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2019年06月30日

中年期は人生の転換期

最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。

ニュートン別冊ゼロからわかる心理学 知れば知るほど面白い!心と行動の科学 から
 監修 横田正夫 2019年3月5日発行 ニュートンプレス

発達の心理学


中年期は人生の転換期

個人差はありますが、一般的に40歳から65歳頃はエリクソンによると成人期、または中年期と呼ばれています。

最も安定、充実している時期と言われる一方、
中年クライシスという言葉も有名です。

仕事では責任ある地位につき、やりがいを感じる一方で、
その責任の重さや、
体力や能力の限界、
親の介護など
様々な事態に直面する時期です。

人生の正午とも言われ、
最も充実した時期であるとともに転換期とも言えます。

この中年期を詳しく研究したのが、
心理学者のダニエル・レビンソン(1920〜1994)です。レビンソンの発達段階説.jpg


レビンソンは様々な職業に就く中年の男性について
詳細な面接調査を行った結果、
人生には大きく3つの移行期が訪れると考えました。
その移行期は
前成人期への移行(17〜22歳)、
成人期(中年期)への移行(40〜45歳)、
老年期への移行(60〜65歳)
であるといいます。

レビンソンは特に40歳から45歳における移行が重要だと考えました。

ここが人生の折り返し地点であると考えたのです。
ここは自分のやってきたことを再評価して、
自分がこれからできることについて考え、
新しい生き方を見つけ出す時期としました。

中年期は、徹夜が無理だと感じたり体力の衰えを感じたりと
老いへの自覚が出てきます。

また、仕事面で責任が増してくる一方で
限界が見えてくる場合もあるでしょう。

一方、親の介護が始まる時期でもあります。
これまでの生き方について振り返る機会も多くなります。

また、家庭で子育てを見なってきた女性では、
子供の独立が大きな転機になります。

育児だけに力を注いできた女性の場合、
子供が独立すると、
自分の存在意義がなくなったように感じ、悩むことがあります。

子供の独立は、自分が新しいことに取り組むチャンスだと捉え、
仕事や趣味、勉強など
新しい人生を始める
準備をすることが重要だと考えられてます。

エリクソンによるライフサイクル論では、
前成人期は、
パートナーや周りの人たちと
親密な関係を築いていく時期とされます。

一方、中年期の課題は、
子供や次の世代を育てることになります。

つまり、自分の子供を産み育てることや、
次世代に残す仕事や作品を生み出し、
次の世代に継承していく
といったことに取り組む時期だといいます。

中年期以前は、
個人のライフサイクルの中だけの課題に取り組んできましたが、
中年期は世代間という
長い時間軸や
社会とのつながりを考えるという意味で、
それまでと大きく異なると言えます。

これがうまくいかなければ、
関心は自分自身にとどまり、
停滞の状態になるとされます。

そして老年期への移行時期では、
改めて社会との関わり方について
バランスの良い点を見つけていくことになります。

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2019年06月29日

やる気を起こさせる心理とは

最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。

ニュートン別冊ゼロからわかる心理学 知れば知るほど面白い!心と行動の科学 から
 監修 横田正夫 2019年3月5日発行 ニュートンプレス

発達の心理学


やる気の心理

やる気を起こさせる心理とは

勉強をする、スポーツや習い事の練習をする
など、人は子供の頃から様々な努力を経験します。

勉強や練習を効果的の行うためには、
動機づけが重要になります。

例えば新しいことを知るのが楽しくて勉強するという人もいれば、
スポーツ大会で優勝するために練習を頑張るという人もいるでしょう。
金メダル受賞.jpg

興味があるから勉強をするといった好奇心、
より上手くなりたいという向上心、
活動そのものが好きといった楽しみ
など、活動自体から満足を得られる場合、
その動機づけは「内発的動機づけ」と呼ばれます。

一方、テストで良い点数を取ればお小遣いがもらえるというように、
その活動を通して別の報酬が得られるような動機づけは
「外発的動機づけ」と呼ばれます。

スポーツ大会で優勝するために練習する、
試験に合格すれば希望した大学に入学できる、
仕事でプロジェクトを成功させれば出世できる
といった例は、この外発的動機づけに当たります。

外発的動機づけでは、
自分以外のものによって自分の行動が左右されている
と感じられることから、
自分の医師で動いているという
感覚が弱くなる傾向があります。

また一度報酬をもらうと、
次から報酬がなければ努力をしなくなることがあります。

これを「アンダーマイニング効果」と言います。

そのため、内発的動機づけによる活動の方が
継続されやすいとされます。

ただし実際は、外発的動機づけから始めた取り組みが、
その後の人生に大きな影響を与えたり、
継続されて続けられたりすることも多いものです。

自分のつきたい職業のために
大学に行くという外発的動機づけは、
夢や生きがいにつながっていくでしょう。

また外発的動機づけから始めたことでも、
取り組み中でその活動の面白さに気づくこともあります。

そのため、どちらが良いと言えるものではありません。

努力が無駄であると「学習」する

どれだけ努力してもテストの点数が上がらない、
就職試験に落ち続ける、
上司になんども業務改善のアイデアを提案しているのに
受け入れてもらえない、
といった経験をしたことはありませんか?

このように、努力しても望む結果が
得られない状態が続くことで、
何をしても無駄だと考えるようになり、
その状態から抜け出そうと
考えることをやめてしまうことを
「学習性無力感」
と言います。

一度の大きな挫折よりも、
このような小さな挫折を積み重ねる方が、
無力感を生じやすいと言われます。

『自己効力感』

一方、これから取り組もうとする活動について、
「自分はできるだろう」
という確信のような感覚を持つことを
「自己効力感」
と言います。

このような感覚を持つ人は、
過去に似たような成功体験があったり、
他の人が取り組むのを見ていて
どうすれば成功するかを
シミュレーションできていたりします。

また気分を高揚させたり、
成功体験を想像したりすることも
自己効力感を持つために効果的です。

自己効力感があれば、
学習やスポーツ、
人間関係、仕事などに、
より自信を持って望むことができます。

人を動かす動機づけは2通りある

人が行動を起こすための動機づけには、
内発的動機づけと外発的動機づけがあります。

例えばオリンピックで金メダルを取ることは
外発的動機づけですが、
金メダルはそのスポーツをどれだけ極めたかの証であり
生きがいにもつながることから、
極めて内発的動機づけに近いとも言えます。

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2019年06月28日

生涯を通した心の発達

最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。

ニュートン別冊ゼロからわかる心理学 知れば知るほど面白い!心と行動の科学 から
 監修 横田正夫 2019年3月5日発行 ニュートンプレス

発達の心理学


序:人は生まれてから子供時代を経て大人になり、やがて老いていきます。
この間、反抗期を迎える青春期、
人生の目的や自分探しに直面する青年期、
責任も充実も感じる中年期、
仕事をリタイアして第二の人生を考える老年期
を経験します。

女性にいたっては、出産を経験することもあるでしょう。

年齢ごとに現れる人の心理についてみていきます。

生涯を通した心の発達

人は誕生してから死ぬまで成長し続けるエリクソンのライフサイクル理論.jpg

発達心理学者のエリック・エリクソン(1902〜1994)は、
「人には生涯にわたって体、及び自身を取り巻く環境の変化があり、
それを乗り越えるという課題が繰り返し発生する」
という視点を持っていました。

そしてこの視点から、
独自のライフサイクル論を提唱しました。

それによると、人の一生は乳児期から老年期まで8つの段階に分けられます
(図 〔〕内はフロイトの「心理性的発達理論」と対応させています)。

例えば幼児期は、信頼の感覚を獲得する時期になります。
母親など最も親密な相手との関わりにより、
他者は信頼できるものであり、
自分には価値があり、
この世界は居心地が良いと
いった感覚を持つことが
重要な課題になります。

エリクソンのライフサイクル理論

エリクソンは、人が生まれてから死ぬまでの生涯を通した発達理論を構築し、
発達心理学に大きく貢献しました。

アイデンティティの研究でも非常に有名です。

エリクソンは、人の発達段階には
危機と、それを肯定的な要素で乗り越える
という段階が繰り返し現れると考え、
ライフサイクルを8つの段階に分けました。

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2019年06月27日

性格は変えられる?

最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。

ニュートン別冊ゼロからわかる心理学 知れば知るほど面白い!心と行動の科学 から
 監修 横田正夫 2019年3月5日発行 ニュートンプレス

性格の心理学

性格は変えられる?


皆さんは、自分の性格を変えたい
と思ったことがあるでしょうか?

また、「人が変わったようだ」という言葉があるように、
ある人と久しぶりにあったらすっかり性格が変わっていた、
といった経験はあるでしょうか?

こうした「性格の変化」については、
性格心理学の研究者によって様々な考え方があります。四葉のクローバ.jpg


例えば、
家ではいつもダラダラしているように見えるお父さんが、
職場では非常にきちんとした人だと思われているとか、
普段温厚な人が車を運転すると
急に攻撃的になる、
という話もあります。

このような減少を、状況によって性格が変化する
「モード性格」
と呼ぶ研究者もいます。

また、最愛の人を亡くす、
災害や事故にあう、
といった重大な出来事をきっかけとして
性格が変わってしまうように見えることもあり、
これを「『爪痕』による性格の変化」と呼ぶこともあります。

しかし杉浦准教授は、こうした減少は性格の表面的な部分だけが
変わっているのだろうと言います。

「人の性格は地層のようにたくさんの『層』からできていると考えられます。
これらの例に見られる現象は、
性格の中のごく表層的な部分だけが変わるように見えているもので、
その人の性格の根本的な部分はあくまでもビッグ・ファイブ理論で
あらわせるような特性で決まっていて、
生涯変化しないと思われます」(杉浦准教授)。

特に臨床心理学の分野では、自分の性格のせいで
生きづらい思いをしているという人に対しても、
性格を帰ることを考えるよりは、
自分の性格を正しくとらえることで、
自分自身と周囲の人々や社会との間で
うまく折り合いをつけて生きていけるような
方法を考えるというアプローチが主流になっています。

こうした方法の例として、
「認知行動療法」や「マインドフルネス」といった手法が
近年注目を集めています。

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2019年06月26日

他人のせい?自分のせい?ー内的統制と外的統制

最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。

ニュートン別冊ゼロからわかる心理学 知れば知るほど面白い!心と行動の科学 から
 監修 横田正夫 2019年3月5日発行 ニュートンプレス

性格の心理学

他人のせい?自分のせい?
ー内的統制と外的統制


入学試験に合格した、
サッカーの試合でゴールを決めることができた、
など、
私たちは日々の生活の中でいろいろな出来事を体験します。

あらゆる出来事(結果)には何らかの原因があり、
時には単純な原因だったり、
ある時には複数の原因が絡み合っていたりするものですが、
何が原因だったと思うかは
人によって違います。

アメリカの心理学者ジュリアン・ロッター(1916〜2014)は、
ある出来事が起きた原因を
自分の中にあると考える傾向の人と、
自分の外にあると間会える傾向の人がいるという点に着目して、
前者の考え方を「内的統制型」、
後者を「外的統制型」と呼びました。

「入学試験に合格した」試験合格.jpg

という結果について、
内的統制型の人は
「自分が頑張って勉強した結果だ」
などと自分に原因があると考えます。

一方、外的統制型の人は
「いつもの年より試験問題が簡単だったせいだ」
といったように、
自分の外に原因があると考えます。

内的統制型、外的統制型も人の性格の特性の一つです。

「『ビッグ・ファイブ』は人の性格を特徴付ける『五大陸』のような、
最も大きく基礎的な特性であるのに対して、
内的統制型、外的統制型というのは
タリクの中にある『国』のような、
より小さな特性であると言えます」
(杉浦准教授)。

このように「原因の所在」が自分の内と外いずれにあると考えるか、
という特性には文化の影響が大きく、
例えばアメリカ人は日本人に比べて、
物事の原因を自分の中に求める内的統制型の傾向が強いと言われます。

内的統制型の人は外的統制型の人に比べて、
「自分の心がけや努力次第で物事は良い方向に変えられる」
というポジティブな考え方を持ちやすいとも言えますし、
一方で、良い結果が出たのは全て自分のおかげだと
独りよがりに考えてしまいがちだとも言えます。

そういう意味で、「原因の所在」を
自分の内に置くか外に置くかは、
心の健康とも大きく関係しています。

「原因の所在」を認知する傾向の違いに
着目したロッターは、
内的統制型か外的統制型かを測定するテストも作成しました。

うつ病の患者は平均的な人に比べて
外的統制型の傾向が強く見られたり、
内的統制型の人は外的統制型の人よりも
ストレスに強い傾向があることが知られています。

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2019年06月25日

性格は5次元であらわせる!ービッグ・ファイブ理論

最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。

ニュートン別冊ゼロからわかる心理学 知れば知るほど面白い!心と行動の科学 から
 監修 横田正夫 2019年3月5日発行 ニュートンプレス

性格の心理学

性格は5次元であらわせる!ービッグ・ファイブ理論


ある人の性格に様々な特性が
どのくらい当てはまっているのかを
量的に考えるのが「特性論」の考え方です。

しかし、一口に性格の特性と言っても、
「社交的」、「怒りっぽい」、「綺麗好き」など、
数限りなく思いつくでしょう。

数学の正解では、「縦」、「横」、「高さ」の三つの座標を使えば、
私たちが住む3次元空間のどんな位置でも表すことができますが、
同じようにして、
どんな人の性格でもあらわせる「性格の座標軸」になるような
特性というものは、存在するのでしょうか?ビッグ・ファイブ診断結果.jpg


特性論に基づく本格的な性格の理論を
初めて組み立てたのは、
アメリカの心理学者ゴードン・オールポート(1897〜1967)です。

彼は1930年代に、当時世界最大級の英語辞典であった
『ウェブスター新国際辞典』を使い、
この辞書に収録されている
「人の態度や行動に関する単語」を
約1万8000語も抜き出して、
ここから性格の特性を幾つかに分類する研究を行いました。

辞書の単語を利用して性格の特性をとらえるという手法は、
その後の性格特性の研究の基礎となりました。

1960〜1980年代には大規模な統計やコンピューターを使い、
複数の研究者によって、
人の性格を表す単語は、
「外交性」、「協調性」、「良心性」、「情緒安定性」、「知性」
の5種類に集約できるという結果が得られました。

さらに、同じ研究手法を英語以外の言語や文化圏で行ってみても、
やはり同じような5種類にまとめられることがわかり、
この5つの性格特性は
言語や文化によらず、
人間の性格に共通する性質
なのではないかと考えられています。

この5種類の特性のことを
「ビッグ・ファイブ」
と呼び、
この5種類の特性で人の性格を表現できるとする理論を
「ビッグ・ファイブ理論」と呼びます。

人の性格は、5本の座標軸で表される
5次元空間のようなものなのかもしれません。

「外向性」 話好き、率直、冒険的、社交好き
「協調性」 温和、嫉妬しない、温厚、協調的
「情緒安定性」 落ち着きがある、平静な、冷静な、憂鬱でない
「知性」 芸術的感受性がある、知的、洗練された、創造的
「良心性」 念入り、責任感がある、几帳面、我慢強い

ビッグ・ファイブ理論は言語や文化圏を超えて
人間の性格を非常にうまく表現できることから
広く受け入れられていますが、
性格を表す基本的な特性がなぜ5個なのか、
といった点については現在のところよくわかっていません。

ただし、性格の約50%は遺伝の影響で決まっていると
考えられることから、
性格の特性が5個に集約されるのも、
人類が生物として進化した過程に何らかの原因があるのではないか
と考える研究者もいます。

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2019年06月24日

性格をとらえる枠組みー類型論と特性論

最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。

ニュートン別冊ゼロからわかる心理学 知れば知るほど面白い!心と行動の科学 から
 監修 横田正夫 2019年3月5日発行 ニュートンプレス

性格の心理学

性格をとらえる枠組みー類型論と特性論

「空とぼけ」、「へつらい」、「無駄口」、「粗野」
これは今から約2300年前の古代ギリシアで書かれた、
性格に関する最古の書物『人さまざま』(テオプラストス著)で論じられている、
人間の性格の例です。

性格を研究するためにはまず、このように多種多様で複雑な
人間の性格を、何らかな方法で客観的にまとめたり
表現したりする必要があります。

性格をとらえる方法の一つは、
「タイプ分け」です。
「〇〇座生まれの人は社交的」といった「性格占い」を
テレビや本などでよく見かけます。

性格占いには科学的根拠はありませんが、
人が持つ様々な性格を
「〇〇型」のように幾つかのタイプ(類型)に分類して
理解しようとするやり方は、
心理学の分野で昔から行われてきました。

この方法は「類型論」と呼ばれ、
古代から現代まで、様々な類型論が考え出されています。

類型論で性格をタイプ分けする方法はシンプルでわかりやすいものですが、
人が持つ性格を詳しく調べようとする場合には、
この方法では限界があります。

例えば、「外交的」と「内向的」という類型を用意して
ここに当てはめるだけでは、両方の中間に位置する
人の性格を表すことができません。

そこで、性格をとらえるもう一つのやり方として、色鉛筆.jpg

性格に現れる様々な特徴(特性)に着目し、
その人の性格の中にそれぞれの特性がどのくらいよく見られるか
という「量」を考えることで性格を表すという方法が
考え出されました。

こうした考え方を「特性論」と言います。
現代の性格心理学では、特性論に基づいて性格を分析する方法が主流になっています。

性格の様々な特性を量的にとらえる特性論

特性論とは、人の性格に含まれる「好奇心が強い」、「真面目」、「優しい」などの
様々な特性をその人がどれだけ持っているか、
特性ごとに「得点」をつけて量的に捉えようとするやり方です。
明日紹介するように、
いわば、幾つかの特徴を多角形で表す「レーダーチャート」で
性格をとらえる方法と言えるでしょう。

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2019年06月23日

人の性格はどうやって決まる?

最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。

ニュートン別冊ゼロからわかる心理学 知れば知るほど面白い!心と行動の科学 から
 監修 横田正夫 2019年3月5日発行 ニュートンプレス

性格の心理学

人の性格はどうやって決まる?

あなたは、自分の性格が親や兄弟に似ている
と言われたことはありますか?

人間の性格はいつ、どのようにして決まるのでしょう。

性格を作る要因としては昔から様々な説が唱えられてきました。
大まかには、遺伝によって生まれながらに決まっているという「生得説」と、
生まれた後に過ごす環境によって性格が形作られるという「経験説」に分かれます。

テャールズ・ダーウィンが提唱した進化論の影響を受けて、
19世紀末から20世紀はじめにかけては、
人間の性格もまた遺伝するという生得説的な考え方が強く支持されました。
このような説を唱えた科学者には、
ダーウィンのいとこであるイギリスのフランシス・ゴルトン(1822〜1911)などがいます。

ゴルトンは、「優れた遺伝子」だけを後世に残すことは目指す「優生学」の創始者でもありました。
彼の学問は、ナチスによる障害者やユダヤ人の大量虐殺を招いた一因ともなったため、
彼が支持した生得説も第二次世界大戦後には下火となり、
経験説が優勢になりました。

現在では、生得説も経験説もそれだけでは「性格の元」を説明することはできず、
性格は遺伝と環境の両方の影響を受けて作られるという
「相互作用説」が広く受け入れられています。

広島大学大学院総合科学研究科の杉浦義典(すぎうら よしのり)准教授によれば、
最近の研究では性格のおよそ50%は環境的要因で作られるという結論になっているといいます。

性格心理学では、このような「性格の成り立ち」を研究するために、
双子を観察する手法がしばしば行われています。

一卵性双生児は1個の受精卵が細胞分裂の途中で2人の胎児として育った双子で、
完全に同じ遺伝子を持っています。

これに対して二卵性双生児は2個の受精卵が母体内で同時に育った双子で、
その遺伝子は普通の兄弟と同じ程度にしか似ていません。

同じ家庭で育った双子であれば環境の影響はほぼ同じと考えられるので、
性格の差を一卵性双生児と二卵性双生児とで比べれば、
性格に遺伝が及ぼす影響だけを抜き出して見積もることができるのです。新体系室、認知能力などに関する双生児相関表.jpg


さまざまな身体形質、認知能力などに関する双生児相関の表
「進化と人間行動」より (Trivers,1985邦訳p120;Promin,1990,邦訳,p63)
共有環境と非共有環境は追加記入し遺伝率の高い順に並び替えかつABO式血液型を追加

遺伝率が1.0ということは100%遺伝で決定することです。

心理学では、「性格」を指す用語として「人格」、「パーソナリティ」などの
単語も使われる場合があります。
それぞれの単語の意味づけや使い方は研究者によってまちまちで、
統一されているわけではありません。
本章では総称として「性格」という単語を使うことにします。

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2019年06月22日

心理学は100年ほど前に生まれたB

最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。

ニュートン別冊ゼロからわかる心理学 知れば知るほど面白い!心と行動の科学 から
 監修 横田正夫 2019年3月5日発行 ニュートンプレス


心理学の巨星たち

心理学は100年ほど前に生まれたB

フロイトの精神分析が、心の病気の治療を革新した

フロイトは、多くの心理学者に影響を与え、臨床心理学の発展を後押ししました。
フロイトに影響を受け、
のちにフロイトの理論とは対立しながら独自の理論を作り出した著名人として、
スイスの精神科医 カール・グスタフ・ユングと、
オーストリアの精神科医 アルフレッド・アドラーがいます。

ユングは、神経症よりも
より重篤である
統合失調症とよばれる病気の患者と
触れ合う中で、

人間の無意識の根底には
すべての人類に共通する
「集合的無意識」
がある
と考えました。ユング肖像.jpg

統合失調の患者には、
一般の人には
妄想や突飛な話として受け取られるような話をする
特徴があります。

ユングは、彼らの語りの中に、
世界の神話や伝承と共通する要素を見出し、
そうした症状は集合的無意識の表れだと考えるようになりました。

ユングの考え方は、治療だけではなく、
文化や社会の成り立ちにも深い洞察を与えました。


アドラーは、幼少期の親との関係性や、
そこで生じた葛藤を重視しつつも、
無意識の存在は想定しませんでした。
アドラー肖像.jpg

幼少期の親との葛藤は
「劣等コンプレックス」として残り、
それが社会に適応する方向に働けば健全であり、
不適応な方向に働けば神経症などになると考えました。

例えば、容姿が劣等コンプレックスになっている人が、
話術を身につけたり、
普段からにこやかに過ごすような技術を身につけたりして
容姿の悪さを補おうとする場合は健全です。

しかし、劣等コンプレックスが人を恨むなどの方向に発達すると、
社会に不適応になっていきます。

アドラーは、劣等コンプレックスの不適応な方向を、
適応の方向に修正することで、神経症を治療したり、
生き方を改善したりすることができる
と考えました。

こうした考えに影響を受けて、
人間の発達や愛着などに関する
様々な理論が提唱されてきました。

臨床の世界で提唱された理論は、
必ずしも実験的なアプローチで
その正しさを証明できるとは限りませんが、
人種を問わず普遍的であることや、
一人ひとりの患者の症状を緩和する効果があることから
支持されています。

現在の臨床の場では、このように発展してきた理論をもとに、
一人ひとりに合った治療法が提供されています。

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2019年06月21日

心理学は100年ほど前に生まれたA

最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。

ニュートン別冊ゼロからわかる心理学 知れば知るほど面白い!心と行動の科学 から
 監修 横田正夫 2019年3月5日発行 ニュートンプレス


心理学の巨星たち

心理学は100年ほど前に生まれたA

フロイトの精神分析が、心の病気の治療を革新した

一方、「臨床心理学」の分野は、
19世紀の終わり頃に大きな発展を見せました。

きっかけとなったのは、
オーストリアの精神科医である
ジークムント・フロイトが
「精神分析」を始めたことです。フロイトの肖像.jpg


フロイトは、当時、神経症と呼ばれていた病気の人々を治療する中で、
「無意識」
の概念を生み出しました。

幼少期の重要な他者(両親)との関係性に問題があると、
そこで生じた葛藤が
無意識の中に「抑圧」され、
大人になってから
病気の症状として出てくると考えたのです。

フロイトは、患者を横たわらせて自由に語らせる「自由連想法」や、
患者の見た夢を分析する「夢分析」を用いながら、
患者の無意識の中にある欲求や葛藤を、
患者に自覚させるようにしました。

これが精神分析の始まりであり、
フロイトは精神分析を使って多くの神経症の患者を治療したといいます。

フロイトは、多くの心理学者に影響を与え、臨床心理学の発展を後押ししました。
フロイトに影響を受け、
のちにフロイトの理論とは対立しながら独自の理論を作り出した著名人として、
スイスの精神科医 カール・グスタフ・ユングと、
オーストリアの精神科医 アルフレッド・アドラーがいます。

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タナカマツヘイ
総合診療科 医学博士 元外科学会専門医指導医、元消化器外科学会専門医指導医、元消化器外科化学療法認定医、元消化器内視鏡学会専門医、日本医師会産業医、病理学会剖検医
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