2018年02月03日

拓馬篇−2章◇ ★

 日が完全に沈んだ頃、パーカーを着た少年が住宅街を走った。これは彼のトレーニングだ。鍛えた体は異性にもてはやされる、という思想のもと、少年は自身を研磨した。
 少年はふと足早に道行く者を見つけた。街灯を頼りに目をこらしてみると、髪留めを後頭部につけた少女だとわかった。そのいでたちは美人の同級生によく似ている。そうと気付いた少年は、目的の進行方向を変える。二人の距離は縮まっていく、かに見えた。
「うぅわっ!」
 少年は悲鳴をあげた。何者かが少年の顔を掴んだのだ。不測の事態におちいった少年は、逃げなくては、と思う一心で、自分を拘束する手首を握りしめた。その手首は太く、強靭。少年の力では振りほどけない。その事実がわかっても、抵抗は止めなかった。
 少年は体に力が入らなくなり、徐々に立つこともままならなくなる。ふらつく体を、拘束者の手と腕が支えた。少年がだらりと手を下ろす。すると顔を捕捉する手が離れた。
 少年の体はゆっくりと地面へ置かれた。あたりに少女はいない。少年の身に起きた不幸を気づかず、立ち去ったようだ。少年は薄れゆく視界の中で襲撃者を見上げた。巨大な体躯の影があった。人相のわからないシルエットは、物音を立てずに去る。その行き先は少女の進路と同じであったように見えたが、無力な少年はその場に寝入ってしまった。

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2018年02月04日

拓馬篇−2章3 ☆

3
 本日は授業が午前中で終わる土曜補習。平日より早く放課になる。その開放感により、生徒らは活気づくのが常だった。しかし拓馬がいつも通りに登校すると、室内に異質な空気がただよっていた。話す生徒同士の顔には不安の色が出ている。楽しげな雰囲気はまるでない。
(テストでもやるのか?)
 成績にかかわる授業がこれから始まるのであれば、彼らの心がざわつく状況はもっともらしい。しかし拓馬はそんな事前情報を聞いていなかった。そこで拓馬は会話中のヤマダと千智に、変事の有無を尋ねた。
「今日はなんかあったっけ?」
 一番に反応したのは千智だ。彼女はにらむように拓馬を直視する。
「あったのは昨日! 昨日の夜に襲われた生徒がいるんだって」
 凶悪な事件とは無縁な地域らしからぬ出来事だ。拓馬は半信半疑で問う。
「襲われたぁ? 誰が?」
「うちのクラスのスケコマシよ。転校してきたばっかりなのに運が悪いわね」
「襲われて、どうなったんだ? 学校には来れるのか」
 被害にも程度がある。軽傷ですむ場合から心に深いトラウマを植えつけられる場合まで。成石の被害状況がいかほどか、拓馬は被害者に思い入れは無いながらも心配になった。
 噂をすれば問題の本人が入室してきた。成石は教室にいる生徒の視線を一身に集める。その注目が快感なのか、成石は得意気に笑んだ。
(なんだ、元気そうだな)
 拓馬はあきれ、数秒前に感じた情をかなぐり捨てた。お騒がせなやつだと、かるい怒りすら芽生える。拓馬は彼の不興を買えるであろう無視を決めこんだ。
 拓馬の反抗とは反対に、ヤマダがどの生徒よりも先に動く。
「ナルくん、ケガはないの? 昨晩に一悶着あったらしいけど」
「なあに平気さ。いままで僕のことを心配していたのかい?」
 ヤマダは素っ気なく「ううん」と言う。
「それよか、どんな相手に襲われたのかが気になる」
「そこは余計なことを言わずに『心配してた』と言ってくれてもいいじゃないか」
 成石は大げさに落胆してみせた。しかしヤマダは成石をまったく案じなかったわけではないと、長年の交流のある拓馬にはわかっていた。あまり情けを見せては気があると勘違いされる、と考えたすえの応対だろう。
 本摩が定刻より早く教室に入ってきた。担任の教師が成石の姿を認める。
「お? 成石が来ているな。遅刻すると聞いたんだが、その様子じゃ大丈夫そうか」
「僕は体を鍛えていますから、なんてことありませんよ」
「トレーニングもほどほどにな。危険な目に遭ってまで体力作りをするもんじゃない」
 本摩は成石の身をいたわったあと、教室全体を見渡し、神妙な顔を見せる。
「あー……実は昨晩、ランニング中の成石が何者かに気絶させられてな。今後、同じ被害が続くかもしれん。みんな、夜の一人歩きは控えるよーに」
 言い終えると本摩は須坂を見た。須坂は顔をそらす。教師の視線はたしかに女子生徒へむかったはずだが、その隣席にいる三郎が大きなリアクションをとった。
「先生! この襲撃事件は今回が初めてでしょうか?」
 挙手しながらの質問だった。本摩は首をひねる。
「わからん。前例があれば警察が知ってるだろうが、そんなことを聞いてどうする?」
「もちろん、不届き者を成敗して──」
「まえに不良連中とモメたのを忘れたか?」
 拓馬たちは以前、デパートの一画を占領する不良たちを立ちのかせるため、彼らと争った。この件はどこから漏れたのか校長に知られ、拓馬たちは反省文を書かされていた。本摩はそのことを言っている。
「問題を起こすと校長が黙っていないぞ」
 三郎はがたっと椅子をずらし、立ち上がる。
「では、悪人の好き放題にさせておけと?」
「そうは言わんよ。お前たちが危ない思いをする必要はないだけだ」
「我らの力を合わせれば不審者など!」
 三郎は「なあジモン、拓馬!」と前回の戦友に呼びかけた。ジモンというあだ名の大柄な男子は「おう!」と握りこぶしをつくる。対照的に拓馬は「俺も?」と他人事のように答えた。中年の教師は三者三様の生徒を見回す。
「正義感が強くて結構だ。でもな、来月に中間テストがあって、その後には体育祭が控えている。体力自慢のお前たちが万一ケガで欠場したんじゃ、クラスのみんなも面白くないだろう。犯人捜しはそのあとにするんだな」
 本摩は生徒の犯人捜索を引きとめなかった。起きた事件が一過性の出来事だと信じてか、生徒を止めても無駄だと思ったか、いずれにせよ現状は無難な説得だった。
 三郎はさきほどの勢いが削がれ、「わかりました」と言って、大人しく着席した。三郎の勝手な行動はクラス全体の迷惑になりうる、との可能性を聞いて、三郎は我を通しにくくなったのだろう。
「素直でよろしい。それじゃ、授業をやるぞ」
 本摩は話題を切り替えた。事件のない日と変わらぬ要領で、英語の授業を執る。だが拓馬の意識はなお事件に留まった。その解決ができそうな助っ人に思いを馳せる。
(このこと、シズカさんに言ってみようか)
 その予定を頭の片隅に置いておきながら、拓馬は授業に集中した。

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2018年02月05日

拓馬篇−2章4 ★

 補習の夜、拓馬は自室のパソコンの電源を入れた。目的は古典の授業の予習をすることと、知り合いと連絡をとること。連絡相手は他県に住む寺の人で、現役の警官だ。なにかと厄介事を抱えがちな拓馬にとって、この警官は守り神のごとき存在だった。
 拓馬が予習作業を続けていくとピコピコと音が鳴る。音声通信を打診する音だ。拓馬は作業を中断し、マイク付きのヘッドホンを用意する。そして通信の許諾ボタンを押す。
「シズカさん、こんばんは」
『こんばんは、拓馬くん。いまはなにをしてたんだい?』
「古典の予習を……」
『お、えらいね。勉強の邪魔はしないほうがいいかな』
「いえ、平気です。もう終わりますから」
『そうかい。なら聞きたいことをひとつ』
 シズカのこの言葉は、拓馬との音信不通の期間が長かったときによく出てくる。
『二年生になって、変わったことはある?』
 問われた拓馬はひとりの新任教師と二人の転校生を連想した。いずれも個性的な人物だ。彼らの紹介をしようかと思ったが、そのうちのひとりが何者かに襲われたことを思い出す。それこそが本日シズカに連絡すべきことだ。
「転校生の男子が最近、不審者に襲われたんです。夜に走っていたら急に、という話で」
 シズカは早速この事件を追究してきた。しかし情報がすくない状況ゆえに、事件解決の糸口は一切見えてこない。
『わかった、未知数の事件なんだね。いまから友だちをそっちに送るよ』
 シズカの言う「友だち」とは特殊な動物を意味した。シズカの目となり手となる、変わった生き物で、シズカの本業で役立つ存在である。そのことを知る拓馬は気が引ける。
「え、でも、深刻な騒ぎじゃないんですよ」
『ここ一ヶ月くらい送ってなかったから、ちょうどいいんじゃないかな』
 拓馬は断る理由もないので承諾した。シズカが『そっちに着いたら連絡をちょうだい』と言い、通信が中断する。拓馬は耳にあてていたヘッドホンを首にかけ、椅子の背にもたれた。
 このような派遣は過去に何度かあった。そのときも拓馬の近辺に変事があり、シズカが対応した。別段拓馬に危険がせまるような出来事ではなかったのだが、シズカは親切に対応してくれる。今回の協力姿勢といい、彼はつくづく人が良いのだと拓馬は思った。
 拓馬が思いふける中、ガラス窓の叩く音が聞こえる。拓馬は部屋の窓を見た。そこに白い羽毛を持つ烏と、白い毛皮の狐がいた。拓馬が再度ヘッドホンを装着し、通信を始める。
「着きました。白いカラスとキツネです」
『白いキツネのほうがお世話になるよ。その子は調査半分、ヤマダさんにベッタリが半分になるかな』
『ヤマダを? なんでまた──』
 ヤマダは今朝、成石に被害状況をたずねていた女子。彼女は成石の事件になんら関わりがない。そんなヤマダを守る意味とはなにか。そう拓馬が問いかけたのを、シズカは笑う。
『あはは、そのキツネはヤマダさんを気に入ってるんだよ』
 大した理由ではないらしい。そう言うとシズカはまた連絡をしてほしい旨を告げ、通信を終えた。

 拓馬は一番にやりたかった目的を達成できた。ふーっと一息つく。そうやって小休憩していると、部屋の戸が叩かれた。縁の太い眼鏡をかけた中年が戸を開ける。彼は拓馬の父だ。興奮ぎみに「白い狐がいたぞ! お稲荷様かな?」とはしゃいだ。拓馬はその喜色に水を差す事実を告げる。
「ああそれ、シズカさんの」
 父が一転して、不安そうな顔をする。
「若いお坊さんの? また……厄介なことが起きたのか」
「そんなオオゴトじゃないよ。父さんは心配しなくていい」
 父は息子の言葉を信用しきれない様子で、顔をしかめた。拓馬が無理に笑顔を作る。
「大丈夫だって。シズカさんの手にかかれば悪党も悪霊も逃げていくんだからさ」
 正確にはシズカではなく、その友が悪者を退治する。この際、同じこととして扱った。
「……わかった。邪魔したね」
 父は戸を閉めようとして顔をそむけた。ぴたっと動作が止まる。
「あの狐は人に姿を見せないつもりかな。まえに、野良猫を装う猫がきたけれど」
「そうだと思う。町中に野良狐がいちゃ、目立っちまうもんな」
「それなら知らんぷりをしておこうか。私たちには区別がつきにくくて、すこし困るよ」
 父は冗談のように本当のことを言い、戸を閉めていった。

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2018年02月06日

拓馬篇−2章5

 休日明けの昼休み、拓馬は人目につくが人の出入りはすくない中庭にいた。昼食がてらにヤマダと情報共有する目的で、今日は教室を離れた。他言しづらいことも話すつもりだからだ。
 この場にはシズカが寄こした狐もいる。狐は鈴の付いた首輪をつけていた。人の手が加えられている狐は、太い尻尾をヤマダの膝に乗せている。
「お前のひざにキツネのしっぽが乗ってる。わかるか?」
「うーん、わかんないなぁ。このへん?」
 彼女が左右に手を動かすと、手は狐の尾をすり抜ける。この狐は幽霊に近い存在ゆえに、常人は視認することも接触することもできない。だが、拓馬はちがった。
「ああ、そこにいる」
「感触はないけど、きっとフカフカの毛なんだろうね」
「たぶんな。でもあんまり意識すんなよ、はたから見ると変な人になっちまう」
 それは拓馬自身が念頭に置くべき注意事項だ。狐は普通の獣ではない。シズカが呼べば姿を現す、使い魔のような生き物だ。この世界とは異なる場所へ迷いこんだシズカが、契りを交わした獣だという。
 狐はヤマダの膝元に顎と前足を乗せた。人に懐いた犬を思わせる仕草だ、と拓馬は自身の飼い犬と照らし合わせて思った。狐の前足に黒く小さな、まりも型の物体が乗る。それは拓馬たち二人が出会った時からヤマダに憑く化け物だ。存在理由は不明である。ヤマダへの害はないため、放置中だ。狐も敵ではない化け物だと知っており、無視している。
「前にシズカさんの猫ちゃんが来てたよね」
「そんなこともあったな」
「その子はわたしでも見れたね、ふつうの猫だった」
「シズカさんが捜している相手によって、霊体のまんまか実体化するかを変えるんだってさ」
 その使い分けの理由を拓馬はシズカから聞いていた。知ってはいても、シズカの判断が適切か否かを断ずるほどの理解はまだできていない。
「捜す相手っつったら、だいたいなにかの犯人なんだけどさ。犯人が人じゃない相手には、普通の人にも見える姿がいいんだって。シズカさんの猫たちが姿を消しても見つかるし、反対に普通の動物だと思わせとけば相手が油断するかもしれない、らしい」
「ふーん? わたしにはいつでも姿を見せてくれていいのに」
「学校に犬猫を連れてきたら先生に叱られるだろ。野良の出入りは黙認されてるけど」
「そのへんも考えてて、姿を見せないのかな」
 二人は弁当をたいらげ、教室にもどる支度をしたままで話を続ける。
「んー、それでこの子はいま、ナルくんを倒した人を捜さないでわたしの近くにいるんだよね。わたしが犯人に出会うと思ってて、スタンバイしてるのかな」
「さあ……けど、お前がいるところに面倒事はふってわいて出るよな」
「そんな推理物の主人公みたいな特技……あ、美弥ちゃんだ」
 ヤマダが校舎の窓を指さす。指の先に転校生の女子がいた。他の女子生徒と一緒に廊下を歩いている。なにかしら談笑しているように見えた。
「よかった、女の子とうまくやってるね」
「須坂のこと、下の名前で呼んでるのか?」
「直接は呼んでない。まだ、仲良くなれてないから」
「三郎にツンケンしてたもんなぁ。ちょっと気難しいんじゃないか?」
「うーん、女子相手ならそうでもないよ」
「じゃ、あいつは男が苦手なのか」
「そう。ナルくんと足して割ったらちょうどいいくらい」
「極端な転校生が来たもんだな」
 シズカ絡みの話題から逸れていくことに、拓馬は多少安心感をおぼえた。なんでもない日常が継続するのだと思える。だが、ヤマダは「ナルくんの事件のことなんだけどね」と新たな話題を持ち出す。
「サブちゃんがナルくんに事件のことを聞いてさ、いろいろわたしに教えてくれた。タッちゃんも聞きたい?」
「いや……土曜日に知った事件をもう調べてるのか、あいつ」
「行動力がピカイチだもんなぁ、サブちゃん。感心するよ」
「お前も他人のことは言えないぞ」
「なんで?」
「そりゃあ、シド先生をかぎ回って──」
 拓馬は渡り廊下を通る人物を見つけた。話題にしようとした人物がそこを歩いている。
「噂をすれば影がさす、か。先生、こっち見てるぞ」
「え? あ、ホントだ」
 ヤマダは銀髪の教師にむけて、手を大きく振った。異色な髪は地毛だという教師も手を上げて軽く振る。そのやり取りを数秒続け、ヤマダはもとの居住まいにただす。
「先生、あの様子だとなにも気にしてないね……」
「なにがあった?」
「えっと……シド先生が校長と密会する実態を暴こうとして、潜入したんだよ」
「いつの間にやってたんだ、そんなこと」
「ナルくんが襲われる前。天然なほうの事務のおねーさんに協力してもらってね」
「へえ、で、なにがあったんだ?」
 ヤマダは言いにくそうに口をすぼめる。
「あんまり、おもしろいことはなかったよ。校長との密談は、まじめな話をしてたみたいだし」
 拓馬は彼女の言い方から、どうも触れてほしくない内容なのだという壁を感じた。
(ま、俺は最初から興味なかったことだし……)
 拓馬は追究しなかった。ヤマダが「教室にもどろうか」と立ち上がる。それに伴って狐が体を起こす。二人と一匹は校舎に入った。拓馬は教室に帰る間、三郎が事件の事情聴取した話を聞きそびれたことに気付く。
(俺が聞かなくてもあいつから話してくるだろ)
 変事が起きるたび、三郎は拓馬の助力を仰ぐ。その傾向をふまえ、彼からの働きかけを待つことにした。

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2018年02月12日

拓馬篇−2章6

 昼食後、拓馬とヤマダ二人が教室にもどった。すると拓馬の想定外な人物に話しかけられる。
「根岸、放課後は空いているか?」
 眼鏡をかけた、長身痩躯な男子だ。拓馬たちとは去年から引き続きのクラスメイトである。しかし三人は幼少期に知り合っている。この男子は両親の離婚により、小学中学の期間を拓馬たちとは離れ離れにすごした。その間に彼は気難しいガリ勉へと成長を遂げている。
「ヒマだけど、どうした? 椙守が遊びの誘いなんかしねえと思ったが」
 勉強一筋な椙守はむっすとした表情で「遊びじゃない」と拓馬の意見に同意する。
「手を貸してほしいんだ。僕一人では無理がある」
 彼は気軽に他人を頼れる性格ではない。切実な依頼だと感じた拓馬は二つ返事で「わかった」と答えた。ヤマダが「わたしも手伝おうか?」と言うと椙守は首を横に振る。
「拓馬がいれば事足りる」
「なにやるの?」
「肥料を運ぶんだ。部活に必要で……」
「どこにまくの? 畑?」
「いや、在庫の補充だからすぐには……」
「それってまとめ買いしてるんじゃない? ミッキーの腕力じゃキツい──」
「きみには関係ない!」
 強い否定の口調だった。椙守は必要以上に拒絶を示したせいで、バツが悪そうに顔をしかめる。自己表現が上手でない彼にはままあることだ。ヤマダも椙守の性情は知っており、和やかな調子を維持する。
「わかったよ。タッちゃんのほうが信頼できるんでしょ」
「そういうわけじゃ……」
「じゃ、男二人でがんばってね」
 ヤマダは後腐れなく自席へ帰った。椙守と再会した直後はああもすんなり引き下がらなかったのだが、この一年ですっかり慣れたらしい。
 当の椙守はヤマダの機嫌が損なわれなかったことにほっとしていた。拓馬の目からして、彼がヤマダを好意的に想っていることはたしかだ。それが友情であれ男女の情であれ、個人への嫌悪からくる拒否反応ではない。彼は常に不機嫌なのだ。その原因は家庭環境にある。
「また癇癪を……」
 古馴染みが自責の念を表した。不器用な彼に、拓馬はなぐさめをかける。
「あいつは気にしてねえよ」
「どうしてなんだ? ほかの生徒は、僕を避けるぞ」
「俺もあいつも、お前がいろいろ複雑なんだとわかってる」
「めんどうくさいやつだと知っていて、なぜイヤな顔一つしないんだ」
「お前でイヤがってたら、三郎のケンカの付き合いはできねえって」
 昼休み終了の予鈴が鳴る。椙守はなにかを言いたげだったが、二人はそれぞれの席に着いた。拓馬は次の授業の準備をすすめるかたわら、椙守の家庭状況について思考をめぐらす。
(ちっちゃい時はおとなしいやつだったのに)
 拓馬の古い記憶においても椙守は運動が苦手であった。しかしその短所をからかったとしても怒ることはなかった。すこし臆病で、やさしい人柄だったはずだ。
(きっと、イライラしてんだろうな)
 椙守が抱える不満は貧弱な体だけにおさまらない。一番の不満は、彼の父親が勉学を軽視することだ。彼の実家は自営業を営むがゆえに、その後継者にあたる長男には必要以上の学力を持ってほしくないのだという。かの男子が才穎高校一の秀才でありながら、近隣のハイレベルな高校に入学しなかった理由も、父親の一存らしい。彼の現況は不本意そのものだろう。
(家にいたくないから部活に入る、ってのもややこしい)
 椙守は帰宅後、花屋の手伝いをやらされるという。その時間を惜しみ、椙守は園芸部に所属している。家業に通じる部活動なら反対を受ける謂れはないという建前と、時には部活動を装った学習時間を得られるという本音があるそうだ。
(親を騙してて、平気なわけねえよなぁ)
 校内での椙守には自身を偽る様子がない。もともとが正直な性格なのだ。呼吸をするように嘘をつく詐欺師ならいざ知らず、彼が日常的に父をあざむき、父の意思に刃向い続けることは、ストレスになっているにちがいない。
(俺は親と同じ価値観を持ててるから、荒れずにすんでるんだろうな)
 拓馬は視線をヤマダの机上にやった。白い獣が行儀よく座っている。教室中の生徒のだれもが、その異常な光景を騒ぎたてない。あの生き物は常人には見えないのだ。あれが見える人物は拓馬とシズカ以外に、拓馬の父も該当する。
 霊視は損な力だと拓馬は思っている。自分が見えているものが物理的に存在するものか否かを知るために、他者の反応をうかがわねばならない。普通に生きるにはめんどうくさい能力だ。のぞまぬ力ではあるが、その特異な悩みを共有できる者がいる。理解者がいる点においては、拓馬は幸運だと言える。そのような心の支えになる人物が、椙守には足りない。
(あいつも看ててやらねえとな)
 湧き上がる義務感はなにを元に生じるのか、言葉にはできなかった。おそらくこれが拓馬の性分だ。常にだれかを気にかけ、世話をするのが当たり前になっている。その主な対象は家事の不得意な姉だったり、甘えん坊な飼い犬だったりする。
(こんどの連休、トーマを遊ばせてやりたいな)
 飼い犬のことを考えはじめると、拓馬は途端に明るい気分へと胸が染まっていった。

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2018年02月19日

拓馬篇−2章◆

 放課後、椙守は昔なじみの根岸をともない、二階の教室から一階事務所へ向かった。目的の輸送物は園芸用肥料袋十キロを三つ。椙守は根岸と協力し、園芸部の物置まで三往復するつもりでいた。思いがけず、往復回数を減らせる見込みになった。もう一人、椙守の助力を申し出た生徒がいるのだ。その生徒は仙谷という、椙守とはあまり親交のない男子剣道部員だ。
「例の件で拓馬に伝えたいことがあったんだが、用事があるなら──」
 今日はやめよう、と普通なら言うところを、彼は「オレも同伴しよう」と言い出した。人手が増えても困ることはない。しかし、椙守はそれほど親しくない人物に借りを作ることに気兼ねして、「部活に遅れないか」と婉曲的に断りを入れた。仙谷は自信に満ちた笑みで「人助けをしたことに怒る部員はいない」と鷹揚にかまえている。椙守が却下する余地はない。椙守はヤマダの手助けを断ったことに若干の罪悪感をもちながら、その要求を飲んだ。
 移動中の仙谷はなぜか根岸への伝達を後回しにし、椙守に関することを聞いてくる。
「園芸部は文化部といっても体力勝負だろう。体にムチャはかけてないか?」
 接点のすくない他人から労わられている。椙守はむずがゆさを押しとどめて、あたりさわりない返答をこころがける。
「毎日やってはいないから、そんなには……」
「そういうものか。オレは毎日活動する部にばかり入っていて、それが当たり前だと思いこんでいたようだ」
「だけど十キロの肥料袋を運ぶのは、ムチャ以前にムリだな」
 椙守は他人から非力さを話題にされるまえに、みずから暴露した。そのほうが気分の落ちこみ方がゆるやかになる。ただ、弱みをさらすことへの抵抗はあった。特に運動能力に秀でた者には理解されない弱さだ。
『その程度のものも、持てないのか』
 長年別居していた父は、久方ぶりに出会った息子に落胆した。働き手になるはずの子が、水を張った花桶を満足に運べないありさまを見たからだ。その花桶は学校の掃除で使用するバケツよりずっと底が深く、大きなタイプだ。使用の際は水を桶の半分ほどにそそぐ。器に対する内容量に余裕があるため、見た目には簡単に持てる気がした。しかしそういかなかった。重量もさることながら、持ち手のない桶を体の負担なく運ぶ持ち方がわからなかったせいだ。筋力も知識も欠けた素人では持てなくて当然である。なのに、己の経験則で物事をはかる父はそんな予測を立てなかった。想像力のない人間だ。母に離婚を言い渡されたころから、なにも成長していなかった。
(そういう人だと、わかっていたけれど──)
 母の怨嗟はよく聞かされていた。その言い分にはいくらか独りよがりな部分があっただろう。だが実際に父の無理解に直面するようになって、椙守自身にも以前の母の頑なさが生まれるようになった。
(仕事のできない子どもだとわかれば、家を継がせる気もなくなるはず)
 椙守はあえて自分の身体を卑弱に保っている。筋肉増強に役立つと言われる食品は極力避けるし、運動も最低限におさえる。そうすることで父の思い通りになる未来を避けようと考えた。のぞんで弱い体でいるのだから、恥じることはないのだろうが──
「十キロが持てないから、拓馬を頼ったんだな。そこになんの不都合がある?」
 階段を下りるにあたり、仙谷がたずねた。その内容から察するに、彼の目には、椙守が自身の筋力に負い目を感じているように映ったらしい。
「得意不得意はだれにでもある。できないことを他のだれかがやってくれるなら、それでいいじゃないか」
 熱血漢には不似合いな言葉かけだった。「がんばればやれる」と無計画に向上心を振りかざす体育会系ではないようだ。話しのわかる相手かもしれない。
「肥料運びに限定すれば、そうだよ」
「なぜ限定する?」
「家の仕事は他人にまかせられない」
「そうか? 素人考えだが、それこそ他人任せで解決できそうだと思う」
 どんな考えだ、と椙守は聞き返しそうになる。しかし彼の言わんとすることがパッとひらめいた。仙谷は、ほかにも家業を担う同級生を知っている。
「オレたちと同じクラスにいるジモン、あいつは親の仕事の手伝いをしている。家族経営の店だ。身内だけじゃ手が回らないから、何人か従業員を雇っているそうだ」
「うちの花屋も、だれかを雇えばいい、と?」
「ああ、たとえば拓馬はどうだ? 力はあるし、いろいろ気が利く」
 根岸が「勝手にすすめるなよ」と抗議する。
「俺、花のことなんかわかんねーぞ」
「裏方の仕事をやればいいんじゃないか?」
「そういうもんでもねーって」
「なんでだ?」
「こいつの親父さんは後継者を育てたいんだよ。椙守がやらなきゃ、意味がない」
 根岸が父の目論見を看破している。椙守がすすんで家の事情を話したおぼえはなく、彼の洞察による理解だとわかった。旧友の適切な弁護を受け、椙守は意外性と安心を感じた。
「他人が肩代わりできやしないんだ」
「雇われ店長というのも、いけると思うんだが」
「他人が店を継ぐのか?」
「そうだ。どうも椙守が客商売をやるのは、ミスマッチのように思えてな」
 学者や教師のほうが向いている、と仙谷は直球で言う。直後にすまなさそうに表情をくもらせる。
「いや、本人がやりたいのなら、オレが口出しすることじゃないんだが……」
「無理してる、ってか?」
「そういうふうに心配するやつがいるから、な」
 二人の言い方によると、この二人以外にも椙守の身を案ずる者がいるようだ。その人物がだれとは匂わせていないが、心当たりはあった。椙守が自身の情けない姿を見られたくなくて、同行を拒否した女子だ。
(ヤマダは……そういう子だ)
 おそらく仙谷が椙守家の改善策をするすると述べるのも、彼女がそのような話題を彼にしたからだろう。でなければ親密でない同級生のことを真剣に考えられるとは思いにくかった。ひょっとすると、仙谷の主張は彼女の受け売りかもしれない。
(可能性は、そっちが高いな……)
 椙守が同行者以外の生徒にも温情を感じていると、目的の事務所前が見えてきた。そのそばには外部の大人がよく出入りする玄関がある。そこに背の広いスーツ姿の人物がしゃがんでいた。頭髪は銀色。ひと目で特定できる教師だ。
「シド先生! なにをされてるんです?」
 仙谷が興奮ぎみに話しかけた。彼が高揚する理由は、この教師を尊敬しているからだろう。そのきっかけは教師の運動能力にある。二人が学校の広場で組手をするさまを、椙守は見かけたことがあった。
 武芸に秀でた教師はこちらに顔を向ける。特徴的な黄色のサングラスが変わらずある。
「届け物を見ていました」
「もしかして肥料ですか?」
「そうだと思います。園芸用だと書いてありますから」
 仙谷はせかせかと駆け寄った。椙守と根岸もそれに続く。しゃがむ教師の肩越しに、長方形のビニール袋が積み重なっているのを確認した。袋の数は三つ。いちばん上の袋は教師が触ったせいか下の袋の横幅からはみでた置き方になっている。
 仙谷は「これで合っているな?」と椙守に問い、椙守は「これだ」とうなずく。
「手分けして運ぶんだが……どうしようか」
 椙守の理想は、自分とだれか一人が同じ袋を一つ持ち、のこり一人が一つ運ぶこと。二往復で済ませようと考えていた。すると教師が「三人で一袋ずつ持っていくのですか?」と大それたことを言いだした。椙守は頭をぶるぶると横に振る。
「そんなの、僕はできません」
「そうなのですか?」
「そうですよ! 先生は運動神経がいいから、非力で運動音痴な男のことなんてわからないでしょうけど──」
 嫉妬がましい言葉を、教師は目を丸くしながらさえぎる。
「貴方が、非力?」
 その言葉は実際、他人の話を止めるために発したものではなかった。ただ、まことに意外そうに言うので、椙守の口が思考とともに止まったのだ。
 黙る二人に代わって、根岸が反応を示す。
「シド先生、この椙守ってのはどう見てもガリガリのヒョロヒョロだろ? こんなやつがそんな重たいもんを持ったら、骨がぽっきり折れそうじゃねえか」
 根岸は擬態語を二つも重ねて、椙守の貧弱さを説いた。その強調表現は椙守の心をちくちくさせる。だが真実なので反論はしなかった。
 今年勤務したばかりの教師は椙守を観察し、「言われればそうです」と納得する。根岸は「見てわかるだろ」とあきれた。根岸の反応こそが正常だ。しかし、教師は意味深にほほえむ。
「この三人の中で、伸びしろが大きいのはスギモリさんだと思いますよ」
 教師は「伸びしろがある」とする具体的な能力を言っていない。だが椙守以外は武術の心得がある点で共通する。このメンツにおいて、武術にまつわることを指すのだと推測できた。それゆえ、生徒たちは三者三様におどろく。根岸は教師がとち狂ったのではないかと疑う声を、仙谷はまったくマークしていなかった強者が発掘されたことへのよろこびの声を、そして椙守は予想外の高い評価を得たという戸惑いの声をあげた。
 三人の驚愕をよそに、教師は悠然と立ち上がる。
「スギモリさんは強くなりますよ。時間はかかるかもしれませんが……私が保証します」
 教師は生徒たちの質問を受けつける間もなく去った。あとには強烈な発言を咀嚼しきれぬ生徒がのこる。根岸は「ほんとかぁ?」と椙守をいぶかしがる。
「お前が強くなるって? 俺らより?」
「いや、それは……『伸びしろ』の捉え方次第だと思う」
「ほかにどう解釈できるんだ?」
「『伸びしろ』の意味は『成長の余地』だろう? 僕はまず、一から鍛えなきゃいけないから……」
「ほぼゼロからのスタートか。そっから俺や三郎ぐらい強くなった場合でも『いちばん伸びしろが大きい』とは言えるな」
 教師の目測は三人の強さの限界値でなく、現在の強さから予想できる成長の幅を指している。そのように考えると根岸はいたく合点がいった。彼の反応は至極当然だ。根岸や仙谷が日本一の武芸家になることより、椙守がそのへんの悪漢と対等に戦えることのほうが、現実に即した話のように聞こえる。だが椙守は自分で述べた解釈ながらも、「どうあがいてもこの二人には勝てない」という結論を否定したくなる。
(あの先生は、その程度のことであんな思わせぶりに言うだろうか?)
 出会って一ヶ月も経ってはいない。しかしその人柄は誠実だと評判だ。いたずらに他人をまどわすような、虚言癖のある人ではなさそうだった。──というのは表面化した理性がもっともらしく並びたてる根拠だ。本音では「ずっとかなわないと思っていた相手に勝てる」という夢のような可能性に胸が躍っている。
 一人、口に手を当てて沈思黙考していた仙谷がうごいた。彼はいきおいよく肥料を持ち上げる。
「未来の強者よ、両手を出してくれ」
 なんの脈絡もない指示だ。普段の椙守ならば理由をたずねてから行動する。そのはずが、新任教師の言葉を真に受けたばかりに気を良くし、素直にしたがった。
 両手のひらを天井に向けて胸のまえに出すと、仙谷は持っていた肥料を下ろした。椙守の手腕に十キロのおもりがのしかかる。椙守の体は前方の重力に引っ張られ、前のめりになった。そのまま地面へ倒れる。かと思ったが、仙谷がおもりを支えたことで転倒は防げた。しかし勢いあまった椙守はあごを肥料にぶつけてしまう。椙守が痛がっていると、仙谷はかるがると肥料を肩に担ぐ。
「いまのところ、からっきしダメなようだな」
 現実を突き付けられた椙守は一気に不機嫌になる。
「だから、人手を借りたんだろう!」
 責められる仙谷はまったく堪える様子なく、「それはそうだ」とほがらかに肯定した。

タグ:拓馬
posted by 三利実巳 at 04:25 | Comment(0) | 長編拓馬 

2018年02月21日

拓馬篇−3章◇

 畳を敷いた部屋に二人の女性がいる。一人は守るべき娘、一人はその親。二人の近くには白い狐がしずかに座する。だれも狐の存在を気取らぬまま、千変万化の機械に注目した。そこに娘と瓜二つな歌女が映る。
「あ、融子ちゃんが出るのね!」
「ふーん。歌番組以外にも出るんだね」
 母は融子をわが子のような親しみをおぼえているらしかった。その一方、娘は己と似た者の話題を嫌っていた。嫌う理由を、狐はまだ理解できていない。
 時刻は狐の主要な務めを果たす頃合いになる。狐は家屋をすりぬけた。屋根へあがり、その近隣の屋根へと小さな体を跳ねる。狐は警官という職分の若い男に従い、住民を脅かす存在を捜す。捜索すべき対象のすがたかたちは聞かなかった。特定できるだけの情報が足りないのだ。こうなっては他人に危害を加える者すべてに対処すればよい。特に女子供を守ることはいまの主の意向にそぐう。そのような考えから狐は町を出歩いた。
 狐は自身が遣わされる事件の関係者のもとへ向かった。はじめの被害者を介抱したという女子の視察である。女子の宿舎に寄ると彼女の部屋の明かりは点いていない。若者の就寝にはまだ早い時刻だ。中を確認するも人はいない。部屋主は外出中だと判断し、べつの場所へ移る。
 狐は舗装された道に等間隔で立つ柱の上にのぼった。遠方を見渡したところ、奇妙な音が耳に届く。人間の声、それも悲鳴に近い。ただちに音の鳴った方角へ駆けた。
 木々に囲まれた公園の近く、地に伏せる男が二人いた。遅かったか、と悔しさを覚える。倒れた男に外傷はなく、呼吸も異常がない。あとは自力で起き上がれるかが問題だ。被害者の様子をうかがい、時が経過すると女が二人見えた。その片割れは先ほど侵入した部屋の主だ。スザカミヤという少女。もう一人の女の素性はわからない。
「また、人が倒れてる……」
「……行こう、お姉ちゃん。早く!」
 髪の長い少女が姉の手を引く。狐は街灯に照らされた女性の顔を確認した。姉とよばれるだけあって少女と似た容貌だ。二人が逃げるように走った。狐は彼女たちを尾行しなかった。行き先はすでに知っているからだ。
 狐は再び男たちの様子を見る。彼らが生きていることはいい。その後に目を覚ますかだ。そのいかんによって、犯人は特定でき、今後の行動に左右される。
 男どもがいまだに寝る様子に狐は痺れを切らした。平時はせぬようにと忠告された実体化を果たす。そして男の頬を突く。二、三突いて反応がなく、今度は勢いをつけて殴る。軽い悲鳴をあげて、やっと男が起きた。これで若い主が危惧する被害ではないとわかった。狐はムダな時間をついやした、と辟易しながら、守るべき者のもとへ帰った。

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posted by 三利実巳 at 23:59 | Comment(0) | 長編拓馬 
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