2008年01月06日
三方よし−近江商人
「三方よし」とは、近江商人の活動の理念を表す代表的な言葉で、「売り手よし、買い手よし、世間よし」の精神として知られています。
つまり,取引の際に売買当事者双方のみならずその取引自体が社会をも利するものでなければならない、ということです。
この教えの原典は,宝暦四(1754)年の中村治兵衛宗岸が孫に遺した書置です。この中には「三方よし」の文字は存在しません。何故なら、この言葉は近江商人の活動や精神を研究している現代の研究者が考案したものであるからです。実際の書置には次のように記されています。
原典:
たとへ他国へ商内に参り候ても、この商内物、この国の人一切の人々、心よく着申され候ようにと、自分の事に思わず、皆人よき様にと思い、高利望み申さずとかく天道のめぐみ次第と、ただその行く先の人を大切におもふべく候、それにては心安堵にて、身も息災、仏神の事、常々信心に致され候て、その国々へ入る時に、右の通りに心ざしをおこし申さるべく候事、第一に候
訳:
たとえ他国へ行商に出かけても、自分の持ち下った衣装等をその国のすべての顧客が気持ちよく着用できる様にこころがけ、自分のことよりも先づお客のためを思って計らい、一挙に高利を望まず、何事も天道の恵み次第であると謙虚に身を処し、ひたすら持ち下り先の地方の人々のことを大切に思って商売をしなければならない。そうすれば、天道にかない、身心とも健康に暮らすことが出来る。自分のこころに悪心の生じないように神仏への信心を忘れないこと。持ち下り行商に出かけるときは、以上のような心がけが一番大事なことである。
この精神は,現在の商売人,企業にとっても必要不可欠なものです。企業は,ともすれば利益を上げることばかりに目がいきがちですが,「世間の人々の役に立つこと」が企業の目的です。世間の人々の役に立ち,存在価値を認められると,利益を上げることができる。それを元手に企業はまた,世間の人々の役に立つべく事業活動を行えるのです。
つまり,取引の際に売買当事者双方のみならずその取引自体が社会をも利するものでなければならない、ということです。
この教えの原典は,宝暦四(1754)年の中村治兵衛宗岸が孫に遺した書置です。この中には「三方よし」の文字は存在しません。何故なら、この言葉は近江商人の活動や精神を研究している現代の研究者が考案したものであるからです。実際の書置には次のように記されています。
原典:
たとへ他国へ商内に参り候ても、この商内物、この国の人一切の人々、心よく着申され候ようにと、自分の事に思わず、皆人よき様にと思い、高利望み申さずとかく天道のめぐみ次第と、ただその行く先の人を大切におもふべく候、それにては心安堵にて、身も息災、仏神の事、常々信心に致され候て、その国々へ入る時に、右の通りに心ざしをおこし申さるべく候事、第一に候
訳:
たとえ他国へ行商に出かけても、自分の持ち下った衣装等をその国のすべての顧客が気持ちよく着用できる様にこころがけ、自分のことよりも先づお客のためを思って計らい、一挙に高利を望まず、何事も天道の恵み次第であると謙虚に身を処し、ひたすら持ち下り先の地方の人々のことを大切に思って商売をしなければならない。そうすれば、天道にかない、身心とも健康に暮らすことが出来る。自分のこころに悪心の生じないように神仏への信心を忘れないこと。持ち下り行商に出かけるときは、以上のような心がけが一番大事なことである。
この精神は,現在の商売人,企業にとっても必要不可欠なものです。企業は,ともすれば利益を上げることばかりに目がいきがちですが,「世間の人々の役に立つこと」が企業の目的です。世間の人々の役に立ち,存在価値を認められると,利益を上げることができる。それを元手に企業はまた,世間の人々の役に立つべく事業活動を行えるのです。