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2018年08月02日

トラストレンディングに死角はないのか?

私が熱心に利用している事業者の中でアフィリエイトをやっているのがトラレンくらいしか無い,というよこしまな理由でトラレンを持ち上げてみたいと思います.利回りが高く,これまで貸し倒れや延滞が起こっておらず,行政処分を受けておらず,貸金業を営んできた実績があり,しかもmaneoファミリーでは無いということで,最強の事業者ではないかという噂もありますが,実際どうなんでしょうか.




サービス開始以来出続けていた不動産担保の案件があまり出なくなって,たくさんの天下り役員を受け入れ始めたときは,行政処分を避けるための対策なのかな,人件費どうなるのかな,とかちょっと心配になりましたが,そのコネクションを活かした固そうな公共事業案件がたくさん出てきて,以前よりもサービス内容がグレードアップしたように感じます.ただ,それら公共事業案件は運用期間が長いものが多く,まだどれも償還期限を迎えていませんので,今後どうなるのか注視が必要です.あと,債券や動産などの不動産ではないものが担保になっているのがいまいちですが,それがゆえの高利回りと思って我慢するしかないでしょう.

私は,同じ事業者の中で資金を回転させることにこだわったり,大量の案件に分散投資することにこだわったりするほうではないため,預託金制度が無く案件ごとに振り込むトラレンのやり方のほうが,あらかじめ預託金を積んでおかなければならないmaneoファミリーのやり方よりも好きです.

さて,トラレンに関して一点気になるのは,案件のページの資金使途の説明の中にテンプレ的に入っている「本ファンドからの借入金にかかる経過利息」という項目です.これはつまり「資本と資金は混ぜるな危険?」で指摘したタコ配というやつではないでしょうか.事業収入が入るまでは分配金の原資がプロジェクト資金しかありませんので,これは仕方がありません.でも,仕方がなくなる理由は「JCサービスの何が悪いのか?」で述べたほうに,毎月分配という運用方式に無理矢理押し込めるからです.タコ配とは投資家が最初に支払った資金の一部が分配金として戻ってくるものですから,無駄に資金が拘束される上に無駄に税金を取られてしまう何のメリットも無いものです.ですので本来は事業収入が入るまでは分配金を無しにするべきですし,いっそのこと元利金一括返済にするので良いと思います.でもまあ,これはトラレン特有の問題というわけではなく,他の多くの事業者にも共通の問題ですね.

というわけで結論としては,特に利回りにこだわる人にとっては,トラレンは最強ということになりそうです.我田引水な結論ですいません.

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2018年07月29日

匿名化問題の解決は重要か?

みんクレ・ラキバン・グリフラは同類?」で述べたように3社の共通点は貸付先のほとんどが親会社であったことです.そして程度の差こそあれ,基本的には3社ともその事実を明示していませんでした.このことは,貸付先を公開できないという規制が不正行為の隠れ蓑になったという批判につながり,貸付先の公開も含めて事業者の透明性が重要であるという意見を生み出しています.この意見はもちろん正論なのですが,何となく腑に落ちない感じがします.というのも,やはり一番重要なのは得をすること,儲かることであって,いくら事業者が透明であっても,その事業者を利用した投資家が損をしてしまっては意味が無いからです.




証券会社は透明です.お金の行き先は上場されている金融商品であって,基本的には同じ金融商品をどの証券会社でも購入することができます.証券会社と金融商品は互いに独立の関係にあり,証券会社の独自性は手数料や売買システムなどの違いにあるのであって,取り扱っている金融商品の善し悪しではありません.購入する金融商品を選択する責任は全て投資家の側にあります.ですので,ある金融商品が高確率で投資家に損失をもたらすことが識者の間で知られていたとしても,証券会社はその商品の売買を淡々と仲介して手数料を取ります.高確率で損失をもたらす金融商品は手数料が高い傾向があるので,あえてそのような商品を積極的に売ろうとする証券会社(や銀行)も存在します.このような証券会社のスタンスと同じようなスタンスをソシャレン事業者が取ってしまっていいのでしょうか.

仮に,貸付先を公開できないという規制が撤廃されたとします.で,事業者は透明になりましたので,投資の責任は100%投資家が取ってくださいね,で済むことになるでしょうか.貸付先がたとえ判明したとしても,それが非上場で規模が小さい企業であったり,時には個人事業主であったりして,上場企業のような十分な情報公開が行われないケースが大半になることが想定されます.そのため結局,お金を貸して大丈夫かどうかの基本的な判断を事業者に委ねている現状があまり変化せず,貸付先と事業者の関係は独立にはならないでしょう.判断を委ねる度合いは確実に減少するとは思いますが.

というわけで,証券会社や銀行が相手にしないような対象に貸し付けることを特徴とするサービスであるソシャレンでは,貸付先の取捨選択の責任を事業者が回避するのは,貸付先に関する情報公開をもってしても難しいのではないかと思います.いくら事業者が透明になっても,(貸付先が行っている)事業が透明にならないことには,思わぬ損失が発生する危険性は無くなりません.事業者の透明性だけでは不十分で,事業の透明性が重要なわけですが,ソシャレンではそれをあまり期待できません.さて,「貸付先選定の責任は100%あなたが持ってください」という証券会社的スタンスを取る透明で健全な感じの事業者と,「貸付先の選定は私にお任せください」という旧来的スタンスを取る不透明で怪しい感じの事業者があった場合,あなたならどちらの事業者を利用しますか?

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2018年07月24日

みんクレ・ラキバン・グリフラは同類?

貸付先企業の子会社(もしくは子供の会社)という点は3社に共通しているのですが,だからといって一緒くたにしてしまうと大事な違いが見えなくなります.きっとラキバン・グリフラに関してもみんクレ同様に3%くらいしか戻って来ないんだろうなどと思い込む前に,一連のトラブルに関するおそらくは唯一の公的な公開資料である証取委の勧告をつぶさに眺めてみましょう.




資金の流れに関する記述を見ると,みんクレに関する勧告には「17本のファンドの償還金の原資を検証したところ、10本について、他の償還期限が到来していないファンドの資金が償還金に充当されている」とあり,これはポンジスキームとしての認定だと思います.ラキバンに関する勧告には「償還期日を迎えるファンドに係る借入金の返済が困難な状況となっていることを認識したにもかかわらず、その後もX社を貸付対象先とするファンドの募集を継続」とあり,リファイナンスの助けが無いと償還が危なくなるようなギリギリの会社への貸し出しを続けるのはおかしいという意味だと思うのですが,他ファンド資金を償還に流用という記述は無く,つまりポンジスキーム認定はされていません.グリフラ(マネマ)に関する勧告には「ファンド資金をウェブサイト上で表示した出資対象事業に支出しているか検証したところ、出資対象事業と異なる事業等へ支出」とあり,ファンド資金の使途が募集時の説明と食い違っていると指摘されているわけですが,その支出先はあくまで事業であり,リファイナンス(償還)に使われたとは書かれていません.

このように,大雑把に見るとどの文面も自転車操業状態を指摘しているように見えますが,問題として指摘している資金の流れの具体的な経路が違っています.各社の実態にどれ程の違いがあるのかは分かりませんが,少なくとも勧告の書き方に明白な違いがあります.担保に関する記述にも違いがあります.みんクレの場合は,かなりの債務超過状態にある親会社の未公開株が担保,つまり紙切れが担保です.ラキバンの場合は,掲載していた担保価格が正式な鑑定に基づくものではありませんでしたが,明らかな水増し価格というわけではありませんし,ましてや担保が無価値であるとかではありません.そしてグリフラの場合は,そもそも担保に関して何も指摘を受けていません.

以上の違いに基づくとヤバさ加減は「みんクレ>ラキバン>グリフラ」のようですが,借入金の総額は「みんクレ<ラキバン<グリフラ」ですので,被害額に関しては予断を許さない状況ですね.いずれにせよ「グリーンインフラレンディング誕生理由」で述べたように,貸付先企業の子会社がソーシャルレンディング事業を営むという体制は消滅することになりそうです.

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2018年07月19日

グリーンインフラレンディング誕生理由

もともとJCサービスはmaneoを通して資金調達していたわけですが,2年前にグリーンインフラレンディングを子会社として設立し,そこを通して資金調達する方法に切り替えました.そして設立後2年を待たずして頓挫することになったわけですが,どうしてこんなことになってしまったのでしょうか.




仮に,ある企業がmaneoを通して資金調達する場合,13%の利子を投資家に,2%の営業者報酬をmaneoマーケットに支払わなければならないとします.そして,この企業が自分の子会社としてソーシャルレンディングサービス営業者を設立して,その営業者+maneoマーケットを通して資金調達するように切り替えた場合は,2%の営業者報酬をその営業者とmaneoマーケットで折半することになるとします.さて,この企業は資金調達方法を切り替えるべきでしょうか.この切り替えによって,たとえ表面上の営業者報酬が同じ2%でも,連結決算で考えれば実際の営業者報酬は半分の1%で済むことになりますので,切り替えるべきという結論になりそうです.

一方で,maneoマーケットの立場としては,上記の切り替えを許すべきでしょうか許さないべきでしょうか.単純に考えれば売上である営業者報酬が半分に減るので許すべきでないように思えますが,貸付業務から解放されて募集業務だけを行えばよくなりますので,貸付業務の分だけ経費が削減される利点がありますし,募集業務への特化を推し進めることで業務の効率化を図りやすくなる利点もあります.「maneoマーケットの存在意義とは?」で述べたように,これらの利点は非常に魅力的です.そのような魅力的な利点が売上半減というデメリットを上回るのかどうかが,許すかどうかの判断の決め手になるわけです.

要するに,maneoマーケットの業務が十分に簡素化されることを前提に,グリーンインフラレンディングの設立をJCサービスに対して許可したのではないか,ということです.性善説に基づいて,資金使途の確認作業なんていう面倒なことは行わなくていいことを前提に,グリーンインフラレンディング+maneoマーケットの体制でこれまでやってきていたのではないでしょうか.念のためにエスクローファイナンスを挟むようにしてもらったし,きっと大丈夫だろう,というような感じです.そうだとすると,行政処分をくらうことになった原因はグリーンインフラレンディングの設立そのものだと言っても過言ではないでしょう.そして,性善説に頼ると大変な結果を招くことが分かった以上,「貸付先企業の子会社が営むソーシャルレンディングサービス営業者+maneoマーケット」という体制が復活することは無いと思います.

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2018年07月16日

maneoマーケットの存在意義とは?

maneoでさえ400億円弱」で述べたように,ソーシャルレンディング事業者は営業者報酬でウハウハという状態ではなく,あまり儲かっていません.では,利益を増やすにはどうすればよいでしょうか.営業者報酬という売上はそう簡単には増やせませんので,経費を何とかして減らすしかありません.ソーシャルレンディング事業者とはすなわち貸付先企業と投資家の間をとりもつ仲介者ですので,経費の中身としては貸付先企業の募集にかかる費用と投資家の募集にかかる費用とがあります.そこで,それぞれの費用の減らし方について考えてみます.




まず貸付先企業の募集費用の削減について考えます.究極のやり方は貸付先企業自身がソーシャルレンディング事業を営んで,自身やグループ企業に貸し付ける方法でしょう.言わば個人向け社債(ジャンク債?)を発行するようなものです.また,グループ企業とまではいかなくとも,既に付き合いのある企業,過去に取引を行ったことのある企業を貸付対象にすることで新規の貸付先を開拓するコストを省くことができます.これには,メインで行っている事業の取引先に対して柔軟に資金を提供することを目的にして,サテライト事業としてソーシャルレンディングを営む場合も含まれます.

次に投資家の募集費用の削減について考えます.費用の主要部分を占める募集システム(募集サイト+データベース)の開発・機能拡張・稼動にかかるコストを減らさないといけないわけですが,金融に関わるシステムですので特にデータベース周辺の構築においては安易にコストカットはできません.そこで犠牲になってしまうのがユーザインタフェースなわけで,大金を扱っている割にはサイトのデザインが貧相な事業者がいくつもあります.そんな中,maneoマーケットの募集システムは比較的良く出来ていると思います.(といっても完璧というわけではなく,やはり機能拡張には金と時間がかかるためか,クラウドリースが分割返済の案件を扱い始めてから,「貸出元本金額」の表示機能がそれに対応するまでの期間は結構長かったです.)

これら2つの費用には重要な違いがあります.貸付先企業の募集に関しては各事業者が自身の得意分野に特化した方法で独自に行ったほうが費用削減につながりますが.逆に投資家の募集に関しては各事業者が独自に募集システムを構築するのは非効率であって,多数の事業者間で共通の募集システムを共有するほうが費用削減につながるわけです.

maneoマーケットは何かと批判の的になっていますが,その本質的な存在意義は,第二種金融商品取引業に登録されていない会社がソーシャルレンディング事業を営めるようにするための抜け道としての役割にあるのではなく,上で議論したような経済的合理性に則った分業体制の構築を可能する点にあるのではないかと思います.

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2018年07月14日

maneoでさえ400億円弱

ソーシャルレンディングの事業者はどこも黒字になるかならないかといった感じで,どうもあまり儲かっていないようです.業界がまだ黎明期だから,というのが理由のように思えますが,一方で同じフィンテックというジャンルに属しており同じく黎明期にある仮想通貨交換の業界はかなり儲かっているようです.ソーシャルレンディング業界はどうして儲からないのでしょうか.




まず何と言っても,数%という安い営業者報酬が原因でしょう.仮想通貨交換業者の手数料も同じくらいですが,その数%を売買のたびに徴収できる点で大きく異なります.ソーシャルレンディング事業者は年率として徴収しますから,言わば一年間にたった一度しか売買を行わない仮想通貨交換業者を営んでいるようなものです.

いやいや投資信託の信託報酬はもっと安いのに,運用会社は儲かってそうじゃないか,という反論がありえますが,運用資産残高の桁が違います.投資信託の世界には数千億円規模のファンドがごろごろとあり,数百億円規模のファンドは掃いて捨てるほどあります.一方で,日本のソーシャルレンディング業界において最大の運用資産残高(≠成立ローン総額)を誇るmaneoでさえ400億円弱です.報酬率が同じでも残高が10倍あれば売上も10倍になりますから,この違いは大きいです.

上で述べた,少ない営業者報酬と小さい運用資産というダブルパンチだけでも十分なハンデですが,さらにもっと重大な問題があります.それは運用対象が上場されている金融商品(債券,株式,通貨)ではないこと,運用先(貸付先企業)の開拓にそれなりのコスト(手間,コネ,ノウハウ)がかかることです.お金を借りたい企業は山ほどありますが,高金利で借りたお金を確実に返してくれる企業となると,なかなか見つけるのは難しそうです.そして,たとえ苦労して見つけ出した優良な貸付先であっても,匿名性維持のために詳細な情報を開示できないので,「リファイナンスしないと倒産?」で述べたように,無理矢理にでも毎月分配あり・償還期限ありのプロジェクトにしないと投資が集まりにくくなってしまいます.

ソーシャルレンディング事業者は以上のような三重苦を抱えながら頑張っているわけですので,投資家はできるだけ温かく業界の発展を見守ったほうが良いのではないでしょうか.もちろん不正行為を看過するわけにはいきませんが.

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2018年07月12日

リファイナンス無しだと倒産?

ラッキーバンクもグリーンインフラレンディングも新規投資の募集を停止しています.そのためウィングトラストもJCサービスも,少なくともソーシャルレンディングという手段ではリファイナンスを実行できません.よって両社とも資金繰りが滞って倒産してしまうのではないか,というようなことがネット上で議論されていますが,本当にそうなるのでしょうか.




まず両社とも期限の利益を喪失していますから,借入金全額をすぐに返済する必要がありますが,現時点ではそれは無理なため,プロジェクトの進行や担保の売却によって返済が可能になるまで借りっ放しの状態が続きます.ということは実質的に償還期限が無い状態ですので,償還するために借りなければならない,という状態が発生することはありません.このように,そもそもリファイナンスは不要ですので,リファイナンスが実行できないことで倒産する,ということは無いでしょう.もちろん,その他の原因で資金繰りが滞って倒産する可能性はあります.

なぜソーシャルレンディングに関する議論においてリファイナンスがよく取り沙汰されるのかというと,「JCサービスの何が悪いのか?」において述べたように,運用方式の如何を問わず,何でもかんでも毎月分配あり・償還期限ありでお金を集めるからでしょう.開発したものを売却するプロジェクトは極端な例で,毎月分配なし・償還期限なしにするべきものですが,それとは違う方式のプロジェクトにおいても,お金の集め方と使い方のギャップは存在します.

例えばブリッジファイナンスを支援するプロジェクトの場合は,償還期限を非常に明確に設定できますが,分配金を毎月支払う根拠は特に無く,元利一括払いにするべきものです.逆にリースバックを支援するプロジェクトの場合,毎月のリース料が毎月の分配金になるというベストマッチの関係が形成される反面,長期のリース契約を維持するためには償還期限が来るたびにリファイナンスを繰り返さなければならないという非効率が生じます.

割賦販売を支援するプロジェクトの場合は,毎月の分配金の原資も償還期限を設定する根拠もはっきりとしていますので,ソーシャルレンディングとの相性が良いように思えますが,ソーシャルレンディングではあまり好まれない分割返済になってしまいます.これを一括返済に見せかけようとした途端,様々な償還期限のプロジェクトの集合体として投資を募集しなければならないという手間が生じます.償還期限に多様性を持たせることができるという意味で,これはデメリットではなくメリットと捉えることもできますが.

使い方の多様性に合わせて集め方も多様になっていくのか,画一的な集め方に合うように使い方が標準化されていくのか,どちらになるにせよ,ギャップは無くなっていくべきですね.

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2018年07月10日

JCサービスの何が悪いのか?

JCサービスが資金をプロジェクトごとに分けて管理していなかった,という理由でmaneoマーケットに行政処分が下りそうです.そのような区分管理を毎月分配型のプロジェクトで行おうとすると,「資本と資金は混ぜるな危険?」において述べたように,売却益が収益源であるプロジェクトの場合は,分配金に自己資本を充当するしかなくなります.そして,そのような場合はプロジェクト開始時にあらかじめ劣後出資として自己資本を入れておかないと,プロジェクトファイナンスなのかコーポレートファイナンスなのか良く分からなくなってしまいます.では,いったいどうするべきでしょうか.




おそらくは,毎月分配も償還期限も廃止して,売却したときに売却益のみを原資にして利金を支払う方式にするのが正しいのでしょう.本来はそのような方式で資金を運用するべきところを,現在のソーシャルレンディングで一般的な方式に無理矢理押し込めて運用したがために,ラッキーバンクやグリーンインフラレンディングに絡む問題が発生してしまったという気がします.資金の運用方式を適切に変更した上で区分管理を徹底するべきでしょう.

問題は,毎月の分配金も償還期限もありません,売却できたときに元利金をまとめて支払います,というような運用方式で果たして投資してくれるのか,という点です.各プロジェクトの独立性が高まることで分散投資の効果を得られるようになるわけですが,むしろ区分管理などせずにプロジェクト群を護送船団方式で運用する今までのやり方が良いと考える投資家もいるように思います.また,元金や利金を決まった日に予定通りに受け取りたいという投資家は多いと思います.ですが,売却益を原資とするからには,そのような運用方式にするしか無いと考えます.

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2018年07月06日

資本と資金は混ぜるな危険?

多くのソーシャルレンディング運営会社において,元本は一括返済であっても分配金は毎月支払われます.ではこの月々の分配金の元である原資はいったい何でしょうか.「事業者リスクとは?」で述べたように,ラッキーバンクとグリーンインフラレンディングの共通点として運営会社と貸付先企業が一体であった点が挙げられるのですが,もう一つ重要な共通点があります.それは分配金に自己資本が充当されていた点です.




ラッキーバンクは不動産,グリーンインフラレンディングは発電所を投資対象としています.すると一見,賃料収入や売電収入が原資であるかのように思ってしまいますが,もしそうであれば10%以上もの高利回りを実現するのはかなり難しいでしょう.そうではなく,ラッキーバンクは不動産にリノベーションを施して売却する事業を,グリーンインフラレンディングは発電所を建設して売却する事業を投資対象としています.このような上手く事が運べば高い収益が得られる事業を投資対象にしているからこそ,高利回りを提示してお金を集めていたわけです.

ということは不動産や発電所の売却益が原資であるということになるのですが,売却するためにはリノベーションや建設がある程度は完了している必要があるはずです.ですが,分配金は借り受けた翌月から毎月支払わないといけません.つまり名目上の原資は売却益であったとしても,実際上の原資は最初に投資家から集めたお金である可能性があります.もしそのようなタコ配ではないのだとすると,自己資本が実際上の原資であると考えられます.JCサービスの自己資本比率は非常に低く,ウィングトラストに至っては債務超過の疑いすらありますが,その原因は高利回りの分配金を自己資本から支払った結果なのかもしれません.

このように売却益を分配金の原資とするプロジェクトは高利回りを実現できる反面,売却が上手く行かないことでリファイナンスを連続的に発生させたり自転車操業状態を生んだりするわけですが,追加の危険性として資金の目的外使用を誘発するということを最近の事件で思い知らされました.自己資本を分配金に充当していくうちにプロジェクト費用にも充当するようになり,逆にプロジェクト資金を自己資本に充当するようになり,そういうことを繰り返すことによってプロジェクト資金と自己資本の区別が付かなくなって,帳簿の記載がいいかげんになり,監査が困難になるんだろうと思います.

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2018年07月05日

事業者リスクとは?

事業者リスクに関するネット上の議論において,ソーシャルレンディングサービスを運営している運営会社のリスクと最終的な貸し付け先となっている貸付先企業のリスクが混同されているケースが散見されます.その大きな原因として,証取委から狙い撃ちにされて最近問題を起こしているのが,運営会社と貸付先企業が一体となっている事業者であるという点が挙げられます.具体的には「ラッキーバンク + ウィングトラスト」および「グリーンインフラレンディング + JCサービス」です.




狙い撃ちにされた理由はおそらく,利益相反が起こり易い,すなわち,運営会社が貸付先企業の利益を優先した結果,投資家の利益を損う可能性が高いとみなされているからでしょう.確かに,貸付先企業が分散されている運営会社ほど,個々の貸付先企業の利益は重要ではなくなりますので,より投資家の味方として振る舞うと想定されますし,貸付先企業をより厳しく審査していることが期待されます.しかしながら,どの貸付先企業にもある程度の不正経理は潜んでいて,運営会社と一体の貸付先企業は証取委に調査され,その結果不正が明るみになり,そうでない貸付先企業の不正は見過されているだけかもしれません.




いずれにせよ,貸付先企業があまり分散されていない運営会社には注意が必要ですね.そういった運営会社が投資家を軽視しがちであるから,ということよりも,貸付先企業が公的機関による調査の対象となりやすく,ひとたび不正が明るみになってしまうと,たとえそれが軽微なものであっても,多くのプロジェクトの運用に悪影響が及んだり,運営会社の営業に支障が出るからです.

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