くまっちょのEBM

まっちょなやつらは一体どうなっているのだ？調べてみました。こいつらに共通しているのはミオスタチンと呼ばれる遺伝子に異常があり、ミオスタチンタンパクが欠損しているか生理活性が低下または欠損しているため、生まれつきのまっちょになるそうです。

つまり

体内でミオスタチンが減る　　　　　→　筋肉が増える

体内でミオスタチンが増える　　　 →　筋肉が減る


ベルギーブルーの牛は昔から知られていたようで、筋量にかかわる遺伝子が牛の２番染色体にあることが１９９５年に報告されました。１９９７年マウスでミオスタチン遺伝子が同定され、そのノックアウトマウス（ミオスタチン遺伝子を壊したマウス）で筋量が増加し体が大きくなることが確認されました。同年、ベルギーブルーでミオスタチン遺伝子のたんぱく質コード領域に11bpの欠損が報告されています。


The mh gene causing double-muscling in cattle maps to bovine chromosome 2.Mammalian Genome 6: 788-792, 1995. [PubMed: 8597635]
Regulation of skeletal muscle mass in mice by a new TGF-beta superfamily member.Nature 387: 83-90, 1997. [PubMed: 9139826]
A deletion in the bovine myostatin gene causes the double-muscled phenotype in cattle.Nature Genet. 17: 71-74, 1997. [PubMed: 9288100]


マウスにミオスタチンタンパクを投与すると筋量が減り、ヒトの悪疫質に似た病態になるそうです。マウスにミオスタチンに対する抗体を投与しミオスタチンを阻害すると筋量が増加することも確認されています。

Induction of cachexia in mice by systemically administered myostatin.Science 296: 1486-1488, 2002. [PubMed: 12029139]
Inhibition of myostatin in adult mice increases skeletal muscle mass and strength.Biochem Biophys Res Commun. 2003. [PubMed: 12559968]

では、ヒトでミオスタチンに関連した報告があるのでしょうか？