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2018年10月11日

アイルランドの薔薇 #石持浅海





南北アイルランドの統一を謳う武装勢力NCFの副議長が、スライゴーの宿屋で何者かに殺された!宿泊客は8人ーそこには正体不明の殺し屋が紛れ込んでいた。やはり犯人は殺し屋なのか?それとも…。宿泊客の一人、日本人科学者・フジの推理が、「隠されていた殺意」をあぶり出してゆく!本格推理界に衝撃を走らせた期待の超新星の処女長編。



アイルランド統一か、政治的なことはよくわからないし難しそうだなと思いつつおそるおそる読み始めたが、そこまで政治的な話ではなくて、ごくごく一般的な推理小説でした。謎は二つ。誰が副議長を殺したかと殺し屋は一体誰かという問題。

なぜここに殺し屋が混じっているかというと、こうした政治的組織、武装勢力にありがちかもしれないが、決して一枚岩というわけではなく、組織内でいろんな思惑が交錯しているようで、この副議長は組織によって暗殺される予定になっておりました。ならばここで死んでも組織的には問題ない、、、というわけにもいかない。

副議長ともなると組織にとっても対外的にも影響力があるので、その死すら組織の主張に利用できる、なのでその死は然るべき場所で然るべき形でなければならない。そのために殺し屋を雇い、段取りを決めていたはず。こんな宿屋で知らぬ間に殺されていた、ましてやその疑いがかけられてしまうとなれば大問題。早急に真相を明らかにしなければならない。

一方でそんなことはつゆ知らず、たまたまこの日、この宿に”偶然”居合わせただけの一般客からすれば、殺しの現場に居合わせ、その被害者が政治的武装勢力の実力者だったなんて青天の霹靂であろう。さらに疑われた上にいわば軟禁状態に置かれるとは思いもよらない事態に巻き込まれてしまった。

こうして二組は互いに疑いを持ちながら、協力しつつ事件の真相へ向かっていく。

ちなみにこうした場合に出てくる殺し屋とはその手口に特定のスタイルを持っており、そのやり方にプライドを持っている。今回の殺し屋はターゲットを病死か事故死、つまりどう調べても殺しとはわからないようなやり方で殺すのがスタイル。どんなに調べてもわからない薬品を体内に入れて発作を誘発するとか多分そんなやり方。

なぜこの殺し屋が選ばれたかというと、前段でこうした実力者の死は政治的に利用できるといったが、今回は逆にこれをさせたくないため。あくまで組織の活動とは関係なく、勝手に死んでくれ。しかも大衆の面前でみっともなくの注文付き。相当組織にとっては邪魔な存在のようで。

つまり何が言いたいかというと、この殺し屋は今回のように、明らかに殺しと分かるような形でターゲットを殺害しないということ。誰かはわからないが殺し屋と事件は無関係と思っていいだろう。

そして殺し屋だけでなく、正体や素性を隠しており、”偶然”ではなくこの場にいる人物が多かったりする。









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タグ:石持浅海
posted by YEP at 18:44 | Comment(0) | TrackBack(1) | 小説
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