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2018年02月26日

「お家の中のどこかにいるから、探してちゃんと飲ませてあげてきなさい」 おふくろの不可解な行動【不思議な話】





YTM∞(MUGEN) YouTube トレンドマーケティング∞(MUGEN)

んじゃあお盆だし、親父の墓参りに行って来たついでに、思い出した話をひとつ。

うちの親父は俺が中学の終わりごろに亡くなった。
しかし親不孝者なもんで、親父の命日などほぼ覚えていない。
(今年もすっぱり忘れてた)


それは10年以上前の、親父の命日にあった出来事。

その年も案の定忘れてて遊びに出かけ、確か夜10時過ぎくらいに帰ってきたと思う。
玄関のドアを開けたら、家の中真っ暗。
オフクロはもう寝たのか、と思った矢先、

「おかえりなさい。電気点けちゃ駄目よ」

と、台所のほうからオフクロの声が。







なんでこんな真っ暗にしてんだよと言いつつ台所に向かうと、
水道からドバドバと水が流れて器に溜まる音がする。


暗くて薄ぼんやりとしか見えないが、
どうやらオフクロは水道の前に立って水を両手で受けているようだった。


何してるのかと聞く前に、オフクロはすっと横に避けて、
俺を水道の前に立つよう促した。

「両手で水を汲んで。こぼさないようにしっかりとね」

とりあえず手洗いするつもりで水に手を突っ込むと、

「そのまますくって。お家の中のどこかにいるから、
 探してちゃんと飲ませてあげてきなさい」

と、わけのわからないことを言う。


正直頭の中???状態だったが、
穏やかな声なのに有無を言わせない迫力があって、何故か逆らえなかった。

探すって何を?と思いつつ、
とりあえず両手で水を汲んで、暗い中をそろそろと歩き出した。


その答えはすぐにわかった。

探すまでもなく、台所の冷蔵庫の横にうずくまっていたからだ。
暗闇の中でもはっきりとわかるほど、真っ黒な人影。
見た瞬間硬直した。


飲ませてあげなさいってのは、これのことか?これに水を飲ませてやれと?
頭が混乱してて、状況が全く理解できなかった。

ただ、すぐ傍の台所に母親がいるわけだし、不思議と恐怖は感じない。
その黒い影に向かって、そーっと両手を差し出す。


いきなりガシッ!っと両手首を掴まれて、心臓が止まりそうになった。
黒い影は俺の両手に顔を突っ込んで、ぐびぐびと水を飲み干していく。

その頭部を見て、俺の両手首を掴んでる骨ばった掌の感触を思い出して、
ああ、これ親父だ、と気付いた。


後ろまで禿げ上がってて、額の上のあたりに孤島のように髪の毛が残ってるこの頭部。
そうか、今日は親父の命日だったっけなと、そのとき初めて思い出した。
その時点でもう恐怖はなかった。


ただ、下を向いちゃいけない、顔を見ちゃいけないと思い、
(何故そんな風に思ったのかよくわからないが)
そのまま水を飲み終わるまでじっとしていた。


ふっと、両手首を掴んでる感触が消えると、もうそこに親父の姿はなかった。

台所のオフクロの所に戻ると、

「手首まできちんと洗いなさいね」

とだけ言われ、それに従った。


手を洗い終わって、もう電気点けていいのか?と聞くと、
頷いたようなので台所の照明を点けた。







明るくなった台所で、オフクロはどこか呆けたような表情でしばらく立っていたが、
ザバザバと水が流れる音にふっと我に返ったかのように、

「なに水を出しっぱなしにしてるの!勿体無い!」

いきなり怒鳴られた。

「なんで部屋の電気消してるの。暗くて危ないでしょ!」

えー?



今のは何?うちの家系に伝わるなんか儀式的なものなの?
等々質問攻めにしてみても、

「あんた何寝惚けてるの?」

と、全く取り付く島も無い。

知らぬ存ぜぬを決め込んでいる風にも思えないし。

そもそもうちのオフクロは嘘が全くつけないというかつかない人間なので、
どうも本気で自分がしてたことを覚えていないらしい。


もしかして親父、喉渇いてたのかなと思い、
翌朝日が昇る前に墓参りに行ってみた。

墓石の前に置いてある湯飲みが、風で吹き飛ばされたのか地面に落ちて割れていた。

多分そうなんじゃないかなーと予想していたので、
代わりの湯飲みに水を汲んで置いてきた。


この話思い出したのは、
連日の猛暑で墓石が木炭みたいに熱くなってたからなんだわ。


桶で4〜5杯水ぶっかけないと、
触るどころか近づけないくらいジリジリと熱を放ってたからねぇ…

あれじゃあ中で眠ってる人間も、暑くて干上がってしまいそうだ。
お盆にはキンッキンに冷えたビールをお供えしてやろうと思ってる。







九州の山奥の民家に工事の説明をしに行ったら・・・【怖い話】






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会社の60才になる上司に聞いた話です。
(上司は現場から叩き上げの人)

20代の頃、九州のとある山奥の現場に入ったところ
当時の現場監督の命令で近隣の民家に工事の説明をしに行くことに。


民家といっても山あいの部落で(集落、という意味です)
民家はポツンポツンとあるような地区だった。

上司は地図を見ながらある家を尋ねた。

玄関に入り家人に呼びかける。

「ごめんくださーい○○建設ですがー」

家人の返事がある。

「はーい」

そこまではよかった。








その家は古い家で玄関すぐに土間があって上司は土間に立っていた。

畳、つまり部屋に上がるには膝くらいの高さを
上がりこむようになっている作りだったらしい。

上司の足元で何か動く気配がした。

チラとその足元に目をやるとその上がり口には鉄格子がはまっていた。
中は薄暗くよく見えない。
変わった作りだけど犬でも飼っているのかな。


家人が出てくるのを待ちながらもフッとその格子を覗き込んだら


鉄格子の奥には薄汚れた若い女が中にいたそうだ。
女がその中でこっちを見ていたんだとか。


上司は腰が抜けるほど驚いたが家人が出てきたので
平静を取り繕い、工事の説明を慌しく終え逃げるようにその家を出たらしい。

後で考えるとどうやら精神障害者のようだったと。

当時は田舎ということもあってそうするしかなかったのだろう、
とも言っていた。


作りは半地下のようになっており畳か何かあったような感じもするが
鉄格子が異様な雰囲気で、今でも忘れられないと語ってくれました。


場所は今でも覚えていて村か町のつく集落だったけれど
今では合併で市になった場所でした。


興味本位でグーグルアースで見たけれど本当の山奥でした。

いまでもその家はありますかね、と聞いたら
どうだろうな〜って笑ってました。

これが私の最近聞いた恐い話です。







posted by kowaihanashi6515 at 21:58 | TrackBack(0) | 洒落怖

2018年02月23日

【守り神】あの巨大地震が発生した時、信じられないことが起こっていた…【不思議な話】







所用で親戚一同集まり、ふとだいぶ前に大往生した
爺ちゃんの話をしていたら思い出したので、投下。

ここは北の大地。

我が家は北前船(きたまえぶね)でやってきてここに住み着いた一族だ、
というのが爺ちゃんの口ぐせだった。


実際、爺ちゃんは広い農地を所有していたし、
古い農具や昔の道具や船の一部?みたいなものが、倉庫にどっさりあった。


綺麗な服や人形遊びよりも、虫とりや秘密基地づくりに
興味津々なタイプの子どもだった私を、それは可愛がってくれて、
お盆や夏休みに遊びにいくたび、爺ちゃんはこの倉庫を見て回らせてくれた。



用途不明ながらくたの山は、当時の自分には宝物の山に見えて、
爺ちゃんを引っ張ってはアレコレ質問攻めにしていた。







ある時、「うちの家宝を教えてやろう」と、
爺ちゃんが倉庫の2階から何か木箱を持ってきた。

綺麗な木箱の中には綿が詰まってて、その中心に、
大人の手のひらサイズの黒い箱があった。それは今でも大事にしまってある。


何の飾りもない長方形の箱で、見た目よりも軽く、振るとカタカタ音がする。
開けると罰が当たるぞと言われたけど、開けようにもフタもとっかかりもない。
不思議な箱だった。


爺ちゃんいわく、この中身は船の『守り神』なんだそうだ。
正式名称があるのかどうかは分からない。


北前船で交易していたご先祖様が、安全な旅路を祈って船に乗せていたもので、
船を取り壊す時にこの箱に入れ直したとか。


しかもこれ、他の船のものよりひときわ力が強いとかで、
この『守り神』を乗せた船が海に出ると常に天候が安定したらしい。

ご先祖様はたいそう『守り神』に感謝し、
それから代々大事にしてきているんだ、と爺ちゃんは言っていた。


ここから先は、ちょっと爺ちゃんのホラ話かホントかさだかじゃないんだが、
船から降ろしても『守り神』の加護は続いたそうだ。

たとえば、買い取った土地を開墾するとき、
適当に掘ってもどんぴしゃで水が豊富に湧き出したとか。

ひどい大しけでも、我が家の血筋の者がいる船だけは、
あんまり揺れもせず沈没もせず航海できたとか。

どうやら「海」あるいは「水」に関することに、ご加護があるようだ。

あと爺ちゃんの実体験。








戦時中、海軍にいた爺ちゃんは、ある日、それまで元気だったのに
突然原因不明の猛烈な腹痛に襲われて気絶してしまった。


伝染病だったらマズイので、爺ちゃんを陸に残して部隊は出撃。
そしたら、その部隊は敵艦との大決戦の果て、
壊滅的な被害を受けてほぼ全滅になったらしい。


爺ちゃんは決戦の翌日、ウソみたいに意識が回復。
結局最後まで原因不明で、『守り神』の力としか思えなかった。

あの時は仮病を疑われて散々だったが死なずに済んだよ、
と爺ちゃんはケラケラ笑っていた。


そんなことを聞かされた当時の私は、今と違って純粋だったので
「爺ちゃん助けた『守り神』スゲー!」となった。

いざとなったら自分も守ってもらえるかな?とわくわくしたものの
「『守り神』は女性を嫌う」と言われて意気消沈。


それでもめげない私は以後、『守り神』にちょっとでも好かれるように、
爺ちゃん家に行くときは必ずこの箱にお酒をそなえた
(神棚があったので神=酒のイメージだった。
この『守り神』にはあまり意味がなかったらしい)


神様は女性だと知った後はヘアゴムとか、ビー玉とか、
プラスチックの宝石といった女性が好きそうなものをそなえ、
海に遊びに行くときは手を合わせて無事を祈るとか、
子どもながら真剣に『守り神』のことを考えた。








けどまあ、これといって特に何かあったわけではなく、時はながれ。

成長にともない爺ちゃんの家を訪れることも減って、
体調を崩した爺ちゃんが大きな病院に入院する事になった時、
婆ちゃんも病院に近い伯父さんの家へ移り住んで、
例の倉庫のある家は無人になってしまった。


ある夏の日の週末、家族みんなでドライブがてら、
爺ちゃんのお見舞いに行くことになった。


向かう途中、無人になってしまった倉庫のある家に立ち寄って、
そうじをしていたんだが、その日は妙に虫の声がうるさかったのを覚えている。

特に倉庫のあたり、暑さもあってイライラさせるレベルで。

人がいなくなったから虫が大繁殖したのかねー、
なんて家族と話してその時は終わったけど。

で、爺ちゃんを見舞ったり婆ちゃんとご飯食べたりして、
あっという間に帰る日に。


しかし当日の朝、私は突然原因不明の高熱を出して倒れた。
前の日まで元気だったのに、まさかの40度越え。

病院行ったけど「夏風邪?」で終わり、
点滴うっても全然下がらない。横になってないとつらい。


帰りはフェリーを使う予定だったけれど、私がこんな状態じゃ無理だから、
キャンセルして滞在を一日伸ばした。


その夜、あの巨大地震に襲われた。


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ものが落ちたり婆ちゃん連れて外に逃げたり、
爺ちゃんのいる病院が停電になったり、てんやわんやだった。


一夜明けて、例の島をとんでもない高さの津波が襲ったと知り、
家族みんな唖然とした。


幸い、今いる場所の被害はさほどではなかったけれど、
予定通りフェリーに乗っていたら大変だったかもしれないし、
伯父一家と我が家が同じ場所にいたので、爺ちゃん婆ちゃんのフォローも迅速にできた。

ちなみに私の熱は、地震が起こる直前に急激に下がっていた。

家族は偶然ってあるもんだなあ、とか言ってたが、
私は『守り神』様のおかげだとしか思えなかった。

だから、爺ちゃんの病院に行ってこっそりこのことを話したら、爺ちゃんも賛同してくれた。

「本当はあの『守り神』は女嫌いなんだがなあ。〇〇(私)がお転婆で男っぽくて、
 自分をずっと大事に思ってくれたから、守ってくれたんだろうなあ」


ちなみに、倉庫をそうじしに行ったとき虫がうるさかったことも話したら、
それはひょっとしたら『守り神』の警告音だったのかもしれないと言われた。

まあ、単に虫が地震の前兆を感じて騒いでただけかもしれないけど。








後日、地震の後始末をしに倉庫を訪れた時には、静かだったしね。
(被害は大したことなかった)

『守り神』も無事だった。もちろん綺麗にほこりをとって、
おそなえして、改めて感謝した。


このことがあったので、爺ちゃんが大往生した際、
『守り神』は私が受け継ぐことになった。


家族は半信半疑だが、今でも私は海や川に出かけるときには、
かかさずこれに手を合わせるようにしている。


釣りが趣味なんだけど、おかげさまで出かけるとき、
悪天候にあたったことは一度もない。





不幸を願う神社と幸福を願う神社 決まり事を守らないと、とんでもない不幸が訪れる【不思議な話】




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ハイキング中に見つけた奇妙な神社。

谷底の道の両脇に鳥居を構え、急斜面に石段を積み上げ、向き合っている神社。

まあ、急ぐ山行ではないので、まず右側の石段を登り始めたが、
気まぐれを起こした自分を恨みたくなるほどきつい登りだった。







ようやく上までたどり着くと、小さなお堂があり、
こんな場所にしては珍しく多くの絵馬がぶら下がっている。

絵馬というより、木簡に近い代物だが、そこに書かれているのは、
何者かを深く怨み、不幸を願う気持ち。

木簡には、記入者の持ち物と思われる時計や、筆記用具などが縛り付けられている。
未記入の新しい木簡が、黒い木箱に入れられている。


嫌な気分で石段を降り、下まで行けば、そこには向き合って建つ神社の石段。

どうするべきかと考えたが、このまま立ち去るのは非常に心残りなので、
先ほどの神社を背中に感じながら、目の前の石段を登りつめた。



小さなお堂に、ぶら下がった木簡。
向き合った斜面の、似たような光景の神社。

手にとって読んだ木簡に書かれていたのは、誰かの幸福や成功を願う言葉。
記入者本人に向けられた言葉もある。

そして、やはり身の回りの品が結び付けられている。

幸福を願う気持ちに触れても、なぜか心温まらない。







腑に落ちぬ思いを抱えて石段を降りていると、竹箒を持った老人が登ってくる。

老人は俺の顔をじっと見つめ

「奉納に来た顔じゃないな」

と・・・。



そのまま石段に腰を降ろしてしまった。
成り行き上、俺もそこに座らざるを得ない。

老人によれば、木簡を記入し、奉納するなら、
両方の神社でそれをしなければならないという事だった。

怨むだけでは駄目。
幸福を願うだけでも駄目。

決まりを守らない場合、記入者本人を、とんでもない不幸が見舞うとの事だった。



俺:「死ぬんですか?」

老人:「寿命が伸び、ひたすら苦しんで生き続ける」

俺:「幸福を願うだけでも?」

老人:「そのようだ」

怨み、不幸を願う木簡は、幸福を願う木簡よりも圧倒的に多かった。


そして、もうひとつの決まり事を教えられた。
自らの不幸、幸福を願って奉納してはならない。

首都圏に、この山はある。









2018年02月21日

高速バス運転士だった時の恐怖体験【ほんのり怖い話】






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自分は元バスの運転士。

たまーに不可解なことがあったんだけど、その中から一つ。

都市間高速バス運転士だった時。


簡単に説明すれば、例として東京〜御殿場間を
高速道路を使って往復する路線バス。


後は空港を結んでるのもある。
実際体験したのは会社も路線も違う。


大都市から地方の住宅街を行き来する路線を担当した時、

最終便で住宅街に到着後、
車庫のある都市の方に回送で高速道路を走ってた時。


深夜12時頃、
終点に着いた時に車内の忘れ物や乗客がいない事を確認して出発。

車内灯を消して気楽に運転してた。

そしたら「ピンポーン」と車内に降車ブザーが鳴り響いた。


物凄く驚いたのと

「やべっ!まだ乗客いたのか!?」

と肝を冷やした。


ちゃんと確認したはずなのに見落としたか?と思い、
すぐ先にあったバス停に車両を停めて再確認。

でも居ない。


誤作動かなぁとも思ったけど大きな段差で揺れない限り誤作動で鳴らないし、

降車ランプまで光ったから誰かが押したとしか思えないけど、誰も居ない。


やっぱ誤作動かと思い、
でも怖かったから普段は付けないラジオを付けて帰路についた。







三ヶ月後にまた同じ時間走るダイヤが来た時

「そう言えばここらで鳴ったよなぁ」

と思いながら深夜の回送してた時。


ここの高速は掘り下げて作ってあるので横にあるのはコンクリの壁。


でもその日はちょうど満月で周囲の景色が見上げるとシルエット状に見えた。


二階建ての住宅地、森ともかよく見えた。


鳴ったところは緩やかな左カーブの先だった事を思い出し、

「そろそろだっけか?」

と思いながら上を見上げたらその上に見えたのは住宅とは違う小さい四角のシルエット。


それに無数の棒が刺さってるように見えた。

墓地だった。

更にちょっと進んだら寺のシルエット。

「えっ、マジか。」

と今更ながら寒気が来た。

直後「ピンポーン」



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タグ:バス 運転士

2018年02月19日

父の田舎で変な人を見た。それを伝えると「すぐ帰れ!」と言われた。その理由が怖い・・・・【田舎での不思議な体験】





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夏、夕立にあうと思い出す話。

父親の故郷は山の中のすごい田舎で、小学校中学年の頃まで、
毎年夏休みには家族みんなで遊びに行ってた。


その後ほとんど行かなくなったんだけど、高校受験をひかえた中三の夏休み、
一人でしばらく田舎へ行くことになった。


街や友達からの誘惑を避けて、何もなくて涼しい田舎でじっくり勉強したら?
ということだったんだ。


婆ちゃんが裏の畑で作ってるスイカやマクワを好きなだけ食べながら、
広くて涼しい田舎の家で、受験勉強に励んでたわけ。


しばらくしたある日の夕方、日課になった散歩に出てた。






田んぼの間の軽トラ一台が通れるような道が続き、その脇に家が点在してる。
里山や小川もあったりして、その辺の散歩は結構気分転換になった。


その日は急に空が暗くなって冷たい風が吹き、ポツポツ雨が降り始めた。

夕立だ。雷も鳴り始めてる。


まだ強く降ってくれるなよーと思いながら帰路を急いでいると、
田んぼのはるか向こう側を、二人の人が前後になって歩いて来るのが見えた。


そこでなんかすごい違和感を感じたんだ。


二人の人は蓑(みの)?みたいのを着て、頭には三角の帽子を被ってる。
すげのかさっていうのかな。で、手には背丈ほどあるような杖。


いくら田舎とはいえ、平成の世の中だよ?
あんな時代劇みたいの被るか?

と思ってもう一度しっかり見てみようとしたんだけど、
ちょっと距離があったのと、白く煙るほど雨が強くなってきたので
はっきりとは見えなかった。

で、なんか怖くなって全速力で走って帰った。






晩ごはんの時、蓑とかさを被った人を見たと爺ちゃんと婆ちゃんに話した。


二人は一瞬ぐっと詰まったようになり、顔を見合わせてから聞いてきた。

「ミノボウズを見たんけ??」

「どこで?」

「こっち来たんけ?」

「ミノボウズってわからんけど、そんな恰好をした人だったよ」

「何人いた?」

「二人」

「二人か…」

しばらく沈黙。


その後はいつものように、
畑はどうだのこれが美味いだのという話になって、
ミノボウズとやらの話は終わってしまった。
俺ももう気にしなかった。



次の日、
朝ごはんを食べていると近所の人が来た。

集落の〇〇さんが亡くなったという知らせだった。


爺ちゃんと婆ちゃんはちょっと驚いたようだったけど、手伝いに行く相談やらを始めた。

で、爺ちゃんが俺に

「忙しくなるさけ、せっかくやけど家へ帰り」

と言ったんだ。俺は

「へ?来てまだ一週間だし。それに構ってもらわなくても平気だけど」

と答えた。爺ちゃんはさらに

「けどな、田舎の葬式はたいへんやし、ほんま構ってやれんしな」

と言う。

婆ちゃんは困ったような顔をしてるだけだった。


そうこうしてると、また近所の人が来た。
今度は△△さんが亡くなったと言う。爺ちゃんは婆ちゃんをパッと見る。


婆ちゃんも今度はあわてふためいて、

「やっぱり帰り! 爺ちゃんに駅まで送ってもろたらええさけ!」

と言って立ち上がり、さあさあ支度しなさいと俺を追い立てた。


で俺は、追い出されるようにして田舎から帰ってきた。

その時は腹も立てたけど、その後はほとんど思い出さなかったんだ。







次に爺ちゃんとこへ行ったのはもう大学生の時だった。

爺ちゃんが

「あの時はすまんかったなあ」

と話し出したのが以下の話。


爺ちゃんの田舎では

「ミノボウズ」(蓑坊主だと思う)

が昔から目撃された。


雨の中、蓑と菅笠(すががさ)のいでたちで、
錫杖(しゃくじょう)のようなものをついて集落へ入ってくる。
で、ミノボウズが出ると、その人数分だけ集落で人が亡くなる。

ミノボウズは自分が呼びに来た人の葬式にも立ち会っているらしい。

で、その葬式や葬列で、自分を目撃した人を見かけると
その目撃者も後で一緒に連れていく、という。


「もう何十年もミノボウズの目撃談は聞かんようになってたさけ、びっくりしたわ。
 坊主はミノボウズの話を知らんはずやしな、こりゃほんまに見たんや思てなあ」


「もし坊主があの時そのままいて、なんかの具合でミノボウズに見つけられたら、
 と思うと気が気でのうてな。帰してしもたんやわ」


父も

「子供の頃にそういう話を聞いたことがあるけど、
 見たって人は知らないな。まさかお前が見るとはな」

と感慨深げ(?)だった。


中三で実際に見た時は、よくわからない怖さと違和感があったけど、
爺ちゃんと父親の話を聞いて、急に怖くなったのを覚えてる。

これが、夕立にあうと時々思い出すんだな。









2018年02月18日

嗅げる人【怖い話】





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バイト先の会社の寮で、幽霊騒ぎがあった。


俺は入社して1年も経たないのでよく知らなかったが、
以前から気味の悪い事が起こっていたらしい。


寮に入っている社員のTさんの部屋が、
特に出現率が高いそうで、俺に相談してきた。


T「この前もさ、顔洗って鏡を見たら、
 俺の後ろに怖い女が映ってたんだよ。
 ウワッと思って振り向いたら、 まだ居るんだよ…
 せめて振り向いたら居なくなってほしい…」


Tさんは精神的にカナリまいっているようだ。

俺は子供の頃から霊感が強く、いわゆる『見える人』だが、
だからと言って霊をどうこう出来るわけではない。


しかし、仕事中もずっとウツロな目をしている
Tさんを放っておくのも酷だ。


俺は同時期に入ったバイトのZを誘って、寮に行くことにした。


Zは子供の頃から霊嗅覚が強く、いわゆる『嗅げる人』だ。


それが何を意味するのか、寮での実践を報告する。







俺たちが行くと、Tさんはよほど一人が心細かったのか、
わざわざ外まで出迎えてくれた。


けど俺は寮を見た時から、なんとなくイヤな感覚に襲われていた。


夜中にパトカーの回転灯が集まっている場所を見るような、いやな感じだ。


…ふと、窓の1つに目をやると、閉じたカーテンが不自然にめくれ上がり、
そこから妙に小さな顔っぽいのが、こっちを見ている気がした。


俺にはそれが、『近づくな』の警告だと思えた。


でも、極力明るく振舞うTさんに気を使って、言えずに見られるがまま。

俺「えー…と、どうだ、Z。何か感じないか?」

Z「ん…いや、特に無いな。
  まあ上がらせて貰おうか」

T「おう、酒も用意しといたぜ。
  さ、さ、入れよ、な?」

ハッキリ言って俺は、今日はやめておこう気分になっていたが、
下戸のTさんに酒を用意されては退路が失われた。


Tさんの部屋に近づくほど、イヤな感覚が増す。

案の定、さっきのめくれカーテンの部屋だった。


飲んでも気分が盛り上がるハズもないが、度胸付けの気持で飲む。

さりげなくカーテンを直しておいた。

Tさんによると、夜寝ている時が一番怖いのだと言う。


最近はマトモに眠れなかったそうだ。

今日は人が居ることに安心したのか、飲んでも無いのにウトウトとしている。

俺「布団で寝たらいいですよTさん」

T「ん、ああ、スマンな…」

Z「明日も仕事だし、俺らも寝るか」

この部屋ではとても眠れるような気分ではないが、
俺とZも毛布を借りて寝ることに。








なんとなくカーテン側はイヤだったので、離れてソファーに横になった。

俺の様子が変だったのか、Zが小声で聞いてきた。

「なあ…何か見たのか?」

俺も小声で返す。

「ああ、ここに入る前に気味悪いのを…Zは?」

「特に無いって。 俺は見れないもん、嗅げるだけ」


「…何度聞いてもわかんねーよソレ…
 あの、さ、幽霊ってどんなニオイなの?」

「…それぞれだな、モノによるよ。 一つ言えるのは、
人間のニオイじゃないって事かな」

それは少しわかる。
俺も霊は人間には見えないから。


…いつの間にか電気が消えている。

どうやら寝ていた?そんな気はなかったが…
体の向きを変えようとして、奇妙な音に気づく。


ペタペタッ、ペタペタッと、低いところから聞こえてくる。

…床に手をつける音…?

何かが床を這い歩いて…

そう判断している最中に、ペタペタのリズムが早くなり、
体が強烈に重くなった。


金縛りとは違う、目を開けるにも全力を使うような状態…

俺が見たのは、正座で俺の胸の上に乗る女だった。


昔のアイドルが着るような黄色の派手な服だが、体は普通だ。

頭が野球ボールほどしかなく、頭蓋骨を抜いて干しあげたような
質感をしている。


結果、やはり人間には見えない!

「…Z…お…い…Z」

声を絞り出す俺に、人間外女の顔が近づく…Z!気づいてくれ!


「ん…なんだ、どうし…あ、
くせーな、居るなコレ、クンクン…」

ニオいながらこっちに近づいて来るZ。

見えないは無敵。


Z「クンクン…この辺からだな…クン…え? なに、オマエの上に居んの?

 うっわマジにか…クンクン…あ、 コレはね、なんつーんだ、
  ペット売り場系のニオイだな…小動物。

 あんまりたいした霊じゃないのかも…  クンク…ぇひっ!な、何だ、
ひょっとしてこの辺アタマじゃね?

 人外の部分は臭ぇーんだ、 コイツ相当ブサイクだろ?

  クン…ゴフォッ!なんだろ、 ハムスターとかじゃねえぞ、
  亀の食い残したエサが水槽の底に溜まっ」


「あ、もういいよ、居なくなったから」


Zがニオイ分析〜表現のあたりで、大抵の霊は消える。
(女性霊は早く消える傾向がある)


幽霊にとってニオイを嗅がれるのは余程ショックなのか、2度と出て来ないらしい。



翌日、久しぶりに熟睡できたというTさんが、職場でこの話を披露した。


もともと冗談が好きなTさんの話に、ほとんどの人は半信半疑だが、
寮の人は感謝と畏敬を込めてか、Zを下の名前『カオル』と呼ぶようになった。





タグ:幽霊 バイト
posted by kowaihanashi6515 at 01:14 | TrackBack(0) | 洒落怖

2018年02月16日

輪 廻【怖い話】



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寒さで凍える夜・・・

午前零時過ぎ・・・

新宿歌舞伎町のスタンドバー。

私は仲の良いH刑事に、

「何かいいネタはないか」

と取材中だった。

当時、監修を任されていたTBS連続ドラマ『私、味方です(館ひろし主演)』
の監修に役立てるためだ。

話が弾んでいたころ、彼のポケットベルが鳴った。
新宿署と連絡をとった彼が、

「今、コロシがあった。ゲンバは目と鼻の先だ。行くか?」

と。
私はこれまでにも幾度となく彼が遭遇する事件に首を突っ込んできた。
断るはずがない。


新宿区百人町二丁目、Pデンス。
表玄関からエレベーターホールにかけて血が滴り、引きずった跡がある。

『犯人は死体を運んでいる!いったいどういうことだ』

ガイシャ(被害者)の部屋のドアの前で、
ひどく取り乱したパジャマ姿の中年女性が、
若い巡査に向かってギャーギャー叫んでいた。
殺人現場独特の光景だ。

H刑事を見た巡査は、軽く会釈をして

「殺害されたのは、独り住まいの若い女性です」

と告げた。

六畳のワンルーム、ドアを開けてすぐに血溜まりがあり、彼が踏み込んだ途端、

「ピチャッ」

といやな音がした。

続けて私も入る。
白い壁や天井には、おびただしい量の血しぶき。
まるで血の塊をぶつけたようだ。

まだ乾いておらず、犯行があって間もないことを物語っていた。

しかも、玄関に脱ぎ捨てられたハイヒールの中に、脳みそらしい塊が飛んでいる。
いったいどんな殺し方をしたのか!
やはり死体はなかったが、大きなハンマーが転がっていた。

血をたっぷり吸ったらしく、犯人が握っていた柄の部分以外は、
べっとりと赤く光っている。

H刑事に小声で

「下に降りています」

と伝え、階段を駆け下りた。

私は探偵(一般人)だから、
彼の同僚が来る前に現場から離れておかないと、迷惑がかかる。
それに、一刻も早く、エレベーターホールから玄関へと続く血の行方を知りたかった。

滴る血は、歩道へと続き、車道でピタリと消えている。
犯人は車に死体を積んで逃走したらしい。

H刑事が初老の男性と一緒にマンションから出て来た。
目撃者だ。

彼の話によると、

「ギャーッ」

という悲鳴が聞こえたので自室のドアの覗き穴から見たところ、
ガイシャの部屋のドアの前に女性が立っていた。
異様なくらい髪の長い女だ。

しばらくすると、若い男が、何やら大きな袋を引き摺って出てきた。

不審に思った彼は、アベックがエレベーターに乗ったのを見て、
階段で下に降り、車にその袋を積むところやナンバープレートをしっかり記憶したという。

はじめは怨恨による殺人事件かと思ったが、殺り方がずさんすぎる。

人に出くわす可能性の高いエレベーターで死体を運ぶというのは、
目撃されることすら恐れていないことを意味している。

私はH刑事に聞いた。

「手配は?」

「しないよ。この手のホシ(犯人)は、下手に手配して追い詰めると、
 興奮してまた殺しをやるかもしれない。
 先に身元を割り出して迎え(逮捕)に行くよ。
 たぶん、精神異常者の犯行だろう。逃げも隠れもしていないはずだ」

彼は同僚の刑事三人とともに、ナンバープレートから割り出した
犯人・間田英雄(仮名)宅に向かった。私も、その後を付ついて行く。








犯人の家は千葉県八街町にあった。
ごく普通の建売住宅だ。
カーポートに白いマークU。
バンパーに血のりが付いている。

刑事がチャイムを鳴らすと、三十歳前後の男が目をこすりながら出て来た。

「どなたですかぁ?」

ひょうひょうとしている。

しかし彼の目を見た途端、背筋に激しい悪寒が走った。
常人ではない!
ひどい三白眼は、血の通った人とは思えないほど鋭く冷たい。
私は息を呑んだ。
わずかな時間をおいて、違う刑事が男に尋ねる。

「今日、君はどこにいっていたのかなぁ?」

「えーと、秋葉原」

「そう。今、家の中には誰がいるの?・・ふんふん、ご両親と妹さんね。
 すまないが、ちょっと・・・・」

男の肩に手をかけた瞬間、そばにいた二人の刑事が彼の両腕を素早く押さえた。
男はひと言も抵抗らしき言葉を発せず、されるがままになっている。
刑事たちは男を車に押し込むと、静かにドアを閉め、尋問を開始した。

しばらくして、応援の車両が続々と到着。
鑑識も含め、その数は二十人ほどに膨れ上がる。
捜査員に抱きかかえられるようにして、男の妹が出てくる。
端正な顔つきだが、やはり非人間的な眼つき。
髪は異様なほど長く、ふくらはぎに届いている。
それに彼女の青白い顔がつくと、円山応挙が描いた幽霊画そのものだ。

問題のトランクが開けられると、えび茶色の布団袋が現われた。
ついさっき殺されたばかりの死体が入っている。
トランク内はさほど汚れていない。
自分の部屋に血液を出し尽くしたのか。
ひもを解くと・・・






ものすごい形相の若い女の顔が飛び出した!
ハンマーで何度も叩き割られた額やほお。
そのとき飛び出たのか、目の玉が口の中に押し込まれている。

脳みそが鼻から噴出し、頭蓋骨がささくれのようになって、
あちこちから突き出ている。それにソバージュの髪がからまる。

この女はほんの数時間前まで生きていた。
信じられないという気持ちと恐怖が、同時に私を襲った。
犯人の母親が、窓から外を眺めている。無表情だ。

父親は、玄関にしゃがみ込んで泣き叫んでいる。
まともなのは父親だけだと、H刑事が舌打ちした。







約三時間後の新宿署。
取り調べは続いている。
徹夜になりそうだが、私はH刑事を待った。
帰る気も、寝る気もしない。
他殺体を見たことはあっても、あれほど無惨なものは初めてだった。

外が明るくなったころ、彼が出てきた。

「ホトケは、マントルの女だったよ・・・」

「遺伝だろうな」

「いったい・・・」

「ホシが誰かを殺そうと街を徘徊しているときに、
 たまたま公衆電話のピンクチラシを見て、マントルに行ったんだ。
 そこで、ホトケの住んでいたマンション名と電話番号を教えられた」

「じゃあ、殺された女は客だと思ってドアを開けて・・・」

「そう、運が悪かった・・・いきなりハンマーでガツン!だもんな。
 殺しの動機は、妹の精神薄弱を治すためらしい。
 強いショックを与えれば、治ると信じていたようだ。
 目撃者が見た髪の長い女は、ヤツの妹だよ」

「なんてことだ・・・」

「もっと驚いたのは、母親に
『今から人を殺して妹に見せる。そうすれば病気が治る』
 と言ってたことだよ」

「母親は止めたのか?」

「いいや」

「ということは、彼女も同じ精神病・・・」

考えられない顛末に、私は絶句した。
しかも翌日、H刑事からまたも悲痛な知らせを聞いた。

唯一まともだった父親が、自宅で首を吊って自殺したというのだ。
私は、この呪われた家族には何かの因果があるのではないかと思った。
そこで調査を開始した。


系譜の調査により、わかったのは、
間田家は代々一人しか子どもが生まれていないこと。

つまり、直系が続々と続いている家系で、子孫はみな、
ある年齢に達すると精神に異常をきたし凶暴になって人を傷つけ、
その後、病院に収容されて生涯を終えている。


だが不思議なことに、身柄を拘束される前に、かならず子どもをつくっている。
まるで、狂った血を途絶えさせまいとするかのように・・・

犯人・間田英雄の場合はどうだろう。
今のところ、親しかった女性や妻子がいるという情報は入っていない。
彼の近くにいた女性といえば、あの妹だけ。


しかし数日後、精神薄弱の妹は、自殺した父親の連れ子で、
間田家の血は受け継いでいないという情報が飛び込んできた。
ということは・・・


私は急いで妹の住む町の産婦人科を調査した。
その結果、案の定、彼女が父親不明の子どもを妊娠していることがわかった。
いうまでもなく、その子の父親は間田英雄である。
やはり間田家の血は、新しい命に取り入り、生きていた。
こうなると、間田家の血族をさかのぼり、呪われた血の源を探るしかない。
私は、戸籍にあった英雄の母親の青森県にある出身地を訪ねることにした。

しかし、呪われた血により、無惨に殺された女もまた、
深い恨みを残し、霊となって彷徨っているのではないだろうか。

私は青森に発つ前に、殺人事件の現場に向かった。







ハッカー(カギ開け道具)を使い、部屋の中に入る。
カーテンを閉めているせいか、真っ暗だ。
電気をつけようとスイッチを探したが、見つからない。
ジッポーの火をつける。

部屋いっぱいに広がるおびただしい血痕の跡はそのままだ。
スイッチを見つけたが、電気がつかない。
ドアの上部のブレーカーに異常はない。

『おかしいな、外にもスイッチがあるのか?』

と思いながらドアのノブを回したところ、びくともしない。
と、そのとき、強烈な寒けが背後から襲ってきた。
振り向こうとしても、体がまったく動かない!
手も足も顔も、冷気にさらされたように冷えていくが、額から汗が吹き出す。
どういうことだ・・・

突然、

「良介・・・殺す・・・殺す・・・」

低く、しわがれた声が耳もと近くから響いてきた。

その方向に目を移すと、なんと、殺された女の首がぴったりと私の肩に乗っていた。
トランクの袋から飛び出した、あのむごたらしい顔である。
あまりの怖さに全身の力が抜けた・・・

もう見たくない。
目を強くつぶると、青白い光りが回っているのが瞼に映った。
瞼の力が抜けていく・・・

そっと目を開けると、血まみれの顔が私の鼻先にあった。女の顔。
それがだんだん男の顔に変わっていく。
ぱっくりと割れた額に、小さな髷が見える。
誰だ、おまえは・・・

得体の知れない霊との睨み合いは、しばらく続いた。
私は、知っているお経をすべて唱え、消えてくれることを祈った。
しかし、どんなにあがいても金縛りは解けない。


どれほどの時間が経ったろう。
怖さを通り越し、私の中に成仏できない霊に対する哀れみの気持ちが広がった。
すると、男の生首は、苦しそうに

「ウ〜・・・」

と呻きながら、スーッとかき消えていった。

突如、部屋の電気がついて、私はうしろに引き倒された。
腰が抜けたのか、足に力が入らない。
また電気が消えたら・・・という恐怖がこみ上げる。

私はなんとかドアのノブに手をかけた。開いた・・・
やっとの思いでマンションから出た私は、何度も吐きながら自宅へ戻った。


冷静さをとり戻すと、いくつかの疑問が頭に浮かんだ。
殺された女の霊が出たことは納得できる。
しかし、髷を結った男は誰なんだ?
霊が呟いた『良介』という名前も気になる。

私は翌日、予定通り、間田英雄の母親の出身地、青森県の苫和地村を訪ねた。






この地は津軽藩の統治時代に、すさまじい大飢饉(農作物の凶作による飢餓)があった。
飢えに苦しみ抜いた人々は、隣の子供と自分の子供を取り替えて殺し、煮て食べたという。

私はこの村の元庄屋で、史実にくわしいO氏(七十六歳)を訪ねた。
東京で起きた忌まわしい殺人事件を告げると

「やっぱり・・・」

と深いため息をもらし、重い口を開いた。
その内容は、身の毛もよだつものだった。


その昔、裏山の麓に水のない井戸があり、それは、
大飢饉のときに人を殺して食べた残骸の捨て場所となっていた。

村中の人が次つぎに捨てるものだから、首と皮や骨だけの死体が溢れ、
その様から『重ねの井戸』と呼ばれるようになったという。

その頃、喜助という百姓がいた。
大飢饉の中、彼は壁土を食って飢えをしのぎ、決して人には手をかけなかった。
ところが、不幸なことに、最愛の女房を『良介』という百姓に殺され、
食われてしまった。

そして死体を重ねの井戸へ・・・

『良介』という名は、あのマンションに現われた霊が発した名前と同じだ!
私は身を乗り出して、話の続きに聞き入った。

変わり果てた女房を見た喜助は、気が狂い、
井戸の死体をすべて掘り出して干上がった自分の田畑に埋め、一心不乱に耕しだした。

そのため、頭を割られた何十もの生首が土から飛び出し、
まるで地獄絵図のような光景だったそうだ。
それを知った良介は、村人たちを率いて喜助を取り囲み、

「おまえの女房はうまかったぞ」

と吐き捨てて、彼を殴り殺してしまった。
なんともむごい話である。

これでは喜助が浮かばれない。
案の定、喜助は霊となって良介を襲った。
殺されたときの傷を露にし、ものすごい形相で良介を追い立てたのだ。

そして、苦しみもがいた良介は、腹をかき破るという怪死を遂げた。

のち、飢餓も収束に向かい、この村にも平和が訪れたが、喜助を殺し、
食った良介の子孫には、次々と不幸が訪れた。

一族から生まれてくる男の子は、みな精神分裂で、
周囲の家に火をつけたり、娘を強姦したり、殺人を犯したというのだ。
その良介の子孫にあたるのが、間田家だったのだ。

非業の死を遂げた喜助の霊が、自分を殺した相手を呪い続け、
代々にわたって発狂させたのか。

私は、輪廻(生まれ変わって因果を繰り返す)の恐ろしさに心を震わせながら、
O氏に教えてもらった村の墓場に向かった。

良介の子孫、間田家の墓に線香をたむける。
ふっと上を見上げると、小高い丘のようなものが見えた。
私は、引き寄せられるようにその方向に足を進めた。
すると、草むらの中に、ぽっかりと口をあけた古井戸が見えた。

『その昔、裏山の麓に水のない井戸があり、
 大飢饉のときに人を殺して食べた残骸の捨て場所となっていた・・・』

O氏の言葉が蘇る。

周囲を観察すると、地形はちょうど山のすそのに位置していた。

「これが重ねの井戸か・・・」

水らしきものはなく、どこまでも深い穴のように感じられる。

その井戸から十メートルほど離れたところに、大きな石があった。
昔の墓のようだ。よく見ると字が刻まれていた。

【本多家の墓】

・・・と。

たしか、殺されたマントルの女の名前も、本多・・・
本多啓子(仮名)だった。

私は急いで村に戻り、近くで農作業をする老婆に、本多家の墓や喜助のことを聞いてみた。
老婆の顔は一瞬こわばったが、深くうなずき、

「本多家は喜助の子孫だよ。でも、明治初期に滅びたと聞いている」

と言った。

私は翌日、役場に出向いた。
やはり、本多家は滅びてなかった。転出しただけだ。
静岡に移り住み、小作人として大地主の元で働いていたという噂も入ってきた。

市役所でウラをとると、マンションで殺された本多啓子は、
喜助の血を受け継いでいることが判明した。
私は、やっと、あのマンションで女の霊が

「良介・・・殺す・・・殺す・・・」

と訴えた理由がわかった。

では、喜助の呪いにかかった良介の子孫、間田英雄が、
喜助の子孫である本多啓子を殺したとは、どういうことなのだろうか。
私は考えた。


代々に渡って間田家を狂わせた因果が巡りめぐって、
今度は喜助自身の子孫の命を奪われた。つまり自業自得に陥ったのかもしれない。

いや、待てよ。
こうは考えられないだろうか。

喜助の霊が間田家の英雄を狂わせる。
そして彼を、自分の子孫である本多啓子の元に呼び寄せ、彼女を殺させる。
すなわち、現実社会での重罪を犯させることによって、
発狂よりもさらに激しい復讐を狙った。
そのためには、自分の子孫も犠牲にできた・・・

祟りとは、際限なく広がり、時に残酷すぎる結果をもたらすのかもしれない。

私は翌日、岐阜県の高野山別院の高僧と連絡をとり、喜助の霊を弔う方法を尋ねた。
彼は弔いを引き受け、マンションの壁紙の一部をちぎり郵送するよう指示した。

「霊界の深淵を一度覗いてしまうと、何度も覗くはめになるぞ」

と言われたが、喜助の霊を成仏させられるなら、それも仕方ない。
精神薄弱の妹が身籠っている子供のためにも・・・








posted by kowaihanashi6515 at 14:22 | TrackBack(0) | 洒落怖

夜道のいざない【不思議な体験】



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去年の7月くらいに体験した話。

うちの母方の祖父が亡くなり、通夜と葬式のため親の実家の北海道へ行きました。

当日は祖父を神社まで運び、その夜は従兄弟や叔父、叔母とみんなでそこに泊まり、
蝋燭と線香の番をすることにしました。

みんなで寝る支度をして、歯を磨いたり顔を洗ったりしていました。

そこは神社なので当然お風呂が無く、
自分は髪にワックスをつけていたためどうしても流したくなり、
いっそのこと風呂に入りたいと思っていました。


神社から祖母のやっている旅館が歩いて10〜20分くらいの所にあり、
お客さんが泊まっているという事もあって、母と祖母と父は旅館に戻っていました。

なので旅館に戻って風呂に入ろうと思い、母に電話をしました。

自分は少し霊感が強いのか、子供の時などに幽霊を見たりしたことがあったので、
母に電話すると、

「あんた危ないわよ!? 確かに旅館は近いけど、お通夜の日の夜中に歩くなんて、
普通の人でも危ないのに、あんた大丈夫なの!?」

と言われました。

でも何故かその時は、夜中の知らない道を歩くのが怖いという感覚は全く無く、
とにかく風呂に入りたいと思い、道を聞き行く事にしました。

今考えればそれもおかしいのです。

基本的にビビりなので、誰か居ないとそんな日の夜中に
知らない田舎道を歩くなんてことはしません。


でもその時は、何故か全く気にせず行きました。

「神社を出て真っ直ぐ歩いたら川があるから、そこの橋を渡って、
左に真っ直ぐ行けばコンビニが見えるから、そこからは分かるでしょ?」

と教えてもらいました。

さほど遠くはなく、来る時は車で5分くらいの距離でしたが、
一応心配だったので、

「わかった。まあすぐ着くと思うけど、
迷ったら電話するから、携帯目の前に置いといて」

と言い、電話を切りました。


その後、傍に居た従兄弟二人と叔母に

「行って来ま〜す!」

と言って部屋を出て、別の場所で飲んでいた叔父にも

「行って来ます」

と言い、神社を出ました。


この時はみんな確かに、

「はいはい〜」

と返事をしていました。



そしてしっかり携帯を握り締め、神社を出ました。






神社を出てすぐに、暗くて何の施設かは判らなかったのですが
大きな建物があり、不気味で引き返そうかなと思ったのですが、
足は止まらず走っていました。


ちなみに、そこは大通りからちょっと入った所なので街灯はあったのですが、
薄暗く人通りも無いような場所でした。


でも、心の中で『大丈夫大丈夫』と呟きながら、真っ直ぐ走って行きました。



すると、母の言っていた橋が見えたので、そこを左に曲がりました。

後は真っ直ぐ行けばコンビニがあると思っていたので、全速力で走りました。

ですが、暫く走っていても全くコンビニが見えません。

10分以上走ったと思います。

母から電話が来ました。

「あんた今どこ? 迷ってない?」

「橋曲がって真っ直ぐでしょ? 今走ってる」

「そんな時間かからないはずよ? 間違えたんじゃないの?」

そう言われたので少し考え、何故か

「んーもうちょい行ってみる。また電話する」

と言い、電話を切りました。

後から考えれば、明らかにおかしかったのです。

何せ車で5分くらいの場所なので、そこまで走る訳がないのです。

しかも橋からコンビニなんて、走ってもせいぜい5分くらいの場所です。

ですがその時は、何故かこっちで合ってる、
間違ってるはずがない、と思っていました。



更に走っていると、歩道の右手に小さな祠みたいなものがありました。

そこを少し過ぎると、車が全く通りません。

そこは北海道の田舎なので、車の通りは確かに少ないのですが、
一応二車線の大通りでしたし、そこの祠を通るまでは車も少し走っていました。

しかし、そこの祠を過ぎて暫く走っても、一台も車が通りません。

本当に不気味に思えてきました。







更に走っていると、大きな橋がありました。
その下は川が通っているみたいでした。
川の音に混じり、笑い声が聞こえて来ました。

子供がその橋の下の川で遊んでいるような笑い声です。

でも時間は深夜の0時過ぎ。有り得ません。

その時『やばい!』と思い、全速力で来た道を戻りました。



戻っている時に気付いたのですが、軽く5キロくらい走っていたのです。

戻る前は全く疲れず、自分の中では15分くらいしか走っていないと思ったのですが、
実は相当走っていて、携帯を見ると時間もかなり経っていました。

とにかくやばいと思って、誰かに電話をしなければと思い、
従兄弟、兄、母に電話しました。

誰も出てくれません。

母にもう一度かけると、出たと思ったら

「あ……ぅ……」

と言ってすぐ切れました。

電波が悪いんだなと思い込み、走りながら電話をかけまくりました。



すると、さっき見た祠の所を過ぎた辺りで、やっと電話が通じました。

「何で出ないの!? と言うか超怖いから!
電話出ようよ!電波悪いならかけ直して!?」

と、焦っていたため怒鳴るように言いました。

すると母は、

「電話? 鳴ってないわよ? 目の前にずっとあるけど。
着信履歴も何も。今かかって来たわよ?」

と言いました。

ぞっとしました。

さっき出たのは誰?

と言うか、
何故こちらでは何回も呼び出し音が鳴っているのに、
そちらの携帯には着信履歴すら残っていないの?

色々な事が不安になり、母に

「とにかく!車!出して!お願い!大通りのとこ真っ直ぐ!」

と言い必死に走りました。



30分ほど走って、やっと母と祖母を見つけました。

「あんたどっち行ったの? 橋を過ぎたら右って言ったでしょ?」

と言われました。

今思い返しても、母は左と言っていたと思います。

そして母に事情を説明すると、

「あっち山の方よ? と言うか橋まで5キロはあるよ? 
途中で気付かなかったの? 住宅も減るのに。あんた、呼ばれてたんじゃないの?」

と言われました。

本当に呼ばれていたのかもしれません。

と言うか、そんな洒落にならない事を軽く言わないで欲しいものです。

ちなみにその後、ビビりつつも風呂に入り、車で送ってもらい神社へ戻りました。



その後、叔母に

「○○ちゃん(自分)、いつ出てったの?」

と言われました。

従兄弟も、叔母も、叔父も、誰も俺が出て行ったのを知らなかったのです。
でも俺はちゃんと行って来ますと伝えたはずです。返事も確かに聞きました。
でもみんな、いつの間にか居なくなったと言っていました。

ちなみに、兄貴と従兄弟の携帯の着信履歴にも、自分の名前はありませんでした。
そのまま引き返していなかったらどうなったかと思うと、今でもぞっとします。



後日、母が

「神隠しって、案外そういう風に消えたりするのかもね…」

と呟いて、更にぞっとしました。











2018年02月15日

実家の2階に家族以外の住人がいる。幽霊って思ってると怖いから 「田中さん」って名前付けて親しみを感じていたのだが・・・・ 【ほんのりと怖い話】

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実家にいた幽霊の話を聞いて。

実家は一戸建てなんだけど、2階でよく不可解な物音とか
誰かが部屋に入っていくのが見えたのに行ってみたら
誰もいなかったとかがよくあって

家族の中で何かいるんだろうなぁってなってたの。


で、幽霊って思ってると怖いから「田中さん」って名前付けて
親しみを持とうとしていたのよ。

「なんか変な音する」

「田中さんじゃない?」って。


不思議なことに、「ああ、田中さんならいいか」って思えてくるわけ。







わたしは大学から実家を出て一人暮らしをしていたんだけど、
帰省したときに

「田中さん最近どう?」って親に聞いたら

「いなくなった」って言われてさ。


当時、実家では犬を飼い始めていて(しかも5匹)

田中さんは絶対犬がうるさいのが嫌になって出て行ったんだと思った。

親には「田中さんの気持ちも考えてよ!」とか言った気がする。


でも、
帰省中自分の部屋で寝てたら毎晩金縛りにあうわけ。


金縛りって霊的なものもあるだろうけど、
自分に起こるのは全部体の疲れだと思ってた。


でも毎晩はさすがにおかしいなと思って家族に言ったら、

「あんたの部屋、普段物置になってて 犬が入らないから、
田中さんが 避難してるんじゃない?」

って言われた。

あー、そうなのかもな、まぁ田中さんならいいか。って思った。


で、帰省のたびに金縛りに苦しめられていたんだけど
今年の正月から金縛りがまったくなくなった。

とうとう田中さんがいなくなったんだと思って少し寂しくなった。


それで気付いたんだけど、わたし帰省すると必ず左目が
すごい腫れていたんだよね。


肌が強くないから、環境の変化で腫れていたと思っていたんだけど
田中さんがいなくなった途端その腫れる症状も一切なくなった。

今年のお盆に帰ったときも、金縛りも左目の腫れもなかった。


目が腫れるのも田中さんの影響だと思ったら、
それまで親しんでいた田中さんがなんか怖くなった。

実害があるのかよって。

ていうか、実家はじいちゃんが土地を買って一から建てた家だから
前に住んでいた人が〜 とかもないし、地鎮祭もちゃんとやってるはずだし


田中さんは一体なんなんだ? どっから来たんだろう。

なんで2階にしか出てこなかったんだろう。

そんな感じで、いなくなってから田中さんがいろいろと怖くなった。



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家以外ではお経を読むな【怖い話】



一応これでも修験道の行者やってます。
お寺と師弟関係を結び、京都に有る某本山で僧籍をもっています。
そんな私が、駆け出しの頃体験した怖い話です。


やっぱり修行をしていますと、だんだん霊感が付くものです。

入門して多少の修行経験を積み、お寺の師匠から、

「霊感付いてきたみたいだから外でお経を読むな、家以外ではお経を読むな」

などと言われ出した頃です。


性分的にダメと言われると、なぜダメなの?と思い、
体当たりで戒めを破り、なぜかを知りたがる性分。
自宅以外でお経を唱えましたね。

実際、やっている人はわかるかもしれないですが、
お堂やお寺で唱える読経と、自宅で漠然と唱えるお経では違うものなのです。
神様仏様の前で唱えると、気持ちが違うものなのです。


ある休みの朝、ある神社へ行きたくなって後輩を伴い行ったのですが
ここで少し説明。

後輩はお寺の後輩ではなく、会社員時代の後輩で、
行者になった私に興味を持ってくれた人。
行者ではなく、いわば普通の信者的な感覚の人です。

そして、ある神社とは、行者になる前に行った場所なのですが、
この時代、行者なんかやろうと思う私は相当オカルト的なものは大好きで、
風水だとかにも傾倒していた時期がありました。


その頃見つけた所謂『龍穴』。パワースポットと言う奴です。
その手の龍穴は、神社仏閣になって守られている事が多く、
所謂『神域』と言う事です。

規模的には某県の県庁所在地、中規模都市を支えている龍穴です。

多少の霊感が有る人なら、
近づくと耳鳴りが三日ほどなり続けるような場所です。







さて、状況説明はこの位にして本題。

その後輩と朝思い立って、車で2時間ほどの山の中の神社へ到着し、
過去に来た時よりも感を研ぎ澄ませ境内を散策し、
龍穴そのものを見つけました。

大きな巨木(小さな巨木は無いですが^^;)
境内側から見えない裏側に回ると、塔婆や石碑がズラーっと並んで、
まさにまさに龍穴そのものなのです。
龍神社(水神)も巨木の横にあり、ここだなと思いました。


般若心経をおもむろに唱えました。

そこまではなんでもないんですが、
鳥居を背にして車に乗り込み帰路に着こうと思ったのですが、
なんだか嫌な予感がしました。単に嫌な予感が直感的にありました。


車に乗り込み進みだしますが、
ブレーキがだんだんと踏みしろが深くなって、
最終的にはスコーンって感じになってしまい、
「ブレーキが利かないな」などと話しつつ、
山道をハンドブレーキで進むのですが、
なんだかさっきの悪寒が大きくなってきて、
何かに追いかけられるような感覚に陥りました。


やばいなぁヤバイなぁなどと内心思いながら、
二又の道『●◎寺→』みたいな看板があり、
寺に逃げ込もうと必死でそちらにハンドルを切りました。

ふもととは別な道。だんだんと追いかけてくる感覚が大きくなってきて、
感覚が具体性を持ってきます。

とにかく恐怖、恐怖の塊が追いかけてくるような感覚に陥り、
精神と言うか心というか、全身だんだん覆っていく感覚になり、
あせりながらハンドルを捌きました。


ようやくついた●◎寺。
ここはもう廃寺になったようなお化け寺で、お墓しかありません。

大急ぎで、ハンドルとハンドブレーキを駆使して狭い山道をUターンしました。

それまで自分だけこの感覚に陥っているかと思っていたのですが、
ふと助手席の後輩を見ると、 目をひん剥いて口はへの字口に、
体は硬直しているような感じ。
同じ感覚に陥っているのが手に取るようにわかります。


大急ぎで麓におりて山の入り口にある大鳥居を越えてから、
その恐怖感覚が無くなりました。

後輩もやっと声を出せるようになったようで、

「なんか物凄く怖くて怖くて声がでませんでした」との事。

「俺もだよ。なんなんだあれ?」と話し、

麓にお寺を見つけたのでそこで一息つきました。


と・・・・・。

ここまでならまあまあ良いのですが、そこからなのです。



とにかくお互い家に帰ったのですが、なんだか虫が知らせると言うか、
後輩が気になって電話したのですが、
電話に出ない。何回も電話するのですが出ないんです。


2日後の夜10時くらいにやっと電話に出たのですが、
出るとたんに泣き出すんです。

大の男が電話口で泣くなんて普通じゃないわけですが、
様子がとにかくおかしい。

聞けば、一人暮らしの彼は帰った夜から家にいて、一人になるのが怖くて、
繁華街を延々2日間歩いていたそうです。

憔悴しきっていたのですが、

「なんで電話に出ないんだよこっちも気になってたんだ」と伝えると、

『電話には出るなとずっと言われてたんだよ』と泣き出します。

『怖いけどなんとか電話出られたんですよ』とさらに泣き出す。

こりゃあもう憑き物ってやつだと思いつつ、「どうしようどうしよう」。


しかも師匠の言いつけ守っていませんから、師匠にも相談できないんですねw

『今一緒にいるんだよ一緒にいるんだよ』

とわけわからん事を言いだすので、

こっちもわけわららず必死に

「じゃあその人に電話代わって」

と言ったら、

もう霊媒なんでしょうね、

『神域を壊しに来たのはなんでだ?』

と言い出すんです。


そこで

「そんなつもりはありません」

と、そこからは奇妙な感覚になり、会話が成立するんです。


そこでもう必死なんで、

「◎◎大明神様、私は××と申します。▽▽寺で修行している行者で、
 壊しに行ったんじゃないんです。 物見勇山で行ったのはすみません」

と言い、

「まだ駆け出しの行者なんですが、一生懸命に観音経を唱えますからご勘弁下さい」

と言い、
電話で観音経を唱えだすと、すごい声で泣き出すんですよ後輩が。


唱え終わり、

「本当に失礼あったら申し訳ございません」

と言うと、
スーッと体から悪寒が無くなって、電話口の後輩も落ち着いた様子でした。


そんなこんなで既に2日会社無断欠勤している後輩なのですが
翌日会って話を聞きますと、

「『近所の神社に末社があるから挨拶に来い』みたいに言ってた」

と言うので、
その後輩の家の近所の神社に行くと・・・・。
ありました。

『◎◎大明神』。

もう絶句なんですが、昨晩のやりとりは本当だったようです。

般若心経を一巻唱えてご挨拶し、事なきをえました。



結論
初心者が外でお経を唱えるのは怖いですねw
今では修行を積んで神仏とお話が普通に出来るので、
あの時の話は良い経験で、仲間内で笑い話になっています。

もちろん師匠にも、笑える話として話せる時期になった時に話しました。

後輩は神仏の怖さを知ってからというもの、
困った事があるとその神様にお願い事をしているようです。
でもって心願かなって、来年結婚するようです。













posted by kowaihanashi6515 at 13:08 | TrackBack(0) | 洒落怖

霊感の正体がわかったかもしれない…【不思議・怖い話】




中学時代に経験して考察したことを書く。

中学時代部活の試合中に頭を強打して昏倒、救急車で運ばれた。
目を覚ましたのは翌日だけど幸い大きな問題はなかった。


少なくとも医学的には。


でも目を覚ましても1日入院してたんだけど、俺には違和感があった。
人の言葉が聞こえにくくなった、というより言葉の意味がわかりにくくなった。


そして何もないところを見てると、時おりノイズのようなモヤが見えた。
人の形みたいだったり、車の形みたいだったり。


それに変な音が聞こえるようになった。人の声みたいだったり、
犬の声みたいだったり。言葉のようにも聞こえるけど意味は分からなかった。


退院してもそれは続いた。


人のように見えたりするモヤは動いたり止まったり、まるで人のように動いていた。
それから言葉のような音も聞こえる気がする。

その人のようなモヤは俺たち普通の人間の世界とは
全く関係ないところで階段を登るように見えたり、
壁を通り抜けたり出たり消えたり。


ひょっとしてこれって幽霊かしら?と俺は思うようになった。


そして普通の人の声がとても遠くなった。話しかけられても気づかなかったり、
言葉の意味がわからなかったり。


学校の友達にはボケてんじゃねーよ、なんてよく笑われてたのを覚えてる。

でも、今だから笑ってたと思えるけど、
笑ってる顔の表情の意味も俺にはあいまいなものになってた気もする。


最初は幽霊だと思っていたモヤも、俺は頭を打って狂ってるんだ、
とも思うようになってきた。


モヤはだんだん濃くなり、何もないところからの音もよく聞こえるようになり、
普通の人たちの声や姿は今で言う普通に認識しづらくなっていった。


そんな生活をしてるうちに秋口に俺は初めてインフルエンザにかかった。
初めての高熱に俺は1週間くらい休んだと思う。


家で寝ていると枕元やそこらじゅうをモヤが通り過ぎまくっていた。


俺は頭がおかしい、狂ってしまった、俺はもうダメなんだ、
という思いを強くしていたけれど、処方された薬が効いて俺の熱は下がっていった。

それとともにモヤや音は感じなくなって、
インフルエンザが完治する頃には普通に人の言葉も理解して、
今の感覚を取り戻していた。







で、その後に考えたこと。
こういう経験をして俺は思った。


元々オカルトとかを信じている人間ではないけれど、
幽霊を見たり霊感があるって人は脳に異常があるんじゃないかと。


だからダウン症やらうつ病の人は俺たちと全く違う世界を見ているんだ、と思うようになった。


でも、それと同時にこう思うようにもなった。
やはり霊界やパラレルワールドと言われるような、
こことは違う世界もあるのではないか?と。


で、普段の人間の知覚は脳に完全に支配されて、普通に我々の世界として認識する。

でも、それが何かのきっかけによって脳のリミッターが外れると、
違う世界も知覚出来たりするようになるんじゃないか?とも思った。


なんでこんなこと思うようになったかというと、
去年十数年ぶりにインフルエンザにかかった。


やはりまた高熱が出てふせっている時にまたあのノイズと音を感じた。

それだけだったら脳の障害と言えるような負担が見せる幻覚、
と思ったんだろうが、今回、そのノイズたちが俺に近寄ってきて
口々に俺に音を発していた気がする。


ひさしぶり、って言ってるように俺には感じた。

あ、これ単純な幻じゃなくて実は霊界の入口とか、
そういったたぐいの別世界の入口が俺には見えてるんじゃねえ?と思うようになった。

もちろんインフルの治った今の俺は普通の生活をしてるし、
何も異常なものは見えない聞こえない。


でもまた何かあった時に、今度はよりはっきりその世界を感じてしまうんじゃないか、
その世界をこっちの世界と同格に感じたとき俺は死ぬんじゃないかと恐怖してる。

霊感があるだの霊能力者だの嘘っぱちのペテン師は山ほどいると思う。

でもそれを本当に信じていたり、本当に脳のリミッターが俺たちと違って
最初からそういう世界とリンクしちゃってる人がいるんじゃないかと
俺は本気で思っている。









うちには猫神様がいる【不思議な話】




うちには2匹の猫がいる。2匹とも雑種だ。


そのうちの1匹に、2度程助けられた事がある。
それからは名前を「猫神様」と呼ぶようになった。
これは猫神様に助けられた時の話だ。


ある日曜日、遅い朝食をコンビニへ買いに行った帰り、
犬に襲われそうになった。

野良犬ではない。 首輪をしていたからだ。犬種はドーベルマン。
唸り声をあげ 今にも飛び掛かってきそうに身を低くして近づいてきた。

飛び掛かる時の反動付けのよう一瞬その犬がさらに身を低くした時、
何かが空から降ってきて、その犬の顔を覆った。






即座に犬のキャインキャインという声が響いた。よく 見ると猫神様だった。
犬の顔に噛みつきながら顔を引っ掻いてる。

身体が離れた時犬を見たら目は潰れたようで、あちこちに身体をぶつけて逃げていった。
ちょっとしてキャイ〜ンと聞こえた。車に跳ねられたようだ。
猫神様は、前足を舐めている。

その日は家にいて脱走できる状態ではなかったはずだった。
空から降ってきたのではなく、多分近くのカーポートの屋根から
ジャンプしたのではと考えた。

その日は 帰ってから、嫌がる猫神様を風呂に入れ、
乾いたあとにいつものドライフードではなく猫缶をあげた。


その日は仕事で遠くに行く事になっていた。
俺はいつも助手席だ。
支度をしてると猫神様が足元にまとわり つく。
食器棚の上に乗りこちらを見ていた。

カバンに手をかけた瞬間、上からジャンプして俺の頭に乗った。
下に下ろすと、今度は尻尾が倍に膨らみ全身の毛を逆立たせ睨みつけてくる。
無視して玄関に手をかけた瞬間、おもいっきり引っ掻かれた。

同僚に電話を入れ電車で行くのを伝え詫びた。
近くの病院が開くのを待ち、手当してから電車に乗った。
しばらくすると携帯に連絡が入った。

同僚が高速で事故したと。
本人は無事だが、契約には間に合わないから頼むと。
契約を終え会社に戻ったのは夜だ。

上司が「車に乗らなくて良かった」と言った。
助手席は潰れてグチャグチャだったらしい…
帰りに、いつもより高い猫缶を買った。
多分助けられたと感じたから。

猫神様ありがとう。






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