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2019年02月03日

神社の御神木「この風に呑まれたらヤバイ!」【異世界にまつわる怖い話】





15年ほど前の話。

中三の夏休み、友達二人(AとB)と毎日のように遊んでいた。

部活も引退していたし、受験はあったけど、
「なんとかなるわw」ってタイプの三人だったんで
勉強もしなかった。

だから暇持て余していたんだ。

うちの近所には中くらいの規模の神社があって、
そこには御神木がある。

そこは夏でも涼しくて気持ちがいいのでよく行っていた。

その日もいつもみたいに
「涼みに行くか」とジュースを買って行った。

御神木の下に着いてしゃがもうとすると、
何かが木にぶら下がっているのに気づいた。

それは首吊りしている人間だった。

「うわーーー!」

と、俺たちは一目散に神社から飛び出た。


「警察に行った方がいいんじゃ...」

ともなったが、
面倒に巻き込まれたくなかった俺らは見て見ぬ振りをした。


しかし、それから数日経っても
『首吊り死体発見!』とのニュースはなかった。

地元で死体など見つかったら大ニュースになるはずなのに…

合点はいかなかったが、
俺らは「見間違いだった」と思い込むようにした。

それから当分神社は怖くて行けなくなってしまった。


またそれから二ヶ月ほどして、その話題も忘れていた頃。

Aが足を怪我をした。

遊びでサッカーしてて骨折したらしい。


Bと見舞いに行くと思いの外元気で、
俺らが病室に入るなり「屋上行こうぜ!」と言い出した。

個室でもなかったし、
中坊が大声で喋ってたら同室者に迷惑だろうと
思ったんだろう。


屋上に着いて暫く喋っていると、ふと違和感がした。

何か得体のしれないものが柵の向こうからくるような感じ。

二人も気付いたみたいで同じ方向を見ていると、
次の瞬間風が吹いた。今まで風なんか殆ど無かったのに。


「この風に呑まれたらヤバイ!」


と直感した俺は、屋上の入り口に走った。

友達も同じだったと思う。


風に追いつかれる前になんとか入り口のドアを開け、
飛び込んだ。

横には息を切らしたBがいる。しかし、Aがいない。

「そうだ。あいつ足怪我して...」

五分ほど経ってもう一度屋上に行くとAの姿はなかった。

「大変なことになった」と思いながら
とりあえず病室に戻ると、
Aのベッドには見知らぬお爺さんがいた。


「あれ?」と思い、病室のネームを見ると、
Aの名前がない。


病室間違えたかと思い、
同じフロアを全室確認したがいない。

しかしそれだけじゃなかった。

Aなんて人間自体存在していないことになってた。

Aの家に行くと、Aの母ちゃんはいるけど、
Aなんて子はいない。妹も弟もいるのに。
(Aの弟が長男ってことになってた)

学校に行っても奴の席はなかった。
(写真等にもいない)



Aが居たことを覚えているのは俺とBだけ。

15年経った今でも不思議でならない。

Bとは

「Aはあの風に呑まれて異世界に行ったんだ」

と話した。


でも俺もBも「それは違う」とほぼ確信している。

そうじゃないと思いたいけど、
Aが異世界に行ったんじゃない。

俺らが異世界に来たんじゃないのかと。

何故ならあの時首吊り死体を見た御神木がないから。

そこは神社の駐車場になっていた。
(御神木は違う場所になっていた)

あの時屋上の入り口の扉を開けた先こそが
異世界だったんじゃないか?

じゃあ異世界に元からいた俺らは?
(あの時都合よく入れ替わった?)


夏休みに御神木で見た首吊り死体は
この事と関係があるのか?


そもそも屋上に吹いた風はなんだったんだ?

疑問はいくつも残るけど、俺もBも結婚して、
こっちの世界で幸せにやってます。





2019年02月02日

勾玉「祟り神の言い伝え」【怖い話】






中学生の頃祖父から聞いた話
(話自体は祖父の父=曽祖父から祖父が聞いた話)


俺の地元の山に神主もいない古びた神社があるんだが、
そこに祀られている神様は所謂「祟り神」というやつで、
昔から色々な言い伝えがあった。


大半は粗末に扱うと災害が起きるとかそんな話なのだが、
そのうちの一つにこんな話があった。


それは戦国時代、
当時の領主の放蕩息子が祟りなど迷信だといって
神社のご神体を持ち出し、
あろうことか酔った勢いで御神体に向かって小便をかけたらしい。


それから暫くは何事も無かったのだが、数年後から異変が起きた。

(古い話で詳しくは伝わっていないが、
口伝として語り継がれているのは以下のようなもの)


・詳細は不明だがあちこちで説明の付かない怪異が多発


・村人が何人も理由不明で失踪


・領主の顔が倍近くに腫れあがる原因不明の病気にかかり、
回復はしたが失明・問題の放蕩息子以外の3人の息子達は
戦で重症を負ったり病気にかかったり


・問題の放蕩息子は乱心し山に入ってそのまま帰らず


・祟りを恐れた村人達が色々と
 神様を鎮める試みをしたが全てうまくいかず、
 村人は次々と村を去り事実上の廃村に


こんなところなのだが、まあ古い話であり、
文献として残っているわけでもなく、

事件の結末も解らない中途半端な話なうえに、
口伝として語り継がれる程度のものだったのと、

その後村に住んでいる人たちは後になって
移り住んだ人たちばかりなので、
いわゆる噂程度のものだった。


そして時代は変わって祖父がまだ生まれる前、
明治維新から数年後頃の話。


神社は当時から神主などはおらず、
村の寄り合いで地域の有力者などが中心となって

掃除や神事などの管理し、
たまに他所から神主さんを呼んで神事をしてもらっていた。


また、口伝として残されている話などから、
「触らぬ神に祟り無し」ということで、
御神体は絶対に誰も触れることなく
ずっとそのまま存在し続けていた。


戦国時代の事件以降、
ずっとそんな状態で神社も村も
何ら大きな出来事も無く続いてきたのだが、
ある年ある事件が起きてしまった。


ある日村の若い人たちが集まって話をしているときに、
ふと前記の祟りの話が話題になった。


その時数人の若者がこんな事を言い出したらしい

「祟りなんてあるわけがない、
 日本は開国して文明国になったのだから、
 そういう古い迷信に囚われるのは良くない」と。


そんなこんなで、
その後どういう経緯でそうなったのかは解らないが、
迷信を取り去るためにその御神体とやらの正体を
見に行こうという事になったらしい。


まあ気持ちとしては一種の肝試し的な
軽い気持ちのものだったのだろうと祖父は言っていた。


ただし、全員が全員その話に賛同したわけでは無く、
やはり祟りは恐ろしいということで
実際に見に行ったのは10人ほどの集団で、
やはり肝試し要素があったので夜中に集まり神社へ向かった。

(神社での一連の話は一緒についていった人から曽祖父が聞いた話。)

神社の境内に入り、
拝殿の扉を開け中に入るとこじんまりとした祭壇があり、
そこの台の裏に古ぼけた桐の箱が置いてあり紐で厳重に封がされていて、
どうやら御神体はその中に入っているらしかった。


みなそこまで来たところで少し怖気づいてしまい、
また、何か妙な胸騒ぎがしたため箱に触れることが
出来なかったらしいが、

最初に「迷信だ」と言い出したやつが意を決して箱を手に取り、
箱を固定していた紐などを解くと蓋を開けた。


中には綺麗な石(どうも勾玉らしい)が3つ入っており、
とくにそれだけで何事も無く、
急に緊張のほぐれたため逆に気が強くなり、
御神体を元に戻しそのまま朝まで拝殿の中で酒盛りをしたらしい。


翌朝、拝殿で御神体の箱を開け、
更に中で朝まで酒盛りをしていた事が村中にばれ、

若者達はこっ酷く叱られたらしいが、特にその後なにもないため、
村人達もその事をそれ以上追求しなかった。


一応その時神社で酒盛りをした連中を連れて、
村の地主が神社へ謝罪しに行ったらしいが。

3年後、村で妙な事件がおき始めた。


村の外れに猪や鹿や猿が木に串刺しにされて放置されていたり、
夜中に人とも獣ともつかない不気味な声を聞いたという人が
何人も現れたり、

あちこちの家に大量の小石が投げ込まれたり、
犬が何も無い空を見上げて狂ったように吠え出したり、

これは曽祖父も深夜に便所へ行った時にみかけたらしいが、
黒い人影が何十人も深夜に列を作って歩いているのをみかけたりと、
とにかく実害のある被害者はいないが気持ちの悪い事件が多発し始めた。


こういった事件が多発したため、流石に村でも

「3年前の事件が原因ではないか」

と噂になり始めたのと、治安の面から不安なので、
村人は村の駐在さんと相談し、
近隣の警察署に応援を頼み警備を厳重にしてもらう事と、

村で自警団を作り夜中に巡回する事、それと同時に、
3年前の事件を引き起こしたもの達でもう一度神社へ謝罪しに
行く事などが決まった。


しかし、様々な策を講じても一向に怪現象はとまらず、
それどころかとうとう被害者まで出るようになってしまった。


山に入った村人が、
何かに襲われボロボロの死体で発見された事件をかわきりに、

子供が遊びに行ったまま帰らない、

自警団の見回りをしていた4人が4人とも忽然と消えてしまう、

夜中に突然起き出して何か喚きながら外に飛び出し、
そのまま失踪してしまう、

女の人が何かに追われているかのように必死で逃げて行き、
自宅に戻ると包丁で自分の首を掻き切って自殺してしまうなど。


そういった事件が立て続けに1ヶ月ほどで起きたため、
最早村人達には手に負えないと、
何か解決策は無いか話し合っていたところ、
村のおじいさんが

「山向こうの○○神社は、
 山の神社の神事の代行を何度かおこなっていて、
それなりに縁があるようなのでそちらを尋ねてみたらどうか」

との提案をした。


他に何か良い案があるわけでもなかったため、
だめもとで明日○○神社へ向かう事で話し合いは終った。


翌日、地主が3年前の事件の主犯格などを連れて○○神社へ向かい、
神主さんに取り次いでもらう事にした。


神主さんは、とにかくお互い落ち着いて話そうということとなり、
社務所で一連の事件等の事を詳しく話す事にした。


しかし、ある程度話が進むと、神主さんは

「それはおかしい」

と言い出した。


どうも山の神社の御神体は祭壇の上においてある
平たい箱に入った銅鏡であって、桐の箱の勾玉は違うらしい。


戦国時代の話にしても、
領主の息子が粗相をしたのはその銅鏡であると
○○神社に伝わっているらしかった。


そもそも、○○神社は何代も前から
山の神社の神事を代行してきた経緯があり、

自分も若い頃に一度代行した事があるが、
桐の箱や勾玉の事は全く知らないらしい。


実は地主も若者達が開けたのはてっきり
祭壇の上の箱の事だと思っていたらしく、

その時はかなり驚いたのと、
地主も桐の箱に入った勾玉の事を今はじめて知ったようだった。


また神主さんは、
これは悪霊や祟り神による祟りの類では無く、
もっと異質な何か別なものの仕業で、

とにかく一度その勾玉を見てみないことには解らないが、
もしかすると山の神社の神様はその「何か」を
勾玉に封じる役割があったのではないか?とのことだった。


神主さんは、まず○○神社に残る文献を調べてみて、
何か勾玉に関する情報が無いか調べてみるとの事で、
2日後に地主の家で落ち合う事になりその日は帰る事となった。


2日後、地主と当事者の若者達が、
地主の家で神主さんを待っていると村の駐在さんが訪れ、
怪現象が近隣の村や村の近くの陸軍の駐屯地でも起き始めている事、

一部ではそれに関連したと思われる失踪者も出始めており、
どうも被害がこの村を中心としてあちこちに拡散しているらしい、

まだこの村で起きている事が噂となっている兆候は無いが、
いずれ噂になり責任を追及されるかもしれない、
早く何とかしたほうが良いらしい。


そうこうしているうちに○○神社の神主さんがやってきたため、
皆でまず山の神社の勾玉を確認しようということになった。


山道を抜け神社にたどり付くと、
神主さんが自分が調べた事をまず説明し始めた。


神主さんが言うには、
この辺りには大昔から何か良くないものがおり、
その何かはよく人をさらって行ったらしい。


そこで土地に人々は土着の国津神にお願いし、
この良くないものを退治してくれるよう頼んだのだが、
その「何か」の力があまりにも強く、

しかもさらった人々を取り込んでどんどん強くなるため、
その神様でも力を封じ込めるのでやっとで、
とても退治することはできなかったという。


要するに、その「何か」そのものは封じられたわけでは無く
ずっとこの村の周辺に潜んでいたが、
力が封じられて何も出来なかっただけであったと。


そこへ来て若者達が神様の封じていた
勾玉の箱を開けてしまったため、
再び力を取り戻して人をさらったり殺したりするようになった
との事だった。


神主さんが言うには、
戦国時代の話は恐らくここの神様による祟りで間違いないが、
今回の一連の事件はそれとは全く別であり、

村の人たちが見た黒い人影は
その「何か」に取り込まれた人たちの姿で、
最早この人たちを解放するのは無理だろうとの事だった。


また、今回の一件でその「何か」はまた更に力をつけたが、
まだ神様の力を借りて力を封じる事そのものは可能であるはずで、
手に負えなくなる前に力を封じてしまわないといけない。


そして、恐らくその「何か」は長い年月をかけて勾玉と
一心同体のような状態にあるようで、

あまり勾玉から遠くに離れることが出来ず
恐らくまだこの近くに潜んでいるはずだという。


また、封を開けてしまった若者達は全員
この「何か」に魅入られてしまっており、

さらわれて取り込まれる事とは別の事に利用される可能性があり、
「何か」の力を封じた後でも全く安心できない、
なので神様が力を封じた後、

これとは別に御払いをし、
それでもだめなら○○神社は分社であるため、
本体のある明神大社へ行って御払いをしないといけない事を伝えた。


更に、「何か」の力を封じるため神様を降ろしている間、
「何か」が若者達を利用して儀式を妨害する可能性も十分にあるので、
封を開けるときに立ち会った若者は
全員ここへ集めたほうが良いとの事だった。


そして神主さんは、地主にまず普段神事を行う時の道具と、
紙に書いてあるものを早急にここへ持ってくる様に指示し、

若者達はここにいない者も含め全員ここへ集めるように伝えると、
首謀者の若者達には決して何があろうと神社の外へ出ないよう伝え、
自分自身は桐の箱を開け中の勾玉の状態を確認し始めた。


勾玉を調べていた神主さんが言うには、文献にあった通り、
勾玉は力を封じるためのものだったらしく、
今は何の力も感じない。


ただし、これもやはり文献にあったとおり、
「何か」は勾玉と一心同体なため、
「何か」の異様な気配だけは勾玉からも感じるらしい。


数時間後、

地主と村のものが神事に使う道具と残りの若者達を
連れて戻ってきたため、
そのまま国津神の力を借りるための儀式が執り行われた。


神主さんが若者達を全員縄で囲った
「結界?」のようなものに入れると、
祝詞をよみあげ儀式が始まった。

最初は何事も無く進んでいたが、
暫くすると辺りが異様に獣臭くなり、
外で何人もの人がうろつく気配がし始めた。


神社へやって来た村人は全員拝殿の中にいるし、
地主がこちらへ戻る前に、残っている村人達に

「今日は何があろうと家から出ないように」

と指示していたため、誰かがやってくることもありえない。

つまり「何か」が今、神社の外にやってきているということ。


神主さんが言うには、

「今は神様が依代の銅鏡に降りてきているから
 絶対にあれは拝殿に入れない、
 だからこちらから外に出なければ絶対に安全」

らしく、あとどれくらいかかるか解らないが、
暫く我慢してこらえてほしいとのことだった。


それから朝まで儀式は続いたが、
その間外からは獣とも人とも区別の付かない笑い声、
ざわつく大勢の人の声、
何かが歩き回る音やガリガリと壁を引っ掻くような音、
朝方になるとあちこちを無差別に叩いて回る
音が聞こえてきていたらしい。


朝になり儀式が終ると、全員緊張から疲労困憊で、
とにかく早く家に帰って眠りたかったので神主さんから
「この後」の事を聞いた後拝殿の扉をあけた。


すると、あちこちの木が倒され、
神社周辺はそこらじゅうに何十人か何百人かの
人の泥だらけの無数の足跡と、

神社の壁には何か大きな生物が引っ掻いた引っ掻き傷があり、
鳥や狸などを食い荒らした残骸まであったらしい。


ちなみに、後から神主さんに聞いた話によると、
この村は一度廃村になったためそれまでの言い伝えや
伝統が殆どなくなってしまい、

その時に「何か」の存在の言い伝えや
神社の役割も伝える人がいなくなってしまったので、

今まで神主さん自身も文献を調べるまで
儀礼的な単なる義務としての神事しか知らなかったのだという。


ただし、文献を調べて見ても「何か」の正体や
○○神社と山の神社の関係などは殆ど解らなかったらしいが。



最後に、なぜこんなうろ覚えのような
文才の無い文章をあえてここに書いたかというと、

2年ほど前にその地元の神社が盗難事件にあい、
中の祭具や御神体など一式が全て盗まれたから。

最近多いらしいですね、この手の盗難事件。


問題はその泥棒が桐の箱も盗んだらしい事と、
あと数ヶ月で3年目であること、

あとはこの「何か」は勾玉周辺の人々を
周囲数十キロの範囲で無差別に襲うという事実です。

祖父が言うには

「今更どうにもならないし、
 勾玉の場所がわからなければ対策のしようが無い」

のだそうだ。




時給3000円のバイト【怖い話】





今から10年近く前の話だ。


当時バカ学生街道まっしぐらだった僕は、

ろくに講義も受けずにバイトとスロットばっかりしていた。


おかげで2年生を2回やり、

4年生になっても月曜から土曜まで

みっしり講義を受けなければならず、

就職活動もできない状態に陥った。


僕は24時間営業の飲食店の深夜スタッフとして働いていた。


22時から朝の9時まで働き、朝のパチ屋の開店に並び、

モーニングを回収してから帰って寝る。



起きてからパチ屋に行き、軽く打ちながら

ストックの貯まり具合を確認してからバイトという

ローテーションだ。


その働いていた飲食店での話。



そこの店は、かつて火災により死者が出たことがある。



駅前のマンションの一階部分が店舗なのだが、

火災以降はテナントとして入った店がすぐに撤退してしまう。



そして、当時のオーナーがマンションごと手放し、

それを飲食店を経営する会社が丸ごと買い取った。


そして、一階部分で始めた店が、僕の働く店だった。


大学生活が始まってから1週間ほどで、僕はそこで働き始めた。


そして、働き始めてから一ヶ月後、

僕は深夜スタッフのチーフになった。


当時働いていた深夜スタッフの先輩達が、皆一斉に辞めたのだった。


僕について仕事を教えてくれた先輩に事情を聞いた。


「だってさぁ…。あの店ヤバイよ。出るんだもん。

お前も見たっしょ?働けねーって」


どうやら、昔火事で亡くなったという人が事務所に“出る”らしい。


しかし、僕はそんなもん見てないし、

そういった類のものも見たことがなかったので、信じがたかった。


先輩達は、毎日のように出るソレにうんざりしていた。


着替えていれば出るし、休憩に入れば出るし、

食材を取りに行けば出る。


僕が入った時点でまだ店はオープン2ヶ月ほどだったのだが、

その2ヶ月で先輩達は皆店に行くのが嫌になった。


さすがにばっくれるのは申し訳ないし、新たにバイトを募集して、

入ったヤツに全部教えて皆で逃げよう。


相談の結果そう決まった。とんでもない人達だ。


そして僕が入ったのだった。


「何が出るんですか…?」


恐る恐る僕は聞いた。



「お前マジで見てねーの?逆におかしいよそれ。

…真っ黒に焦げたオッサンが出るんだよ」


先輩達は皆、焦げたオッサンを見ているらしい。


そのオッサンがいることを、当然の事実として捉えている。


見えない僕のことを変人扱いしている。


それを聞いて僕も逃げることにした。


まだ見てないけど、そんなもん見たくない。



しかし、辞めたいと申し出た僕に対して、

オーナーは必死で引き止めた。


オーナーもそのオッサンを見たらしく、

“見えない”僕のことをとても貴重な存在に思ったらしい。


時給を3倍にするから働いてくれと言ってきた。


当時の僕の時給は1000円。


マックのバイトが680円の時代で、飲食店の時給1000円は、

貧乏な田舎モノの僕にとって魅力的だった。


それが3倍になる。時給3000円だ。


休憩を差し引いて一日9時間働くと、一日で27000円。


毎日やれば月30日として810000。


僕はバイトを続けることにした。


昼間の人達は、誰もそのオッサンを見ていないらしい。



深夜の営業に関して全権を渡された僕は、バイトを雇うことにした。


一人では何もできない。



時給を1200に上げて募集をかけたところ、すぐに応募があった。

しかし、雇った人は皆すぐに辞めていく。

理由は皆「怖いから」とのことだった。


事務所で面談をしていた人が、

僕の顔の少し横を見て固まったこともあった。

どうやら見えたらしい。

一向に僕は何も見ない。

なぜ僕には見えないのかはわからない。


逆に見てみたいとも思ったが、

やはり見えたら怖いと感じるのだろうか。


僕が鈍感なのだろうか。

それとも、所謂守護霊というものに守られているのだろうか。

わからない。


根気良く募集を続け、4人が残った。


ワケあり主婦のTさん。

フリーターのMさん。

人生の一発逆転を狙うNさん。

ボクシングのライセンスを持つSさんの4人だ。



どうやら僕の店は、地元では


「出る」「見えないヤツはおかしいってくらいに出る」


と有名になっていたらしい。


出るのであれば是非とも見たい。


見える上にお金ももらえるなんて素敵だ。


そういう魂胆の元に応募してきた人々だった。



全員が“見える人”らしく、

そういったものに慣れていたように思う。


彼らはイカれていた。



事務所の隅に向かって「よっ」と手を挙げて挨拶をするNさん。

ロッカーの前で空間に質問をしているTさん。


「煙かけたら消えちゃったよ〜」


とはヘビースモーカーのMさんの言だ。


Sさんだけは少し恐怖を感じるらしく、でも、


「もう人間相手じゃ恐怖って感じないんすよね。

久々っすよこの感じ」


と言っていた。



結局、僕はその仕事を6年間続けた。


その間に何人かバイト希望者が来たが、

結局はすぐに辞めていった。僕を含めたその5人で6年間。


その6年間で、僕は一度だけオッサンを見た。


パソコンに向かって売り上げを打ち込んでいたとき、

ディスプレイの片隅に人の顔が見えた。


ん?と思って振り返ると、一瞬だけそのオッサンが見えたのだ。


黒い服を着て、メガネをかけて、坊主頭の小太りなオッサン。


そしてふっと消えた。


それが僕の人生における、最初の心霊体験だ。


50代くらいだろうか。

焦げてはいない。


トイレと間違えて、たまに事務所に

お客さんが入ってくるような造りの店だったのだが、

またお客さんが紛れ込んだのかな?というくらいに、

普通の人間のような存在感だった。


Tさんに、「そのオッサンてメガネかけてる?」と聞くと、


「あ〜、そう言えばかけてるかも〜。

焦げ焦げでよくわかんないんだけど、多分かけてるね」


と言っていた。


こんな僕だから、霊体験はほとんどないのだが、

このバイトのメンバーとつるんでいると、

やたらと不思議なことが多かった。


また機会があれば、他の体験も書くかもしれない。





posted by kowaihanashi6515 at 12:56 | TrackBack(0) | 洒落怖

2019年01月30日

同窓会の案内【怖い話】





僕が今年の夏に経験した話です。



今年の夏、田舎に帰るかどしようか迷っていた頃、
ヨッシーから電話がありました。


『何年も戻ってないけど、どうしてるんだ?
 今年の同窓会には参加しないのか?


 今年は盛大にやるから、先生たちも同級生も、
 ほとんどみんな出てくるんだ。

 幹事のミエも、お前に連絡がつかないとぼやいていたぞ。

 電話してやってくれ』


そんな内容だった。



ミエの電話番号を聞いて、彼女に連絡して、
今年の同窓会に出席することにした。





同窓会に出席すると、同級生や先生達の懐かしい顔があった。


25年目ぶりなので、
ほとんど顔と名前が一致しなくてみんなに怒られたり、
あきれられたり、


「相変わらず失礼なやつだなぁ」

と、仲の良かった先生にも笑われた。


しかし、その中にヨッシーはいなかった。





幹事にそのことを聞くと、

「ヨッシーって誰?」

と聞き返された。



確かにそのあだ名と顔は思いされるのだが、
名前は苗字も下の名前も思い出せなかった。

他の誰に聞いてもわからなかった。


そして、僕に電話をかけた人間は誰もいなかった。


幹事のミエもそういえば、


「他のみんなにはハガキで出席の確認を取っていたので、
 自宅の電話番号しか教えていないのに、

 あなただけ携帯に直接かけてきたのはビックリした」


と言っていた。



その場の空気が悪くなりそうだったので、
それ以上話を広げなかったが、誰も嘘を言っている感じではなかった。





2次会でまたそのことが話題になった。


誰もヨッシーを思い出せなかったし、後輩や両親、
兄貴にまで電話をかけてみたけど、誰も知らなかった。


僕に同窓会を教えてくれた友人は誰もいなかった。


ただ、母親がヨッシーらしき友人を覚えていた。


前に一度、汚れた古本を「誕生日のプレゼントだ」と言って
持って帰ってきたことがあった。



あんまり熱心に読んでいるので、捨てろとは言い出せなかったが、

プレゼントにゴミ箱から拾ってきたようなものを渡すとは、
へんな友達だなぁと思ったので良く覚えている、

との話だった。





タニグチが

「リダイヤルか何か残ってないか?」

と聞いてきた。



携帯の着信は10件保存されるので、
あまり使っていない僕の携帯には、
彼の電話番号が残っていても可笑しくはない。


調べてみると、確かにそれらしい番号があった。


リダイヤルを押すと突然、
扉の向こうで携帯の着信音らしきものが鳴り出した。


すぐに友人の何人かが扉を開けたが誰もいなかった。


その瞬間、僕の携帯の電池が切れてしまった。
(それ以来壊れてしまった)


みんな怖くなって、2次会は早々に切り上げることになった。





そして先日、ヨッシーからのメールが届いた。


『そのうち、そっちに遊びに行くから、その時は泊めてくれよな。』

と書かれてあった。


返事はまだ書いていない。





posted by kowaihanashi6515 at 01:48 | TrackBack(0) | 洒落怖

霊媒師 【呪い・怖い話】





これは母から聞いた話です。



親戚に体格の良い叔父さんがいた。(母からは義理の兄)

特にスポーツをやっていた訳ではないが、
子供の頃から農作業を手伝っていた所為か腕っ節は強かった。



その叔父さんが結婚したばかりの頃。


夜中の12時頃になると、

訳の判らない事を口走ったり、自分で自分の首をしめたり、
いきなり高いところへ駆け上り跳び下りようとしたり、

奇行が目立つようになっていた。


しかも不思議なことに、30分ほど経つとピタリとおさまり、
その間にやっていた事は全然覚えていなかった。



そのようなことが1〜2週間続き、
周りで取り押さえる方が疲れ始めた。


また、此のまま放って置くと
本当に自殺するのではないかと心配し、
いろいろな所へあったっていると、


或る親戚の一人が

「良いお祓い屋さんがいる」と、

とあるおばちゃんを連れてきた。



おばちゃんは、
特にこれと云って変わった感じは受けなかったが、

叔父さんを見るなり、

「あんた、呪われているよ。心当たりはないですか?」

と聞いてきた。


叔父さんには心当たりが一つだけあった。

最近結婚した奥さんが以前はやくざの女だった。


(相手は本当のやくざではないし、
情婦と言うほどの付き合いでもなかったらしいが)


それを相手のやくざから強引に別れさせ
(無論、今の奥さんに頼まれて)、
それが切っ掛けのような形で結婚したのだ。



呪いをかけられる相手として浮かんだのは
その男しかないと思ったので、そのおばさんにそう答えた。


するとおばさんは、


「そんな男に大きな力はないと思うから、
きっとお金で雇っているのね。

 まあ、任せときなさい。今晩お払いしときますから。


 一週間ほどしてからまたきますから、
本当に払えていたらその間なにもないはずですから。

 お金はその時に準備して置いてくださいね」


そう言って、
1〜2時間ほど不思議なお祈りをして帰っていった。



その夜からピタリと奇行は無くなり、
家族みんなグッスリ眠れるようになった。




やがて一週間が経ち、そのおばちゃんにお金を払い
(母の話だと、普通の人の月給程度)お礼をした。



母は好奇心が強いので、
そのおばちゃんと世間話をしながらいろいろ聞いてみた。

そして、一番気になっていたことを聞いた。



「相手の人が、呪いをかけ直すと言う事はないんですか?」


「ええ、一週間も経っていれば大丈夫です。

 私のは、呪いを払ったんじゃなく、返したんですから。

 相手は、私と同じような商売の人。


 まあ、私もこんな商売していれば、
畳の上では死ねないと思ってますから」


そう云っておばちゃんはにっこり笑った。


母は「人の笑顔がこんなに怖かったのは初めてだった」

と言っていた。




posted by kowaihanashi6515 at 01:43 | TrackBack(0) | 洒落怖

解体屋でのバイト【謎・不可解な体験】






解体屋でバイトしてたんだけど、

家屋解体してるといろんな変わった家や変わったもんが出てくる。


山の方の古民家や古民家はアツい。


押入れの中に骨がギュウギュウに入ってたり、

漆喰っていうか塗り物の壁の中に、長い髪の毛が入ってたり、

家の真ん中に入口のない部屋があって、そこに小さい鳥居が立ってたり。


結局は何でもかんでも壊してダンプに乗せて捨てちゃうんだけどな。


余りにも気味の悪いもんや縁起モンは酒と塩かけて...まあ結局は捨てるw



そんな中でもある日、

某渓谷のとある古くからの豪邸を壊す仕事を持ちかけられた。

そして俺は社長と一緒に運転手として下見に行ったんだわ。



家の中の残置物とかの確認は、見積もりする社長とその息子が見るから、

俺は車外でタバコ吸ってジャンプ読んでた。



すると田舎に珍しい高級車が停まってるせいか、

多分近所の婆さんが何しに来たのって俺に話しかけて来た。



俺たちは解体屋でこの家を壊す下見に来たんだよって答えると、

婆さんが


「ああ、この石の家を壊すんだねえ」


って言った。



見た目普通の木造のでかい古民家だし、なんで石の家なん?

医師の家?お医者さんが住んでたの?って聞いたら、

婆さんは


「いや、石があるんだよ」


って言った。


俺は、なにそれ?壊すと祟られたりしちゃうの?

って冗談で聞いたら、婆さんは


「知らないよ、ただ単に不思議な石があるみたいだよ」


って笑って答えてくれた。



興味の出た俺は、その家に入って社長たちを探すことにした。

門から入ると、母屋と荒れてはいるが広い庭。

そしてその庭の片隅には蔵がみっつ並んでた。

ちょうどそこに社長の息子の姿があったから、俺は蔵の方に歩いて行った。


社長と息子がいたのは、三つの蔵のうち真ん中の蔵。

社長はその中にいたんだけど、その蔵の中が変わってた。


その真ん中の蔵だけ正方形で、その中央に土俵みたいに円の形で、

白い石が埋め込まれてて、そのまた円の中央に、

1m真っ角くらいの黒い石の板と、

直径1mくらいの白い石の板が向かい合うように立ってて、

社長はそれをずっと眺めてた。


俺はモノリスみてーだな、気色ワリイとしか思わなかった。



その日はその家を調査して帰ったが、

数日後すぐにその家の解体を請ける事が決まった。


解体初日の朝、会社に集まると珍しく社長が出てきて俺たちに言った。


「蔵にある石の板は絶対に傷つけずに持って帰って来い」と。


で、俺たちは現場であるその家に向かった。


木造の家屋なんて壊すの簡単なんだよ、

広い道と土地さえあれば重機で一気にやっつけちゃうんだけど、

朝の社長の一言があったから、

真ん中の蔵には手をつけず他のとこからバンバンぶっ壊していった。



で、数日たって真ん中の蔵ぶっ壊すかとみんなで中に入ったら、

いきなりリーダーのコウさん(超マッチョな中国人)が

蔵の外へ飛び出して吐き始めたんで、

俺たちがどうしたんすか?って聞くと、


「あの蔵ヤバイよ、気持ちわるいよ」


って言い出した。


俺たちは平気だし、やらなきゃ終わらねえから仕事続けようとしたら、

コウさんは


「ヤバイから帰る」


って、勝手にダンプの一台に乗って帰ってしまった。


しょうがねえから俺たちだけで壊して、

例の石は養生してダンプに積んで持ち帰った。


会社に戻るといきなり社長に俺たちは怒られた。


コウさんが激怒して会社辞めるって飛び出した、


「お前たち何したんだ!」


って怒られたけど、俺たちに分かるわけがない。



だから社長に、あの石のある蔵を壊そうとしたらコウさんは怒り出して、

いきなり帰ったんでわかりませんて言ったら、

社長は俺たちを突き飛ばすようにダンプに積んだ石の所に行って、


「早くこれを運ばんか!」


って怒鳴り始めた。


本当に訳がわからなかったけれど、

社長の言うとおりに応接間にその石を社員総出で運んだ。


そして社長は、それを応接間のソファーの上に置かせた。



それ以来社長は、

その石にお茶を出したり話しかけたりするようになった。


俺たちと社長の息子は気持ち悪いと思ってたけれど、何も言わなかった。



1週間くらいしたら、社長が突然


「息子に跡を継がせる」


って言いだした。


息子にしても本当に突然だったみたいで、会社はしばらくバタバタした。


しばらくろくに仕事できねえだろうなと思って、

俺はバイトをしばらく休むことにして、沖縄に2週間旅行しに行った。


帰ってくると会社はすっかり新体制で動いてた。


息子に社長は?って聞いたら、石と一緒に遠くの実家に行っちゃって、

連絡しても満足に帰ってこないって言ってた。



あの石、やばいもんなのかな?って息子に聞いたら、

息子もそう思ったらしくて、あの民家の近所の人に聞いたみたいだ。



それによると、

「過去2人あの蔵で死んでるということを聞かされた」と。


一人はその家のご主人、

もう一人は全く知らないその街の人間ですらないオッサン。


二人共事件性はなかったみたいだけどって話だった。


それから数ヶ月して俺もそこをやめちゃったから、

その後前社長がどうなったかは知らない。


ただあれから10年以上たったけど、会社はまだ続いてる。


というか息子がうまくやったのか、

新しいビルを建てるくらい儲かってるみたいだ。


やっぱりあの石ってなにかヤバイ、

もしくは不思議なもんだったのか?なんてふと思ったりする。









2018年11月28日

俺の実家は小さい寺【怖い話】






俺の実家は小さい寺をやってて、

親父が憑き物祓いや人形供養してるのを何度も見てたが、

今までで1番怖かったのが赤ちゃんの人形。


ミルクとか飲ませるような結構デカイ人形(わかるかな?)。


当時10歳くらいだった俺は、夜トイレに起きると、

人形部屋(供養する人形や、供養前の人形を集めた部屋)から、

ミャーミャー猫のような鳴き声が聞こえたので、

部屋に入って電気をつけた。



そしたら、ダンボールにガムテープぐるぐる巻きにした箱があって、

中からミャーミャー鳴き声とガリガリひっかいてるような音が聞こえ、

中に猫がいる!と思った俺は、

ガムテープをはがしてダンボールのふたをひらいた。



途端に鳴き声が止まり、中を見ると、

中にいたのは猫じゃなくて赤ちゃんの人形だった。



普通寝かせると目をつぶるタイプの人形なんだけど、

目をパッチリ開けて俺の顔を見ていた。


俺は怖くなって逃げようとしたが、

数歩後ずさったとこで腰を抜かし恐怖で動けなくなった。


ただひたすら箱を見ていると、箱がカタカタ揺れて人形の手が出てきて、

箱のフチを掴んだのが見えた。


出てくる!って直感的に思った俺は、目を瞑って叫びまくった。

そしたら親父が来て人形を抱き上げ、人形に向かって


「もう寝なさい」


と言い、今度は木箱を持ってきて、中に入れ蓋を閉めた。



その後、親父に「何をしてたんだ!」と酷く怒られて、

「箱の中から猫の鳴き声がした」と説明すると、溜め息をついて、

「今度から何かあったら、まず自分に言いなさい」と言われた。


その人形は、その日の夕方に近所のおばさんが持ってきて、

まだ親父も中の人形を見ていなかったそうだ。


そして次の日に、その人形は燃やす事になった。



寺に持ってきた人形でも、無害な物は人形部屋で供養しているのだけど、

動いたり声を出したりするのは危険だから、燃やす事にしていたらしい。



木箱に入っている人形に、お経を唱えながら親父が火をつけた途端に、

中から昨日のミャーミャー言う声が激しく聞こえてきた。


それに構わず親父お経を唱えた。



燃やした人形を出すと、

原型を止めていない黒いプラスチックの塊になっていた。


その塊は箱に入れて、無縁仏の墓に埋葬した。



その後何も無く、今では都内で独り暮らしをしているが、


夜中に猫の声が聞こえると、ビクッとしてしまう自分がいる。







posted by kowaihanashi6515 at 19:42 | TrackBack(0) |

2018年11月22日

神様に求婚されたけど、振った姉【 ほんのりと怖い話】【神様・神社系の話】





姉の話。


姉はここ2、3ヶ月まえからダイエットしてる。



事務所の昼休みや帰りにウォーキングしたり


自転車で出たりしてて そのコースの途中に神社があるんだって。



だけどその神社は、

私も見たことあるんだけどいつも閉まってる


鳥居の足元にガレージとかにあるような

Xがいっぱい連なったみたいな感じの門がついてて、

鳥居からは入れないようになってる。


でも神社の隣にお寺があって、そのお寺から神社に行ける。


なんか姉はこの神社(以下A神社)に気に入られてるみたいだった



姉自身もいつも閉まってるA神社に興味持ってたみたいなんだけど

まるでA神社にも呼ばれてるみたいっていうのか車で前通ったとき、

寝てても誰かに呼ばれたみたいにパチって目覚めてきょろきょろして


「あ、ここの神社の前だったかー」


ってことが何回もあった


でもそのお寺とA神社は車が止めづらい場所にあって

なかなかお参り自体は出来なかったのね


私もかなり前に、一回姉にくっついて初詣に行ったことはあるけど


「寂れた神社だな。もっと掃除すればいいのに」


くらいしか思わなかった



境内に白い猫がいてその子はかわいかった



で、姉はウォーキングの途中にA神社に寄ってみた。


一回目は何もなかったんだけど、そのうち怖い夢を見るようになった


なんか怖いモノに襲われててどっかに避難してるのに、

そこから誰か知らない男の人に


「こっちに行こう、外は怖くないよ」


って、あの手この手で誘われるんだけど、


姉は「行ったら絶対にマズイ」


って思って必死に断る夢。


最初は気のせいだって思ってたらしいんだけど

一ヶ月くらい連続で見るようになって一定の法則があることに気が付いた


A神社に寄ると怖くない夢、神社の前を素通りすると怖い夢、

ウォーキングに行かないと怖いところから綺麗な場所に誘われる夢。


綺麗な場所の時はお祭りに誘われたり、

花とか星を見に行こうとか 綺麗な景色を見に行こうとか

なんかデートっぽい誘い方。


とうとうある日、姉は一番怖い夢を見た


真っ白の着物を着せられて、白木の箱に寝かされて、

火葬場の炉に入れられる。


扉が閉まると誰かが来て


「このままだと焼かれてしまうよ」


って 姉を連れ出そうとするんだって。



でも姉は


「体は焼けるけど、私は焼けないから大丈夫。

それより今出て行っちゃったら家族に会えなくなる」


って必死に断った


そしたらしびれ切らしたらしい相手が腕をぐって引っ張って、


「嫌だ!行かない!」


って叫んだら目が覚めて助かった。


「真っ白の着物って死に装束?」


って聞いたら


「花嫁衣裳だった」


って。


私は「それヤバいよ、変な神様に気に入られちゃったんじゃない?」


って言ったんだけど


姉は「神様がこんな普通の人間を気に入ったりなんかしないでしょ」


でもヤバいことは姉が一番分かってたから


「Aさんのことを言ってくる」


って、地元の大きな神社にお参りに行った。



そこでお守りを貰ってきて、

それを枕元に置いて寝るようにしたら怖い夢がなくなったらしい



今度はデートっぽい感じの夢ばっかりになったんだって。


花を貰うとか手紙が大量に来るとか


ストーカーに付きまとわれてるみたいな夢で、


そっちも必死に断ってたけど、今度は指輪を渡されたらしい。


怖いから指輪は嵌めなかったらしいけど、

指輪と言い花嫁衣装と言いなんか相手は本気っぽくない?


ってことで


地元で有名な八卦見さんのところに行くことになった。


八卦見さんはすごい人で、会って挨拶してすぐ


「○○町のA神社のことだね?」


といきなり言った。


姉は電話で


「怖い夢を見るから」


としか言ってないのに。


八卦見さんは


「あんたの後ろに神様が見える」


といって色々説明してくれた。


姉はやっぱりA神社の神様に気に入られちゃってたらしい。


でもA神社は開かずの神社になってて

誰も来ないから神様が病んじゃってた。


神様と荒れた神社に入って来た魔物が混ざって余計に病んじゃって、

魔物は姉を連れて行きたいんだけど、神様は姉を守ろうとしてる。


でも神様自身も寂しいから段々姉を神社に近付けようとしてた。


普段は神様が勝ってるし、

乱暴にすると姉に嫌われるから穏やかにしてるけど、

夢の中ではその抑えが利かなくて

あんな怖い夢になってたんだって。


地元の大きな神社にお参りしてからは、

魔物が抑えられたから 神様が正攻法で誘おうとしてる。


もう病んじゃって力が無いから、夢でしか誘えないんだって。


昔だったらお嫁さんとして修行に行かされてるところだって

言われてた。


「アンタは神様の妻になる気はある?」


って聞かれた姉は、


「いくら神様でも夢とはいえ棺桶に突っ込んでくれた

 相手なんて絶対無理です」


ってきっぱり断ってた。


八卦見さんは


「正気の時の神様は「時々姿を見せてくれるだけでいい」

 って言ってるよ。


 でも、つらかったら近付かなくてもいい」


って頷いてて、お守りはきちんと持ってろとか、

地元の神社には行くようにしろとか注意してた。


地元の神社の神様は力が強くて、

もうそこにお参りした後だったから

八卦見さんはあんまりすること無かったんだって。


姉は「なんで私が見込まれたんでしょう」

って聞いてた。


「今まで前を通ったことは何度もあるし、

 何年か前に行った時は何もなかったのに」


「前々から気にかけていらしたけど、

その何年か前のお参りに行った時にお気に召したんだろうね。


そういえばアンタ、

最近行き始めた最初の時に雨に降られたって言ってたね。


それ天気雨だったんじゃないの?」



「はい、 夕立だったんですけど、

 空の半分は晴れてて変な感じでした」


八卦見さんはやっぱりねっていう顔をした


「天気雨は狐の嫁入りっていうからね。

 嫁入りするのは狐だけじゃない、人間もだよ。


 しばらく来なくて寂しがっていたところに、

 また来てくれるようになったから、

 今度こそは逃すまいと思われたんだ」


情の深い神様だから長引くことは覚悟しなさいって言われて、

それであとは帰ってきた。


姉はウォーキングのコースを変えて、

わざわざ遠回りしてでもA神社の前を通らないようにしてる。


変な夢を見る頻度は減ったみたいで、

あとは徐々に治まっていくんだろうって言ってる。







2018年11月21日

開かずの神社【神社・神様系の怖い話】





現在進行形の話のためオチはないです。


職場の近くに開かずの神社があります。



お寺の敷地内にある神社で、神社とお寺の入り口は別々になっていて

お寺の門と神社の鳥居が横に並んでいる形なんですが、

お寺は普通に開いてるのにも関わらず、

神社の方は鳥居の下に門が取り付けられてていつも閉まっています。



家とは反対方向だからしょっちゅうは通らないんだけど

たまに前を通る時には妙に目に入ってくるのです。


バスに乗って下向いてスマホいじってても、何故かはっとして

顔を上げると丁度神社を通り過ぎるところ…ということがよくあります。


何で閉まってるんだろうって気になってたんですが

なかなか機会が無くて前を通るだけでした。


3年ほど前に一度だけ行けたことがありましたが、

それっきりずっと行っていない状態が続きました。


それで、ここ一ヶ月くらい前からウォーキングを始めたんですが

そのコースの途中にその神社の前を通るもので、

休憩がてら立ち寄ってみました。


神社はお寺の敷地と繋がってて、門こそ閉まっているけれど

お寺側からなら自由に入れるし、お坊さんも何も言いませんでした。



神社は草が生えたりしててお寺ほどきれいではありませんでしたが、

掃除はされているようでした。


で、いざお参りしようとしたら、鈴が無い。


色あせた紅白の紐はぶら下がってるんだけど、鈴は無いんです。


でもせっかくここまで来たんだから…と、鈴は無しで

「前通るたびに気になってました。今日ここに来れて嬉しいです」

と手を合わせてご挨拶だけしてきました。


その後、境内をちょっと見てきましたが

奉納されてる物を見ると十年くらい前までは

普通に開いてて近所の人が参拝に来てたみたいでした。


帰る時、寺の門を出ようとすると、急に大きな雨粒が落ちてきました


夕立というには物凄いゲリラ豪雨で、

慌てて入り口に近い神社の軒先に避難させてもらいました

ゲリラ豪雨だからか空の半分は晴れてて変な気分。


近くには雨宿りできそうな場所は全くなかったので、

もしお参りに来ていなかったらびしょ濡れになってたと思います。


神様に助けてもらったのかも…とほっこりした気分で帰宅しました。


ここまではまあ、何の害もない話。


神社に寄るようになってから、妙に怖い夢を見るようになりました。


夢なんてここ数年滅多に見なかったのに。


夢の内容はどれもリアルな感覚があって、

誰かにどこかに連れて行かれそうになって、

「いやだ、行かない」

と断って目が覚めます。


棺に入れられて火葬場の炉に入れられて、

そのまま誰かに連れて行かれそうになって断る、

ホラーゲームばりのお化けの巣窟と化した学校の教室から、

見回りのために廊下に出ようと言われて断る、

どこかの部屋に閉じ込められてて、

窓やドアをバンバンと叩く怖いものが外にいて、

それから逃げるために外に出ようと言われて断る、

怖い何かに探されてて、見つからないように必死で隠れているのに、

足元に外から大量の血が浸水してきて、

外には怖いものが待ち構えているのに出れば助かると言われて断る、

何かのホラーイベントしていて「ここは危険だから出よう」と

言われるけど「これはあくまでイベントだから」と言って断る、

カフェかレストランみたいな場所で昔ちょっと好きだっと先輩に

「外に面白いものがあるよ」と勧められるも断る、

賑やかにお祭りをしている村から、

誰かに星を見ようと誘われて外に出ようとするけど断る、

などなど。


今日なんかは山の中にある綺麗な泉を見に行こうと誘われて、

木々の緑の美しさに心惹かれて山に入りかけるも、

近くにあった池の魚に気を取られたお陰で、我に返って断れました。

誘ってくる誰かは、知っている人だったり知らない人だったり色々。


顔が見えない時もあります。


夢の中では「何か知らないけど怖いから断らなきゃ!」

と思って必死で断っています。


神社に寄った日は夢の表現はマイルドで、

寄らずに前を通っただけの日は夢の表現がR18Gに。


ウォーキングに行かなかったり、別のコースの日は、

R18Gの状態から美しい場所に誘われるパターンが多いです。


ただの夢だと言えば夢なんだけど、同じようなものばかりで気味が悪いし、

R18Gの夢は怖い。


私は一体、何の誘いを断っているんでしょうか。

とりあえず、絶対に誘いに乗るつもりはないです。







地質学の調査で山へ入ったとき地図には載っていない謎の集落を見つけた【田舎・集落の怖い話】





四国の大学で地質学の卒論を書いた。



フィールドワークで一人山に入るんだが、

基本的に道路から外れた本当山中をあるく。





基本的に山道を煤で川の上流まで上がってから、

川べりを下りながら露頭という地層が露出した個所を探しながら、

車が止めてあるスタート地点に戻る。





露頭を見つけたら、フィード帳に書き込み、

地図と合わせて地質図をつくる作業をするんだ。





その日も、一人で調査の為、山に入った。



一応コンパスと歩数でルートマップを作りつつ、

時々GPSで補正をする感じ。





たまに国土地理院の地図が間違っていて、

えらい目にあったという話も聞くが、

基本、こっちはマップを作りながら歩いているので、

まず迷うことない。





獣道をすすんで、

朝の8時から山に入って2時間ほど歩いていると、

盆地に広がる小さな集落に出た。





持っていた地図には載っていない。



集落があると言うことは、ここまで車で入れたわけで

ずいぶん山歩きを損した気になったのだけれど、



まぁ砂利道でも道を歩けるだけ良いかなぁとおもって

村の中に入っていった。





集落に近づくと、

なんかちよっと嫌な感じがした。





たしょう古ぼけてはいるけれど、

田んぼにも稲があるし戸締まりもきちんとしていて

廃虚と言う感じてはないのだけれど、

どうも人の気配がなさすぎる。





なんどかこういう集落を通ったことがあるけれど

朝方でひとが出ていないのはよくあるが、

犬なども居なくて静かすぎる。





どうしたものだろうと思っていると、

押し車を押しているばあさんが前からやってきたので

挨拶をすると、驚いたような顔をして、

ぷいと振り返って引っ込んでそれっきり。





なんか嫌だなぁ。



と思ってとりあえず、

集落の真ん中を通る道を山手のほうに向かって歩いていくと

道の脇の家に着いている電気メーターが目に入ったので、

ちよっと覗いてみてがく然とした。



ガワはあるが、中の機械がなかった。





慌てて向かいのメータを覗いたら

同じく中の機械がない。



その隣も、中身がなかった。





ここには数十件の家があるみたいが、

かなり人が住んでいない家が混じっているみたいで

ちよっと怖くなって、足早に砂利道を山手の方へいくと、



どん詰まりに公民館みたいな建物があって

なんか中から、人の声がワサワサと聞こえて、



ちよいビビりつつ公民館の横手をみると

結構大きい盛り土がしてあって、



無数の白い紙の人形のようなものが

割りばしみたいなのにつけられて突き刺さっていた。





こら、勘弁してください。



という感じで回れ右をして元きた道を一目散に下っていくと、

T字路で行き止まり。



下手は田んぼが尋がっている。





とりあえず一般道に出るために、

北方向とは向かい側の道を行くのだけれど、

一般道には出れず結局、また公民館みたいなのにいきあたる。





どうしたものか。と思っていると、

公民館から人がわらわらと出てくる気配が合って、

やっぱりちゃんと道を聞こうと出て行くと、



公民館から出て来たのが、

小学生ぐらいの子供たちがわらわらっと。





平日、学校にも行かずに

この子達は何をしているのだろう。





と思っていると中から

大人の男性が何人か出て来て、いきなり



「なにしてる!」



と叫んで、こっちに走ってきたものだから

怖くなって、全速力で山の方へ田んぼをかき分けながら逃げた。



叫び声はきこえるが追いかけてはいないようだった。





とりあえず高いところまで登って集落を見下ろすと、

外に抜ける道が一本もない。





そして奇妙なのが、公民館の裏手に無数の十字架のようなものが

立っているのが見えた。





盆地を迂回して車に戻ると、とりあえず役場に行って、

最新の地図をもらいながら、その話をしてみたが、

信じてもらえなかった。





何が何だかよく判らなかったが、

あれは、臨海学校か何かのキャンプ場だったと思うことで

納得させることにした。





一寸前に、大学の後輩から、

同じフィールドで卒論を書くとので

できたら相談にのってほしいと言われた。





卒論で書いた以上のことはなかったけれど、気になって

それとなく、あのフィールドで奇妙な場所はなかったかと聞いてみた。





一ヶ所、結構広い盆地なんですが、

一面掘り返したばかりのような更地で、

その上に、大量の便器が(トルコ式の便器らしい)

大量に捨てて合ったのを見つけたとのこと。





昔のフィールド帳を照らし合わせてみると

間違いなくあの場所だ。





「いや、ほんと、山から見ると、

 更地にごま塩みたいに便器がすててあるんですよ。

 車も入らないところに」



という後輩の話だった。








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