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2008年03月11日

The S.O.U.P.

The S.O.U.P. (角川文庫)

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★★★★★

面白い!ここに出てくる色々な概念や感覚に共鳴できた。

このハッカー小説はフィクション。
なのに、リアルなIT専門用語が惜しみ無く遠慮無く容赦も無く、バシバシ使われまくっている!それもややディープまたはそれ以上の用語が!

今まで出会ってきたコンピュータ系のお話だと、コンピュータに焦点が当てられつつも、結局は誰もが解りやすいように簡易な表現で書かれていたり、ぼやかされているものばかりだった気がする。また、そういうのは誤解も多かった。

でもこの本は違う。リアルなNWプロトコル名、リアルなセキュリティ用語など、リアルでバーチャルなIT用語がバンバン出てくる。しかも、これらをほぼ完璧に使いこなした上で、技術的な話をリアルに表現している。

物語の核となる事件を引き起こした技術は架空のものだが、それは今の技術の延長線上に有り得るものだと思えるし。

それでも、これらの知識を持たない人でも、ぎくしゃくしないギリギリのラインで楽しめると思う。各々の説明文がさらりとしていて上手いから。

人間ドラマとしても、社会ドラマとしても奥が深い。
マニアックな技術的場面は、このドラマを盛り上げるために必要不可欠な材料だったんだろう。
ネット中毒者や引きこもりに対する警告も、やさしく描かれている。

主人公の愛読書として設定されている『指輪物語』や『ゲド戦記』は、この物語の本質をわかりやしくするのに役立ってるし、相互に読んでみたくもなる。

ユビキタスやAI、複雑系や多層世界観なんかは、最近の流行ではあるけど、やはりとても興味深い。

とにかく、技術的な表現を武器として、十人十色の多用な観念や世界観を見事に表現している。

個人的なおまけ的楽しみとしては、主人公の住家が幡ヶ谷にあるということかな。秋葉原でパーツを集めたりだとか。そういう点でもリアルな親近感を軽く持てた。

The S.O.U.P. (文芸シリーズ)

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