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2019年02月23日

願いが叶う神社【怖い話】






母方の祖母が信心深い人だった。


幼い頃、群馬の母方の家に行くと、
よく子供だった自分の手を引いて山裾の神社に連れて行った。

群馬は視界に山が入らないところが無い。

母方の家は、すぐ裏がもう山だ。

近隣の墓はほとんど山中にあって、
蜘蛛の巣みたいに細かな路が入り組んでいる。

金比羅様と祖母が呼んでいた神社というのは、
丸太の鳥居、破れた障子、抜けた濡縁。

管理されているとはとても言えぬ有様。



でも祖母は、何度となく私をそこに連れて行った。

細い山路を私は付いて行った。

祖母は神社をすごく有難がっていた。

7つか8つぐらいの時だと思う。

「今日は特別」

そう言った祖母は、荒れ神社の裏手に私を連れて行った。

初めて見る神社の裏は、昼なのに暗い。夕暮れのようだった。

そしてそこには、人ひとりがようやく通れそうなくらいの、
すごく細い路が続いていた。


路を登り、下り、けっこう進んだ先は開けた場所だった。

明るくて、不思議な場所だった。

ローマのコロッセウムを半分にしたような、
大掛かりな雛壇のような石積み。

段には小さい位牌のようなものがたくさん並び、
短冊のついた笹、折り紙飾り、仏花で彩られ、
そよぐ風で風車が回転していた。

私は嬉しくなった。


手を合わせようとすると、祖母は私を叱った。

「ここは強い神様が居る。
 だからお願いごとをしてはいけない。

 きっとそれは叶うけど、
 ここの神様は見返りを要求する神様だから」

そう言った。


そこにはそのあとも、
もう一回だけ連れて行ってもらった。

やはり変わらず、鮮やかに飾られた、
とても綺麗な場所だった。


私が中学校に上がってすぐ、祖母は亡くなった。

事故だった。

とても悲しかったが、
突然だったので実感が持てなかった。

さらに時は過ぎて、私も大きくなり、
母から漏れる情報から、母の実家の状況が分かってきた。


祖母の死の前。母の兄は、
自動車整備の会社を辞めて独立していた。

だが不況が重なり、相当苦労していたらしかった。

驚いた。叔父は高校に進んだ私に、

「誰にも言うな」

とポンと10万円くれたこともある。

事業だって順調そのものだ。

母によると、祖母の死を前後して、
赤字続きだった叔父の工場はグッと持ち直したそうだった。

私は例の不思議な場所を思い出していた。

もしかして祖母は、
あの場所でお願いしたんじゃないだろうか。

『わたしはどうなっても構いません。
 倅の会社を救ってやってください』

って。

きっとそうだと思った私は、
もう何年も行っていないあの神社に、
もう一度行きたいと思うようになった。

次に群馬に行く事になったとき、
一人で神社に向かった。

久々で少し迷ったが、
どうにかあの神社に辿り着いた。

でも、私の行きたい場所は此処ではない。

『あの場所』だ。

私は裏手に回った。あの日と同じように。


だが、そこに路は無かった。あった形跡も無かった。

信じられなくて、何度も神社の周りを回った。

それでも無かった。


信じられなかった私は、
上記のような『あの場所』の様子を、
母に、叔父に、祖父に、叔父の子どもたちに
聞きまくった。

でも、答えは同じ。

「そんな場所知らない」

私は怖くなった。

すごく、すごく、怖くなった。

今、思い出しながら書いていてもスゴク怖い。

それ以来神社はおろか、
裏の山自体にも近寄らなくなった。


いや、それどころではない。

あらゆる山道に恐怖を覚えるようになった。

『あの場所』が、
あの群馬の山中の何処かにだけあるとは
思えなくなっていた。

いつか何処かで、
突然あの場所に行ってしまうような気がするのだ。

あの頃は、
自分の命を引き替えにしなければならないのなら、
どんな願いも叶わなくていいと思った。


でも、今は必ずしもそうではない。

もしそんな切羽詰ったときに、またあの場所に行ったなら。

そう考えると恐ろしいのです。





2019年02月02日

勾玉「祟り神の言い伝え」【怖い話】






中学生の頃祖父から聞いた話
(話自体は祖父の父=曽祖父から祖父が聞いた話)


俺の地元の山に神主もいない古びた神社があるんだが、
そこに祀られている神様は所謂「祟り神」というやつで、
昔から色々な言い伝えがあった。


大半は粗末に扱うと災害が起きるとかそんな話なのだが、
そのうちの一つにこんな話があった。


それは戦国時代、
当時の領主の放蕩息子が祟りなど迷信だといって
神社のご神体を持ち出し、
あろうことか酔った勢いで御神体に向かって小便をかけたらしい。


それから暫くは何事も無かったのだが、数年後から異変が起きた。

(古い話で詳しくは伝わっていないが、
口伝として語り継がれているのは以下のようなもの)


・詳細は不明だがあちこちで説明の付かない怪異が多発


・村人が何人も理由不明で失踪


・領主の顔が倍近くに腫れあがる原因不明の病気にかかり、
回復はしたが失明・問題の放蕩息子以外の3人の息子達は
戦で重症を負ったり病気にかかったり


・問題の放蕩息子は乱心し山に入ってそのまま帰らず


・祟りを恐れた村人達が色々と
 神様を鎮める試みをしたが全てうまくいかず、
 村人は次々と村を去り事実上の廃村に


こんなところなのだが、まあ古い話であり、
文献として残っているわけでもなく、

事件の結末も解らない中途半端な話なうえに、
口伝として語り継がれる程度のものだったのと、

その後村に住んでいる人たちは後になって
移り住んだ人たちばかりなので、
いわゆる噂程度のものだった。


そして時代は変わって祖父がまだ生まれる前、
明治維新から数年後頃の話。


神社は当時から神主などはおらず、
村の寄り合いで地域の有力者などが中心となって

掃除や神事などの管理し、
たまに他所から神主さんを呼んで神事をしてもらっていた。


また、口伝として残されている話などから、
「触らぬ神に祟り無し」ということで、
御神体は絶対に誰も触れることなく
ずっとそのまま存在し続けていた。


戦国時代の事件以降、
ずっとそんな状態で神社も村も
何ら大きな出来事も無く続いてきたのだが、
ある年ある事件が起きてしまった。


ある日村の若い人たちが集まって話をしているときに、
ふと前記の祟りの話が話題になった。


その時数人の若者がこんな事を言い出したらしい

「祟りなんてあるわけがない、
 日本は開国して文明国になったのだから、
 そういう古い迷信に囚われるのは良くない」と。


そんなこんなで、
その後どういう経緯でそうなったのかは解らないが、
迷信を取り去るためにその御神体とやらの正体を
見に行こうという事になったらしい。


まあ気持ちとしては一種の肝試し的な
軽い気持ちのものだったのだろうと祖父は言っていた。


ただし、全員が全員その話に賛同したわけでは無く、
やはり祟りは恐ろしいということで
実際に見に行ったのは10人ほどの集団で、
やはり肝試し要素があったので夜中に集まり神社へ向かった。

(神社での一連の話は一緒についていった人から曽祖父が聞いた話。)

神社の境内に入り、
拝殿の扉を開け中に入るとこじんまりとした祭壇があり、
そこの台の裏に古ぼけた桐の箱が置いてあり紐で厳重に封がされていて、
どうやら御神体はその中に入っているらしかった。


みなそこまで来たところで少し怖気づいてしまい、
また、何か妙な胸騒ぎがしたため箱に触れることが
出来なかったらしいが、

最初に「迷信だ」と言い出したやつが意を決して箱を手に取り、
箱を固定していた紐などを解くと蓋を開けた。


中には綺麗な石(どうも勾玉らしい)が3つ入っており、
とくにそれだけで何事も無く、
急に緊張のほぐれたため逆に気が強くなり、
御神体を元に戻しそのまま朝まで拝殿の中で酒盛りをしたらしい。


翌朝、拝殿で御神体の箱を開け、
更に中で朝まで酒盛りをしていた事が村中にばれ、

若者達はこっ酷く叱られたらしいが、特にその後なにもないため、
村人達もその事をそれ以上追求しなかった。


一応その時神社で酒盛りをした連中を連れて、
村の地主が神社へ謝罪しに行ったらしいが。

3年後、村で妙な事件がおき始めた。


村の外れに猪や鹿や猿が木に串刺しにされて放置されていたり、
夜中に人とも獣ともつかない不気味な声を聞いたという人が
何人も現れたり、

あちこちの家に大量の小石が投げ込まれたり、
犬が何も無い空を見上げて狂ったように吠え出したり、

これは曽祖父も深夜に便所へ行った時にみかけたらしいが、
黒い人影が何十人も深夜に列を作って歩いているのをみかけたりと、
とにかく実害のある被害者はいないが気持ちの悪い事件が多発し始めた。


こういった事件が多発したため、流石に村でも

「3年前の事件が原因ではないか」

と噂になり始めたのと、治安の面から不安なので、
村人は村の駐在さんと相談し、
近隣の警察署に応援を頼み警備を厳重にしてもらう事と、

村で自警団を作り夜中に巡回する事、それと同時に、
3年前の事件を引き起こしたもの達でもう一度神社へ謝罪しに
行く事などが決まった。


しかし、様々な策を講じても一向に怪現象はとまらず、
それどころかとうとう被害者まで出るようになってしまった。


山に入った村人が、
何かに襲われボロボロの死体で発見された事件をかわきりに、

子供が遊びに行ったまま帰らない、

自警団の見回りをしていた4人が4人とも忽然と消えてしまう、

夜中に突然起き出して何か喚きながら外に飛び出し、
そのまま失踪してしまう、

女の人が何かに追われているかのように必死で逃げて行き、
自宅に戻ると包丁で自分の首を掻き切って自殺してしまうなど。


そういった事件が立て続けに1ヶ月ほどで起きたため、
最早村人達には手に負えないと、
何か解決策は無いか話し合っていたところ、
村のおじいさんが

「山向こうの○○神社は、
 山の神社の神事の代行を何度かおこなっていて、
それなりに縁があるようなのでそちらを尋ねてみたらどうか」

との提案をした。


他に何か良い案があるわけでもなかったため、
だめもとで明日○○神社へ向かう事で話し合いは終った。


翌日、地主が3年前の事件の主犯格などを連れて○○神社へ向かい、
神主さんに取り次いでもらう事にした。


神主さんは、とにかくお互い落ち着いて話そうということとなり、
社務所で一連の事件等の事を詳しく話す事にした。


しかし、ある程度話が進むと、神主さんは

「それはおかしい」

と言い出した。


どうも山の神社の御神体は祭壇の上においてある
平たい箱に入った銅鏡であって、桐の箱の勾玉は違うらしい。


戦国時代の話にしても、
領主の息子が粗相をしたのはその銅鏡であると
○○神社に伝わっているらしかった。


そもそも、○○神社は何代も前から
山の神社の神事を代行してきた経緯があり、

自分も若い頃に一度代行した事があるが、
桐の箱や勾玉の事は全く知らないらしい。


実は地主も若者達が開けたのはてっきり
祭壇の上の箱の事だと思っていたらしく、

その時はかなり驚いたのと、
地主も桐の箱に入った勾玉の事を今はじめて知ったようだった。


また神主さんは、
これは悪霊や祟り神による祟りの類では無く、
もっと異質な何か別なものの仕業で、

とにかく一度その勾玉を見てみないことには解らないが、
もしかすると山の神社の神様はその「何か」を
勾玉に封じる役割があったのではないか?とのことだった。


神主さんは、まず○○神社に残る文献を調べてみて、
何か勾玉に関する情報が無いか調べてみるとの事で、
2日後に地主の家で落ち合う事になりその日は帰る事となった。


2日後、地主と当事者の若者達が、
地主の家で神主さんを待っていると村の駐在さんが訪れ、
怪現象が近隣の村や村の近くの陸軍の駐屯地でも起き始めている事、

一部ではそれに関連したと思われる失踪者も出始めており、
どうも被害がこの村を中心としてあちこちに拡散しているらしい、

まだこの村で起きている事が噂となっている兆候は無いが、
いずれ噂になり責任を追及されるかもしれない、
早く何とかしたほうが良いらしい。


そうこうしているうちに○○神社の神主さんがやってきたため、
皆でまず山の神社の勾玉を確認しようということになった。


山道を抜け神社にたどり付くと、
神主さんが自分が調べた事をまず説明し始めた。


神主さんが言うには、
この辺りには大昔から何か良くないものがおり、
その何かはよく人をさらって行ったらしい。


そこで土地に人々は土着の国津神にお願いし、
この良くないものを退治してくれるよう頼んだのだが、
その「何か」の力があまりにも強く、

しかもさらった人々を取り込んでどんどん強くなるため、
その神様でも力を封じ込めるのでやっとで、
とても退治することはできなかったという。


要するに、その「何か」そのものは封じられたわけでは無く
ずっとこの村の周辺に潜んでいたが、
力が封じられて何も出来なかっただけであったと。


そこへ来て若者達が神様の封じていた
勾玉の箱を開けてしまったため、
再び力を取り戻して人をさらったり殺したりするようになった
との事だった。


神主さんが言うには、
戦国時代の話は恐らくここの神様による祟りで間違いないが、
今回の一連の事件はそれとは全く別であり、

村の人たちが見た黒い人影は
その「何か」に取り込まれた人たちの姿で、
最早この人たちを解放するのは無理だろうとの事だった。


また、今回の一件でその「何か」はまた更に力をつけたが、
まだ神様の力を借りて力を封じる事そのものは可能であるはずで、
手に負えなくなる前に力を封じてしまわないといけない。


そして、恐らくその「何か」は長い年月をかけて勾玉と
一心同体のような状態にあるようで、

あまり勾玉から遠くに離れることが出来ず
恐らくまだこの近くに潜んでいるはずだという。


また、封を開けてしまった若者達は全員
この「何か」に魅入られてしまっており、

さらわれて取り込まれる事とは別の事に利用される可能性があり、
「何か」の力を封じた後でも全く安心できない、
なので神様が力を封じた後、

これとは別に御払いをし、
それでもだめなら○○神社は分社であるため、
本体のある明神大社へ行って御払いをしないといけない事を伝えた。


更に、「何か」の力を封じるため神様を降ろしている間、
「何か」が若者達を利用して儀式を妨害する可能性も十分にあるので、
封を開けるときに立ち会った若者は
全員ここへ集めたほうが良いとの事だった。


そして神主さんは、地主にまず普段神事を行う時の道具と、
紙に書いてあるものを早急にここへ持ってくる様に指示し、

若者達はここにいない者も含め全員ここへ集めるように伝えると、
首謀者の若者達には決して何があろうと神社の外へ出ないよう伝え、
自分自身は桐の箱を開け中の勾玉の状態を確認し始めた。


勾玉を調べていた神主さんが言うには、文献にあった通り、
勾玉は力を封じるためのものだったらしく、
今は何の力も感じない。


ただし、これもやはり文献にあったとおり、
「何か」は勾玉と一心同体なため、
「何か」の異様な気配だけは勾玉からも感じるらしい。


数時間後、

地主と村のものが神事に使う道具と残りの若者達を
連れて戻ってきたため、
そのまま国津神の力を借りるための儀式が執り行われた。


神主さんが若者達を全員縄で囲った
「結界?」のようなものに入れると、
祝詞をよみあげ儀式が始まった。

最初は何事も無く進んでいたが、
暫くすると辺りが異様に獣臭くなり、
外で何人もの人がうろつく気配がし始めた。


神社へやって来た村人は全員拝殿の中にいるし、
地主がこちらへ戻る前に、残っている村人達に

「今日は何があろうと家から出ないように」

と指示していたため、誰かがやってくることもありえない。

つまり「何か」が今、神社の外にやってきているということ。


神主さんが言うには、

「今は神様が依代の銅鏡に降りてきているから
 絶対にあれは拝殿に入れない、
 だからこちらから外に出なければ絶対に安全」

らしく、あとどれくらいかかるか解らないが、
暫く我慢してこらえてほしいとのことだった。


それから朝まで儀式は続いたが、
その間外からは獣とも人とも区別の付かない笑い声、
ざわつく大勢の人の声、
何かが歩き回る音やガリガリと壁を引っ掻くような音、
朝方になるとあちこちを無差別に叩いて回る
音が聞こえてきていたらしい。


朝になり儀式が終ると、全員緊張から疲労困憊で、
とにかく早く家に帰って眠りたかったので神主さんから
「この後」の事を聞いた後拝殿の扉をあけた。


すると、あちこちの木が倒され、
神社周辺はそこらじゅうに何十人か何百人かの
人の泥だらけの無数の足跡と、

神社の壁には何か大きな生物が引っ掻いた引っ掻き傷があり、
鳥や狸などを食い荒らした残骸まであったらしい。


ちなみに、後から神主さんに聞いた話によると、
この村は一度廃村になったためそれまでの言い伝えや
伝統が殆どなくなってしまい、

その時に「何か」の存在の言い伝えや
神社の役割も伝える人がいなくなってしまったので、

今まで神主さん自身も文献を調べるまで
儀礼的な単なる義務としての神事しか知らなかったのだという。


ただし、文献を調べて見ても「何か」の正体や
○○神社と山の神社の関係などは殆ど解らなかったらしいが。



最後に、なぜこんなうろ覚えのような
文才の無い文章をあえてここに書いたかというと、

2年ほど前にその地元の神社が盗難事件にあい、
中の祭具や御神体など一式が全て盗まれたから。

最近多いらしいですね、この手の盗難事件。


問題はその泥棒が桐の箱も盗んだらしい事と、
あと数ヶ月で3年目であること、

あとはこの「何か」は勾玉周辺の人々を
周囲数十キロの範囲で無差別に襲うという事実です。

祖父が言うには

「今更どうにもならないし、
 勾玉の場所がわからなければ対策のしようが無い」

のだそうだ。




2018年11月22日

神様に求婚されたけど、振った姉【 ほんのりと怖い話】【神様・神社系の話】





姉の話。


姉はここ2、3ヶ月まえからダイエットしてる。



事務所の昼休みや帰りにウォーキングしたり


自転車で出たりしてて そのコースの途中に神社があるんだって。



だけどその神社は、

私も見たことあるんだけどいつも閉まってる


鳥居の足元にガレージとかにあるような

Xがいっぱい連なったみたいな感じの門がついてて、

鳥居からは入れないようになってる。


でも神社の隣にお寺があって、そのお寺から神社に行ける。


なんか姉はこの神社(以下A神社)に気に入られてるみたいだった



姉自身もいつも閉まってるA神社に興味持ってたみたいなんだけど

まるでA神社にも呼ばれてるみたいっていうのか車で前通ったとき、

寝てても誰かに呼ばれたみたいにパチって目覚めてきょろきょろして


「あ、ここの神社の前だったかー」


ってことが何回もあった


でもそのお寺とA神社は車が止めづらい場所にあって

なかなかお参り自体は出来なかったのね


私もかなり前に、一回姉にくっついて初詣に行ったことはあるけど


「寂れた神社だな。もっと掃除すればいいのに」


くらいしか思わなかった



境内に白い猫がいてその子はかわいかった



で、姉はウォーキングの途中にA神社に寄ってみた。


一回目は何もなかったんだけど、そのうち怖い夢を見るようになった


なんか怖いモノに襲われててどっかに避難してるのに、

そこから誰か知らない男の人に


「こっちに行こう、外は怖くないよ」


って、あの手この手で誘われるんだけど、


姉は「行ったら絶対にマズイ」


って思って必死に断る夢。


最初は気のせいだって思ってたらしいんだけど

一ヶ月くらい連続で見るようになって一定の法則があることに気が付いた


A神社に寄ると怖くない夢、神社の前を素通りすると怖い夢、

ウォーキングに行かないと怖いところから綺麗な場所に誘われる夢。


綺麗な場所の時はお祭りに誘われたり、

花とか星を見に行こうとか 綺麗な景色を見に行こうとか

なんかデートっぽい誘い方。


とうとうある日、姉は一番怖い夢を見た


真っ白の着物を着せられて、白木の箱に寝かされて、

火葬場の炉に入れられる。


扉が閉まると誰かが来て


「このままだと焼かれてしまうよ」


って 姉を連れ出そうとするんだって。



でも姉は


「体は焼けるけど、私は焼けないから大丈夫。

それより今出て行っちゃったら家族に会えなくなる」


って必死に断った


そしたらしびれ切らしたらしい相手が腕をぐって引っ張って、


「嫌だ!行かない!」


って叫んだら目が覚めて助かった。


「真っ白の着物って死に装束?」


って聞いたら


「花嫁衣裳だった」


って。


私は「それヤバいよ、変な神様に気に入られちゃったんじゃない?」


って言ったんだけど


姉は「神様がこんな普通の人間を気に入ったりなんかしないでしょ」


でもヤバいことは姉が一番分かってたから


「Aさんのことを言ってくる」


って、地元の大きな神社にお参りに行った。



そこでお守りを貰ってきて、

それを枕元に置いて寝るようにしたら怖い夢がなくなったらしい



今度はデートっぽい感じの夢ばっかりになったんだって。


花を貰うとか手紙が大量に来るとか


ストーカーに付きまとわれてるみたいな夢で、


そっちも必死に断ってたけど、今度は指輪を渡されたらしい。


怖いから指輪は嵌めなかったらしいけど、

指輪と言い花嫁衣装と言いなんか相手は本気っぽくない?


ってことで


地元で有名な八卦見さんのところに行くことになった。


八卦見さんはすごい人で、会って挨拶してすぐ


「○○町のA神社のことだね?」


といきなり言った。


姉は電話で


「怖い夢を見るから」


としか言ってないのに。


八卦見さんは


「あんたの後ろに神様が見える」


といって色々説明してくれた。


姉はやっぱりA神社の神様に気に入られちゃってたらしい。


でもA神社は開かずの神社になってて

誰も来ないから神様が病んじゃってた。


神様と荒れた神社に入って来た魔物が混ざって余計に病んじゃって、

魔物は姉を連れて行きたいんだけど、神様は姉を守ろうとしてる。


でも神様自身も寂しいから段々姉を神社に近付けようとしてた。


普段は神様が勝ってるし、

乱暴にすると姉に嫌われるから穏やかにしてるけど、

夢の中ではその抑えが利かなくて

あんな怖い夢になってたんだって。


地元の大きな神社にお参りしてからは、

魔物が抑えられたから 神様が正攻法で誘おうとしてる。


もう病んじゃって力が無いから、夢でしか誘えないんだって。


昔だったらお嫁さんとして修行に行かされてるところだって

言われてた。


「アンタは神様の妻になる気はある?」


って聞かれた姉は、


「いくら神様でも夢とはいえ棺桶に突っ込んでくれた

 相手なんて絶対無理です」


ってきっぱり断ってた。


八卦見さんは


「正気の時の神様は「時々姿を見せてくれるだけでいい」

 って言ってるよ。


 でも、つらかったら近付かなくてもいい」


って頷いてて、お守りはきちんと持ってろとか、

地元の神社には行くようにしろとか注意してた。


地元の神社の神様は力が強くて、

もうそこにお参りした後だったから

八卦見さんはあんまりすること無かったんだって。


姉は「なんで私が見込まれたんでしょう」

って聞いてた。


「今まで前を通ったことは何度もあるし、

 何年か前に行った時は何もなかったのに」


「前々から気にかけていらしたけど、

その何年か前のお参りに行った時にお気に召したんだろうね。


そういえばアンタ、

最近行き始めた最初の時に雨に降られたって言ってたね。


それ天気雨だったんじゃないの?」



「はい、 夕立だったんですけど、

 空の半分は晴れてて変な感じでした」


八卦見さんはやっぱりねっていう顔をした


「天気雨は狐の嫁入りっていうからね。

 嫁入りするのは狐だけじゃない、人間もだよ。


 しばらく来なくて寂しがっていたところに、

 また来てくれるようになったから、

 今度こそは逃すまいと思われたんだ」


情の深い神様だから長引くことは覚悟しなさいって言われて、

それであとは帰ってきた。


姉はウォーキングのコースを変えて、

わざわざ遠回りしてでもA神社の前を通らないようにしてる。


変な夢を見る頻度は減ったみたいで、

あとは徐々に治まっていくんだろうって言ってる。







2018年11月21日

開かずの神社【神社・神様系の怖い話】





現在進行形の話のためオチはないです。


職場の近くに開かずの神社があります。



お寺の敷地内にある神社で、神社とお寺の入り口は別々になっていて

お寺の門と神社の鳥居が横に並んでいる形なんですが、

お寺は普通に開いてるのにも関わらず、

神社の方は鳥居の下に門が取り付けられてていつも閉まっています。



家とは反対方向だからしょっちゅうは通らないんだけど

たまに前を通る時には妙に目に入ってくるのです。


バスに乗って下向いてスマホいじってても、何故かはっとして

顔を上げると丁度神社を通り過ぎるところ…ということがよくあります。


何で閉まってるんだろうって気になってたんですが

なかなか機会が無くて前を通るだけでした。


3年ほど前に一度だけ行けたことがありましたが、

それっきりずっと行っていない状態が続きました。


それで、ここ一ヶ月くらい前からウォーキングを始めたんですが

そのコースの途中にその神社の前を通るもので、

休憩がてら立ち寄ってみました。


神社はお寺の敷地と繋がってて、門こそ閉まっているけれど

お寺側からなら自由に入れるし、お坊さんも何も言いませんでした。



神社は草が生えたりしててお寺ほどきれいではありませんでしたが、

掃除はされているようでした。


で、いざお参りしようとしたら、鈴が無い。


色あせた紅白の紐はぶら下がってるんだけど、鈴は無いんです。


でもせっかくここまで来たんだから…と、鈴は無しで

「前通るたびに気になってました。今日ここに来れて嬉しいです」

と手を合わせてご挨拶だけしてきました。


その後、境内をちょっと見てきましたが

奉納されてる物を見ると十年くらい前までは

普通に開いてて近所の人が参拝に来てたみたいでした。


帰る時、寺の門を出ようとすると、急に大きな雨粒が落ちてきました


夕立というには物凄いゲリラ豪雨で、

慌てて入り口に近い神社の軒先に避難させてもらいました

ゲリラ豪雨だからか空の半分は晴れてて変な気分。


近くには雨宿りできそうな場所は全くなかったので、

もしお参りに来ていなかったらびしょ濡れになってたと思います。


神様に助けてもらったのかも…とほっこりした気分で帰宅しました。


ここまではまあ、何の害もない話。


神社に寄るようになってから、妙に怖い夢を見るようになりました。


夢なんてここ数年滅多に見なかったのに。


夢の内容はどれもリアルな感覚があって、

誰かにどこかに連れて行かれそうになって、

「いやだ、行かない」

と断って目が覚めます。


棺に入れられて火葬場の炉に入れられて、

そのまま誰かに連れて行かれそうになって断る、

ホラーゲームばりのお化けの巣窟と化した学校の教室から、

見回りのために廊下に出ようと言われて断る、

どこかの部屋に閉じ込められてて、

窓やドアをバンバンと叩く怖いものが外にいて、

それから逃げるために外に出ようと言われて断る、

怖い何かに探されてて、見つからないように必死で隠れているのに、

足元に外から大量の血が浸水してきて、

外には怖いものが待ち構えているのに出れば助かると言われて断る、

何かのホラーイベントしていて「ここは危険だから出よう」と

言われるけど「これはあくまでイベントだから」と言って断る、

カフェかレストランみたいな場所で昔ちょっと好きだっと先輩に

「外に面白いものがあるよ」と勧められるも断る、

賑やかにお祭りをしている村から、

誰かに星を見ようと誘われて外に出ようとするけど断る、

などなど。


今日なんかは山の中にある綺麗な泉を見に行こうと誘われて、

木々の緑の美しさに心惹かれて山に入りかけるも、

近くにあった池の魚に気を取られたお陰で、我に返って断れました。

誘ってくる誰かは、知っている人だったり知らない人だったり色々。


顔が見えない時もあります。


夢の中では「何か知らないけど怖いから断らなきゃ!」

と思って必死で断っています。


神社に寄った日は夢の表現はマイルドで、

寄らずに前を通っただけの日は夢の表現がR18Gに。


ウォーキングに行かなかったり、別のコースの日は、

R18Gの状態から美しい場所に誘われるパターンが多いです。


ただの夢だと言えば夢なんだけど、同じようなものばかりで気味が悪いし、

R18Gの夢は怖い。


私は一体、何の誘いを断っているんでしょうか。

とりあえず、絶対に誘いに乗るつもりはないです。







2018年11月04日

神社で不思議な少年に出会った【神様・神社系の怖い話】





私はいわゆる「見える人」だ。



といっても

「見える」「会話する」

ぐらいで他に特別な事が出来るわけではない。


例えば事故現場にボケっと突っ立つ、
どことなく色の薄い青年。

私と目が合うと照れくさそうに目をそらす。



20余年こんな自分と付き合っていて、

生きている人間と同じくらいの「何か」に

引き留められている色の薄い(元)人を見てきたが、

彼らがこちらに害を加えようとした事はほとんどない。




ある人は何かを考えこんでいるような。

またある人は虚空を睨むように、その場に留まっている。

自由自在に移動しているような奴は本当に極稀である。




正直、オカルト好きな私にとって

この体質は非常にありがたい。

ラッキーと思っているくらいだ。




これまで「オカルト好き」と「見える」のお陰で

色んな体験をしてきたが、

私は私の体質が生まれつきのモノなのかどうか知らない。






記憶に残る一番幼い頃の話をしようと思う。




私の実家は近江で神社をしている。


店でも開いているような口ぶりだが、

父、祖父、曾祖父・・・かれこれ300年は続いている

それなりの神社だ。




幼稚園に行くか行かないかぐらいの時分。

毎日境内を走り回っていた私はある日、

社務所の裏手にある小山にこれまた小さな池を発見した。




とても水が透き通っていて1m弱の底がとても良く見えた。

脇には当時の私の背丈をゆうに超える岩がある。




私はその岩によじ登ってはすべり降り、

よじ登ってはすべり降りるという何が面白いか

よくわからん遊びに夢中になっていた。




何回目かの着地後、不意に気がついた。


地面を見つめる私の視界に、ぞ

うりを履いた小さな足があった。



顔を上げると前方に浅葱色(あさぎいろ)の

変な着物(じんべいみたいな服)を着た

私より少し大きいくらいの男の子が立っている。




私が何をしているのか。


さも興味有り気といった表情でじっと私を見つめている。




中性的でとても奇麗な顔。

私は参拝にきた人の子供かな、ぐらいにしか思わず、

構わずまたあの儀式の様な謎の遊びを再開した。




すると男の子は何も言わず私の真似をする様に、

岩を登っては降り、登っては降りをやり始めた。




当初私は自分が考案した

最高の遊びを真似されたと憤慨しましたが、

まぁ子供というのは得てして

誰とでもすぐに仲良くなるもので。




男の子は名前を「りゅうじ」といった。

私は彼を「りゅうちゃん」と呼んで

ほぼ毎日小山で遊んでいた。




りゅうちゃんは虫取り名人であり、虫博士でもあった。


ナナフシを見つけたのは、

後にも先にもりゅうちゃんと遊んでいた時だけだった。




この頃、

父に私は小山で遊ぶ時は

池に近づくなと言われていた。


当たり前だ。

小さい子が池の周囲で遊ぶなんて、

こんな危険な事はない。




ある日いつものようにりゅうちゃんと

小山で遊んでいた時、

池の底にとても奇麗な石を見つけた私は、

それを取ろうと池に腕をつっこんだ。




もう少しで取れそう。

そんな思いがきっと油断を招いた。

重心がすっかり前にいった私の体は、

池の淵をずりずりと滑り落ちてしまった。




もう訳がわからなかった。

突然奪われた酸素、上下がわからない。

どっちが上なのか。息を吸いたい。

もがく私の腕を誰かが力強くつかみ、そして引き上げる。




助けてくれたのはりゅうちゃんだったが、

今考えれば幼い私と、

そう年頃も変わらない男の子が

水の中から人一人を引き上げるなんてありえない。




当然ながら当時の私にそこまでの思考力はなかった。

溺れた恐怖にただただ泣きじゃくりながら

そのまま家路についた。




ぼたぼたと水を滴らして

泣きじゃくる私に母は仰天し、

池に落ちたこと、

近所の男の子に助けてもらった事を

告白した私にきついお灸を据えた。




母に腕を引っ張られ、たどり着いた先は納屋。

私はあの薄暗さが嫌で普段から納屋には近づかなかった。




そんなところに一人放り込まれた

私の恐怖といったらそれはもう、

今でも当時の私に同情するくらいだ。




暗い納屋で一人しくしく泣いていると

誰かが入ってくる気配があった。


すわお化けか何かかと、

恐怖に顔面を強張らせたがすぐにその表情は緩んだ。

りゅうちゃんだ。




りゅうちゃんは、

ひくりひくりとしゃくり上げる

私の横で静かに寄り添ってくれた。




すっかり心が丈夫になった私は、

母が呼びかけてくるまでしばらくの間

すっかり寝こけていた。


すーすーと寝息を立てる私を見て母は、

この子にはどんなお灸もきっと効かないと感じたそうだ。




この頃から両親は「りゅうちゃん」の存在を知る。

近所の遊び相手。そんな認識だったそうだ。


幼稚園へ通い始めても、小学校へ上がってからも、

私はほぼ毎日りゅうちゃんと遊んだ。




りゅうちゃんが同じ小学校にいるのかどうか、

疑問は感じていたがあまり気にしていなかった。




私が8歳になるかならないかくらいだったと思う。


8歳になる(もしくはなった)と言って、

はしゃぐ私にりゅうちゃんは、

黄色い果物のような物をくれた。




私たちはその果物を池で洗い、二人で仲良く食べた。




なんだかちょっと酸っぱくて

美味しくなかった記憶がある。


私は家に帰った後、

夕食中両親にその事を自慢げに話した。




先のお池転落以来、

池に近づくと怒られると思ったので

もちろん池で洗った果物である事は伏せた。




両親も最初はニコニコと話を聞いてくれていたが、

私があまったその果物を食卓に持ってきたとたん、

両親の、特に父の顔色が真っ青になった。




まず、その果物はドロドロに腐ってしまっていた。


昼間はあんなにみずみずしかった果物が

ゼリー状になっていたのだ。




父が果物を睨みつけながら

強い口調で私に問いただした。


池で洗ったとゲロった私を父は抱きかかえ、

もつれる足を何とか交互に動かし祖父の部屋へ滑り込む。




私が〜〜様に魅入られた(何て言ってたかわからないw)




キヌ(?)を喰うてしまっているようだ、

と父が叫ぶと祖父は目を見開き、


​放心といった様子で私を見つめていた。​




神社の近くで農家をしている

おじさんが家に飛び込んできて、

玄関で何やら騒いでいた。


あわてている様子だった。


母が対応し、すぐに父と祖父が玄関へ向かった。




何やら訳が分からない喧騒の中、

ふと縁側に目をやるとりゅうちゃんが立っていた。


いつも通りの奇麗な顔。


だが一点、いつもと違う

背丈ほど長くて白い髪の毛。


必ず迎えに行くから待っててくれ。


りゅうちゃんが私にそう言うので、うん、と返す。




それはいつ?

言葉になるかならないかくらいのタイミングで

私の視界は急に奪われた。


祖父が麻布のような物で私の全身を覆ったのだ。




私はそのまま祖父に抱きかかえられ、

どこかに連れて行かれ(恐らく本殿)

生ぬるい酒のような液体を、

麻布の上からかけられて車に乗せられ、

そのまま町を出て行った。




しばらくゴトゴトと揺られていると

車は緩やかに止まった。


布の口が解かれ、

父と母が不安そうな顔で私を見ていた。




何がなんだかわからない私に母は、

もう二度と家には帰れない事。


父、祖父と離れ、

母方の祖父母の家で母と暮らす事を告げられた。




わかったと素直に返事した私を

両親は呆けた顔で見ていたが、

私は大して気に留めなかった。



父や祖父と離れるのは寂しいが、

会いたいと言えばむこうから来てくれる。




なにより、

りゅうちゃんが迎えに行くと言ったのだから

待っていればいい。


そんな心境で私は古都の住民になった。




色んな物が「見える」ようになったのも

その辺りからだと思っている。




いや、単にそれまでは限られた範囲の中でしか

生活していなかったのもあって、

たまたま遭遇してこなかっただけかも知れない。




でも私はりゅうちゃんがくれたあの果物のせいだと、

今でも思っている。





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