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2016年12月15日

妄想劇場・番外編 「八 音 琴 」


番外編 (2).jpg



信じれば真実、疑えば妄想……


181011.jpg




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「八 音 琴 」


福田は、夜、蘭華が帰る前にアパートに戻り、
じっと蘭華の帰りを待った。そして、蘭華は、
いつもの土曜日と同じ時間に福田の待つ
アパートに戻った。

福田「蘭華、お前、今日、誰と会うてた?」
蘭華「えっ? 誰とも会っていませんでしたよ。
私、学校に行っただけですよ。」
福田「嘘つくな。木村と会うてたんやろ。
わしに内緒でなんてことしとるんや。」
蘭華「私、貴方の奥さんじゃない。
結婚してない。誰と会ってもいい。」

福田「なんやて!」
福田の右手は、蘭華の頬を叩いた。
福田「蘭華、お前、わしを騙してたんか? 
何回、木村と会うたんや?」
蘭華「まだ、二回しか会っていません。」
福田「嘘つくな、ぎょうさん会うてたの解っとるんや。
何回、あの男と寝たんや? 
お前、あの男が好きなんか?」

蘭華「私、木村さんとは寝ていません。
私、木村さんが好きです。でも、まだ、
彼の気持ち、聞いていません。」
福田「蘭華、お前、あの男と付き合うのか? 
あの男は遊びやぞ。お前とセックスしたら、
お前、捨てられるだけやぞ。それでもええんか。」

蘭華「私、それでもいい。好きな人と会いたい。
私だって女です。自由に恋もしたいです」
福田「何言うてんねん。この中国女めが・・・」
福田は再び蘭華に手を上げた。
それも、一度、二度、三度・・・、小柄な蘭華は、
その度に部屋中を転がった。そして、とうとう、
一つにまとめ上げていた欄華の長い髪がほどけ、
床一面に広がった。福田はそんな蘭華の髪を
鷲掴みにすると力強く引き寄せた。

福田「わしがどんだけお前に尽くしたか、どんだけ金、
使うたか、お前、知らんとは言わせへんぞ。」
蘭華「解っています。社長には、たくさん、たくさん、
お世話になりました。感謝しています。
尊敬もしています。しかし、私も一人の人間です。
一人の女です。恋もしたいです。何故、人を
好きになっては駄目なのですか?

社長、おかしいです。私を自由にして下さい。」
福田「おお、そんな考えやったら、もうええや。
自由にしたる。そな、こっから出て行け。
二度とここには入れさせへん。」

蘭華「解りました。私、出て行きます。」
蘭華は、自分の荷物を小さなバックに詰め込むと、
泣きながら福田と暮らした部屋を後にした。
外では稲光が光り、今にも大粒の雨が
降り出しそうな夜空であった。

蘭華が福田と生活を共にしたのは二年を超えていた。
にもかかわらず、なんと、蘭華が持って出た
荷物の中味は、少なかった事であろうか。
蘭華には家族を養う生活があった。
妹の璐は蘭華の援助で、すでに大学にも通っていた。
蘭華は福田のアパートから追い出されたとしても、
会社を辞めることは出来なかった。

そんな蘭華の境遇を、福田は十分に知っていた。
蘭華はいずれ自分に謝り、また、自分のところに
戻って来るとさえ福田は考えていたのであった。

宿命

小さなアパートで一人暮らしを始めた蘭華は、その後も
木村との密会を続けていた。
木村は仕事ではなくても上海に来ては蘭華と会っていた。
しかし、二人の行動は全て、福田には筒抜けであった。
福田は、蘭華のメールを自分のパソコンにもコピーして
転送される様に設定していたのであった。

二人がどんなやり取りをしているか、いつ、どこで
会おうとしているのか、福田は全て把握していた。
そして、蘭華が木村と会う前日になると、必ず蘭華に
仕事を入れるのであった。

蘭華は会社の役員である以上、一般社員の様に
労働時間の規制は無く、福田は堂々と休日でも
仕事をさせる事が出来たのだった。

しかし、蘭華を自分のアパートから追い出して
しまった以上、夜中まで蘭華を拘束することは出来ない。
福田は蘭華を追い出したことを悔やみ、嫉妬に
かられていた。それでも福田は、夜の夜中でも、
仕事と称し、蘭華に電話をするのであった。

そんな福田からの束縛を見ているうちに、木村の足は
次第に上海から遠退いていった。
夏の暑さもこれからという七月、北海道から時々仕事で
上海に来ている一人の日本人男性を、蘭華は博物館に
連れて行く事になった。

この西村と言う男は、自分の考えた品物を中国で
製造しようと蘭福貿易に依頼して来たのであった。
その時の西村にとっては、その仕事が彼の人生、最後の
賭けでもあった。

当時、日本では景気が回復していると言われていたが、
それは日本の一部分であり、大半の日本国民には
苦しい生活が続いていた。特に地方ともなると景気は
惨憺たるものであり、西村の経営する建設会社も
例外ではなかった。

しかし、中国において日本人は、まだまだ、
憧れに近い存在であり、西村も同じ様に見られていた。
行く先々で大歓迎を受ける西村にとって、
異国、上海に来ることが現実からの逃避になっていった。
いくら金の無い西村でも、中国での貨幣価値の
違いによって、良い思いは出来たのであった。

西村は、上海に来る度に福田や蘭華と夕食を共にした。
ここでも福田は蘭華を自慢げに連れ出していた。
と言うよりも、福田にとって、接待と称して蘭華との
時間を共にすることが目的でもあった。

その時の西村は、福田と蘭華の仲については全く知らず、
次第に蘭華の美しさに心が魅かれる様になっていった。
帰りの飛行機の関係で、西村には土曜日に空いた
時間が出来た。西村は中国語が全く話せず観光見物が
出来ないで困っていた。

そこで西村は蘭華をデートに誘ってみた。
蘭華は仕事の延長と割り切り、学校の授業の合間の
二時間を使って、博物館を案内した。
待ち合わせから三十分遅れ、蘭華は博物館の
正面玄関にたどり着いた。その時の蘭華は、
いつものスーツ姿とは違い、Tシャツにジーンズといった
普通の女の子そのものであった。

仕事中は常にお団子にしている髪も、この時ばかりは
ポニーテール姿であった。ポニーテールの先端は
腰まで届き、強い日差しに輝いていた。
二人は早速、蘭華の中国語でチケットを買い、
館内に入って行った。

館内の展示物は、西村が想像、期待していたのとは
全く違い、骨董品の壷がこれでもかと言う様に、
スポットライトを浴びて輝いていた。
西村は蘭華から展示物の説明を聞いていた。
蘭華は、中国語の解説文をたどたどしい日本語で
訳してくれていた。そんな時、蘭華の携帯電話が
鳴り出した。・・・

つづく

Author :夢庵壇次郎
http://www.ne.jp/asahi/muan-danjiroh/jp/



別れの夜明け(お色気演歌)




歌は心の走馬灯、歌は世につれ、世は歌につれ
人生、絵模様、万華鏡…





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