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2017年12月06日

ミステリ国の人々

『ミステリ国の人々』有栖川有栖(日本経済新聞出版社)

【ミステリ小説という「国」には作家が造形した様々な「人々」が住んでいる。誰もが知る名探偵、事件の鍵を握る意外な人物、憎めない脇役、不可解だけれど目が離せない人……そんな人たちを通して、ミステリを読むおもしろさが何倍にも膨らむ「ツボ」を刺激してくれる、ミステリファン垂涎、読まず嫌いの小説ファンには目からウロコのエッセイ集。

ホームズ、ルパン、エラリー、金田一耕助という直球もあれば、明智小五郎の妻・文代といった変化球も織り交ぜつつ、本格ミステリの古典とされる『グリーン家殺人事件』やジョン・ディクスン・カーの密室モノ、ハードボイルドではロス・マクドナルド、ミステリの日本三大奇書とされる『ドグラ・マグラ』『黒死館殺人事件』『虚無への供物』まで目配りをきかせた人選は、格好のミステリ国へのパスポートになっている。

本書の最大の魅力は、古今東西の名編に、「有栖川有栖」がどのような読書体験を得られたかという個人的な経験が色濃く反映されていること。当然そこには作家だからこそ影響を受けた人物造形やトリックといった"栄養分"も含まれており、著者のファンはもとよりミステリファンにはたまらないエピソードばかりである。エッセイ集とはいえ1話読み切りスタイルでは必ずしもなく、取り上げたそれぞれの作品と登場人物が相互に響き合う連関性を保ち、読み進めていくうちにいつの間にか読者は、作品や登場人物を離れた「ミステリ国」そのものの奥深さに引き込まれていくだろう。作家ならではの読みが冴える待望のミステリガイド!】

この本で紹介されている中で私が読んだことのある本
S・S・ヴァン・ダイン『グリーン家殺人事件』『僧正殺人事件』
コナン・ドイル「シャーロック・ホームズシリーズ」
江戸川乱歩『吸血鬼』
アイザック・アシモフ『黒後家蜘蛛の会』シリーズ
夢野久作『ドグラ・マグラ』
泡坂妻夫「亜愛一郎シリーズ」
エリス・ピーターズ「修道士カドフェルシリーズ」
ジェイムズ・ヤッフェ「ママシリーズ」
鮎川哲也『黒いトランク』
小栗虫太郎『黒死館殺人事件』
都筑道夫「なめくじ長屋捕物さわぎシリーズ」
P・G・ウッドハウス「ジーヴズシリーズ」
『競作 五十円玉二十枚の謎』
エラリー・クイーン「エラリー・クイーンシリーズ」

紹介されている中で読んでみたいと思った本
天藤真『大誘拐』
T・S・ストリブリング『カリブ諸島の手がかり』
 主人公がどんなひどい目にあったのか知りたい。
エドワード・D・ホック『怪盗ニック全仕事』
海野十三『蠅男』
 主人公が餞別になにをもらったのか知りたい。
岡田鯱彦『薫大将と匂の宮』
エラリー・クイーン『十日間の不思議』『九尾の猫』

ミステリ国の人々 [ 有栖川 有栖 ]

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