンが使われた。明け方に空母から発進する攻撃機のシーンや真珠湾に向かう飛行編隊も実にいい。田村正和の淵田中佐良いです。大物俳優が揃っているが山村聰の山本五十六、島田正吾の野村駐米大使、ジョージ・マクレディのハル国務長官、どれも渋い。戦争映画ではお気に入りNo,1。
聞いた話:
この真珠湾攻撃に空母飛竜の艦上攻撃機のパイロットだった方の話を聞いています。真珠湾上空を2回旋回して目標と攻撃位置を確認し編隊で降下した。眼下には大型戦艦がズラリと並んでいた。
息苦しいほど緊張したが敵の迎撃が無いので落ち着いて戦艦○○に直角に進入した。先頭の機に続いて高度3mくらいで魚雷を放した。操縦かんを引き機体を起こし艦橋をかすめるように抜けた。その後爆発音と水柱が上がった。「やったやった」と感激で涙が出た。
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