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2016年02月27日

逃げる女・美緒はなぜ、あずみを殺したのか?

三話冒頭のシーンで、梨江子(水野美紀)があずみ(田畑智子)にメモを渡す様子を見た
美緒(仲里依紗)が、梨江子の眼の中にある破壊衝動の対象があずみである事を直感して
殺したのだと思うのだが、その理由とは何だろう?
六話で、梨江子にあずみ殺しを知られた美緒は「お姉さんをいじめる奴、わたし絶対許さない」
と、言っているが他にも理由…というか意味はないのか考察してみた 

その前に、ちょっと寄り道して佐久間(遠藤憲一)が梨江子に渡した
携帯電話とは、何だったのかを考えてみよう
 
一話の後半で、何かを探している佐久間
佐久間のモノローグ<人を信じるというのは、どういう事なんだろう?
人を信じられないから人を疑い…それでも信じられないから、また疑う>
机の引き出しから、かつて妻が使用していた携帯電話を探し出す佐久間
 
この携帯は、10年前の佐久間が妻を疑い追い詰めてしまった事の象徴だ 
(六話の佐久間「女房に男がいるんじゃないかと、俺はずっと疑ってた…
毎日、疑惑の目で見られてたら我慢できないよな…出て行きたくもなる」)
その携帯を、佐久間は刑事補償の請求書類と一緒に梨江子に渡す

なるほど、自分は佐久間が梨江子を信じ続けたのは無実の罪に陥れた事の
贖罪だと思っていたのだが、それだけでは無かったようだ
あの携帯を梨江子に渡した瞬間から、梨江子は逃げた妻の身代わりなのだ
(美緒が復元したメールを読む梨江子「お前は、まだ、おれの妻だ」)
佐久間にとって梨江子を信じる事は、追い詰めてしまった妻に詫びる事でもあったのだ
(六話の佐久間「信じたいと思って来た、西脇にそう思って欲しいんだ」)

美緒があずみを殺したのは、おそらく三話のどこかだろう
梨江子とあずみが、待ち合わせしていた港ではないだろうか?
拳銃は使っていない筈だ、おそらく海に突き落としている
そして、あの携帯も美緒が海に放り投げた
これは偶然だろうか?

美緒が携帯を海に投げたのは、もちろん警察から逃れるためだろうが
物語の構成上、もうひとつの意味があるように思う
携帯とあずみの、共通点とは?
上に書いたように、携帯は10年前の佐久間の破壊衝動の象徴だ
そして、あずみの10年前の破壊衝動(偽証)
この二つの破壊衝動が、梨江子を冤罪に陥れた最大の要因だ
この二つを美緒が海に沈めた事で、梨江子の破壊衝動の対象の役割を
(一話の梨江子は、あずみだけでなく佐久間にも破壊衝動があった「海に飛び込んで」)
美緒が一身に引き受け、梨江子と美緒の二人旅が物語後半の唯一の焦点に
なったのではないだろうか(美緒が意識して、そうしたという意味ではない)
それでは、なぜ美緒がそんな役割を担ったのか?
いよいよ、美緒によるあずみ殺しの理由に迫ってみたい

三話の引ったくり事件のあと、ホルモン焼き屋のシーンで梨江子は美緒に
「どうやって生きてるのよ?」と訊くのだが、美緒は「死ねなかったから」と答えている
四話の吊り橋のシーンでは「お姉さんと一緒なら飛び降りてもいいよ」と、言っている
六話では「二人で死刑になろうお姉さん」とも、言っている
美緒は何人も殺している破壊衝動の象徴のような存在だが、自分自身も消したがっている
(一話の佐久間「怒りは破壊衝動になり、相手を破壊するか自分が破滅する」)
上の美緒のセリフから、美緒は独りでは死ねないが梨江子と二人なら死ねる
そのために、梨江子に付きまとっていたのだと解釈できる

いや違う、そうじゃない…

美緒は、梨江子に殺されたかったのだ!
(六話前半の梨江子「どうして殺したのよ!」 美緒「あたしを殺したいだろ」)
自分を殺す勇気が無いから、梨江子に引き金を引いて欲しかったのだ
だから梨江子に二度も拳銃を握らせて、銃口を自分に向けたのだ
そこまで考えれば、あずみ殺しの意味も解るような気がする
あずみを殺す事で美緒はあずみになったのだ、あずみを乗っ取ったのだ
あずみが梨江子の破壊衝動の対象だから、あずみになって梨江子に撃ち殺されたかったのだ

(六話後半の美緒「この世で一番憎い女を撃ちなよ!」)

三話で、梨江子が高校時代の友人・深見(高橋努)を訪ねる
かつてあずみが2年間暮らした部屋で、あずみが描いた肖像画の
梨江子の額に人差し指をつけ、美緒が「バーン」
この時点で、視聴者はあずみの死を知らないから
美緒が梨江子を殺す、ミスリードのようになっているが
実はこのシーンは、美緒によるあずみ殺し(乗っ取り)が完成した瞬間だったのかもしれない
(梨江子につきまとう美緒を見た深見「あずみだな」)
美緒の「バーン」はモデルの梨江子ではなく、作者のあずみへのものだったのだろう
(美緒は作者があずみだとは知らないだろうから、ドラマ上の演出という意味)

ところが、なんだか話が違う
梨江子は「あなたを見てるとなぜか、あずみの事思い出す」とか言って、髪を撫でてくる
梨江子はもう、あずみを赦してしまっていたのだ…
しかも、破壊衝動を克服してしまった梨江子は
「あなたがいろいろ教えてくれたの、いろいろ気付かせてくれたのよ」とも、言っている
美緒は、絶望したかもしれない
最後の力で「この世で一番憎い女を撃ちなよ!」と、引き金を引いたが弾切れだ

このドラマは、前半のミステリー要素をあずみの嘘の理由(謎)で引っ張ったが
5話のラストで、斉藤(高橋克典)にその種明かしをさせてから
6話(最終回)で、道連れの美緒がいつのまにか
探していたあずみとすり替わっていた、というオチだったと思う

これが自分の、美緒によるあずみ殺しの解釈だ
ちょっと文学的(物語上のトリック)な、理由になってしまったかな…
だが、このドラマではこのような象徴的な因果関係の描写は他にもある
例えば、梨江子の「寂しさとともに生きる」の表紙はタツヤが破壊した窓ガラスの写真だ
あのシーンは、タツヤが梨江子の著書の内容に石を投げたという解釈もできる
もちろん、8歳のタツヤが本の内容を理解して批判したという意味ではない
あくまでも、ドラマの演出というか象徴的な描写だ

このドラマは難解な作品だから、観た人によって解釈は異なるだろう
そもそも、美緒はあずみを殺していないという解釈もあるくらいだ
だが、いろいろな解釈ができるドラマはそれだけで名作だと思う
いろいろ考えさせられたぶんだけ、心に何かが刻まれるからだ











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