2014年10月05日
1本目に選ぶべき「薪割り用」の斧 「ヘルコ スプレッティングマスター」
薪ストーブを設置しよう!
と、いろいろ調べて、
「クリーンバーンがついてて、燃焼効率が何%で、外観はクラシカルなヨツールのF400がいい!」
よーっし決まったそ!
・・・と、設置決定した後に、
・・・そういや、ストーブはよく調べたけど、薪割ったりする道具ってどれがいいの?
って思いませんか?
今回はその道具の中で「斧」それも、「1本目に選ぶべき薪割り用の斧」について紹介したいと思います。
大体「1本目の斧」というと、「知り合いの人が薪ストーブをやっていて、試し割りをたくさんさせてもらって決めた。」という稀有な人を除くと、
・ストーブ屋さんにオススメされたもの
・ホームセンターで売っている和斧
を買ったりする人が大半です。
薪割りマニアもそうでした。
ストーブ屋さんに「これがおすすめだよ!」って笑顔で言われて、
「まぁ、斧なんてどれがいいかわからんし、おすすめかいいのかなぁ・・・。」
って思いながら出てきたのは、かの
グレンスフォシュブルークス(GRANSFORS BRUKUS) 薪割り鎚 450
で、その当時22000円ぐらい?だったと思います。
カッコイイ!とは思いましたが、値段を聞いて正直、
「高っ!斧一本で2万オーバーって、たっか!」
と思いました。笑
だって、ちょうど薪ストーブ設置して、煙突代とかもろもろで100万円近い大枚はたいた後ですよ?
また、薪割りマニアは親父が農業をしているもので、同じような振る道具としてクワなどの金額を大体知っていましたし、道具はある程度消耗品と考えていました。
鉄の部分はまだしも、柄は木だし、使っていれば折れるだろうし、そんなに高いものでなくていいんじゃ?
とセルフ判断をし、ムニャムニャと言い訳して買わずになんとか店を出ました。
このとき、もうちょっと勉強していれば、この紹介も決して悪いものでなかった、と判断できたのでしょうが、、、。
(ただし、1本目の斧としてはちょっと、、、でした。理由はつづきを呼んでいただければわかります)
その足でホームセンターに向かい、薪割り斧と書かれた「和斧」があったので5000円ぐらいで買い、「よーし!これでパカパカ割ってやるぜ!」と楽しみに薪割りの日を待ちました。
・・・今思うと、これが間違いでした。
後日、原木を入手し、へっぴり腰でこわごわチェーンソーを使い玉切りして(これも後日書きたいですが)、いざ「さあ、薪わるぞ!」となったときのことです。
薪割りマニアの頭には、ネットで薪割りの前知識を仕込んであるので、「割る玉を薪割り台の奥のほうに置くんだぜ!」とか、「当たるときに少し腰を落とすと足を切ったりしない!」など、危険のないように、かつ得意げに、「エイッ!」っと斧を振るいました
そうすると、ドスッ!っと木に「突き刺さり」ました。
「まぁ、1発では無理だったか。ネットでも手ごわいやつもいるって書いてあったしな!」
と思いながら、斧を抜こうと思い、こじこじしていると抜けません。
「ん?」と思い斧の刺さっている薪を、
よいっしょっと地面におろし足で固定しながらこじることでやっと抜けました。
気を取り直して2振り目!
またもや、ドスッ!と刺さります。
苦労して抜いて、また振るうとまた刺さる。
次に振るってやっと割れましたが、結局薪割りが終わったころ見返してみると、
斧を「振っている」時間より、刺さった斧を「抜いている」時間の方が圧倒的にかかっていました。また、この刺さった斧を「抜く」という作業は「振る」よりもよっぽど「力と体力」を使いました。
最後の方は腰が入ってきたのか、少しずつ割れるようになってはきたかな?という感じでした。
成果はというと、5個ほどの玉切り(直径30〜40センチ)を割るのに、休み休みして2時間ほどかかったと思います。
けど、こんなもんかな?もっと上達したらスパスパ割れるようになるんだろな。。。
ぐらいに思っていました。
それから3ヶ月ほど、同じように薪を「割る」というより、「刺さった斧を抜く」のに奮闘していたある日のことでした。
(ちょっとは上達して、ある程度は狙ったところに斧が落とせるようになったんですよ!)
薪割りマニアの友人夫婦が遊びにきました。
この友人は雪国である北陸に住んでいて、その当時で8年ほど前に薪ストーブのある家を建てたと聞いていました。
もちろんストーブや薪の話になり、ウチは6tぐらい薪割りしてんだぜ!とかやっぱり北陸は冬が厳しいからストーブは最高だ!など、へぇー!って感じで話してました。
そして、「斧」の話になったとき、
マニア:「しかし薪割りって、なんかイメージしてたのとちがうよなー。割るよりも刺さった斧を抜くほうが大変だろ?もっとスパスパ割れると思ってたわー。抜くので身体疲れるし、あんまり楽しいもんではないんだな」
と、感じたことを話していると、
友人:「ん?どんな斧使ってるんだ?」
マニア:「これ、ホムセンで買ったやつ」
ここで友人が、微妙な顔をしながら、ショックな一言をいいました。
友人:「そりゃ時間かかるだろ?こんなもん、初心者のお前では「杉」や「ヒノキ」ぐらいの筋のきれいな木にしか使えないぞ。初心者でもちゃんと割れる斧買ったほうが絶対にいい」
と言われ、
「え?けど、薪割り用って書いてあったし、斧だからどれもあんまり変わらないだろ?・・・」
と返すと
「まったくちがう。このメーカーのこれつかってみろ。目からウロコ落ちるから」
と教えてもらい、その後もいろいろ斧談義をし、友人夫婦は帰っていきました。
後日、「まったく違う」と言われると、、、と記憶に残った言葉を思い出しながら、教えてもらった「割れる斧」をネットで注文しちゃいました。
それが
「ヘルコ社製 の スプレッッティングアックス 2.0キロ」
↑画像クリックでも楽天市場で詳細が見れます。
でした。
まず見た目が薪割りマニアの持っている和斧と全然違い、
1. 柄が太く、カーブしていて、短い
2. 斧の刃の側面に「エラ」があり、クサビのような特徴的な形状をしている
3. なんか海外映画とかに出てきそうな外観
(人により印象は違うと思いますが、薪割りマニアはかっこいいと思いました)
4.柄の部分がすごくがっしりしてます。(和斧は振るとしなる気がします)
あと情報的に、
・ドイツ製 (ビールとソーセージとベンツどBMWの工業製品大国家!)(創造力が貧困ですね。。。)
・柄の長さ80センチ (和斧より10センチぐらい短い)
・斧部の重さ2.0キロ (和斧が450勺≒1.5キロ)
・ドイツの安全基準に適合している証明「GSマーク」取得
同じ「斧」でも、いろいろちがうもんだなぁ、と手にとりました。
そして、手始めに直径25センチぐらいの玉(ナラ)を準備し、短くなった分少し距離を近寄り立ちました。
半ば半信半疑で、けど期待感と新しい斧にウキウキしながら振るってみると・・・・
「パカーン!」 と割れて、割れた薪が左右にふっとんでいきました。
あっけなく。
「え?」ってなりました。笑
「まてまて、まぐれ当たりもありうる。」と自分に言い聞かせ、
もう一回振っても、パカーン!
さらに25〜30センチぐらいの玉に乗せ変えて、もう一回!これまたパカーン!
もう、半割りになったものなんて、相手ではなかったです!
ホムセン和斧ではなかった爽快感!
振る前に考えていた、
「斧が短い分、遠心力がつかず、力がいるんじゃ?」
とか
「2.0キロって重くて振り回されるかも?」
とか
「刺さるのがちょっと楽になるぐらいなんだろ」
とか、そんな振る前の不安は、薪と一緒に割れて飛んでゆきました。笑
たとえるなら、今までの和斧だと「好敵手」だった玉(直径25-35センチ)が、「ボーナスステージ」のようです。
筋のいい広葉樹(サクラ・ナラとか)ならもうね、
「フィーバータイム入りマース(笑)」みたいに、
・刺さらず割れる!
・刺さっても深く食い込まず、すぐ抜ける。
(あくまで和斧と比べてですが)
もうね、
今までの苦労は何だったの?
ってなりましたね。笑
ただし、40センチ以上になると、真ん中狙いだけではさすがに何度か振らないと割れないので、端の方から削ように刃を入れていきます。すると1〜2振りずつで割れてゆき、真ん中まで気持ちよく割り切ります。
さすがに又や、節のごつい「クセモノ」はパカパカいきませんが、それでも割れるものは増えました。
(木の筋が少し読めるようになったのもあるかも)
いろいろ考察した結果、「割れる」「刺さっても抜けやすい」一番大きな要素はやはり斧部の形状だとわかりました。
右が和斧(友人が炊きつけの杉用に新しく買ったので借りましたが、マニアとほぼ同じものです)
左がヘルコの斧。エラばってます。笑
和斧は、「刃が薄く」食い込みはよいのですが、反面食い込みすぎて抜けない。
ヘルコは、刃の先端だけ薄く、後ろに向かって「刃の中央部のみ」エラのような形状で広がってゆく。
そのおかげで、刃の先端で食い込み、食い込むにつれて押し広げる力に変換されていくのでパカーン!と割れ、されに左右にふっとんでいくのです。
簡単に言うと、
「振った力を効率良く割る力に変換してくれる」
ということです。
さらに、割れずに刺さった場合でも、ある程度押し広げていることと、斧腹の中央部のみがエラになっているので、薪と刃の間に空間ができ、摩擦抵抗が少なく、抜けやすいと考えます。
斧が入ると左右に引き裂きます。
また「斧頭」のぐらつきは和斧に比べると、ほぼ感じない言ってよいです。
またクサビの緩みも上からのぞいてちょっとゆるんできたかな?と思ったら、かなづちで丸いクサビを叩く程度で済んでいます。
和斧だと柄を水にぬらして、木を膨張させたりしないと、すぐに緩んでイライラすることがありましたので、もしかするとこれも爽快感増大に大きく寄与しているのかもしれません。
海外の斧は総じて日本とは「クサビ」の概念がちがうと思います。
続いてデメリットですが、
デメリット1:これはデメリットというか、和斧と比べてすっごく割れるのですが、割れた薪が左右にすっとんでいくのも特徴でした。
拾いにいくのは少し大変になったかもしれません。笑
(後日これも「古タイヤ方式」で解決済みですが)
デメリット?2:和斧も一緒でしたが、柄の刃付近の、狙いをはずしてミスヒットする部分は、ガードしてくれるものがなく、何か対策を講じた方が長く使えると思います。
薪割りマニアは手軽さと補修のしやすさから、「針金まきまき方式」にしました。
(上の比較写真の針金です)
この部分はミスヒットだけでなく、通常の割り方をしていても、立ち位置などの関係上、しょうがなく当ててしまうことがある部分なので、鉄板補強に交換を予定しています。
しかし、和斧に比べると柄がごついので安心感は雲泥の差です。
デメリット3:重量が和斧より重い
斧の鉄部分だけでない「総重量」は気になったので家にある「はかり」で実際に計測してみました。
和斧: 2.6キロ
ヘルコ: 2.8キロ
斧部は500グラム重いのに、それ以外で300グラム軽い計算になります。
さらに、柄が10センチ短い分、振り回されにくく、振りやすさはほぼ変わりませんが、総重量としては増えているは間違いありませんので、持って歩いたりすると重みを感じるかもしれません。
男性ならまったく問題ない重さだと思いますが、力の無い女性だとちょっと重いかなと思います。
柄が短い分、狙いの精度はあがりました。
デメリット4:柄が太い
柄が和斧に比べて太く、円形でないです。
そのため刃先の位置は分かりやすいのですが、慣れない内は力いっぱい握り締めてしまうと、握力をもっていかれます。
これは、慣れてくれば、振り下ろす時にのみ力を入れるようになるので改善されると思いますが、和斧から握りかえるとやはり違和感がありました。
また、柄の持ち手部分の曲線はすべりにくく、すっぽ抜けしない安心感になっていますね。
柄は、和斧が「しなる」前提で細いことに対し、ヘルコSMは「しならない」前提でガッチリ作っているのだと分かります。
初心者のときは、どうしても柄の部分をミスヒットしてしまいますが、すぐに折れないので安心できると思います。
デメリット5:刃が鋭くない
和斧はかみそりではないかというぐらいに、ちょんちょんに鋭くなっています。
このおかげで食い込みがすごくよいのだとわかりました。
ヘルコSMは刃が「なまくら」に感じます。
指先でちょっとさわっても切れない感じです。笑
これは後になって試したのですが、刃先をグラインダーで鋭くしたほうが、よく割れるようになりました。
斧の部分に和斧のように、「鋼」が入っていないのか、研ぐ作業もヤスリで簡単にできました。
言ってしまえば「やわらかい」ので和斧よりも短いサイクルで研がないと刃が「なまくら」になりやすいようです。
刃が突き刺されば、独自形状の斧頭で割れてくれるのですが、ささらずはじかれるとやはり割れないですからね。
砥石までは大仰としても、メンテナンス道具入れに「鉄用ヤスリ」をほうりこんでおくとよいと思います。
その後も幾度と振るい、時には刺さり、(軽く)抜く作業をするのですが、
結果的にこの斧を使って薪割りをすると、
1. 「薪の割れ易さ」 は、
1.5倍! 以上
(語弊を恐れて控えめに書きます。笑)
2. 「薪割りにかかる時間」はなんと、
1 / 2 !(半分)以下
(刺さった斧を抜く時間が劇的に減ったせい)
3. 「薪割りに使う体力」は、
1 / 2 !(半分)以下
(これも刺さった斧を抜く作業が劇的に減ったせい)
と言っても過言ではありません。
そして得られた爽快感!は
3倍!以上は楽勝ですね
(すごく控えめに言ってです!)
実はこの斧を使い始めてから、他にもいい斧があるのではないか、と友人やお店をまわりました。
たくさん試し割りをさせてもらい、いい斧とも出会いましたが、「1本目の斧」として総合的に考えた場合、これ以上のコストパフォーマンスのよいものはありませんでした。
また、折れたときのために、交換用の「柄」が手軽に入手できるのも大きな要素でした。
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和斧は1年で一度折れて、柄を交換しましたが、ヘルコの斧は補強して使っているからか、使い始めて4年経った今でも最初の柄から交換してませんけどね。笑
さすがドイツのGSマーク!?
※余談ですが、最近円安が続いているのと、消費税増税を考えて、海外製品は早めに買っておいた方がよいと思い、薪マニアは柄だけ1本注文しました。
今回の検討に挙がった他の斧ですが、
上でも書いた、
グレンスフォシュブルークス(GRANSFORS BRUKUS) 薪割り鎚 450
これは斧の鉄部分だけで2.56キロと、平均的日本人が長時間振るには重いです。
ですが、ヘルコSMでは割れないだろうというものも「重さで割る」といった割れ方をしました。
2本目にはすごくいいです。
グレンスフォシュ 大型薪割り(中大径木用)[品番:442]
これはバランスのとれたいい斧でした。しかしヘルコSMに比べると少し「刺さる」感じが強かったので「1本目」としては「割れる」と実感してもらいにくいと考えました。
握った時に、柄のもち手の部分に滑り止め加工がされていたのに、おお、職人技。。。と感動しました。笑
どうにもかっこよくて「所有欲」をそそられますが。。笑
ハスクバーナ薪割り斧 74cm
これも刃のエラ部分が少し膨らんでいるのですが、グレンスよりもまだ「刺さる」感じが強いです。
スウェーデン製で、価格も比較的安価で職人さんの製作。
本国の林業従事者は迷うことなくこれを選ぶそうです。。。
helko(ヘルコ) スカンジナビアンスプリッティングアックス DT-1
これは2.5キロとメインの斧にするには重いです。
(2本目の斧にはすごくオススメですけど)
helko(ヘルコ) フォレストワーカーズアックス DT-5
これは伐採系なので刃が薄く、腕の細さぐらいの木を切り倒すにはよいのですが、薪割りには食い込むので不向きです。軽いからといって薪割り用に使うと疲れるだけで割れないと思います。
他にも、ヘルコSMに形の似ていてさらにショック吸収機能がついているという文句だったので
【MULLER(ミューラー)】ビーバー ダイナマックス (リトルブラザー サイズ76cm)
なども試しましたが、ちょっと重く、形状も少し違うみたいで、割れずに刺さる感じが少し強かったです。
そんなわけで、薪割りマニアの経験から、
もしあなたが、
”刺さりにくく、 気持ちよく割れる”
「1本目の薪割り用の斧」をお探しでしたら、
「ヘルコ スプレッティングマスター」をオススメします。
ヘルコ DT-6
↑amazonでも評価が高いのは納得です。
また、現在和斧を使っていたり、その他の斧で「刺さって抜いて」がストレスな方にも超オススメです。
薪割りマニアは薪割りライフが劇的に変化し、割る時間も短くなり、身体的負担も劇的に減りましたので。
薪割りの”本当の”爽快感を、ぜひ手に入れてください!
(※あくまで薪割りマニアの経験から、斧を振るったことのない「初心者」で「男性」という条件でオススメします。
もちろんこれ以外の斧もよくできているものも多くあり、それぞれの用途を考えた際には、専用斧を使用した方がよいと考えます。これ一本だけで大丈夫!といった意味ではありません。
ましてや、2本目、3本目の斧はまったく違った選択視点になります。
経験や、知識、熟練度により、斧の性能を引き出せる度合いがまったく違うと考えますし、ある意味思い入れのある斧に勝る一品はありませんので。)
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