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2017年12月25日

アガサ・クリスティーとメリークリスマス!(番外編)



アガサ・クリスティーとメリークリスマス!(番外編)


IMG_6952.JPG


メリークリスマス!

今日はクリスマスです。

アガサ・クリスティのミス・マープル編はクリスマス休暇で少しお休みしました。



このミステリーツアーも書かせて頂いて、かなり時間が経ちました。
色々な分野の作品の中にある、本箱の中にあるミステリーを描くつもりで、まずはミステリーそのもの、ミステリーの女王・アガサ・クリスティからスタートしたのですが・・・作品数も多く、まだまだアガサ・クリスティは続きます。
もちろん、アガサ・クリスティの後も本箱の中にあるミステリーということで、古今東西・作品の分野を問わず、書き続けていこうと思っています。



アガサ・クリスティ(1890〜1976)は晩年、毎年12月あたりに新作を発表していました。
当時の書店でも目にした方もおられると思いますが、「クリスマスにクリスティを」という出版社が考えたコピーが大々的に店頭に掲げられていました。



アガサ・クリスティ自身も(ポアロのクリスマス)という題名の推理小説も出しています。
また(クリスマス・プディングの冒険)という題名の短編集もあります。
これらの本についてもおいおいご紹介する予定です。



【ベツレヘムの星】

アガサ・クリスティはミステリーの女王として有名な作家ですが、実は別の作家としての顔も持っていました。
数多くの推理ミステリー小説を執筆する一方で、聖書を題材とした物語や詩を集めたクリスマスブックを書きました。

それが【ベツレヘムの星】です。

ベツレヘムの星とは・・・かのイエス・キリストが生まれるとき、天空の星が東方の三博士(もしくは三賢者、三賢王とも言われている)をメシア誕生の元に導いて行きます。
この神兆でもある聖なる星を(ベツレヘムの星)とよび、クリスマスツリーにもてっぺんに星を飾っています。

確かに(ベツレヘムの星)も宇宙レベルでのミステリーといえば、大ミステリーです。

私自身は、ミステリーの女王であるアガサ・クリスティもスキャンダラスな突然の失踪事件を起こしたアガサ・クリスティも清らかなスピリットで物を書こうとしたアガサ・クリスティも・・・とても人間らしい人であったのだろうなぁと思っています。

聖なる夜の神兆であった星・救い主への羅針盤である(ベツレヘムの星)を題材に選んだのも彼女らしい選択なのだと思いました。


楽しく華やかでにぎやかに過ごすクリスマスも素敵ですが、いろいろな思いをはせながらクリスマスの聖なる夜を厳かに過ごすのも本来のキリスト生誕祝いに近いのかも知れないとふと感じています。



(次号に続く)






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2017年08月07日

アガサ・クリスティから (144) (ミス・マープルと十三の謎*動機 対 機会【10】)







(ミス・マープルと十三の謎*動機 対 機会【10】)







・・・姪と甥のそれぞれに五千ポンドずつ与える。そして、残りの巨額の財産は全部ユーリディシー・スプラッグへ感謝と敬愛の印に残す・・・





ペザリックは正直困ったが、仕方なかった。





病的精神だから無効ということもありえない。
サーモン・クロードは正気だった。




〜〜〜〜〜




サイモンはベルを鳴らして、二人の召使を呼んだ。
二人はすぐにやって来た。

エマ・ゴーント・・・長年、この屋敷に仕え、クロード・サイモンを献身的に看護してきた背の高い中年女性。
ルシー・ディヴィッド・・・健康そうな太った30歳ぐらいの女性料理人。



二人を見つめた後、サイモン・クロードは二人に言った。




「お前たちに遺言の証人になってほしいのだ。エマ、わしの万年筆を持って来てくれ。」




エマは素直に机のところに行った。




すると寝たきりのもどかしさか、老人はじりじりといらついて言った。
「左の引き出しじゃないよ、おい、右の引き出しにあることを知らないのか?」




「いいえ、左の方にございますよ、だんな様。」とエマは万年筆を差し出した。




「そんならお前がこの前まちがって入れたんだな。」

老人はぶつぶつ言い始めた。




「決まった場所に物をしまっておかないというのに、わしは我慢がならないんだ。」





まだ、老人の小言は続いていた。サイモンにはそういうところがあったのだ。





やっとサイモンは万年筆を取り上げ、新しい紙に、私が修正をした下書きを清書し、それから彼の名前を署名した。
続いて、召使二人、エマと料理人も署名をした。




急を要した場合だったので普通の紙に書かれた遺言書だったが、弁護士であるペザリックはその用紙を丁寧に青い封筒に入れた。




召使たちが部屋を引き上げようとした時、サイモンは顔を引きつらせて喘ぎながら、枕に身を埋めた。
慌てて、弁護士は身をかがんで彼を見守った。
エマ・ゴーントも慌てて戻って来た。




しかし、老人は身体を立て直すと弱々しく微笑んだ。




「大丈夫だよ、ペザリック。驚くことはありませんよ。ともかく、やるべきことをやってしまったのだから、これでもう安心して死ぬことが出来ますわい。」





エマ・ゴーントは部屋を出て行っていいのかどうか、気づかわしそうにこちらを見た。
弁護士は安心させるようにうなづくと部屋を後にしようとしたが・・・先刻、慌てていた時に、弁護士が床に落としてしまった青い封筒をまず拾い上げた。





エマはその青い封筒を弁護士に手渡し、弁護士が外套のポケットにしまうのを見て、エマ・ゴーントは部屋を退出した。




サイモン・クロードは弁護士に「あなたは不愉快に思っているでしょうな、ペザリック。」と言った。
そこにはスプラッグ夫人に対する偏見もあるのだと・・・。





「偏見を持つとか持たないとかいう問題じゃありませんよ。スプラッグ夫人にわずかな感謝の印を残すことにはついては私も少したりとも反対はしませんよ。しかし、ざっくばらんに言うと、クロードさん、赤の他人の為に血肉を分けた身内の方達に遺産を残さないというのは間違っていますな。」






(次号に続く)






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2017年04月18日

アガサ・クリスティから (128) (ミス・マープルと十三の謎*血に染まった敷石【12】)







(ミス・マープルと十三の謎*血に染まった敷石【12】)





「ではこの物語の結末をお話しいたしますわ。」と、ジョイスが話をつづけた。







ジョイスの話はそれから約1年後から始まった・・・。






ジョイスは、それから1年ぐらい経って、今度は東海岸の小さな避暑地に行った。
もちろん、スケッチをしに・・・そこで、ああ、前にこれと同じことが起こったはずだ・・・と奇妙な感覚にふと襲われた・・・。






ジョイスの目の前の歩道に男と女が立っていて、一人の女に挨拶をしていた。






挨拶されている女は真っ赤なポインセチヤの柄の更紗の服を着ていた。

「キャロル、これはこれは、ずいぶん久しぶり!こんな時に君に会うなんて。そうそう僕の家内はまだ知らないね?ジョーン、これは僕の古い友達でね、ミス・ハーディングだ。」






ジョイスはその男がすぐに誰だかわかった・・・紛れもなくラソールで見たあのデニスだった。
奥さんはラソールの時とは、違っていた・・・マージェリーではなくジョーンになっていた・・・。
でも同じように、若くて目立たなくて、やぼったいタイプだった。
あまり人が注意をして見ることがないような・・・。






何かが変だと思った・・・。
そして三人は海水浴の話を始めだした。






ジョイスにはこれは大問題に思えた・・・あきらかに問題があるのだ!






そして、慌てて警察に駆けこんだのだった。






(次号に続く)




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2017年03月15日

アガサ・クリスティから (104) (ミス・マープルと十三の謎*金塊F)







(ミス・マープルと十三の謎*金塊F)






「この海岸の住人は妙な連中たちでね。」
彼は考え込みながら言った。






「密輸と難破船略奪が親譲りで染み込んでいるんだな。船がこの海岸で沈むと、どうしても、自分たちのふところをこやす正当なもうけ口として考えてしまうようだ。」

そうして、彼はぜひ会わせたい人物がいると、ニューマンは言った。
その人物は面白い遺物だと言うことだった。






次の日、晴れてすがすがしい夜明け・・・レイモンドはポルぺランに連れていかれた。
そこで、ニューマンがやとっている潜水夫に引き合わされました。

無表情な、ごく無口な男・・・ああ、もしくは、いや、ばかりしか言わなかった。






彼は専門的な事柄をニューマンと少しやり取りしたあと、レイモンドも入れた3人で(三錨亭=スリー・アンカース)という酒場に席を移した。






ビールが入ると、無口な潜水夫の口がやや、ゆるんだ。

「ロンドンの探偵のおっさんがやって来た・・・去年の11月にここで沈んだあの船はおそろしくでっかい金塊をつんでいたっていうぜ。だがな、その船が初めて沈んだ船じゃあるめえし、それがまた終わりでもねえからな。」







「ヒヤ、ヒヤ、お前の言う通りだ、ビル・ヒギンス。」とスリー・アンカースの亭主があいづちを打った。






「おらあ、本気で思っているんだ、ケルヴィンさん。」とヒンギスが言う。






レイモンドは好奇な目でこの店の亭主を見た・・・髪の毛が黒く、日に焼け、肩幅が妙に広く、目は血走っている男・・・誰でもはっとするような風貌、また人の目を盗むような変にこそこそした様子があった。






この男こそが、ニューマンが面白い遺物だといった当本人ではないのだろうか?とレイモンドは思った。






お店の亭主・ケルヴィンはあらあらしく言った。

「この海岸をよそ者に荒らされるのは御免こうむりてえな。」







「警察のことかね?」
ニューマンは微笑みながら聞いた。







「おまわりと・・・それから他のやつもでさ。忘れねえでくだせえよ、旦那。」
ケルヴィンは意味ありげに言い放った・・・。






〜〜〜





「まるで脅迫されているみたいに聞こえたよ、ニューマン。」

屋敷の方へ丘を上っていくときにレイモンドは言った。







友人はレイモンドに考えすぎだと、笑い飛ばしたのだった。






(次号に続く)




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2016年09月29日

アガサ・クリスティから (69) (作者アガサ・クリスティ自身のミステリー*失跡事件その13)




アガサ・クリスティから (69)
(作者アガサ・クリスティ自身のミステリー*失跡事件その13)





1926年・・・アガサ・クリスティは、世間を席巻することになる。



●ひとつは、新進推理小説家アガサ・クリスティが出版した「アクロイド殺害事件」。

この話題作の奇抜なトリックと意外な犯人をめぐって、他の推理小説家を巻き込んだミステリー・ファン間で、フェアか?アンフェアか?の大論争を起こす。



●それ以上に世間を驚かせたのは、前述してきた・・・アガサ・クリスティの謎の失踪事件である。

こちらは推理小説というフィクションのお話ではなく、現実に生身のアガサ・クリスティが起こした失踪事件である。
実際、警察の大捜査や新聞などマスコミや世間を巻き込んでの大騒ぎとなった失踪事件である。




・・・・・不思議な失踪事件の謎と共に大きな関心を集めたまま、11日後、あっけなく事件は幕切れになる。





有名な温泉地のホテルで、夫の愛人姓を名乗るアガサ・クリスティは発見され、夫と共に自宅に戻ることになる。
騒がしい世間に対して、夫からは精神科医の【記憶喪失症】という診断書を提示する。




その後、生涯通じて、アガサはこの件を自ら語ることはなかった。




1928年、アガサ・クリスティは夫アーチボルト・クリスティと離婚する。

かねてから噂されていた(アガサ失踪事件の原因と言われていた)夫の愛人ナンシー・ニールは、アーチボルト・クリスティと再婚。




因みに彼女も1930年、中東に旅行した際、14歳年下考古学者マックス・マーロンと出会い、再婚する。




●こうして彼女の謎の失踪事件(Agatha Eleven Missing)は、いくたの謎を残したまま、終結していったのである。




以下は、彼女の失踪事件・・・謎のままのアガサ・クリスティの失踪事件について触れている作品群の一部である。(参考参照。)



〜〜〜〜〜〜



「アガサ 愛の失踪事件」・・・ 原題【Agatha】
(1979年、イギリス・アメリカ合作映画)

1926年12月に起きた推理ミステリー作家アガサ・クリスティの失踪事件を題材にしたこの映画は、事実をモデルにしながら、独自の見解も盛り込んだフィクションである。


(主な出演者)

アガサ・クリスティ・・・・・・・・・・ヴァネッサ・レッドグレーブ

夫:アーチボルト・クリスティ・・・・・ティモシー・ダルトン

アメリカ人ジャーナリスト・・・・・・・ダスティン・ホフマン



〜〜〜〜〜〜



●All About Agatha Christie
・・・・・・・・外部リンク(http://www.all-about-agatha-christie.com/)

●Agatha Christie:The Official Online Home
・・・・・・・・外部リンク(http://www.agathachristie.com/)

●アガサ・クリスティ日本オフィシャルサイト
・・・・・・・・外部リンク(http://www.hayakawa-online.co.jp/christie/)




●(河出書房新社)
・・・・・・・・「世界史 ミステリー事件の真実」

●ジャネット・モーガン著
・・・・・・・・「アガサ・クリスティの生涯(上・下)」

●井出 守著
・・・・・・・・「迷宮入り事件の謎」

●コリン・ウィルソン著
・・・・・・・・「世界不思議百科」

●ジャレッド・ケイド著
・・・・・・・・「なぜアガサ・クリスティは失踪したのか?」

●乾信一郎訳
・・・・・・・・「アガサ・クリスティ自伝(上・下)」

●(PHP文庫)
・・・・・・・・世界博学倶楽部「世界史迷宮入り事件ファイル」

・・・・・・・・「世界の未解決事件53」


【その他・・・・・多数の外部リンクや書籍有り。】






(次号に続く)



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2016年09月04日

アガサ・クリスティから (64) (作者アガサ・クリスティ自身のミステリー*失跡事件その8)





(作者アガサ・クリスティ自身のミステリー*失跡事件その8)





世間を騒がせていたアガサ・クリスティの失踪事件は、11日間で幕を閉じた。



アガサ・クリスティが別人の名前(テレサ・ニールという夫の愛人の姓を名乗っていた。)を使用し、滞在していたホテルで発見されるまでの間、センセーショナルな報道により、彼女および家族のプライベートな部分も流出していた。



最愛の母の死。夫の浮気・・・・・そして現在、離婚協議中であることも・・・・・。



もちろん、世間は夫に疑惑の目を向けたのだった。
アガサがいなくなると、一番得をするのは夫であるアーチボルト・クリスティ大佐であった。



愛人と一緒になるために邪魔になるアガサを亡き者にしようとしたのではないか?という悪意ある憶測も乱れ飛んだ。



そんな状態に夫は、完璧なアリバイを提示したうえで、【アガサの失踪に関して有力な情報を提供してくれた方には500ポンド(当時のレートから換算すると現在の約200万円)の謝礼を払います。】と新聞広告を載せたのである。


街には懸賞金目当てで、謎を探す人たちが集まっていた。
一説によると、一攫千金=懸賞金目当ての人達は、約15,000人程も集まったとのこと。



また有名な推理小説作家コナン・ドイル(あのシャーロック・ホームズの産みの親)などにも捜査を協力していたほどであった。

当時、オカルトに凝っていたコナン・ドイルは、霊媒師の元にアガサが使用していた手袋を手渡し、謎を解明しようとしていたとも言われている。




大騒動の末にあっけない幕切れ・・・
しかし、当時も今も、真相に謎が残ったままである。

またアガサ・クリスティ自身、当時もその後も、亡くなるまで失踪事件について、詳細を言及しないままであった。



それゆえに、”謎”は謎のまま、解明されずに眠ったままになったのである。



真贋ないまぜになった、その混沌とした中で、彼女の謎の失踪事件について前述(アガサ・クリスティから(63) 作者アガサ・クリスティ自身のミステリー*失踪事件その7を参照。)したようにいくつかの仮説や憶測がたてられた。

代表的なものを当時の記録などを元にいくつか検証していきたいと思う。



@記憶喪失説
・・・・・確かに当時のアガサ・クリスティに係るストレスは、相当ひどいものであったに違いない。

◎推理小説家としては、有名な「アクロイド殺害事件」における前代未聞のトリック、それを支えたプロット、意外な真犯人などが、他の推理小説家やミステリーファンまでも巻き込んだ❝フェア❞か?❝アンフェア❞か?の大論争。
今までにない注目を浴びたのも事実ではあるが、一方で、今までに味わったことがない過度のストレスはあったに違いない。


◎最愛なる母との死別。
この件だけでも、最大ストレスがかかっている。


◎夫の浮気のみならず、離婚を要求されてもいた。
ストレスは最大限まで、彼女を深刻な悩みに追いやっていた・・・。


ひとつでもストレス指数はかなり高いものをいくつも抱え、彼女は限界に近く、不眠や食欲不振にさいなまれ、精神的にかなり危うい状態だったとされる・・・・・。


極度のストレスによる記憶喪失と、我を忘れるヒステリー状態が原因と言えなくもない。



草むらから見つかったアガサの車・・・自動車事故による強い脳震盪などが原因の記憶喪失もあげられていた。



実際、アガサが発見された後、引き取った夫は、精神科医の【記憶喪失】という診断書を提出している。



しかし、当時も今も世間はこの診断に納得せず、疑問を抱く者もいた。



〜〜記憶喪失とは符号しない事実〜〜

アガサは失踪当時、カーディガン・ニットのスカート・ベロアの帽子といった普段着で、数ポンドの現金しか持っていなかったはずだが・・・発見された時のアガサは高価な流行服で身を着飾り、300ポンドもの大金を所持していた。


失踪した日は12月3日(金曜日の夜)

翌日4日(土曜日)の朝8時過ぎには、サリー州郊外で、道路脇斜面を滑り落ちて、ライトがついたままの状態のアガサの車が草むらで発見された。
車にアガサ自身はおらず、スーツケースや彼女の免許証など、いくつかのものが残されていたのである。

それゆえに事件性がある失踪事件として、大規模な捜査も行われたのである。


しかしながら、失踪翌日(12月4日の午前3時〜8時までの間)に彼女は、夫アーチボルトの弟キャンベル宛てに手紙を出したことが、後に判明している。
キャンベルには、 アガサの行き先ハロゲート・ハイドロパシックホテルであることを示唆する文面があったとも言われている。


また失踪翌日4日朝、彼女はハロッズ百貨店にダイヤモンド指輪の修理を依頼して、7日にヨークシャーで受け取っているのだ。



失踪翌日4日といえば、アガサの車が自宅から離れた所の草むらで発見され、事件性がある失踪事件としてサリー州警察本部にも連絡が行き、翌5日からの大捜査に繋がった日でもある。



ハロゲート・ハイドロパシックホテルの給仕長が、アガサの失踪事件を新聞報道で知り、テレサ・ニールという滞在客が失踪した女流作家にそっくりであると警察に通報。


それを受けた警察は数日に渡り、ひそかに調査していた。


その時に判明したことが、2つあった。

ひとつは、夫の愛人の名前はナンシー・ニールであり、滞在客のテレサは、愛人の姓ニールを名乗っていた。

もうひとつは、【最近、アフリカから戻ったテレサ・ニールの所在を知っている方はご一報を。EC4タイムズ社私書箱R702】という奇妙な広告をタイムズ紙に掲載していることが分かったのであった。
(これについては、後述したいと思うが、彼女の作品「予告殺人」に新聞広告をアリバイ工作に使っていたことを彷彿させるような事柄でもある。もちろん、目的や動機は全く異なるのではあるが、新聞広告という手段は同じである。)



警察や新聞社、世間を巻き込んでの大捜査の間、本人であるアガサは高価な流行服に身を包んで、夫の愛人の姓を名乗って、ハロゲート・ハイドロパシックホテルに滞在し、他の滞在客とダンスや散歩を楽しみ、優雅に過ごしていたという。

また失踪翌日の居場所を示唆するような夫の弟への手紙投函と、ダイヤモンドリングの修理をハロッズ百貨店に依頼するなど、本当の記憶喪失者ならば腑に落ちない事柄が多い。


〜〜真相は藪の中である〜〜


その他の説

A計画説

B共犯との復讐説

C売名行為説


●風変わりなものでは、Dトリック実験説なるものもあった。

彼女の書いている作品の中に使用するトリックの実験を行っているのではないか?という推測であった。



また次号では、A計画説・以降の説を取り上げていく予定です。

(次号に続く)

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2016年09月01日

アガサ・クリスティから (63) (作者アガサ・クリスティ自身のミステリー*失跡事件その7)




(作者アガサ・クリスティ自身のミステリー*失跡事件その7)





アガサ・クリスティの失踪事件は、11日間で、あっけなく終わった。



しかしその真相は、アガサ・クリスティ没後の今日も謎を残したままである・・・・・様々な人達が、その謎について自分なりの考えをはりめぐらせてもいる状態。
その中で大きく分けるといくつかの仮説が浮かび上がってくるのである。



●1926年・・・アガサ・クリスティにとっては大きな出来事が、いくつも重なった年であった。

◎数々の出版社で不採用になったのち、ようやく作家デビューが出来たアガサ・クリスティは、この年に【アクロイド殺害事件】を発表。
今までにないプロット・・・大胆なトリックと意外な真犯人・・・この話題作をめぐって、同業の推理小説作家やミステリーファンまで巻き込んだ推理について大論争が起き、一躍有名になった。

◎最愛の母を亡くす。

◎そして、この年にアガサ・クリスティは、謎の失踪事件を起こすのである。




この年については、彼女にとって、とてつもない大きなストレスが掛かっていたことは間違いないようなのである。

ストレスとは・・・・・いいことも悪いことも含め、自身に大きな変化があるときに本人にかかってくる心理的負荷とも言える。

◎確かに推理小説家としてのトリックについて、フェアかアンフェアかの大論争&注目度。

◎母の死における喪失感。(彼女は母の独特の信念で、幼少期に学校教育を受けず、母からの教育を受けていた位に他の人以上に母との関係は濃密であった。)

◎そして引き金になったに違いないとも言われている夫婦仲・・・・・夫アーチボルト・クリスティには、当時、ナンシー・ニールという愛人がおり、アガサ・クリスティと別れたがっていたとも言われている。


さしずめ、ストレス指数はMax(マックス=最大)であったに違いない・・・・・。




アガサ・クリスティは11日間の謎の失踪事件を起こした後、ヨークシャーのハロゲート・ハイドロパシック・ホテルから、それらしき人物がいるとの情報を得て、夫が確認後、引き取られ自宅に戻っていた。
もちろん、世間を騒がせていた失踪事件について、報道陣も黙っていなかった。
一体、どういうことなのか?説明すべきではないのかという圧力もあった。
夫は、黙秘は長く続けることは出来なかった。

記者団の代表者1名に声明を発表した。

「彼女は完全に記憶を失っており、自分が誰かも分からない状態で・・・・・夫である私のことも分からない状態ですし、何故ハロゲートにいたのか?ということすら分かっていないのです・・・・・。」




アーチボルト・クリスティが裏付けとして、精神科医の「記憶喪失」という診断書を提示するも、失踪事件に沸いていた大衆もマスコミ陣も簡単に納得はしてくれなかった。

幕引きを願った夫婦の願いとは裏腹にマスコミによる執拗な追及は続いた・・・・・心無い非難やジョーク、あまり良くない憶測の数々、悪しき噂たち・・・・・この時の経験が、アガサ・クリスティのマスコミ嫌いを加速させ、晩年まで苦手であったとされる。



何より発見されたアガサ・クリスティがホテル滞在中に名乗っていた(テレサ・ニール)という名前が、夫の愛人である(ナンシー・ニール)を彷彿させるものであっただけに 憶測は絶えることがなかった。





いくつかある憶測また仮説とは・・・

●記憶喪失説・・・・・・・文字通り、記憶喪失による説。

●計画説・・・・・・・・・夫をこらしめるために計画し実行したが、騒ぎが大きくなってしまった説。

●共犯との復讐説・・・・・愛人のいる夫に対する復讐を兼ねた当てつけを親しかった義妹と企てたという説。

●売名行為説・・・・・・・アガサ・クリスティの内気な性質から、もっとも考えにくい説であるとされている。




次号は上記の説を少し掘り下げてみたいと思う。




(次号に続く)

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2016年08月20日

アガサ・クリスティから (60) (作者アガサ・クリスティ自身のミステリー*失跡事件その4)





(作者アガサ・クリスティ自身のミステリー*失跡事件その4)



マスコミの報道は過熱した。
新進気鋭の女流推理小説家がある日、突然、行方不明になってしまったのである。
・・・・・捜査と同時進行にアガサ・クリスティの家族を含むプライベートの繊細な問題が明るみに出ることになってしまった・・・・・。

失踪・・・・・その背後に夫の浮気が浮き彫りになり、このスキャンダルの矛先は、当然、夫アーチボルト・クリスティに向けられた。
最初は沈黙を保っていた夫も釈明せざる得ない状況に追い込まれていた・・・・・妻殺しの嫌疑が掛かっていたのだ。
夫は、マスコミのインタービューに対して、自分の見解を述べる。
「妻の失踪は、妻自身の意志によるものだと思う。」



しかし夫自身は、その要因であると思われる自身の浮気問題を口をつぐんだままだったので、却って疑惑の目を向けられることとなる。


記者たちの執拗な取材により、ついに彼がひた隠しにしていた名前が世間に出ることになる。
浮気相手のナンシー・ニールの名前が新聞に掲載されたのである。





(次号に続く)

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2016年05月28日

アガサ・クリスティから (49) (茶色の服を来た男*その28*佳境に入る前の番外編)




(茶色の服を来た男*その28*佳境に入る前の番外編)



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このブログ【my本箱*ミステリーツアー】、(アガサ・クリスティから)を書かせて頂いて、もう49回目になりました。

最初の頃は、アガサ・クリスティの主だった推理小説を各題材に応じて数回掛けて書いていたのですが、今回の(茶色の服を来た男)は、かなりゆっくりと取り上げさせて頂きました。
作品のニュアンスなど、はや足では分からない部分も取り上げたかったのです。

(茶色の服を着た男)は彼女の初期に作られた作品でもあり、また最初に取り上げていた本格ミステリーものとも、少し毛色が違っています。

どちらかと言うと冒険活劇と恋愛を絡めた物語で、若い女性がワクワクしそうなスパイ小説風という感じです。

本編を最後まで読んで頂くと分かるのですが、実はシンデレラ物語もこっそり織り込まれていたりします。

いつもは「イケメンで、出来る男性嫌い」のアガサ・クリスティには珍しく、素直に格好の良い若い男性とのハッピーエンドも用意されています。

若い女性に人気があり、中には幾度と繰り返し読まれる作品であることは、上記からも一目瞭然です。



また(茶色の服を着た男)は人気ある娯楽色の強い冒険活劇風のみならず、実はあの「アクロイド殺害事件」に使われた、推理小説界を揺るがしたほどのトリックが先駆的に用いられてもいるのです。
(詳細はアクロイド殺害事件→このブログのアガサ・クリスティからBとCを参照。)
ネタばれになるので、トリックの内容はアクロイド殺害事件と、この茶色の服を着た男の各本文を参照なのですが・・・。

クリスティの中では、早くから、話題騒然のこのトリックを編み出していたことが分かります。





今回は初めて、物語をゆるやかな取り上げ方にしたのですが、(茶色の服を来た男)もまだ途中の番外編ながらも28回まで来ました。





もちろん、まだお話は続くのですが・・・実は、迷いが少し生じたので、この番外編を設けました。





私自身は、ミステリー作品の醍醐味である犯人を今まではあえて伏せて来ました。

しかし、今回の取り上げ方で回数を重ねて行くと、もう少しで、犯人=謎の国際犯罪組織のボスである”大佐”が堂々と登場してしまうのです。



image.jpeg




書いていくうちに犯人が、堂々と登場してしまうと、今までとは全く違う「しゅうし替え」になります。



まだまだ伏せておきたいところなのですが、ストーリー上、避けることが出来ない犯人の登場をどうしようか?と迷っていました。


・・・迷った挙句、変則的なのですが、犯人の犯罪組織のボスをあえて名前を記さずに”彼”とだけ明記することにしました。



image.jpeg



しかし前後の文章を読んで頂くと、”彼”以外は全員実名で出てくるのですぐに犯人が分かるのですが、ギリギリラインで行こうと思います。



犯人を書いたも同然、しかし実名ではなく、”彼”表記。
つまり、書いたも同然ながら、書いてないのも同然に・・・。



image.jpeg






苦しい言い訳をしつつ、佳境に入りたいと思いますので、よろしくお願い致します。



(次回に続く)



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