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2018年09月29日

死神の精度 #伊坂幸太郎





CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしないーそんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。



ここでの死神とは一般的に想像されるようなものではなく組織、いわば会社のようなもの。千葉達はその中で外回りの調査担当、彼らの判断により対象者が死か、はたまた生き延びるのか決められる。しかしそのほとんどが可であり対象になった時点で死が決まっているようなもの。そのため千葉の仲間の中にはろくに調査もせず期限が来たら可の報告だけ済ますものもいるらしい。そんなのに当たったらたまったものではないが、一方、千葉は真面目に仕事に取り組んでいる模様。実際、彼の担当になったものには否の判断が下されたものがいる。

千葉は仕事に真面目に取り組む理由は、あくまでそれが自分に与えられた任務だから。任務を真っ当に遂行しているにすぎない、、、と彼は言う。だがそれは少し違うと見た。もちろんそれは嘘ではないが、それだけではないように思う。

彼は言う。人間には興味がない。あくまで調査の担当であり、だから彼らと関わるのだと。また彼はこうも言う。人間のやること、考えることは理解できない。死神の概念と人間の概念は違うのだから、それは仕方がないことかもしれない。しかし本当に興味がないなら何を考え、何をやろうとほっとけばいい。

しかし彼はそれを理解しようとしているように見える。対象者と積極的にかかわり、彼が何を考え、何をしようとしているのか、知りたいと思っている。それは調査という任務のためではなく、自分のわからないものを知りたい、理解したいという純粋な欲求からきていると思う。

要は人間に興味がないと言うが、いや人間に興味ありありじゃん。というか人間のこと本当は大好きやろということである。

彼はもしかしたら死神という立場にありながら、人を死なせるのが嫌なんじゃなかろうか。彼が仕事に真剣に取り組むのは、なんかと否とする材料を探そうとしているのではなかろうか。そんな思いさえよぎってしまう。それは考え過ぎだろうか。

彼は人間は奇妙な生き物というが、人間側から言わせればあんたが一番奇妙だから。そんな奇妙な死神を人間側から観察、調査したのがこの小説である。

もし地名が名前につく人物が近づいてきたら、八日後、あなたはこの世にいないかもしれない。。。











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タグ:伊坂幸太郎
posted by YEP at 20:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小説
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