ルディー和子さまのコラムを読みますと
恐慌中に恐慌という振る舞いをしなかった会社が
生き残って成長したように読めますが、
そうではなく恐慌中に
広告費用を削減しなくても良いぐらい
資金が潤沢であったか、
銀行から金を借りれた。
と読めますね。
ピーアンドジーは紙おむつの会社です。
どんなに金がなくても
紙おむつはかわなければなりません。
なぜなら布おむつの方が高くつくからです。
つまり、生活必需品であった。
食品と同じくらいなくてはならないものだった。
そういう会社に銀行は金を貸すわけです。
あと着目点は、恐慌発生時に
売上が半分まで落ちた
というくだりですね。
2008年のリーマンのとき、
ほとんどの会社が売上を半分近くまでおとしています。
リーマンから3年、あれが大恐慌の引き金と
思っていない方が結構いますが
あのときから、
既に大恐慌が始まっているのです。ルディー和子さま コラムより
マーケティング NOW
NOW4 「大恐慌」時代に成功したマーケティング戦略
2009 年 4 月 27 日
http://www.biz-hacks.com/column/rudy05_04-2.html
100年に一度の経済危機といわれ、
株価の低落、内定取り消し、派遣社員の契約打ち切り・・・・
といったニュースが毎日流れる。
それによって、まだ、自らは実際的被害をこうむってはいない
フツーの市民も、「先行きがなんとなく不安」で買い控えをする。
こういった消費の減退に呼応して、
小売業者やメーカーの合言葉は「低価格」と「コスト削減」だ。
いまの経済危機はアメリカで
1929年10月24日の株価暴落から始まった大恐慌(Great Depression)の再来か?
いや、そうはならない・・・といった議論を耳にする。
そういった議論は経済学者にまかせるとして、
マーケティングにかかわる人間として気になるのは、
大恐慌の時代から学ぶべき教訓みたいなものがあるのか?
あるとしたら、それは何か?・・・ということだ。
1929年にアメリカで始まった恐慌は世界に飛び火し、
32年後半から33年春にかけてピークを迎えている。
その後の回復もぐずぐずしたもので、
景気が本格的に良くなるのは、
第二次世界大戦による戦争特需が生まれるようになってからだ。
この長期にわたる不況の時代に、
恐慌が始まった1929年以前よりも成長を遂げた企業がいる。
そういった企業は、他の企業に比べて、
どういった異なるマーケティング戦略を採用したのだろうか?
これについては、恐慌再来が叫ばれるようになった2008年春ごろから、
アメリカでも、いくつかの記事が書かれている。
そして、面白いことに、ほとんどすべてが同じ結論に達している。
簡単にまとめると、
大恐慌を生き抜いただけでなく繁栄した企業は、
「不景気などまるで存在していないかのように、
一般大衆が消費できるお金を
以前と同じくらい持っているかのようにふるまった会社」なのだ。
「他の企業がコスト削減から広告費を減らしたなかで、
広告をし続けた会社」なのだ。
競合他社の広告が消費者には見えにくくなっていくなかで、
以前と同じように広告するから目立つ。
他の企業が消極的に対応するなか、
積極的なマーケティングを展開することで、
こういった企業は低いコストで市場シェアやROIを向上することができた・・・・
というのが共通する結論だ。
「不況は、ノイズが比較的少ない環境で
マーケティングできるという絶好の機会を提供してくれる」
と「アドバタイジング・エイジ/AdvertisingAge」は書いている。
でも、あの雑誌なら広告の擁護をするのが当然。
なんとなく信憑性がない。
だが、大恐慌を含めて不況時に広告投資を継続した会社が
成長したことを証明する調査結果や逸話がいくつかある。
(1)まず、最初に、大恐慌におけるエピソード・・・
P&Gの売上は、
大恐慌が始まった最初の3年間で
$1億9200万ドルから$9400万ドルへと50%以下に落ちた。
だが、広告予算を削減しないどころか、
1933年には、当時、最も新しいメディアであったラジオを使い、
メロドラマの連続番組の全国放送を始めている
(ちなみに、こういったラジオ番組では石鹸(Soap)の宣伝を
よくしたために、放送されたメロドラマは
ソープ・オペラ(Soap Opera)と呼ばれるようになった)。
「P&Gが、アメリカのこれまでの主な不況時ごとに
大きな成長を遂げてきたのは、偶然の結果ではありません。
P&Gは、現在でも、不況時に広告予算を削減しないという
哲学を保持しています」
と断言するマーケティングコンサルタントもいる。
1920年代、自動車のフォードの売上は
シボレーの10倍あった。
しかし、恐慌にもかかわらずシボレーは広告予算をふやし、
財務数値のかんばしくないフォードが
対抗措置をとることができないのを尻目に、
1931年にはフォードの売上を抜いた。
20世紀初頭、朝食用シリアル業界には
ケロッグを含め42の競合企業がひしめいていた。
恐慌が始まったとき、
ケロッグはいったんは広告宣伝費削減を決めたが、すぐに撤回し、反対に予算を増やして積極的に広告し続けた。
ケロッグの売上は競合他社を大きく引き離し、
恐慌の最中も右肩上がりで上昇しつづけ、
20年代末に$430万だった利益は、30年代初めには$570万に増大していた。
(2)アメリカの不況時のB2B分野における調査結果・・・・
米出版大手マグローヒル社が産業財企業600社を調査した。
それによると、1981年ー82年の不況時に広告費用を維持したか
増やした企業の売上は、不況の最中とそれに続く3年の間に、
広告を削減した企業と比較して256%も増大している。
ちょっと期待はずれ?
でも、マーケティングの「成功の鍵」なんて、
みんなそんなもんです。
当たり前のことを「基本は守らなくっちゃ」・・・と、
きちんと実行する企業が成功するのです。
だいたいにおいて、不況に突入しても広告活動が継続できるということは、
財務的にも余裕があるということであり、
それは、その会社がもともと優良企業であるという証です。
最近の調査結果がそれを裏付けてくれます。
米ビジネススクールの2002年の調査・・・
様々な業種企業の上級マーケティング担当者150人を対象に、
直近の不況時前後の業績と経営内容に関して調査した。
結果、明確なマーケティング戦略、現金、
革新や冒険を怖れない企業文化、余裕ある人員と
生産能力といった要素をもって不況を迎えた企業は、
不況をチャンスと考え、マーケティング投資を積極的に
増やすことで顕著な業績を達成することに成功している・・・
という事実が明らかになっている。
<以上略>
<貼り付け終わり>