1.はじめに
裏面のトップ1行目に「総合消費料金未納分訴訟最終通知書」と書かれた上記のようなハガキが届いた,見るからに怪しげなハガキなんだが,読むと記載の電話番号に連絡してすぐに対応しないと,裁判所から呼び出し受けたり,無視すると給料や財産差し押さえになりますとか書いて有る,なにそれ?
2.そもそも総合消費料金未納分訴訟ってなに?
総合消費料金ってのが何を意味してるのかわからない上に,その未納分訴訟ってのが益々意味不明,逆に具体的に書いてしまうと,相手がそんなもの消費してないとか間違いだと気づくから,あえてわけのわからない,あなたが消費したけど料金未納のものですよと曖昧な表現にしてるんだろうか
3.総合消費料金未納分訴訟最終通知書のハガキが精度向上
この手の詐欺メールとか詐欺ハガキは,以前からあるんだが,フォントがなんか変だったり,いかにも日本語が不自由な方が翻訳ソフト使って書いたような,絶対日本人なら間違わない言い回しや,誤変換や,変な改行や段組があったりとかが普通だった
ただ,最近はそういう点はだいぶ改良されてるからタチが悪い,上に掲載したハガキにしたってほぼ日本語としては完璧だと言っていいだろう,段落先頭の頭を1文字明ければさらに完成度は高いと思うが,まあ頭1個空けは,横書きの場合は好みもあるみたいだから間違いとは言えないが
4.総合消費料金未納分訴訟最終通知書は役所の文書ではない
それよりなにより,この文章は相手方に送る公文書としての体裁を有してない,そもそも公的機関が個人に文書でもなんでも送る場合は,様式ってものがあって,それに従って文書が作成される,こんな1行目に「総合消費料金未納分訴訟最終通知書」なんて書く様式はあり得ない
お役所の文書は必ず文書1行目の右端に日付が入る,次の段落は相手の名称,その次の段落は文書の差し出し元の機関名と部署名,さらにその下に2〜3行空けた中央に文書名とその後ろに括弧書きで,通知,送付,依頼,報告,回答などと,その文書の性質を現す語句を入れる
このハガキをよくよく見るとトップに「通知」の文字が有り,次の段落で「報告」しますの文字が有り,さらにその下の内容は「通知」に戻って,最後の方はお願いの「依頼」になってる,これは公的機関が外部に送る文書としては完璧に破綻してて,文書の体を為してない
まだほかにも,日本語としてはおかしくないが,公的機関が書いてる文書としては,表現とか言葉の使い方なんかが,ちょっとおかしい点があるんだが,ここであまり細かなこと書いちゃうと,この手の悪いことやってる方々への情報提供になるので,ここらで止めとく
5.総合消費料金未納分訴訟最終通知書で検索
ネットで検索すると,法務省のホームぺージなどがヒットして,こういう内容のハガキ等は無視しなさいとか注意喚起がなされている,また「法務省管轄支局 民事訴訟管理センター」とか「法務省管轄支局 訟務管理事務局センター」などと法務省は一切関係ないって書いて有る
電話番号の「03-6384-4253」と「03-6384-4253」には電話しないようにとの記載もある,今回我が家に来たハガキは,連絡先から「法務省〜」の部分は削除されて,単に「民事訴訟管理センター」だけ,電話番号も上記の2つではなく「03-6741-7354」と変わってる,敵もさる者である
しかし次々にいろいろ考えつくものである,このハガキによる詐欺,以前「お役所がこんな重要な個人情報が丸見えのハガキを送るとかあり得ない」とかの指摘を見たことがあるんだが,今回私に来たハガキは,ご丁寧に裏面は情報保護シール付きだからね(下の写真),ちゃんと対処してる
6.総合消費料金未納分訴訟最終通知書の日付けがスゴイ
ハガキの消印は2月14日の午前,私がポストから取り出して目にしたのが2月15日の午後7時,ハガキには最終期日が2月16日(金)と記載されてる,つまり猶予は1日しかない,これで受信者を「とにかく急いで連絡しないとヤバイ!」と焦らして,混乱状況におとしいれるわけだ
なかなかよく考えられてるし,うまいことやるモンだとは思うが,そもそもこの通知書「最終通知」といいながら,これまでなんら連絡をよこしてないし,その請求してる内容さえ定かでないという,冷静に文章読んだらおかしいと気づけるはずなんだが
人は時間が無いとかで焦ったり,自分になんらかの落ち度があってヤバイ状況になったのかもと思い込むと,理性的な判断ができなくなってしまう,この手のいわゆる特殊詐欺の類は手を変え品を変え,そういう正常な判断能力を奪うように巧妙に仕組まれてる,さらにその手口が進化してるから恐い
7.ネットで検索する場合も注意が必要
最近は結構高齢な方々でもネットで調べたりする人は多いと思うが,ここにもさらに罠が仕掛けられてるから注意が必要である,ネットで検索して現れたページ自体が,それらしき公的機関の名称や日本弁護士協会等を語った詐欺サイトへの誘導ページとかいう場合がある
例えば今回の「総合消費料金未納分訴訟」のハガキの例やSMSを使った詐欺メールの例をいくつか挙げて,こういうのが来たらコチラへご相談くださいと,警察庁サイバー犯罪対策課とか日本弁護士協会特殊詐欺相談コーナーとかの嘘のバナーがあって,クリックすると詐欺サイトが現れる
その詐欺サイトに無料電話相談とかの電話番号が書いてあったり,ネットから相談したい内容を投稿したら返事がもらえるとか,イロイロ手の込んだ罠が仕掛けられている,最近こういう特殊詐欺の被害額は拡大傾向に有るようだが,騙しの方法がどんどん巧妙になっているのも理由の1つだろう
8.おわりに
このような身に覚えのない請求のハガキとかメールとか,とにかく無視することが一番である,もし心配ならこういうことに詳しそうな身内や知人に相談するなり,最寄りの公的機関(警察署や役所の市民課)や国民生活センターとかに連絡すれば,適切なアドバイスをもらえるはずである
スポンサーリンク
【このカテゴリーの最新記事】