はじめての中古住宅売買体験とその後のはなし　＋お金のやりくり

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住まい探しをしていると、
上物の住宅をを見る機会も多くありますが、
それとともに、いろいろな土地を見ることになります。

間口が狭い土地、崖に面している土地、ビルに囲まれた土地、
道路や線路のそば、商店街の中、お寺の隣、河のほとり、
本当にいろいろな土地があります。

中には、こんなところに良く家を建てることができたなと
感心するような家もあります。

土地の環境を考慮しなければ、
広ければ、その分土地の価値は高くなるのが普通です。

僕が、家探しをしている中でも、こんな土地もありました。
道路の脇に２棟の新築住宅が、並んだ建売住宅が売り出されました。
２棟とも、南向き、家の大きさや建物のグレードも同じに見えます。
不動産チラシの売り出し価格もほぼ同じ。
唯一違うのが、土地の広さ。
並んで立っているA棟が30坪、Ｂ棟は70坪くらいあります。
繰り返しますが、値段は同じ。

現地を見ずにチラシだけ見たら、
当然、70坪の方が魅力的に見えます。
しかし、先に売れていったのは、30坪のＡ棟でした。
売り出しから、ひと月ぐらいでＡ棟は売却済みとなりました。
その後、Ｂ棟は半年くらい広告を出し続け、
２ヵ月に一度100万円ペースで値段が下がり、
当初の金額からかなり安くなって、売却済みとなりました。

なんで、隣同士にあって、同じような条件の家が、
売却時期に差が出たのか？
広い方がなんで先に売れなかったのか？

現地を見るとすぐにわかります。
実は、この2棟の並んで立っている建売住宅の裏には、
結構な傾斜の山があるのです。
この山の斜面のかなりの敷地をＢ棟は含んでいるのでした。
家の建っている土地は、この傾斜を切土して、整地しています。
背面は山ですが、一応、家の高さまでコンクリで擁壁が築かれています。
その擁壁の上には山の斜面があります。
斜面にはＢ棟の土地に作られた急な階段を上ることで足を踏み入れることもできます。
実際僕も見に行きましたが、家の2階相当ですからけっこう怖い。
柵などもなく、鬱蒼と木が茂っています。
木が生えているは、葉っぱも落ちるし、
がけが崩れたりするのも心配です。
この斜面はＡ棟にもかかっていて、有事の際には責任を取らなければならないでしょう。
そんなリスク、普通はいらないですよね。

使えない土地は、ただでもいりません。
むしろ、リスクを背負うことになるだけ、マイナスです。
将来、何かの間違いで、そこが高額で取引される可能もあるかもしれませんが、
宝くじくらいの確立だと思います。
もし、そんなお得な可能性があれば、不動産業者が建売にひそかに組み込んで
売却するはずありませんから。

いろいろな、土地や家を見ると、
時折、今回の例のように広告上、目を引くような条件のものがあるかもしれません。
でも、よく考えて取引まで進んでください。

土地や家の購入は、
ある意味では、リスクの塊です。
地震や火災で滅失するかもしれないし、土地も心理的瑕疵になるような事件が近隣で起こるかもしれません。
普通でも、そんなリスクがあるのです。
そこに、あらかじめ想定されるような、余分なリスクを盛り込まないように、
広ければいい、あっても邪魔にならないなんて、一面的な見方で安易に契約するのだけは避けるべきです。

今どきは、土地や家が、資産だなんて言いきれない時代です。
十分な比較検討を重ねて、不動産業者の言いなりにならないように
自身の判断で、購入を決めましょう。





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