大人の『科学』と『学習』（仕事は文系、気分は理系♪）

「エルベ河畔のフィレンツェ」、「百塔の街」といわれたバロック様式の建築物にあふれた街は、



第二次世界大戦末期の1945年2月13日22時14分頃（ドイツ現地時間）から15日にかけて連合国軍（イギリス空軍およびアメリカ空軍）によって行われた無差別爆撃により徹底的に破壊された。
4波にわたる空襲にのべ1300機の重爆撃機が参加し、合計3,900トンの爆弾が投下された。



この爆撃によりドレスデンの街の85%が破壊され、ソビエト軍の接近により東部ドイツからの避難民でごったがえしていたため、2万5000人とも15万人とも言われる一般市民が死亡した。

＜地図上の白い部分のみが当時のドイツの支配力の及んでいる地域＞

「東からドイツに攻め寄せるソ連軍の進撃を空から手助けする」という一応の名目はあったが、実際は戦争の帰趨はほぼ決着しており戦略的に意味のない空襲であり、ドイツ空軍の空襲を受けていたイギリス国内でも批判の声が起こった。








この大空襲を乗り切ったものの、1743年に建設されたドレスデンの聖母教会（Dresdner Frauenkirche）は、
完全に焼損し、2月15日午前10時に崩壊した。
17年の歳月をかけて作られた教会は一夜にして崩壊し、以後1993年まで崩壊した姿をさらし続けた。





東西ドイツ統一後の
1993年から12年の歳月をかけ、使える破片は再利用しながら、希望と和解の歴史を象徴する記念建造物となって、
ドレスデンの聖母教会（Dresdner Frauenkirche）2005年に再び姿を現した。



そして、2015年10月30日からプロテスタントの感謝祭である10月31日の宗教改革記念日まで、
日を越して続いた祝賀式典により再び聖別された。




＜黒く見える部分はオリジナルの石材部分＞

ちなみに8,500を越えるオリジナルの石が教会から回収され、およそ3,800が再建時に利用された。
コンピュータを使った破片の組み合わせは「世界最大のジグソーパズル」とも言われた。


◆補足：ドレスデンの聖母教会（Dresdner Frauenkirche）のサイズ◆
高さ：91.24m（創建時は91.23m）
縦方向 × 横方向：50.02m × 41.96m
ドーム底部の直径：26.15m
ドーム上部の直径：約10mで